Pirelli & C. S.p.A. 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ユーロ)
2008年12月期 2007年12月期 増減率(%) 要因

売上高

4,100.2 4,161.7 (1.5) 1)

営業利益

150.7 358.1 (57.9) 2)

要因
1)
-売上高は、前年度比1.5%減の4,100百万ユーロ。販売量は、通期では6%、第4四半期に限れば19%と大幅に減少したが、営業ベースでみた正味売上高は1.3%増加。ハイエンド製品への集中が継続し、販売価格の引き上げにより、コストアップを一部相殺できたおかげで価格/製品ミックスは、前年比で7.3%好転。一方で為替差益は、前年にくらべ2.8%減少した。 南米は市場の好況と第3四半期まで為替高が有利に動いたことから伸張したが、欧州と北米の市場の収縮で全社的な販売量は落ち込んだ。

2)
2008年度、営業利益は、下記の要因が影響。
-全ての製造コスト(原材料費、エネルギーなど)が上昇。特に原材料費は、前年度と比べ195百万ユーロ高騰。(うち、下半期で150百万ユーロ。)

-下半期(特に第4四半期)のOEM市場の下降。

-景気後退に対処するため100百万ユーロのリストラ開始決定。


OE事業概況
-OE向け事業は、上半期、米国ではすでに鈍化がみられていたものの、欧州での需要は好調に推移、南米や新興国市場も極めて好調だった。しかし、下半期は、自動車市場の需要が収縮。この需要減は、特に第4四半期に集中。OEMが在庫収縮に向けて大幅な生産調整を行なった。その結果、タイヤの需要も低下した。(第4四半期、タイヤ市場は、欧州-23%、北米-26%、メルコスール-26%。通期では、欧州-5%、北米-17%、メルコスール8%。)


企業買収
-同社は、トルコ子会社Pirelli Turk Lastikleriの株式25.75%および同Celikordの株式48%をIsbankから取得。今回の株式取得で、Pirelli Turk Lastikleriへの出資比率は95.35%、Celikordへの出資比率は100%に引き上げた。(2008年8月21日付プレスリリースより)


合弁会社
-Pirelli & C. SpAは、Russian Technologyとの間で、乗用車/小型・大型トラック用タイヤ、タイヤ補強用スチールコード、自動車用フィルターの生産・販売を行うための合弁会社設立に向け、基本合意書(LOI)を締結。この提携はロシア/CIS諸国での事業が対象。合弁企業は、両社選任の役員による経営体制とすることで合意。具体的な事業戦略や運営方法についてはPirelli主導とし、Pirelliのブランド名を冠した社名を採用予定。(2008年6月4日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費 (単位:百万ユーロ)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
全社 145 148 147
売上対比 3.5% 3.6% 3.7%

設備投資

設備投資額 (単位:百万ユーロ)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
タイヤ部門 285 262 224

乗用車
-市場の需要動向に合わせ、欧州では高級タイプタイヤの製造を拡大、また、その他のタイヤについては、地域ごとの生産から中国、ルーマニア、ブラジルなど低コスト地域での集中生産に移行することを決定。

大型トラック - スチールタイヤ
-地域ごとの生産をとりやめる方針に基づき、中国やトルコという低コスト地域での生産を拡大、またブラジルとエジプトでのプロジェクトを開始。製造工程では、MIRS技術より生まれたSATT(トラック向けSpiral Advanced Technology)技術を応用した生産設備の導入を継続。

スチールコード
-ブラジルでの亜鉛冶金スチールワイヤーの生産拡大やイタリアでの新製品、新素材用のプロトタイプ製作は、終了間近。