住友電気工業 (株) 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,159,942 | 2,059,344 | 4.9 | - |
営業利益 | 76,790 | 86,946 | (11.7) | - |
経常利益 | 94,116 | 106,696 | (11.8) | - |
当期純利益 | 37,955 | 58,861 | (35.5) | - |
自動車関連事業 | ||||
売上高 | 1,070,650 | 991,246 | 8.0 | -欧米市場の低迷や中国問題に伴う減収があったが、東日本大震災やタイ洪水からの日系自動車メーカーの生産回復、米国市場の回復等が奏功。 |
営業利益 | 53,116 | 54,331 | (2.2) | -グローバル生産体制構築に関する費用、新製品開発に向けた研究開発費等がかさみ、減収。 |
合弁事業
スチールコード-韓国の大手タイヤ補強材メーカーの暁星 [Hyosung Corporation] と設立した合弁会社「Sumiden Hyosung Steel Cord (Thailand) Co., Ltd.」の開所式を行ったと発表。タイのラヨーン県アマタシティ工業団地に設立された新会社ではスチールコードの生産を行う。資本金は11.3億バーツ (約30億円) で、出資比率は住友電工70%、暁星30%。2014年の販売量は約3,000t/月、同年の売上額は約55億円を見込んでいる。(2012年11月5日付プレスリリースより)
電気自動車用コネクター
-同社と住友電装は、充電コネクターを手がける独レマ社とともに電気自動車用コネクターの開発、設計を行う合弁会社「スミ・レマ・EVソリューションズ」を設立すると発表。2012年11月をめどに新会社を設立し、欧米のコンバインド・チャージング・システム (通称コンボ) 規格に沿った充電コネクターを開発する。現在、住友電工グループでは日本のCHAdeMO (チャデモ) 規格に合わせてガン、インレットなどを製品化しているが、日欧両地域の規格に沿って製品を揃え、EV向け部品事業の拡充につなげる。2013年度中にもコンボ規格のコネクターを製品化する計画だ。(2012年10月25日付日刊自動車新聞より)
2014年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2014年3月期 (予測) |
2013年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
売上高 | 2,400,000 | 2,159,942 | 11.1 |
-自動車関連事業 | 1,255,000 | 1,070,650 | 17.2 |
営業利益 | 100,000 | 76,790 | 30.2 |
経常利益 | 120,000 | 94,116 | 27.5 |
当期純利益 | 60,000 | 37,955 | 58.1 |
>>> 次年度業績予想 (売上、営業利益等)
中期経営計画
-2013年、同社は2018年3月期を最終年度とする、新中期経営計画「17VISION」を発表。数値目標は以下の通り:(単位:億円) |
2014年3月期 (予測) |
2016年3月期 (目標) |
2018年3月期 (中計最終年度目標) |
|
売上高 | 24,000 | 26,000 | 30,000 |
営業利益 | 1,000 | 1,300 | 1,800 |
営業利益率 | 4.2% | 5.0% | 6.0% |
ROA (総資産利益率) | 5.0% | 7.0% | 9.0% |
自動車関連事業
-同社は中期経営計画達成のため、コア事業としてのハーネス/コネクター、防振ゴム事業のさらなる拡大に加え、以下戦略を実行していく:
1) 非日系市場シェアの拡大
- ハーネス/コネクター、防振ゴムの市場シェアの拡大
- 軽量化 (アルミハーネス等)、モジュール化への対応
- エレクトロニクス製品 (セントラルゲートウェイ等) の拡大
- 次世代自動車/環境対応車向け製品 (アイドリングストップ・システム関連製品等) の投入
- 最適地生産の追求
- 自働化技術の開発
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 94,287 | 86,582 | 79,026 |
-自動車関連事業 | 57,866 | 49,017 | 45,107 |
研究開発活動
ワイヤーハーネス/車載エレクトロニクス機器事業-同社と住友電装、および両社の共同出資によるオートネットワーク技術研究所を中心に、安全・快適・環境のニーズに対応した新製品の開発を実施。
-ワイヤーハーネス:
- 次世代車載システムに対応できるハーネスアーキテクチャーを構築し、それに必要な要素技術の開発を推進。
- 環境対応としてハーネスの軽量化に取り組んでおり、銅に比べ軽量なアルミを使ったワイヤーハーネスの開発に成功し量産化に至った。
- 市場規模が拡大している電気自動車/ハイブリッド車用高圧ハーネスやコネクター等の開発を推進。
-車載エレクトロニクス機器:
- 電動系、情報系のネットワーク化に対応すべく、PD (Power Distributor) 等のエレクトロニクス機器や半導体デバイス、ボディ制御ECU、次世代の車載LAN (Local Area Network) の開発をソフトウェアを含めて推進。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 147,883 | 135,039 | 98,424 |
-自動車関連事業 | 76,914 | 60,498 | 45,666 |
-自動車関連事業では、ワイヤーハーネス・防振ゴムの増産および合理化のための投資を実施。
海外投資
<タイ>-同社と住友電装は、タイに自動車用アルミ電線の製造拠点を設立すると発表した。両社は2010年にアルミ電線を用いた自動車用ワイヤーハーネスの生産を開始した。両社が海外で自動車用アルミ電線の製造拠点を設けるのは今回が初めて。自動車用アルミ電線は燃費向上や車体の軽量化のニーズから需要が増えている。今後は東南アジア諸国連合や中国での需要増を見込みタイに製造拠点を設立、グループへグローバルに供給する。ラヨーン県アマタシティ工業団地に立地するグループの現地子会社「SEIタイ・エレクトリック・コンダクター」が、敷地内に自動車用アルミ電線工場を建設、14年9月に量産を開始する。生産能力は1カ月当たり約100トンを計画している。(2013年3月5日付日刊自動車新聞より)
<インドネシア>
-同社は、インドネシアで自動車用エンジンの弁ばねなどの素材となるオイルテンパー線を製造すると発表した。日系自動車メーカーが自動車生産能力を増強しており、日系自動車部品メーカーが相次いで進出しているインドネシアでの需要増加に対応する。インドネシアでPC鋼材などを生産している子会社のスミデン・セラシ・ワイヤー・プロダクツ (SWWP) がオイルテンパー線の製造設備を新設する。住友電工はSSWPの資本金を5,100万ドルに増資した後、オイルテンパー線製造ラインを新設し、2013年10月から生産開始する予定。住友電工グループのオイルテンパー線の生産能力は12年度上期対比で約25%増の年産1万8千トンに拡大する見込み。(2012年11月17日付日刊自動車新聞より)
設備投資の見通し (2014年3月期)
-全社で1,600億円の投資を計画。-自動車関連事業では、ワイヤーハーネスと防振ゴムの製造設備等に930億円の投資を予定。