日清紡ホールディングス (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 523,757 494,350 5.9 1)
営業利益 13,744 13,175 4.3
-

経常利益 20,650 22,171 (6.9)
当期純利益 13,693 9,011 52.0
ブレーキ製品
売上高 161,886 148,699 8.9 2)
営業利益 (2,068) (1,813) -
エレクトロニクス製品
売上高 209,115 187,742 11.4 -
営業利益 12,703 9,351 35.8
化学品
売上高 8,942 8,810 1.5 -
営業利益 514 105 389.5 -
精密機器
売上高 28,607 28,655 (0.2) -
営業利益 263 1,075 (75.5)


要因
1) 売上高
-エレクトロニクス事業やブレーキ事業が大幅に伸長したこと等により増収。

2) ブレーキ製品
国内 : 消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動から国内自動車販売が減少した影響を受けたものの、海外市場の伸びによる輸出の増加や円安効果などにより、増収増益。

海外 : タイ子会社が減収・減益、米国および韓国子会社は円安による影響もあり増収・増益、中国子会社も営業黒字化した結果増収増益。

TMD社 : アフターマーケット向け売上は減少したものの、欧州の自動車販売が増加したことなどにより業績は概ね順調に推移したが、円安によりのれんの償却費等の負担が増加した。

中期経営計画

-2017年度までに売上高6,000億円超、営業利益400億円超、ROE9%超を戦略目標に掲げている。2013年4月には、そのロードマップとなる新経営3ヵ年計画「NEXT 2015」をスタートさせ、2015年度の目標を売上高5,500億円、営業利益240億円とした。この目標達成のため、グローバル競争力を強化し、「エレクトロニクス事業の改革と成長」、「ブレーキ事業の強化」、「繊維・紙製品・精密機器・化学品事業の収益体質強化」に取り組んでいる。

-2015年3月期において、次期長期戦略目標として、2025年度売上高1兆円、ROE12%超の達成を掲げた。

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2016年3月期業績予想

 (単位:百万円)
  2016年3月期
(予想)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 550,000 523,757 5.0
営業利益 20,000 13,744 45.5
経常利益 25,000 20,650 21.1
当期純利益 16,000 13,693 16.9
主要部門別売上高
ブレーキ 170,000 161,886 5.0
エレクトロニクス 210,000 209,115 0.4
化学品 8,500 8,942 (4.9)
精密機器 30,000 28,607 4.9

研究開発費

 (単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 20,938 19,630 17,912
-ブレーキ製品 9,142 8,573 7,081
-エレクトロニクス製品 9,781 9,018 8,774
-化学品 490 580 479
-精密機器 12 23 49

研究開発拠点

ブレーキ製品
日清紡ブレーキ
開発センター、実験センター (館林事業所内)
群馬県邑楽郡
NAMI BD Center 米国デトロイト
Saeron Automotive 韓国天安市
TMD Friction EsCo ドイツ Leverkusen
TMD Friction do Brazil ブラジル Indaiatuba

研究開発活動

ブレーキ製品
1. 安全第一 (Safety First) の徹底
2. グループ理念の浸透と実践
3. 人材育成
4. 品質保証の強化
5. グローカル事業戦略の推進
6. コスト競争力のある差別化商品の提供
7. 法令遵守と事業リスクへの確実な対応
を品質目標に製品・技術の開発に取り組む。

<摩擦材>
-重要保安部品としての高い信頼性の堅持、銅規制等に対応した環境負荷物質低減材質の開発、音・振動などの顧客ニーズへの対応等に重点に開発。

-海外子会社への開発支援体制の強化や、開発・製造・生産技術の連携による原価低減活動を促進し、競争力強化を図っている。

-TMD Friction Group S.A.とのシナジー効果の早期発揮を目指し、グローバルニーズに応える製品の開発を引き続き推進。

<ブレーキ>
-グローバルビジネスの受注・拡大のため、海外子会社への開発支援体制を強化するとともに、海外技術提携先との協業を推進。

-車両の燃費向上に貢献する軽量化等、環境対応技術の実用化や将来を見据えた新技術の実用化にも注力。

-部品の標準化、開発業務の効率化を進め、開発段階からの原価低減により競争力強化を図っている。

エレクトロニクス製品
<長野日本無線グループ>
-ワイヤレス給電の要素開発、車載用コイルの高信頼性接合技術などの基礎研究に取り組んでいる。

化学品
<燃料電池部門>
-カーボンの特長を生かした燃料電池セパレーターの高性能化の研究開発に取り組んでいる。

全社共通
<無機機能材料>
-水素社会の到来に向け、白金触媒の代替として世界最高性能を持つカーボンアロイ触媒や水素吸蔵カーボンの研究開発を推進している。

主な技術導入契約

 (2015年3月31日現在)
会社名
(国名)
内容等 締結年月
(有効期間)
Meritor Heavy Vehicle Braking Systems (UK) Limited.
(英国)
ディスクブレーキASSY、ドラムブレーキASSYおよびその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供 2003年11月 - 2008年11月
(2008年11月以降1年毎自動延長)

主な技術供与契約

 (2015年3月31日現在)
会社名
(国名)
内容等 締結年月
(有効期間)
Rane Brake Linings Limited
(インド)
ブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェーシングの製造技術、原料配合および製造設備技術情報に関するノウハウの提供 2010年1月 - 5年間
亨通機械股份有限公司
[Heng Tong Auto Parts Inc.]
(台湾)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術、原料配合および製造設備技術情報に関するノウハウの提供、提携製品の工場建設の指導 2013年12月 - 3年間
ドラムブレーキおよびその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供 2013年6月 - 3年間

設備投資額

 (単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 36,909 19,895 20,123


ブレーキ製品
-2015年3月期、連結子会社TMD Friction GmbH他の摩擦材製造設備の増強等に4,888百万円の投資を実施。

設備の新設計画 (自動車関連)

 (2015年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
TMD Friction Do Brasil S.A.
(ブラジル)
ブレーキ製品製造設備 6,438 2014年
2月
2016年
12月
-
TMD Friction Esco GmbH
(ドイツ)
ブレーキ製品製造設備 7,400 2015年
9月
2020年
12月
-
Nisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.
(タイ)
ブレーキ製品製造設備 (第二期投資) 674 2013年
4月
2015年
9月
-
ブレーキ製品製造設備 (第三期投資) 1,684 2014年
9月
2017年
12月
生産能力10%増加