Montupet SA 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 204.4 395.4 (48.3) -
営業利益 (19.5) 17.3 - -

事業概況

-経済危機や景気後退に対処するため、従業員を削減。工場のリストラは継続中。

-英国や北米での事業は英国BelfastとメキシコTorreonの工場を中心に行われた。

-2008年に生産を停止し、Montupet UKに設備を移管したCalcastは、2009年第1四半期に完成品在庫を処分した後、2009年度の決算では、操業停止もしくは売却対象として処理された。これによる売却益は1.686百万ユーロ。

-カナダのMontupet Limiteeも操業停止もしくは売却処分されることになった。

-フランスのホイール事業は、2009年1月1日にさかのぼって子会社に移管。新会社Francaise de Roues SASは純損失1.329百万ユーロを計上。2009年12月期決算では操業停止もしくは売却対象として処理。

-フランスの工場(ホイール事業を除く)では、自動車サプライチェーン全体にわたる登録台数減少や在庫数削減の影響を受けた。第1四半期の著しい落ち込み のあと、"小型"エンジンシリンダーヘッドや構造部品が徐々に回復、特にChateaurouxで活気が戻った。この例外的な状況の中で労働時間の調整は 短期労働者への依存度を高めることによって実施した。Laignevilleでの労働協定は、2010年から同工場の競争力を向上することで従業員代表機 関と合意に至った。

-Belfastの製造工場2ヶ所では、全く反対の状況だった。Fordの2L以上のディーゼルエンジン用シリンダヘッドは、前年の生産量の半分。一方、 PSAのDV 1.6Lディーゼルエンジンシリンダーヘッド"は、低価格中型自動車市場の好調のおかげで、生産量の減少はほんのわずかにとどまった。賃金や労働時間は従 業員代表との交渉によって調整。また、50名の余剰人員削減計画も実施して、組織や人員を状況に適応させることができた。

-一方、旧Calcast工場に設置されていた2台のカルーセル成形装置は、2010年末から新Fordシリンダガソリンエンジン"Sigma"を製造開始するためにBelfast工場に移設。

-2009年のスペイン事業は、2008年に比べ35%下回った。工場は、ターボチャージャーや排ガス再生バルブをつけたボディーなど高付加価値部品に製 品ミックスを強化することにより将来に向けた活動を継続した。これらの高成長製品は新型エンジンの排気量や排出ガスの削減に貢献する。

-西欧の工場の支援をうけて、ブルガリアの拠点は4つ新製品の投入やAudi(V6エンジン用シリンダヘッド)とBMW(Miniのシリンダヘッド)2社 の新規顧客との取引開始など発展を続けた。月間の生産トン数は徐々に20から200トンに増加している。生産を丸1年継続したあと、同工場は品質マネジメ ントシステムISO/TS 16949と環境マネジメントシステムISO14001を取得した。

-2009年のメキシコ事業は景気低迷の影響により稼動が2008年と比べ40%減少したが、それにうまく対応することができた。生産性も維持し、GMやDaewoo向けの新製品も開発した。

-2009年、ホイール事業は子会社のFrancaise de Roues SASに移管された。品質や生産の面では回復を続けており、納入量は2008年と比べ15%減にとどまり、シリンダヘッド事業くらべ経済危機の影響が少な かった。製品ミックスは高付加価値製品へシフトしている。

-子会社を海外展開の可能性が高いグループへ売却する構想は引き続き検討中。2010年にはインドのグループDeltronixとの交渉が進展した。

開発動向

研究開発費

(単位:千ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期
全社 10,645 7,852

-2009年12月期の研究開発費は、同社とFrancaise de Roues SASが8.4百万ユーロ(研究税額控除対象の支出)、Montupet UKが0.73百万ユーロ、Montupet Eoodが0.73百万ユーロ、Alumalsaが0.59百万ユーロ、Montiacが0.2百万ユーロ。

-2010年12月期の研究への予算は、4.8百万ユーロ。顧客のシリンダヘッドに対するより高い性能や小型化、耐久性といった要望のために、この予算に はフランスLaignevilleでの大きさの改良や通常、鋳造シリンダヘッドに使用される砂に樹脂鋳造を混合させる割合を増やすといった主要プロジェク トの2.2百万ユーロも含まれる。砂は工場内で回収、再利用される。

-さらに、新しい部品開発への予算は14.4百万ユーロ。(1.9百万ユーロの予算外)。これには新しく加わったFDPAの予算は含まれない。

研究開発活動

-2009年、フランスでの税額控除の対象となる研究開発の主軸は、新たなシリンダヘッドの開発や関連するプロセス、熱疲労ベンチの改良、新たな合金の開 発、シミュレーションツールやコアプロセスの改良、新電気自動車ハウジングの開発、低圧鋳造プロセス監視システムの開発だった。

-フランス以外での研究開発の主軸は、新しいシリンダヘッドの開発で、ブレーキ製品やハイテクターボチャージャー製造用の重力鋳造にもとづく新製造プロセス。