タカタ株式会社 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 515,857 501,866 2.8 -欧州、アジアでの売上が好調に推移。日本は横ばい。北米は下半期に販売が減速。 エアバッグが全地域で好調。
営業利益 36,732 39,641 (8.6) -欧州、アジアでは上記の増収効果等により増益となったものの、厳しい事業環境を反映して日本、米州において減益。
経常利益 36,397 39,825 (8.6) -欧州・アジアでの収益改善を達成したが、日本・米州での減益が影響し減益。
当期純利益 22,878 23,540 (2.8) -実効税率の大幅な低減等により減益。


<製品別売上高>
シートベルト製品
-新規受注の増加した欧州・アジアでは増収となったが、日本・米州では減収となり、全体としては150,716百万円と、前年度比1.4%の減少。

エアバッグ製品
-米州でのカーテンエアバッグ・サイドエアバッグ等の拡販・搭載率アップ、及びアジアでの市場拡大により、前期より継続して増収基調となった。また、日本・欧州でも販売が好調に推移。その結果、売上高は226,994百万円と前年度比11.1%の大幅な増加。

その他製品
-全地域でステアリングの販売が好調に推移したものの、米州におけるトリム製品販売の減速等により、売上高は138,145百万円と前年度比4.5%の減少。


国内動向
-重要プレス部品の内製化・高速一貫生産を推進のため、2007年12月に佐賀県有田工場を竣工。


海外動向
-欧州では、インフレータ生産の最適化・効率化を目指して、フライベルグFreiberg工場の生産能力を増強。

-インドでTakata India Private Limitedを新設。



今後の課題
-成熟市場への高機能製品投入によるマーケティング
-アジアをはじめ新興市場での生産設備の増強(積極投資)
-グローバル・ビジネス拡大への研究開発投資と新興国での現地の技術者人材の育成
-将来ビジネス確立に向けたM&amp;Aの積極活用

<アジアでの事業展開>

中国の生産体制の強化
-フルレンジの生産体制確立推進
(SB,AB,SW等の生産に加えインフレータ工場建設)
-研究開発能力の充実によるローカルビジネスの強化

韓国の現地生産の開始

-シートベルトの現地生産に加えエアバッグ工場建設
-研究開発能力の充実によるローカルビジネス拡大

インドの工場設立準備
-本格的な現地生産体制の構築
(2009年の生産開始に向けた工場建設)

タイの生産体制の強化
-新工場建設によるフルレンジでの生産能力の増強
-エコカー対応強化

フィリピンの生産体制の強化
-フィリピン第2工場建設による生産能力増強

アジア・オセアニア地域での販売強化

開発動向

研究開発費

  2008年3月期 2007年3月期
合計 22,643 21,786


研究開発体制
-研究開発拠点は、日本(滋賀)、米国(デトロイト.)、欧州(ベルリン)の3極に設置。

-ドイツのベルリンにある開発センターの施設・設備を一新し、TAKATA R&amp;D Center Berlinを2008年4月に開設した。これに伴い、ドイツ国内に従来からある2つの研究開発施設「ウルム」「アシャヘンブルグ」の研究開発機能をベルリンに集結させ、機能強化と効率の向上を目指す。投資金額は2,000万ユーロ(約32億円)。(2008年4月23日付プレスリリースより)


研究開発成果(2008年3月期)
(1) マグネティックサイドインパクトセンサー
このセンサーは、各国における側面衝突要件の強化に合わせ開発推進したもの。従来技術ではカバーできない広い範囲にて衝突検出性能を向上することが可能で、あらゆる側面衝突に対応するセンサーとし顧客に提案し量産に向けた評価を推進中。

(2) 後部座席用シートベルト(日本市場向け)

(3) 歩行者保護用エアバッグシステム(欧州市場向け)

設備投資

設備投資費
-2008年3月期の設備投資費用は、36,226百万円。

-主な設備投資は、ドイツ・ベルリンの研究開発センター新設、佐賀県有田町のシートベルト用バックル生産工場新設、メキシコ・モンクローバのエアバッグ生産工場増設、設計システムの開発等。

-2007年8月、欧州における自動車エアバッグ用インフレーターの生産体制を再編成するとともに、大幅に能力を増強すると発表した。現地法人2社で手が けるインフレーター生産を、独ザクセン州のTAKATA-PETRI (ザクセン)の1社に集約する。その上で、2カ所ある同社生産拠点のうち、フライベルグ工場をメーンと位置付け、約21億円を投じて拡張する。拡張工事は 2007年秋に完了見通しで、その後は生産規模を現状2倍に当たる年間1600万ユニットに引き上げる。今回の再編では、2社3拠点に分散しているインフ レーターの生産拠点を1社2拠点に集約、生産事業の効率化を目指す。特に、フライベルグ工場は、主力工場として、生産ラインを拡張、大幅に能力を増強す る。エアバッグは、1台当たりの搭載数の増加や小型車での標準装備が進んだことで、欧州でも需要が急増している。こうした需要に応えるため、生産体制の合 理化と能力増強を図る。(2007年8月4日付日刊自動車新聞より)


設備の新設 (2008年3月末現在)

会社名/事業所名
(所在地)

設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手年月 完了年月
Takata (Changxing) Safety Systems Co., Ltd. (中国 長興) エアバッグ部品生産設備 2,226 2006年1月 2009年3月
TK Holdings Inc.
(メキシコ モンクローバ)
エアバッグ部品生産設備 2,400 2006年12月 2008年8月
同社及びタカタ九州株式会社(佐賀県 有田町) シートベルト用バックル生産設備 4,230 2006年11月 2008年5月
Takata India Private Limited (India) Incorporated
(インド チェンナイ及びデリー)
シートベルト、エアバッグ及びステアリング生産設備 3,500 2008年1月 2010年1月
同社(佐賀県 愛知川) 設計システム 3,220 2006年7月 2009年12月
Takata-Toa Co., Ltd.
(タイ チャチェンサ)
シートベルト、エアバッグ及びステアリング生産設備 2,255 2008年5月 2009年1月