DuPont (E. I. du Pont de Nemours and Company) 2011年12月期の動向

ハイライト

受注

-2011年、熱可塑性樹脂ポリマー「DuPont Sorona EP」を使用した内装部品が、2011年5月に発売されたトヨタの新型ハイブリッド車「Prius α」に採用されたと発表。「Sorona EP」は、重量比で20%~37%植物由来の樹脂。トヨタ、小島プレス工業、豊和化成と共同開発され、インストパネルのエアコン吹き出し口に使用されている。(2011年8月24日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
2011年12月期 2010年12月期
合計 1,910 1,603
売上に占める割合 5.7% 5.8%

研究開発拠点

<タイ>
-2011年、タイのBangkokにASEAN地域で初となるイノベーションセンターを開設したと発表。再生可能エネルギーを含む、様々な産業向けの製品を開発する。なお、同センターは、今年6月に開設された韓国と台湾のイノベーションセンターに次いで、アジア・太平洋地域で3番目となる。(2011年8月18日付プレスリリースより)

<韓国>
-2011年、同社にとってアジア太平洋地域で初となるイノベーションセンターを、韓国と台湾に開設すると発表した。2011年6月中に開設予定。韓国センターは、エレクトロニクス市場および自動車市場が対象。一方、台湾センターはエレクトロニクス市場および通信市場に注力する。今秋初めには再生可能エネルギー関連の顧客向けに、タイとインドにもイノベーションセンターを開設する予定。さらに、中南米・欧州・北米での設立も計画されている。(2011年6月29日付プレスリリースより)

<中国>
-2011年、中国上海市に「DuPontオートモーティブセンター」を開設したと発表。中国市場向けの設計およびアプリケーション開発のワンストップ拠点。このセンターはDuPont中国研究開発センター内に位置。この新設により、化石燃料への依存度軽減に向けて、自動車用開発センターのグローバルネットワークが強化される。(2011年4月26日付プレスリリースより)

製品開発

ナノファイバーベースのポリマー電池セパレーター
-2011年、ハイブリッド車および電気自動車向けに、ナノファイバーベースのポリマー電池セパレーター「Energain」を2010年に開発した。このセパレーターはリチウムイオン電池の性能と安全性を向上させ、エネルギー効率と貯蔵性能向上に貢献。出力を15%から30%増加させるとともに、バッテリー寿命を20%延長する。(2011年4月4日付プレスリリースより)

設備投資

国内投資

-2011年、バイオ燃料を製造する工場を米国アイオワ州に新設することを明らかにした。新工場では年間2千万ガロンを商業生産する計画。同社は、ガソリン代替燃料となるバイオ燃料であるセルロースエタノールの実用化を目指している。アイオワ州にバイオ燃料であるセルロースエタノールを製造するための工場を新設する。初の商業生産に向けた工場で、13~14年にも商業生産を開始する計画。(2011年10月14日付日刊自動車新聞より)

-2011年、500百万米ドルを投じて、米国サウスカロライナ州Charleston近郊のCooper Riverに、アラミド繊維「Kevlar」の生産工場を開設したと発表。これによりまず、全世界における「Kevlar」の生産能力を25%拡大し、最終的には今後2年間で40%拡大する計画。なお、同社は「Kevlar」の生産能力拡大に向けて、2007年にバージニア州RichmondのSpruance工場にも50百万米ドルを投じている。(2011年10月7日付プレスリリースより)