Key Safety Systems, Inc. 2015年6月期までの動向
売却
-2013年5月、同社傘下のセンサーメーカーのHamlinを、Littelfuseに売却。売却金額は145百万ドル。Hamlinはリードセンサー、ホールセンサー、誘導センサー、新型リニアセンサー「PWG」の他、スイッチおよびリレーを生産している。主要拠点は米国ウィスコンシン州Lake Mills、英国Norwich、中国江蘇省蘇州、メキシコMetamorosで、2012年の売上高は約76百万ドル。
国内事業
-2015年5月、同社は従来のエアバッグインフレーターの生産能力増強計画を拡大するとともにスピードアップを図ると発表した。需要増に対応し、当初の計画より約2年前倒して、2015年12月より数百万ユニット分の生産能力を拡大する予定。今回の計画に含まれるのは、正面および側面衝突保護用のエアバッグインフレーター。 なお、同社は2015年第1四半期、記録的な速度で新規受注を獲得している。2016年に複数のプロジェクト向けに生産を開始して、早期に販売を開始するとしている。(2015年5月28日付プレスリリースより)
-2012年、同社は新ブランド「KSS ITALIA」を発表。同ブランドでは、炭素繊維、特殊革、チタン、木材など新素材を使用した部品の開発・生産を行う。自動車用製品としては、ステアリングホイール、エアバッグのほか様々な外装・内装トリムが含まれる。これらの製品はAston Martin、Bentley、Cadillac、Ferrari、Jaguar、Land Rover、Lotus、Maserati、Porsche、Toyota Racingなどの高級車ブランドおよびスポーツカーブランドに採用されている。(2012年5月21日付プレスリリースより)
-2011年、米国アラバマ州のGreenville工場において、Freedman Seating向けにバックルやリトラクターを含む3点式シートベルトASSYの生産を開始したと発表。Freedman Seatingは、米国のバス・輸送市場に大型・中型車用シートを供給している。(2011年12月22日付プレスリリースより)
-2011年、統合シートベルトテンションセンサーを米国仕様の3モデルに供給すると発表。このテンションセンサーはシートベルトバックルに統合されている。(2011年11月30日付プレスリリースより)
-2011年、乗員車外放出軽減を目的とした2013年8月施行の規制「FMVSS 226」に、同社製品が準拠したと発表。エアバッグ設計や圧縮ガスインフレーター技術により、同社は様々な車両アーキテクチャにおいて新規制に対応している。この米運輸省道路交通安全局 (NHTSA) による規制は、米国で販売される全ての乗用車に適用される予定。(2011年11月17日付プレスリリースより)
海外事業
<中国>
-2013年12月、エアバッグ内蔵シートベルト「Inflatabelt」の販売を中国で開始したと発表。このリア用シートベルトは、Ford 「Explorer」の2011年モデルに初搭載され、現在は6つのモデルに採用されている。同社はこの製品をアジア・オーストラリア・欧州・北米・南米の5大陸で販売している。(2013年12月12日付プレスリリースより)
<ルーマニア>
-2011年、ルーマニアのArad工場でエアバッグの生産を開始したと発表。同工場では、2010年にクッションの生産を開始。初のエアバッグ組立ラインでは現在、欧州自動車メーカー向けのサイドエアバッグを生産している。今後、運転席・助手席エアバッグ、ニーエアバッグ、カーテンエアバッグを含めて生産能力を急速に拡大し、10以上の顧客へ供給する計画。(2011年9月30日付プレスリリースより)
合弁事業
-2015年2月、 同社はインド合弁会社のKSS-Abhishek Safety Systemsへの出資比率を引き上げたと発表した。KSS-Abhishekは2007年に設立され、インドおよび国外市場向けにエアバッグやシートベルトなどの安全システムを供給している。設立以降、複数の自動車メーカーを新たな顧客に加えており、スズキから「Supplier Performance Award」も受賞している。今回、同社はKSS-Abhishekへの出資比率を50%から65%へ引き上げた。同じく出資比率を35%に引き上げた Guptaと引き続き提携を行っていく意向。(2015年2月24日付プレスリリースより)
パートナーシップ
-2015年3月、 同社はMobileyeとの提携を発表した。Mobileyeはカメラベースの先進運転支援システム (ADAS) や自動運転車向けに、リアルタイムの画像処理・認識システムを提供している。この提携は、Mobileyeの画像処理チップ「EyeQ」シリーズに関するもの。今回の提携により、同社は意思決定ロジックおよびハードウェアを搭載したこのチップを同社のセーフティシステムに統合し、ティア1サプライヤー として自動車メーカー向けにグローバルに供給する計画。最終的に、ドライバーへの警告や積極的介入を通じて安全運転を実現するADASの開発を目指すという。 (2015年3月30日付プレスリリースより)
主な受注
-2013年10月、同社上級ブランドKSS ITALIAは、Chryslerグループの「SRT」が新たに納入先に加わったと発表。高級車用の専門部品事業を拡大する計画。すでに、「SRT Viper」の内装向けに炭素繊維部品の納入を開始している。(2013年10月10日付プレスリリースより)
-2013年、KSS ITALIAがMaserati 「Quattroporte」向けにエアバッグの納入を開始。(2013年2月11日付プレスリリースより)
-2012年、エアバッグ内蔵シートベルト「inflatabelt」がFordの新型「Mondeo」に採用されたと発表。この製品が欧州で搭載されるのは初めてとなる。このリア用シートベルトは現在、Fordの「Explorer」、「Flex」、「Lincoln MKT」、「Lincoln MKZ」に搭載されている。(2012年9月13日付プレスリリースより)
-2011年、米国で初めて生産される起亜のミッドサイズセダン「Optima」向けにエアバッグを納入していると発表。納入先はKia Motors Manufacturing Georgia (KMMG)。KMMG工場は米国ジョージア州West Pointに位置し、2011年9月より同モデルの生産を開始している。(2011年10月10日付プレスリリースより)
新会社
-2011年、中国上海市に完全子会社を設立すると発表した。新会社「KSS Techtron」は、様々な産業向けに設計・開発・技術分析サービスを提供する。(2011年7月18日付プレスリリースより)
受賞
年 | 受賞社 | 授与社 | 賞 |
2015 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 江准汽車 (JAC) | Excellent Supplier Award |
2015 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 江准汽車 (JAC) | S3 Strategy Supplier Award |
2015 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上海汽車 (SAIC) | Excellent Supplier Award |
2015 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽GM (SAIC GM) | Technology and Innovation Award |
2015 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 長安汽車 (Changan) | Excellent Supplier Award |
2014 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 吉利汽車 (Geely) | Excellent Supplier Award |
2014 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 江准汽車 (JAC) | Excellent Supplier Award |
2014 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽VW | Excellent Supplier Recommendation Award |
2014 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽GM | Excellent Supplier Award |
2014 | KSS-Abhishek Safety Systems | Volkswagen | Quality Performance Award |
2014 | 同社 | GM | Quality Excellence Award |
2013 | KSS-Abhishek Safety Systems | Maruti Suzuki | Vendor Performance Award |
2013 | 同社 | Toyota Motor Europe | Certificate of Recognition in the area of cost |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽VW | Best Supplier Award |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 江准汽車 (JAC) | Best Supplier Award |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 一汽大衆 (FAW-VW) | Best Technology Development Award |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 奇瑞汽車 (Chery) | Best Quality Supplier Award |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 北京汽車 (BAIC) | Best Technology Development Award |
2013 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽GM | Technology and Innovation Award |
2012 | 中国・浙江省 湖州拠点 | 現代モービス | Best Supplier Award |
2012 | メキシコ Valle Hermoso拠点 | GM | Supplier Quality Excellence Award 2012 |
2012 | 同社 | Ford | World Excellence Award |
2012 | 同社 | Volkswagen | Volkswagen Group Award Puebla 2012 |
2012 | KSS-Abhishek Safety Systems | Maruti Suzuki | Vendor Performance Award |
2012 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 奇瑞汽車 (Chery) | Best Quality Supplier Award |
2012 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 江准汽車 (JAC) | Best Supplier Award |
2012 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽VW | Excellent Supplier Award |
2012 | 延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] | 上汽GM | Technology Award |
2011 | KSS-Abhishek Safety Systems | Maruti Suzuki | Vendor Performance Awards |
2011 | 同社 | Ford | World Excellence Award |
研究開発拠点
名称 | 所在地 |
グローバルテクニカルセンター | 米国 ミシガン州Sterling Heights ドイツ Raunheim 中国 上海市 日本 横浜市 韓国 ソウル |
インフレーターテクニカルセンター | 米国 フロリダ州Lakeland |
-2015年3月、 同社中国の江蘇省蘇州 (Suzhou) の蘇州国際科技園 (SISPARK) に、新たにテクニカルセンターを開設したと発表した。新センターでは、アクティブセーフティ分野で先進技術開発や応用プロジェクトの設計・試験をサポートする。主にカメラやレーダーを使った先進運転支援システム (ADAS) に注力する予定。(2015年3月24日付プレスリリースより)
-2015年2月、 同社は、米国カリフォルニア州のSunnyvaleで新たにSilicon Valleyテクニカルセンターを開設したと発表した。新センターでは、アクティブおよびパッシブセーフティ分野における先進技術開発をサポートする。共同開発の中心的役割を担うほか、西海岸に拠点を置く顧客の窓口として機能しながら、独自の技術プロジェクトのサポートや同地域における新たな研究・投資パートナーの開拓なども行うという。(2015年2月11日付プレスリリースより)
-2012年、韓国のソウル郊外に設立した技術センターが操業を開始。新センターは2棟の建物からなり、面積は1,250平方メートル超。設計・評価・試作品製造・試験などを行う。
特許
-2012年、電動シートベルト技術に関する開発において、新たに特許を取得したと発表。同社にとってこの分野での特許取得は、1990年から今回で33回目となる。最新の開発では、衝突前におけるアクティブセーフティ機能となるプリテンション式リトラクターの提供を目指している。(2012年2月14日付プレスリリースより)
製品開発
二重チャンバー式サイドエアバッグ
-2011年、二重チャンバー式サイドエアバッグを開発。Toyota Motor Europeの新型「Yaris」に初搭載される。このエアバッグには、トヨタと共同開発した技術が用いられ、コールドガスインフレーターと二重チャンバー式クッションで構成。このクッションは、2つのチャンバーの間にワンウェイバルブが設置されている。これにより、2つのチャンバーは異なる圧力レベルで作動することが可能になる。(2011年9月12日付プレスリリースより)
海外投資
<マケドニア>
-2015年5月、 同社はマケドニアのKicevoにエアバッグクッション工場を開設し、欧州での事業を拡大したと発表した。既に生産を開始している。新工場では、エアバッグクッションの裁断・縫製を行い、同社におけるエアバッグのグローバルな生産能力拡大に対応する。同社にとって欧州初のエアバッグクッション工場として、 フル稼働時には従業員1,000名を雇用する計画。(2015年5月26日付プレスリリースより)
-2014年4月、欧州における生産能力拡大に向けてマケドニア共和国へ投資を行うと発表。Kichevo市内で、2014年後半に既存設備から生産を立ち上げ、2015年半ばに新工場の建設を開始する予定。従業員800~1,000名を雇用し、まず、エアバッグクッションの生産に注力する。将来的には、生産ラインや品目の大幅な拡大を見込んでいる。(2014年4月3日付プレスリリースより)
<メキシコ>
-2015年8月、同社はメキシコのValle Hermosoにおいて、炭素繊維部品工場が稼働を開始したと発表した。新工場は、高品質の炭素繊維を使用した外装・内装部品の生産に特化する。すでに複数の自動車メーカーから受注を獲得しており、新工場で生産を行う予定。なお、新工場はイタリアTregnagoにある同社工場をモデルにしている。イタリア工場では、Aston Martin、Bentley、Ferrari、Maseratiなどに納入している。(2015年8月28日付プレスリリースより)
-2013年12月、メキシコのValle Hermosoにおいてダイカストの内製化を開始したと発表。新たに開設した工場では、まずアルミおよびマグネシウム製のステアリングホイールアーマチュアの生産を行う。製品は主に、隣接する同社の4万平方フィート超の生産複合施設に供給される予定。(2013年12月4日付プレスリリースより)
-2011年、同社にとってメキシコ初となるエアバッグインフレーターの生産ラインをValle Hermoso拠点に設置。2011年第2四半期に生産開始し、現在、出荷段階に入っている。なお、同拠点の敷地面積は約50万平方メートルで、同社の主要3製品 (エアバッグ、シートベルト、ステアリングホイール) の生産を行っている。(2011年8月17日付プレスリリースより)
<中国>
-2012年、合弁会社の延鋒百利得 (上海) 汽車安全系統 [Yangfeng Key Safety Systems (Shanghai)] (YFKSS) が中国・北京の懐柔 (Huairou) 区に新工場を開設したと発表。まず、面積2,000平方メートルの工場に従業員100名超が勤務し、ステアリングホイールの生産に注力する。工場敷地内には、ステアリングホイール事業の拡大のほか、エアバッグやシートベルトの生産ラインの増設など、更なる拡張の余地が残されている。新工場では既に生産が開始されており、2012年8月に初出荷となる予定。YFKSSはこの他に、上海の浦東康橋 (Pudong Kangqiao) にも新工場を建設中。床面積は5万平方メートル超となる見込み。(2012年6月27日付プレスリリースより)
<イタリア>
-2011年1月、イタリアTorinoに新拠点を開設したと発表。Fiatの拠点から1km以内に位置している。KSSのエンジニアリング部門、プログラムマネジメント部門、販売部門、品質部門、管理部門が入居している。(2011年1月12日付プレスリリースより)