愛知製鋼株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位: 
百万円
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
要因
全社業績
売上高 235,637 224,953 4.7 最適生産体制の構築に取り組むとともに、生産性向上の推進に努めた。
経常利益 10,109 15,773 (35.9) 合金鉄等の原材料価格の値上がりと、減価償却費や外注費のコストアップによる。
当期純利益 4,922 8,152 (39.6)
部門別売上高
鋼材 128,078 117,480 9.0 販売数量は減少したが、2005年7月以降の販売価格の改善効果が見られた。
鍛造品 100,163 99,821 0.3 主要需要先の自動車世界生産台数の増加に対応するため、最適生産体制の構築に努めた。
電磁品 2,975 3,407 (12.7) -


海外動向
米国の鍛造部品工場でトヨタ自動車向けの生産を拡大すると2007年3月に発表。

詳細は設備投資を参照。

開発動向

2007年3月期の研究開発費は2,446百万円、研究開発人員は約190名。

鋼材事業:  1,090百万円
自動車部品用の新しい特殊鋼の開発、ステンレス鋼の新しい製造方法等

-2007年3月期の主な成果
・自動車部品の軽量化に寄与する高強度鋼の開発及び環境対応材料の開発

鍛造品事業:  92百万円
自動車用部品として使用される鍛造品の開発

-2007年3月期の主な成果
・環境改善およびリサイクル率向上を図るために白色潤滑剤を使ったクランクシャフト鋳造法の開発
・全数品質保証のための検査技術の開発

電磁品事業: 1,263百万円
磁気インピーダンス(MI)センサの開発、モータ用の磁石の開発、歯科用磁性アタッチメントの開発、車載電子機器用放熱部品の開発等。

-2007年3月期の主な成果
・MIセンサを応用した超微小ナノテスラ磁界検知センサ

設備投資

2007年3月期は、鋼材・鍛造品事業を中心に、全体で28,359百万円の設備投資を実施。

鋼材事業:  原価低減を目的とした製鋼および圧延設備の合理化等の設備投資で8,432百万円。
鍛造品事業:  生産能力増強・原価低減を目的とした設備投資で17,302百万円。
電磁品事業: 生産能力増強等を目的とした設備投資で2,571百万円

海外投資
米国の鍛造部品工場でトヨタ自動車向けの生産を拡大する。現在は、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターといった米国自動車大手向けの割合が 高いが、トヨタの北米現地生産の拡大に伴って、急速にトヨタ向けの比率が高まっている。このため、トヨタ用鍛造品の生産を拡大するための投資を2007年 度から行い、2010年には、トヨタ向けの納入割合を、現在の3割弱から5割程度に高める。米生産拠点「ルイビルフォージ・アンド・ギアワークス」(ケン タッキー州)は、現地との共同出資会社だった企業を1999年に同社が完全子会社化。クランクシャフト、コンロッドなどエンジン用鍛造部品を生産してい る。トヨタの現地生産拡大により、エンジン用鍛造品の現地での需要も拡大する見通しであることから、順次、増産対応を図る。2007年度から2009年度 まで、年間10億円程度を投資し、トヨタ用のクランクシャフトなどを増産するための周辺設備に投資する。(2007年3月22日付日刊自動車新聞より)

設備の新設
事業所名
(所在地)
事業の種類 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着工 完了 完成後の
増加能力
知多工場
(愛知県東海市)
鋼材
3号電気炉環境対策 1,273 2005年
12月
2007年
9月
*
圧延鋼材生産設備 他 4,989 2005年
9月
2009年
8月
*
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
鋼材 刈谷圧延ライン統合 1,460

2005年
11月

2008年
2月
若干増加
圧延鋼材生産設備 962 2006年
3月
2008年
12月
*

鍛造工場
(愛知県東海市)

鍛造品 ローリングミル8号ラインの新設 1,936 2005年
11月
2008年
2月
若干増加
鍛造品生産設備 2,045 2005年
3月
2009年
6月
*
東浦工場
(愛知県知多郡)
電磁品
電磁品生産設備 他 637 2006年
3月
2010年
12月
*
岐阜工場
(岐阜県各務原市)
電磁品
電磁品事業用の工業用地の取得 3,744 2005年
12月
2009年
6月
*
* 設備後の生後の生産能力は、2007年3月末とほぼ同程度となる見込み