株式会社ヒラタ 2006年度の動向
ハイライト
単位:百万円 | 2007年3月期 | 要因 |
売上高 | 151,542 |
下記参照。 |
営業利益 | 6,883 | |
経常利益 | 6,679 | |
当期純利益 | 4,519 |
(注):2006年4月1日に株式会社ヒラタと株式会社本郷が合弁し、2007年3月期は株式会社エイチワンとしての第1期のため、前年との業績比較は行っていない。
①生産面:亀山製作所に新溶接ラインを構築。
同期生産システムの導入
主要納入先であるホンダの車両組み立て計画に完全にリンクして部品の生産を柔軟に調整する「同期生産システム」を、国内で全面展開する。来年から未導入だった前橋製作所(群馬県)、亀山製作所(三重県)へのノウハウ移管を開始するとともに、09年までに協力サプライヤーを含む全工程で対応を完了させる。収益力の改善に結びつけるとともに、こうした"体質改革"によって生じた余力を、ホンダ系以外の受注開拓に振り向け、事業基盤の強化を目指す。(2006年11月10日付日刊自動車新聞より)
②海外展開:
アジア:2006年4月に清遠愛機汽車配件有限公司 (QH Auto Parts Industries Inc.)、同年12月に武漢愛機汽車配件有限公司 (WH Auto Parts Industries Inc.)が完成し、稼動を開始。
アジアでの金型供給能力強化
金型の調達体制を強化する。中国やインド、タイなどのグループ工場の金型供給能力をアップして内製化率を30%に引き上げるとともに、アジアなどの外部金型メーカーからの調達能力も向上させることで、安定的な金型需給に向けての最適化を図る。今年3月から金型を生産しているタイでは、生産能力を08年度までに年間200型に倍増させる。現在年間60型を生産するインドについてもマシニングセンターなどの設備を増やして、07年度に100型に引き上げる。また、今年11月から金型を本格生産し、年間30型を生産する予定だった中国では、07年度には金型の生産設備を増設して08年度までに年間60型と生産能力を倍増させる。国内で金型を生産している郡山製作所の設備も増強する計画。(2006年6月16日付日刊自動車新聞より)
北米:主力得意先の増産対応のため、最新鋭の3,000tトランスファープレス機の導入と生産体質改革のための新溶接ラインを構築。
③連結収益力の向上:持分法適用関連会社であった関係会社の大半について合併前2社(株式会社ヒラタ、株式会社本郷)が同率を保有していた議決権が合併により一本化され、連結子会社となった。
中期経営計画
09年3月期に売上高1,500億円、経常利益72億円を目標とする中期経営計画を策定した。目標達成のため、アジアや米国での生産能力を増強するとともに、グローバルで金型を相互補完する体制を構築する。また、車体重量軽減ニーズの高まりから高張力鋼板(ハイテン材)の需要も増えているため、開発力強化も図る方針で、車両骨格部品メーカーとしてナンバーワンを目指す。今後、主力商品の一つであるドアビームの世界生産も拡大する計画。コストを低減し、重量を軽減した曲率パイプビームの開発を強化するとともに、生産量についても現在年間800万本を07年度までに1千万本に増やす計画。北米やインド、タイの工場では生産設備を増設して、生産能力を増強する。開発体制の強化では、金型の世界相互補完体制を構築し、内製率を引き上げる。今年度からタイと中国で金型を生産するほか、日本とインドの生産能力も増強する。内製能力増強とともに、海外工場の現地調達能力を向上させて金型の安定調達を目指す。(2006年5月15日付日刊自動車新聞より)
開発動向
2007年3月期の研究開発費は650百万円。
自動車部品事業関連の主要課題
-溶接接合加工工法技術の開発
-高強度材料、軽量化材料のプレス加工工法技術の確立
-外板部品プレスの加工工法技術の確立
-材料の硬度化技術の開発
-厚板精密プレス加工方法と組付加工技術との複合による機能部品の開発
-CAD、CAM、CAEの技術革新にあわせたシステム開発及び技術者養成
技術援助契約(2007年3月現在)
相手方 | 国名 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
Midwest Stamping Corporation | 米国 | 四輪車部品 | 1)技術的知識、情報及びノウハウの提供 2)工業所有権の提供 |
1987年9月から1997年10月まで (以後1年ごと自動更新) |
UYT Ltd. | 英国 | 四輪車部品 | 1)技術的知識、情報及びノウハウの提供 2)工業所有権の提供 |
2001年7月から2006年7月まで (以後1年ごと自動更新) |
Yachiyo of Ontario Manufacturing Inc. | カナダ | 四輪車部品 | 1)技術的知識、情報及びノウハウの提供 2)工業所有権の提供 |
2006年7月から2010年6月まで (以後1年ごと自動更新) |
設備投資
2007年3月期は、自動車部品関連事業を中心に25,739百万円の設備投資を実施。
自動車部品事業関連では、新型自動車部品の量産開始に合わせて専用設備9,136百万円、生産能力改善のための生産用汎用設備及び工場の増改築等で1,663百万円の投資を実施。
海外投資
ドアビームの海外での生産体制を強化する。07年に中国の工場に生産設備を導入するほか、タイでもドアビームを生産する。さらに米国工場にドアビーム生産のための第2ラインを設置して生産能力を増強する。中国、タイともに製品はホンダの現地工場に供給し、ホンダの海外拠点に、現地で供給する体制を構築する。同社はドアビーム製品を今後成長が見込める主力部品と位置づけており、07年にはドアビームの生産能力を現在よりも25%増の年間1千万本に引き上げる計画。ホンダの国内モデルでは同社製ドアビームのシェアは72%、また同社のドアビーム生産量は05年度で約800万本。(2006年5月30日付日刊自動車新聞より)
北米で生産体制を増強する。現地の主力拠点であるKTH(オハイオ州)で3千トン級のトランスファープレス機を来年1月に稼働するほか、08年夏までに北米に複数の2500トン級プレス機やレーザー溶接機を順次増設する。これらによって、高張力鋼板やテーラードブランク工法を採用した軽量タイプの骨格部品の増産体制を構築し、インディアナ州に新工場を立ち上げるホンダの支援体制を拡充する。これまで米国では、要望するスペックの高張力鋼板が入手しにくく、現地化を見送るケースがみられたが、最近、調達にめどがついてきたたため、プレス設備を増設する。(2006年11月28日付日刊自動車新聞より)
設備投資計画
会社名/事業所名 | 所在地 | 投資予定金額 (百万円) |
着手年月 | 完了年月 |
エイチワン | ||||
亀山製作所 | 三重県亀山市 | 1,349 | 2006年11月 | 2007年10月 |
前橋製作所 | 群馬県前橋市 | 1,802 | 2006年7月 | 2008年9月 |
郡山製作所 | 福島県郡山市 | 2,741 | 2007年3月 | 2008年2月 |
第一技術室 | 群馬県前橋市 | 5,439 | 2007年3月 | 2008年2月 |
第二技術室 | 福島県郡山市 | 55 | 2007年3月 | 2007年8月 |
連結子会社 | ||||
KTH Parts Industries Inc. | アメリカ オハイオ州 | 7,216 | 2006年4月 | 2008年3月 |
Kalida Manufacturing, Inc. | アメリカ オハイオ州 | 1,612 | 2006年4月 | 2008年3月 |
KTH Leesburg Products, LLC. | アメリカ アラバマ州 | 2,129 | 2006年4月 | 2008年3月 |
KTH Shelburne Manufacturing, Inc. | カナダ オンタリオ州 | 4,308 | 2006年4月 | 2008年3月 |
広州愛機汽車配件有限公司 (GH Auto Parts Industries Inc.) |
中国 広東省 | 2,540 | 2006年1月 | 2007年12月 |
清遠愛機汽車配件有限公司 (QH Auto Parts Industries Inc.) |
中国 広東省 | 145 | 2006年1月 | 2007年12月 |
H-one Parts(Thailand)Co., Ltd. | タイ アユタヤ県 | 4,499 | 2006年1月 | 2007年12月 |
H-one India PVT., Ltd. | インド ウッタルプラディッシュ州 | 1,494 | 2006年4月 | 2008年3月 |