クラリオン (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
 2011年
3月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 186,711 178,318 4.7 -上期には東日本大震災に起因する国内での部品供給問題、下期にはタイの洪水被害による輸入部品の供給問題があり、また、円高の進行等不透明な状況が続いた。しかし、部品サプライチェーンの急速な回復、国内自動車メーカーの新車生産台数・販売台数が回復基調にあること、米州の自動車市場が著しく伸長したこと等の好材料を背景に増収となった。
営業利益 7,873 4,936 59.5 -
経常利益 7,193 4,153 73.2
当期純利益 7,532 1,383 444.6

事業提携

-インドの現地企業と提携して車載用CDプレーヤーの委託生産を2013年から開始する。インド国内の日系メーカーや海外メーカーに納入し、現地での部品調達ニーズに応える。現地企業への委託生産により、初期投資を抑えるとともに、現地の調達ルートを活用してコスト競争力を高め、新規受注の獲得にも結びつける。同社は、インド向け車載オーディオをタイから完成品輸入している。インド国内の需要増加に伴い、現地企業と提携してインド国内分を現地生産に切り替える。構成部品の大半はインドで現地調達し、制御用の基盤は同社のタイ生産拠点から調達する。提携先企業へは技術指導を行い、生産効率を高める。生産開始当初は、インド国内のメーカーに納入するが、将来的にはインドから完成品の輸出を検討する。 (2012年3月6日付日刊自動車新聞より)

海外事業

-中国やインドなどの新興市場向け戦略を強化する。中国に営業・開発・購買機能を日本から順次移管するとともに、カーナビの生産・販売体制も強化する。中国を低コストでカーナビを生産・開発する中心拠点として体制を整える。インドではカーナビと車載オーディオの現地生産を検討する。成長が見込まれる新興市場に開発・生産体制を日本からシフトすることで、事業の拡大を図る。同社はグローバル戦略を進めるため、中国やアジアベルト地帯、中南米での生産や開発体制を強化する方針だ。中国、アジアベルト地帯、中南米の新興市場の2010年度の合計売上高は325億円だったが、14年度に770億円と倍以上に増やす計画だ。 (2011年11月11日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2013年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 (実績) 増減
売上高 190,000 186,711 1.8
営業利益 8,800 7,873 11.8
経常利益 7,700 7,193 7.0
当期純利益 6,200 7,532 (17.7)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 14 142 86

研究開発活動

-2012年3月期の研究開発の主な成果は以下の通り;
  • 自動車向けクラウド型テレマティクスサービス「Smart Access」を構築
  • 車載カメラによる走行支援と駐車支援の商品化
  • 多様化する車室内音響技術への取り組み
  • フルデジタルスピーカーの開発

技術導入契約

(2012年3月31日現在)
相手先 国名 内容 契約期間
ディスコビジョン・アソシエイト
(Discovision Associate)
米国 光学系ディスクプレーヤーの製造技術

1994年12月01日-
許諾特許権満了日

財団法人道路交通情報通信システムセンター 日本 VICS技術情報の使用に関する契約 1995年11月28日-
両当事者での
終了確認日

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 3,361 1,601 1,946

国内投資

-生産設備ならびに金型等に352百万円の設備投資を実施。

海外投資

<米州>
-Electronica Clarion, S.A. de C.V.のEMS事業の設備投資更新等により503百万円の設備投資を実施。

<欧州>
-167百万円の設備投資を実施。

<アジア・オーストラリア>
-タイ新工場の設立および中国工場の生産設備更新、新機種生産のための金型等に2,337百万円の設備投資を実施。

<タイ>
-タイで車載用オーディオとカーナビゲーションの生産を強化する。2012年4月に稼働を開始する新工場の生産計画を前倒しし、工場の拡張スケジュールを早める。新工場で生産する製品は、日産自動車やいすゞ自動車、ゼネラル・モーターズ(GM)に供給するが、日系メーカー各社が計画しているコンパクトカーの生産拡大を踏まえ、他の日系メーカーへの納入を視野に生産能力を増強、新たな受注拡大につなげる。タイ新工場の拡張により、14年度末までに生産規模を拡大、15年度から200万台を生産する体制を整える。(2012年3月29日付日刊自動車新聞より)

-2012年春に稼働開始を予定しているタイ工場の機能を順次、拡大していく。当初はカーオーディオの生産から立ち上げるが、1、2年後をめどにカーナビゲーションシステムの生産も開始する。日系を中心にタイでの車両生産を強化している現地完成車メーカーに供給するほか、市販市場での拡販も目指す。加えて、自由貿易協定(FTA)などの貿易優遇策を生かして、周辺のASEAN諸国や市場の急拡大が続くインド、さらには欧州などへの製品輸出も計画している。また、製品開発や資材・部品調達などの機能も加えていく計画で、今後、グローバル規模での中心拠点として育成していく。(2011年8月9日付日刊自動車新聞より)