Bosch [Robert Bosch GmbH] 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2017年
12月期
2016年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 78,066 73,129 6.8 1)
EBIT 4,916 3,594 36.8 2)
モビリティー・ソリューションズ
売上高 47,384 43,936 7.8 3)
EBIT 3,322 2,210 50.3 4)

要因

1) 全社売上高
-2017年12月期の売上高は、前年比6.8%増の78,066百万ユーロ。年間通じ為替の悪影響を除き売上は8.4%伸びた。為替の悪影響は120百万ユーロ。売上増はアジア太平洋で13.5%、欧州で5.6%であった。北米は2.0%減で南米は16.4%増。

2) EBIT
-2017年12月期のEBITは、前年比36.8%増の4,916百万ユーロ。収益増加の主な理由はモビリティ・ソリューション事業部門の利益改善結果。

3) モビリティ・ソリューションズ 売上高
-同部門の売上高は、前年比7.8増の47,384百万ユーロ。ITKエンジニアリングの取得により約85百万ユーロ増加。一方スターターモーター・ジェネレーター部門の売却は数字的には2017年12月期に影響は無かった。パワートレイン・ソリューションではガソリン直噴射システム、パワーエレクトロニクス、トランスミッション技術やCVYなど需要増が売上高を伸ばした。ディーゼルシステムの売上も中国での成長により増加。シャーシ―システムコントロール部門は特に安全システム、ディスプレイ、インフォテイメントシステムなど最新ドライバー支援システムの高い需要で売上が増加した。エレクトロニクス部門は運転制御ユニットやセンサーの売上が増加。また、自動車ステアリング部門では電動ステアリングシステムの売上増が主因。

4) モビリティ・ソリューションズ EBIT
-同部門EBITは、50.3%%増の3,322百万ユーロ。特にステアリング部門とカーマルチメディア部門での大幅な調整費用や投資が事業部の他の部門の利益により相殺された。



買収

-同社は、イタリアのAlbertini Cesareの全株式を取得する計画があると発表した。Albertiniはアルミ鋳造メーカーで、電動パワーステアリングシステム用キャストハウジングなどを製造する。Milan近郊のVillasantaに本拠を置き、現在はイタリア北部2拠点を有する。従業員数は400名超。同社はAlbertiniをステアリング事業部門に統合する予定。同部門は世界12カ国に15,000名の従業員が従事し、乗用車および商用車用ステアリングシステムソリューションを開発している。(2017年6月1日付プレスリリースより)



再編

-同社は、グループ企業を通じて保有していた曙ブレーキ工業の全株式を売却したことを明らかにした。同社は曙ブレーキの株式12.13%を保有する大株主だった。株式売却後も部品の供給など取引があるものの「影響はない」(同社)としている。同社は1987年に曙ブレーキと技術援助契約を締結、その後、株式を取得した。また、曙ブレーキは2009年に同社の北米ブレーキ事業を買収、その後も同社の北米以外のブレーキ事業について買収に向けて協議していたが11年3月に断念した。(2017年12月21日付日刊自動車新聞より)

-2017年9月23日、鄭州煤礦機械集団股份有限公司[Zhengzhou Coal Mining Machinery Group Co., Ltd.] は池州中安招商股権投資合伙企業(有限合伙)[Chizhou Zhongan Zhaoshang Equity Investment Llp (Limited Partnership)]及び崇徳基金投資有限公司[China Renaissance Capital Investment Inc.] と共同で、Robert Bosch Investment Nederland B.V.が保有するRobert Bosch Starter Motors Generators Holding GmbH (略称 SG Holding) の全株式を買収すると発表した。SG Holdingはスターター、オルタネーター事業子会社の統括会社。買収手続き完了後、鄭州煤礦機械はSG Holdingの研究開発プラットフォームと生産販売網を取得する。なお鄭州煤礦機械は2017年3月、亜新科集団[ASIMCO] 傘下の自動車部品会社を買収している。(2017年9月23日付け鄭州煤礦機械集団会社公告より)

-Mahle Groupは、同社とMahleの合弁会社Bosch Mahle Turbo Systems(BMTS)を投資会社のFountainVest Partners(FountainVest)に売却すると発表した。今回の取引は2017年9月6日に合意に至っており、FountainVestは約1,300名の従業員を含む全事業を取得する。BMTSは2008年設立、同社とMahleは2017年初めからBMTSの売却を計画していた。FountainVestは、BMTSの事業を成長の見込める中国および北米市場に参入させる。(2017年9月7日付プレスリリースより)

-Knorr Bremseは、同社グループの日本における商用車向けトランスミッション事業の買収によって製品ポートフォリオを増強し、アジアの顧客ニーズ対応を強化すると発表した。アジアの市場潜在性は大きく、中国の商用車市場はすでに欧州の2-3倍になっているとしている。同社は現在、全範囲のトランスミッションマネジメントシステムをカバーしており、大部分の製造とエンジニアリングはすでにアジアで実施している。(2017年8月21日付プレスリリースより)

-同社は、Robert Bosch Starter Motors Generators Holdingを中国鄭州の鄭州煤鉱機械集団(ZMJ)と香港の崇徳資本投資(CRCI)に売却すると発表した。ZMJは商用車および乗用車用スターター、ジェネレーター、その他エンジン部品のサプライヤー。投資会社のCRCIは、長年のビジネスパートナーとしてZMJをサポートする。(2017年5月2日付プレスリリースより)

-同社は、eモビリティに特化した部門を新設したと発表した。eモビリティ部門は、既存のガソリンシステム事業部とディーゼルシステム事業部を統合して新設されたパワートレインソリューションズ事業部に属し、2018年初めから活動を開始する。パワートレインソリューションズ事業部は、60以上の拠点で働く約88,000人で構成され、既存顧客および将来の顧客向けにパワートレインに関するソリューションを包括的に提供する。また、内燃機関を搭載した乗用車・商用車、ハイブリッド車、電気自動車の3分野に注力する。同社は、パワートレイン向けソリューションの開発に毎年数十億ユーロを投資、特にバッテリーを中心としたeモビリティの研究開発に400百万ユーロを投資している。同社は既に、30を超えるeモビリティ関連のプロジェクトを、世界各国の自動車メーカーから受注している。現在同社は約1,800人がeモビリティ事業に携わっている。(2017年2月7日付プレスリリースより)



合弁

-同社、三菱電機、Geo++、u-bloxの4社は、マスマーケット向け高精度GNSS (Global Navigation Satellite System) 測位サービスを行う合弁会社としてSapcorda Servicesを立ち上げることに合意した。4社は、現在市場に普及しているGNSS測位サービスが、高精度測位を必要とする新興マスマーケットのニーズを十分に満たしていないと考え、システムインテグレーター、自動車メーカー、受信端末メーカーなどがグローバルで利用可能な新しい高精度測位サービスの実現を目指し、提携を決定した。Sapcorda Servicesは、グローバルに利用可能なセンチメータ級GNSS測位サービスをインターネット配信および衛星配信を通じて提供する。このサービスは、市場規模の大きな自動車・産業用・コンシューマ向け市場に適した形で提供される。リアルタイムに利用できる測位補強情報サービスとして、オープンフォーマットで配信され、様々な受信端末やシステムで利用することができるという。 (2017年8月8日付Bosch/三菱電機プレスリリースより)



提携

-同社とNikola Motorは、電動パワートレインを共同開発すると発表した。Nikolaのクラス8(重量級:GVW15トン以上 )の水素燃料電池トラックのパワートレインに、同社のeアクスルを組み込む。Nikolaは2021年までにクラス8の水素燃料電池トラック「Nikola One」および「Nikola Two」を市場投入する予定。両社はお互いのノウハウを使用して、世界初のデュアルモーター搭載商用車向けeアクスルを開発するという。両社はeアクスルとペアになる燃料電池システムも共同開発。制御システムについてもBoschのソフトウェアおよびハードウェアをベースとして共同で開発を行う。さらにセーフティコンセプトや電動アーキテクチャなどを含むパワートレインシステムについてもNikolaの製品ラインナップに搭載予定。(2017年9月19日付プレスリリースより)



事業動向

-同社は、世界市場向けのハイブリッド車用新型48Vバッテリーを発表した。新モデルの車両に容易に適合できるこのバッテリーは、2018年後半に生産開始予定で、ハイブリッド車のエントリーモデルへの搭載を見込む。同社はバッテリーに加えて、パワートレイン部品も供給予定。48VハイブリッドシステムBRS(boost recuperation system)に対応する48Vバッテリーは、特に中国系自動車メーカーの間で需要が増加している。同社は2025年までに、1,500万個の48Vバッテリーを市場投入する予定。(2017年10月10日付プレスリリースより)

-同社は、グループ傘下の同社 Indiaがインドの顧客向けに2018年からエレクトロモビリティ製品の生産を開始すると発表した。同社はモーター、コントロールユニット、バッテリー、充電器、ディスプレイを統合した電動化システムや、2輪、3輪、4輪電動車両向けアプリを開発している。試験段階では、インド市場に適合したパワートレインプラットフォーム製造に向けた開発が行われている。(2017年9月1日付プレスリリースより)

-同社は、タイにおける2017年の売上見通しが非常に明るいと発表した。この見通しは、タイ政府が経済および産業の発展を後押しする大規模インフラ開発プロジェクトによるところが大きいという。このプロジェクトは2017年下半期から開始予定。これにより自動車産業の輸出の見通しは暗いが、国内販売は回復の兆しを見せている。同社は政府の政策に沿ったインダストリー4.0の長期戦略を掲げており、コネクティビティソリューションやIoTによって製品やサービスを提供する。(2017年7月6日付 Bangkok Postより)

-同社 Indiaは、2017-2018年度に90億ルピーを投資すると発表した。総投資額のうち、約15%は研究開発費となる。同社 Indiaのエンジニア数は18,500名で、グループ全体の30%超を占め、ドイツ以外では最大の研究開発センターを有する。同社 Groupは、2006年以降インドで1,000件超の特許を取得している。2017年2月には、インドで商用車および乗用車向けコネクテッド車両ソリューションを開発した。さらに、マイクロ気候モニターシステム(Micro Climate Monitoring System:MCMS)もニューデリーで開発している。(2017年6月14日付プレスリリースより)

-同社は、VWグループのディーゼル車両の排ガス不正問題で、カリフォルニア州の裁判所から和解合意に最終承認を得たと発表した。同社は米国で販売されたVWおよびAudiの2.0Lディーゼルエンジン搭載の2009-2015年モデルおよび、VW、Audi、Porscheの3.0Lディーゼルエンジン搭載の2009-2016年モデルの所有者と販売店を対象に、総額327.5百万ドルを支払う。なお、今回の和解は民事訴訟のみに対するもので、刑事訴訟に関して同社は今後もドイツおよびその他各国の捜査当局への協力を継続する。(2017年5月18日付プレスリリースより)

-同社は、Karnataka州公害防止委員会(KSPCB)からの通達により、Adugodi工場の操業を一時停止したと発表した。KSPCBがBengaluru州Bellandur湖地区の全産業の操業停止を指示した後、同社はこの決定に従った。1日当たり約39.3百万ルピーの損失になる見込み。同社はKSPCBに抗議の後、5月8日に操業を開始する予定。(2017年5月7日付Bosch証券取引所報告書より)

-Robert Bosch Venture Capital(RBVC)は、TetraVueへの投資を完了したと発表した。RBVCは同社グループのベンチャー・キャピタルで、TetraVueへの10百万ドル規模のSeries Aファンドの共同出資者。TetraVueは2008年に設立され、自動運転機能の強化に寄与する高度3D LIDARシステムの大手企業。今回の投資により、RBVCはドライバーレス車両のセンサーおよびソフトウェア分野の製品を拡大する。TetraVueの強みとなるコアテクノロジーは、特許をもつ「light slicer」技術。この技術により、時間と距離を測定し、標準CMOSセンサーを使って光強度を特定、信頼性が高く、広範囲な超高解像度の画像を低コストで作り出すことができる。消費電力は競合他社より低く、気象条件に影響されることなく最大200メートルの範囲を200万回以上同時に測定することが可能。(2017年2月16日付プレスリリースより)

-同社は、米国におけるVWグループのディーゼル車両排ガス不正問題に関する民事訴訟について和解に達したと発表した。和解の対象はVW、Audiの排気量2.0Lの2009~2015年モデルおよびVW、Audi、Porscheの排気量3.0Lの2009~2016年モデルのディーゼル車両。Boschは総額3億2,750万ドルを支払う。 (2017年2月1日付プレスリリースより)



受注

-同社の日本法人(東京都渋谷区) のウド・ヴォルツ社長は8日、東京・渋谷区の本社で開いた年次記者会見で、日系自動車メーカーから48ボルトマイルドハイブリッドシステムと、ファームウエアの無線アップデート (FOTA) を可能にするユニットを受注したことを明らかにした。両製品ともに2019年から供給する予定。また、今年初頭に燃料電池車 (FCV) の開発チームを国内に立ち上げた。将来、普及した場合に備えるなど「自動車ビジネスで最新の技術を (自動車メーカーに) 提供していく」 (ヴォルツ社長) 構え。(2017年6月9日付日刊自動車新聞より)



2018年12月期の見通し

-2018年12月期の売上高は前年比0~2%増と予測。消費財、エネルギー、ビルディング技術事業部門が平均より高い成長を示している。

-長期的には年率平均8%の成長率を目指す。買収に伴う増加分は最大3%増。EBITマージンは売上高の約7%を目指す。



事業戦略

地域別計画

-2017年12月期の同社の設備投資は以下の地域の事業に投じられた:

  • 欧州: 27億ユーロ
  • アジア・太平洋地域: 12億ユーロ
  • 米州: 4億7,000万ユーロ

<欧州>
-ドイツの設備投資は、主にガソリン直接噴射や排気センサーと同じくReutlingenの新拠点での半導体やセンサーの生産能力増強に集中した。また自動化・コネクテッド技術に焦点を合わせAbstattの研究開発活動も拡大した。

-ドイツ以外では、パワーエレクトロニクスを生産しているハンガリー Hatvanにある工場拡張に投資。またチェコ共和国 Ceske Budejviceの排気処理システムやルーマニア Clujのエレクトロニクスシステムの能力も拡張。ポルトガル Bragaの工場にも投資を行った。他にもヘッドユニットやディスプレイを生産しているポルトガル Bragaの工場やディーゼルパワートレインシステムに焦点を当てているトルコ Bursa工場にも投資が行われた。

<アジア太平洋>
-アジア太平洋地域への設備投資は主に中国のモビリティ・ソリュション事業部門の生産能力拡大に再度集中。また蘇州の新しいエンジニアリングセンターの建設も進行中。他にインド BidadiとNaganathapura、タイ Hemaraj、ベトナム Thanh、マレーシア Penangなどにある工場の拡張も行っている。

<米州>
-米州への設備投資は、北米・南米の主にモビリティ・ソリューション事業部門に集中している。投資はメキシコのそれぞれの工場同様、米国サウスカロライナ州 Charleston, Anderson, Florenceの工場の拡張に投じられた。南米では主にブラジル Campinasへの直接投資。

自動車市場向けの開発方針
-モビリティ・ソリューションズ事業部門は、電動化、自動化、コネクテッド化分野で世界の大手サプライヤーの一社になるとの目標を掲げている。同社はまたIoTにおける世界の有力企業の一社になることも目的。

-自動運転を含む様々なアプリケーションでの人工知能(AI)の可能性に焦点を当て今後5年間にAIの同社センター拡大に300百万ユーロを投資すると発表した。

-現在IoTやモビリティアプリケーションの需要の高まりに応えるべく、ドイツ Dresdenに新しいウェーハ製造工場を建設中。同社はこの施設に合計1,000百万ユーロを投資する予定。これは同社の歴史において単一としては最大の投資。

-2017年に下記売却を実行した。

  • スターターモーターおよびジェネレーター部門
  • Mahleグループとの合弁のBosch Mahle Turbo Systems
  • 日本のトランスミッション事業

またドイツ Neunkirchenの排気システム工場の操業を中止した。

-電動化、自動運転、コネクティビティに注力するためモビリティ・ソリューション事業部門の下記処理を発表した。

  • 自動車アフターマケット部門のRund um das Radホイール事業の売却
  • ステアリングコラム部隊の様々なリストラを現在検討中



研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
グループ全体 7,264 6,911 6,378
-モビリティ・ソリューションズ 5,739 5,285 4,784

-2017年12月期の同社の研究開発投資は自動運転、ディスプレイ、インフォティメント・システムやセンサーなどに焦点を当てていた。またEPSの投資も増やした。

-同社の経営方針の一つは技術および市場で起きている変化に影響を与える積極的な役割を果たすということである。これらの変化は同社にとって優位性を得る機会であり、この優位性を得るために研究開発費を増やしている。これは自動車技術が電動化、コネクティビティ、自動運転への傾向の中で特にモビリティ・ソリューション事業部門に当てはまる。

-2017年12月期の研究開発費は前年比5.1%伸びの7.264百万ユーロ。一方対売上比率は9.5%から9.3%に減少。モビリティ・ソリュション事業部門が同社の研究開発費の主な牽引者。特に自動運転、ディスプレイ、インフォティメント・システムやセンサーなどに投資。2017年12月期でモビリティ・ソリューション事業部門は同社全体の研究開発費の79%を占め前年の76%より増えた。



研究開発体制

-2017年12月末時点の研究開発要員は約64,400名。前年の5,700名より増加。研究開発要員の半分以上がドイツ以外。

-同社は、技術、商業部門で約20,000名の専門家と幹部社員を追加雇用する予定。現在募集している半数近くはソフトウェアに関連した職種。コネクテッド技術を使った生産ライン、農業などのIoTソリューションを提供するために、同社が有するハードウェアやソフトウェア関連の専門知識を結集する。募集人員はドイツで3,400 名、インドで3,100名、中国で2,500名他。技術、商業部門の約20,000名に加え、製造分野でも新規雇用を予定している。(2017年3月30日付プレスリリースより)



研究開発拠点

-同社は、今後5年間にわたってセンサー技術およびAI分野に300百万ユーロを投資すると発表した。投資が行われるBosch Center for Artificial Intelligenceは、インド、米国およびドイツにおよそ100名の専門家が従事する。自動運転車は1秒間に1ギガバイトのデータを生成するため、従来のコントロールユニットよりも多くのデータ処理を行う。そのため、自動運転車には人工知能(AI)および頭脳が必要となる。同社はこのAI車載コンピューターの生産を2020年代初めまでに開始する予定。(2017年7月4日付プレスリリースより)

-同社は、フランスのSaint-Ouen本社をイノベーションキャンパスに改修して再オープンしたと発表した。既存の施設と新施設を橋でつないだ大きなオープンスペースとなり、知識の共有化を促進する。同社は新施設の建設に総額19百万ユーロを投資した。約5,000平方メートルのフロアスペースで、従業員1,300名のうち最大300名を収容する。子会社Bosch Engineeringの管理部門や開発部門の従業員のほか、将来的にはBSH Hausgerateの営業チームも加わる予定。Boschは新施設のオープン後、2020年までに既存施設の追加改修も予定している。(2017年3月28日付プレスリリースより)



研究開発活動

-2018年初め、同社は現在および将来のバッテリーセル技術の研究の中止を決定した。例えば、次世代のリチウムイオンバッテリ技術の開発に焦点を当てたGSユアサ・三菱商事との合弁Lithium Energy and Power GmbH & Co.KGを解消など。

-同社はガソリン・インレットマニフォルドとガソリン直接噴射の組合せを含む内燃機関の様々な改良に取り組んでいる。また同社はディーゼルエンジンの噴射時間をより正確に制御するニードル閉鎖制御システムや車両の制御ユニットの数をより少なくした車両制御ユニットの開発も行っている。

-同社は、燃料や時間を節約し、大気汚染の軽減にも貢献するアーバンモビリティシステムを発表した。同社のコネクテッドパーキングや自動駐車システムは、時間や燃料の節約を実現。超音波センサーを使用して、駐車された車両の横を走行する際に同車両間のスペースを検知・測定する駐車支援システムは、ドイツや欧州の各地で試験されている。また、コネクテッド機能によりCO2排出量が約40万トン削減でき、コミュニティベースパーキングやアクティブパーキングスペースマネジメントなどの駐車支援システムにより駐車場を探しながら走行する距離を480百万km短縮できるほか、高度な自動運転により燃料も節約できるとしている。(2017年11月21日付プレスリリースより)

-同社は、Mercedes-Benz Museumで、自動駐車システムのデモを実演した。この自動駐車システムは、同社とMercedes-Benzが供給するインテリジェントパーキング・ガレージインフラによって可能となる。駐車場に設置されたセンサーが周囲をモニターしながら車両を誘導。今回の試験運用は、実際の条件に沿った無人運転による完全自動バレットパーキングサービス用の、世界初のインフラベースのソリューションとなった。このプロジェクトはシュトゥットガルト地方行政機関やBaden-Württemberg州交通省、TUV Rheinlandの専門家などの地方機関の監督のもとで行われている。今後はこれらの行政機関の承認を得て、自動駐車システムの実用化を目指す。(2017年7月24日付プレスリリースより)

-7月1日付で同社日本法人(東京都渋谷区)の新社長に就任したクラウス・メーダー氏は18日、日刊自動車新聞社とのインタビューに応じ、自動運転や車の電動化技術の開発体制を強化するため、日本法人のエンジニアを増員していく方針を明らかにした。エンジニアを積極的に採用、年4~5%程度増やしていく。特に車載ソフトウエア領域のエンジニアを拡充していく。また、日本法人としてFCV(燃料電池車)やロボティクス関連技術にも力を入れる方針も示した。(2017年7月19日付日刊自動車新聞より)

-同社は、中国のスマートシティプロジェクトに参画すると発表した。同社は天津市と戦略的協力の枠組みについて合意に至った。「スマートな天津」のイニシアチブの実践の可能性を探求することが狙いとなっている。同社はこれまでシンガポール、サンフランシスコ、シュトゥットガルト、ベルリン、ハンブルクなどで培ってきたスマートシティプロジェクトのノウハウを伝授する。スマートシティ化に向け、同社はモビリティ、エネルギー、セキュリティ、デジタル都市管理等の分野のソリューションを提供する。同社の中国における2016年の売上高は前年比12%増の125億ユーロを記録した。(2017年6月20日付プレスリリースより)

-同社は、AI(人工知能)の研究を加速すると発表した。AI関係の専門知識を結集した研究センターを立ち上げた。2021年までに約3億ユーロ(約370億円)を投資し、自動車を含む全部門でのシステム、製品にAIを活用する。今後5年以内に、ボッシュの売上高の10%をAIが組み込まれた製品が占めると見ている。ドイツ、インド、アメリカにある3拠点にAI研究センターを設置した。活動開始時点のスタッフ数は約100人だが、21年までに数倍以上に増やす計画。センターは、AIに関する研究を進めると同時に、AI技術をボッシュの全部門に展開する。(2017年1月31日付日刊自動車新聞より)



技術提携

-同社は、商用車の可能な電動化に関連し複数のコラボレーションを行っている。商用車の燃料電池パワートレインのめWeichai社との共同開発。またNikola社とパワージェネレーターと記憶媒体を共にする燃料電池付きの効率の良い電動パワートレインの開発など。

-中国の新興電気自動車(EV)メーカー愛馳億維(AIWAYS)は11月30日、同社の中国法人であるBosch(China) Investment(博世(中国)投資有限公司)と上海で正式に戦略的提携に合意したと発表した。EVシステム技術、自動運転、軽量化、IoVなどの先端技術において提携を展開する。 ・上海愛馳億維科技有限公司は、上海を本拠とし、江西省上饒市に総額133億元を投資し新エネルギー車(NEV)工場を建設している。(愛馳億維プレスリリースをみる)

-同社は、レーダー技術で収集した障害物情報と高精度地図情報を照らし合わせることで、誤差数センチメートル単位で自車位置を把握できる「レーダー・ロード・シグネイチャー」を開発したと発表した。蘭トムトムとの共同開発。2020年までに欧州と米国に投入される車両で実用化する予定。自動運転の実現には、複数のレイヤーで構成する高精度地図が必要で、今回はこのうちの「ローカリゼーションレイヤー」を開発した。ローカリゼーションレイヤーの情報と、レーダー情報を照らし合わせ、ガードレールや道路標識といった周辺情報を比較することで車線内の位置を誤差数センチメートル単位で特定できるようにした。センサーは世界で初めてカメラに加えてレーダーも活用する。高精度地図にカメラとレーダーを合わせて活用することで夜間や見通しが悪い場所などでも高精度に自車の位置を特定できる。センサーで収集した情報は、同社のCCU(コネクティビティコントロールユニット)などの通信機器を介して、車両から自動車メーカーのクラウドと「ボッシュIoTクラウド」に送信される。1キロメートルごとにクラウドと通信するが、1回当たりのデータ量は5キロバイト。カメラデータのみをベースにしたマップに比べると、2分の1のデータ量に抑えられるという。(2017年7月3日付日刊自動車新聞より)

-同社は百度(Baidu)とスマートモビリティの分野で提携する。2017年6月1日、戦略的提携の枠組み合意書に調印した。同社は百度のApollo計画に参加し、センサー、関連するハード及び「博世道路特徵(Bosch Road Signature)」自車位置把握サービスを提供する。同時に両社は技術面でも提携し、中国の自動運転関連法規の整備をサポートする。(2017年6月1日付けプレスリリースより)

-同社は、ソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)と自動運転車向けのカメラで技術提携を結ぶことで合意したと発表した。照度条件が厳しい環境でも車両の周囲を確実に検知できるカメラ技術を共同で開発する。メガサプライヤーの同社の自動車関連技術や単眼・ステレオカメラ技術、イメージセンサーで強みを持つソニーセミコンダクタソリューションズの画像センシング技術を活用して先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車向けカメラを開発する。(2017年5月31日付日刊自動車新聞より)

-同社は、中国のインターネットグループ百度(Baidu)と、地図プロバイダー高徳(AutoNavi)および四維図新(NavInfo)との提携に合意したと発表した。4社は、同社の車載レーダーおよびビデオセンサーで収集した情報を使って地図を作成、更新するソリューションを展開する。同社が収集する自動運転に必要不可欠なこのデータは、今回提携する3社の地図情報に互換性を持たせる。4社は2017年末までにこのソリューションを発表する予定。(2017年4月19日付プレスリリースより)

-同社は、アムステルダム大学と人工知能の分野で協力関係を強化する為に、リサーチアライアンスをアムステルダムにて発表した。Delta Lab ("Deep Learning Technologies Amsterdam") として知られるこのアライアンスは、定期的な専門家の交流と知識の伝達を促進することを目的としている。同社はアムステルダム大学のPhD学生・ポスドク研究員10名の研究活動を支援する為に、今後4年間で総額3百万ユーロの資金を確保する計画。 (2017年4月6日付プレスリリースより)

-4月4日、Daimlerと同社は完全自動運転(SAEレベル4)およびドライバーレス(SAEレベル5)車両の開発について提携すると発表した。 2020年代初頭に市街地での走行を目指す。提携の主な目的は、車両の完全自動運転化によるタクシーサービスの改善や、カーシェアリングの利便性向上となる。プロジェクトの背景には、ドライバーが車両まで行くのではなく、 車両がドライバーのもとへ来るという考えがある。ユーザーは特定エリア内でスマートフォンを使ってカーシェアリングの自動・ダイムラーとボッシ運転車を呼ぶことができるようになる。その際、車両は自動運転でユーザーのもとまで来て、目的地まで送り届けるという。(2017年4月4日ダイムラープレスリリースより)

-同社とNVIDIAは、自動運転車両用AIプラットフォームを共同開発すると発表した。同社の自動運転システムには、NVIDIAのXavierテクノロジーを用いた「DRIVE PX」プラットフォームを搭載する。NVIDIAは2017年末までにレベル3、2018年末までにレベル4に対応した自動運転技術を提供するとしている。(2017年3月16日付プレスリリースより)

-同社日本法人(東京都渋谷区)とNTTデータエンタープライズ・アプリケーション・サービス(NTTデータEAS、東京都中央区)は、IoT(モノのインターネット)ソリューションの共同提案でパートナーシップ契約を締結したと発表した。NTTデータEASがERPシステムで培ってきたノウハウや販売網を生かし、同社が自社の製造現場で開発してきた製造ソリューションを提案していく。(2017年2月22日付日刊自動車新聞より)

-同社とIBMは、オープンスタンダードを活用したIBMのBluemixとWatson IoT Platformを使用する同社 IoT Suiteのサービスについて、新たな協業を開始すると発表した。208億個のコネクテッドデバイスが2020年までに使用できるようにする予定。実現すれば、同社とIBMの顧客は、IBM Cloud経由で同社 IoT Rolloutsにアクセスすることが可能。また自動車メーカーは、何百万台もの車両を工場に移動させることなく、計画的に安全かつ効率的なソフトウェア更新を行うことができる。(2017年2月16日付プレスリリースより)



製品開発

CES 2018の展示製品
-同社は、米ラスベガスで2018年1月9~12日に開催される家電見本市「CES2018」に出展すると発表した。今回、次世代コックピットとしてカメラと音声認識ソフトを使ってドライバーを認識し、音声操作やハプティクス(触覚)技術でインフォテインメントシステム操作を補助するシステムを提案する。また、充電スポットや駐車スペースを簡単に探し出せるコネクテッドカーのサービスや高性能ながら電力消費量を従来比10分の1に抑えたMEMS(微小電気機械システム)センサーなども展示する。(2017年12月26日付日刊自動車新聞より)

iDisc ディスクブレーキ
-同社は、傘下のBuderus Gussが、ブレーキダストを最大で90%削減するブレーキディスク「iDisc」を開発したと発表した。自動車から排出される粒子状物質の32%はタイヤとブレーキから排出されることから、同ブレーキディスクに対する市場ニーズは非常に高いとみられる。「iDisc」は、2017年11月から欧州の自動車メーカー向けに生産を開始。既存の鋳鉄製ブレーキディスクをベースに、炭化タングステンのコーティングを施した「iDisc」は、ブレーキングダストの削減に加え、動作の安全性も向上。制動力は、セラミックブレーキに匹敵するとしている。こうした製品を提供するのは、現在、Buderus Guss一社という。(2017年11月22日付プレスリリースより)

バス・商用車スマ―トインフォテェイメントシリーズ・エンターテェイメントシステム
-同社は、新開発の「Coach smartInfotainment」シリーズを、10月20日から開催の「Busworld 2017」に出展すると発表した。システムの中心となる機能は「Coach smartRadio」と「Coach smartPanel」。「Coach smartRadio」は、デジタルラジオ放送「DAB+」が受信でき、Bluetoothを利用してスマートフォンから音楽をストリーミングすることもできる。また、ステアリングに両手を置いたままでの通話も可能に。「Coach smartPanel」は、車内のエンターテインメント機能を拡張する。(2017年10月19日付プレスリリースより)

「Servotwin」ステアリングシステム
-同社は、乗用車向けステアリングシステムのノウハウを生かした商用車向けステアリングシステムを発表した。事故、ストレス、排ガス量などを低減するという。ステアリングシステム「Bosch Servotwin」は世界初の電動油圧ステアリングシステムで、大型商用車やバスなどに適している。また、電動油圧式リアアクスルステアリングも大型商用車向けに再設計されており、大径の車輪を持つバス等は小回りな旋回が可能になる。(2017年10月19日付プレスリリースより)

ソフトウェア無線接続更新システム
-同社は、車載システムのソフトウェアの無線接続更新を標準化すると発表した。現在の車両は、100個前後のコントロールユニットを搭載し、コンパクトカーでもその数は30~50個に及ぶ。車両のほぼ全機能は、これらコントロールユニットのソフトウェアでコントロールされている。同社は、これらのOTA(over-the-air)更新に必要な全技術を社内で開発したという。その中にはコントロールユニット、車載通信インフラ、最新の暗号技術に加えて、同社クラウドシステム「Bosch IoT cloud」などが含まれる。この車載ソフトウェアは、修理工場やディーラーを訪問することなく継続的に更新することができる。オンラインセキュリティ更新の開始およびダウンロードは、ドライバーがスマートフォンもしくは車両のインフォテインメントシステムで行う。また、データのセキュリティは、同社子会社のEscryptが開発した最新の暗号化技術によって保証されるという。(2017年9月6日付プレスリリースより)

「eアクスル」電気アクスル
-同社は、3種類の部品を1つに統合したeアクスルを発表した。モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションを統合、性能向上だけでなく、コスト削減にもつながっているという。非常にフレキシブルで、ハイブリッド車、EV、コンパクトカー、SUV、ライトトラックなどの幅広いセグメントの車両に搭載可能。同社では2019年に量産開始を予定している。(2017年8月31日付プレスリリースより)

「Perfectly Keyless」デジタル車両アクセスシステム
-同社は、スマートフォンによるキーレスアプリケーション「Perfectly Keyless」を開発したと発表した。スマートフォンにより「Perfectly Keyless」をダウンロードすることで、ドアロックの解除・施錠やエンジン始動などが可能になる。ドライバーと車両との距離が2メートル以内になると、アクセスが許可される。ドアロックが解除されると、任意に定義した個別設定が起動する。(2017年8月24日付プレスリリースより)

欧州の安全なトラック駐車プラットフォーム
-同社は、駐車スペースを予約するサービス「Secure Truck Parking」の運用を開始したと発表した。このサービスにより、トラックの運転・休憩時間の管理が容易になる。同社のKarlsruhe拠点の駐車場で試験が行われ、今回の運用開始に至った。このプラットフォームはリアルタイムで駐車スペースの空き状況を記録し、ドライバーはオンラインポータルやアプリを介してキャッシュレスで運行走路上の駐車スペースを予約することができる。また、駐車スペース情報だけではなく、安全設備やレストラン、シャワーなどのサニタリーに関する情報も提供する。(2017年8月3日付プレスリリースより)

通信技術を用いた駐車ソリューション
-同社は、通信技術を用いた駐車ソリューションを日本に導入する。路面に埋め込んだセンサーで駐車スペースの満空情報などを把握、インターネット経由でドライバーに空き情報を伝える「アクティブ・パーキング・ロットマネジメント」を年内にも日本市場に導入する。駐車場内に設置したインフラとの通信を使って無人の車両が自動駐車する「自動バレットパーキング」は2019年に日本で実現する。車両に搭載されるセンサーや通信機能に加え、インフラ側に必要な設備もボッシュが開発する。まず、ショッピングセンターや病院、ホテルなど施設の駐車場への導入を想定している。同社は18年にドイツでの実用化を予定している。(2017年8月1日付日刊自動車新聞より)

小型電気自動車プロトタイプ
-同社は、Bosch Mobility Experienceにおいて4人乗り小型車「e.GO」および電動スクーター「Schwalbe-Rollers」のプロトタイプを発表した。これらは48Vドライブシステム搭載。リチウムイオン電池は高エネルギー密度で、充電器は家庭用ソケットで急速充電が可能。運転モードはディスプレイで選択でき、Bluetoothインターフェースとアプリケーションで車両とドライバー間の通信を行う。このシステムはすでに開発済みのコンポーネントで構成されており、標準製品と低開発コストで導入できる。そのため、既存の自動車メーカーだけでなく、新規参入するメーカーも短時間で製品の市場投入が可能となる。同社は、今後電動小型車両市場は大きく成長するとしており、2020年までに世界で100百万台の電動スクーターや電動小型四輪車が生産されると予測している。(2017年7月4日付プレスリリースより)

拡張現実(AR)アプリケーション
-Boschは、拡張現実(AR)アプリケーションによるサービスソリューションを開発したと発表した。AR技術によって様々な情報をディスプレイに表示し、現実と仮想の世界をつなぐ。修理が複雑な場合などにこのソリューションが活用できる。カメラの照準を車両に合わせると、タブレット端末やスマートグラスに必要な追加情報と実画像が統合された形で表示される。低価格でこれらの技術や多様性をARアプリケーションに組み込むため、同社はCommon Augmented Reality Platform (CAP)を開発した。既存のデータベースにアクセスし、ARアプリケーションと一致するデータを収集する。(2017年6月27日付プレスリリースより)

「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」展示の車載機能開発プラットフォーム
-同社は、量産後の車載ソフトウェアアップデートを可能にする「車載機能開発プラットフォームとフィーチャー・ストア」を「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」で日本初出展する。「車載機能開発プラットフォームとフィーチャー・ストア」は、ソフトウェアアプリケーションのグローバル管理、ライセンス許諾と配布までをカバーするオープンなエコシステムで、無線でのファームウェアアップデート(FOTA: Firmware update over the air)に加えて、専用ソフトウェアアプリケーションの無線による配布・更新(SOTA: Software update over the air)が可能。Boschがソフトウェアの更新に必要なクラウドの開発から手掛けている。 (2017年5月18日付プレスリリースより)

正確な車両位置システム
-同社は、自車位置を数センチメートル単位で正確に割り出す技術を開発する。車両に搭載しているカメラなどのセンサーで取得したデータをクラウドに収集、これを高精度3Dマップと照らし合わせることで、高精度な車両の位置情報を取得できる仕組み。今後、高精度3Dデジタルマップを開発する地図会社、自動車メーカーとも協力しながら実用化する。(2017年4月20日付 日刊自動車新聞より)

モビリティサービス向け「Automotive Cloud Suite」 プラットフォーム
-同社は、モビリティサービス向けの新プラットフォーム「Automotive Cloud Suite」の提供を開始すると発表した。「Automotive Cloud Suite」はコネクテッドカーで実現できるあらゆるサービスの技術基盤。機器とドライバー、企業、ドメインをつなぐ上で必要な機能を単一のプラットフォームでカバーできるだけでなく、デジタルログブックやソフトウェア更新用ソリューションなどの個別のソフトウェアモジュールも提供する。モビリティサービスプロバイダーがこれを活用すれば、各種のコネクテッドカーサービスを開発し、ドライバーに提供することも可能となる。同社はBosch ConnectedWorld 2017においてJaguar「F-Pace」を使ってこの新サービスのデモを行う。逆走警報、予測診断、コミュニティベースパーキング、パーソナルアシスタントおよび無線通信によるソフトウェアアップデートの5つが標準サービスとなる。(2017年3月15日付プレスリリースより)

AI 互換性あるオンボードコンピューター
-同社は、Bosch ConnectedWorld 2017において、自動運転車両用のオンボードコンピューターを発表した。人工知能(AI)を備えたコンピューターは、複雑な交通状況や、車両にとって初体験の状況でも自動運転車両を安全に誘導できると期待されている。AIを利用して把握した状況を車両が解釈し、他の道路利用者の次の振舞いを予測することが今後の目標となる。AIのベースとなるオンボードコンピューター開発のため、BoschはNvidiaから機械学習の手法により生成したアルゴリズム搭載のチップの供給を受ける。AIオンボードコンピューターは、遅くとも2020年代初頭には量産化できる見通し。(2017年3月15日付プレスリリースより)

コネクテッドゲートウェイ
-同社は、車載ソフトウエアを無線でアップデートできる「コネクテッドゲートウェイ」を2017年後半~18年に実用化する。「セントラルゲートウェイ」と呼ばれる、ECU(電子制御ユニット)間の通信を取り持つ制御ユニットを、無線通信に対応させる。プログラムの修正で車両の不具合を遠隔で修理したり、先進運転支援システム(ADAS)などの新機能を追加できる。18年にはセントラルゲートウェイの処理能力をさらに高めながら、構造を簡素化できる「ビークルコンピューター」を実用化する計画で、制御ユニットで世界をリードする。(2017年1月23日付日刊自動車新聞より)

NAIAS 2017での展示「eAxle」電動アクスルドライブシステム
-同社は、NAIAS 2017で電動アクスルドライブシステム「eAxle」を発表した。「eAxle」は拡張可能な、同社のパワートレイン部品を一つのシステムに統合したモジュラープラットフォームで、自動車メーカーが電動化を進めるにあたり、個々の部品を使用する場合に比べ、5-10%のコスト削減を図ることができる。 (2017年1月10日付プレスリリースより)

CES 2017での展示コネクテッドコンセプトカー
-同社は、CES 2017において、将来は様々な生活の場面がいかにシームレスに相互に結びつけられるかを示す新しいコンセプトカーを発表する。同社取締役会メンバーのWerner Struth氏は「パーソナライゼーションは、コネクティビティの領域で大きなトレンドになりつつあり、我々はそのトレンドを一層推し進める」と語った。コネクテッドモビリティの世界市場は、2022年までに年間およそ25%成長する。数年内に自動車はIoTで大きな役割を担う部分となり、他の交通手段やスマートホームとのコミュニケーションが可能となる。運転手が座った瞬間、顔認識技術によって個々のドライバーの好みに応じてステアリングホイール、ミラー、室内温度、ラジオ局が設定される。ハプティック (触覚的) タッチディスプレイやジェスチャーコントロールを介してシステムを制御することで、利用者はフィードバックを受ける。Boschの高性能なアルゴリズムは、データの妥当性を評価し、駐車場の空き状況を予測する。米国でのパイロットプロジェクトは2017年に計画されている。Boschは現在、Mercedes-Benzと協力し、Stuttgart都市圏でコミュニティベースの駐車コンセプトをテストしている。(2017年1月4日付プレスリリースより)

第2世代「iBooster」電気機械式ブレーキブースター
-同社は、次世代「iBooster」電気機械式ブレーキブースターを開発中。第2世代の「iBooster」は初代のものより格段に軽く、より速いブレーキ圧のビルドアップを可能にしている。さらにEPSとの組合せた「iBooster」は自律走行車に必要なブレーキシステムの冗長性を提供する。

反射防止インストルメント・クラスター
-同社は、如何なる角度や照明状況でも容易に見える反射防止インストルメント・クラスターを開発した。このクラスターはガラスをスクリーンに接着するのに流体の薄層を使う新しい工程で生産される。



設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
グループ全体 4,345 4,252 4,058
-モビリティ・ソリューションズ 3,300 3,300 3,100

-2017年12月期のモビリティ・ソリューションズ部門の設備投資額は合計33億ユーロで前年レベルを維持。設備投資はガソリン直噴インジェクションシステム、運転支援システム、インフォテインメントシステムおよびディスプレイに集中させた。また同社は半導体、センサー、制御ユニットの生産能力増加にも投資した。



国内投資

-同社は、ドイツDresdenに半導体前工程工場を建設すると発表した。IoTおよびモビリティアプリケーションの需要増に対応するため、300mmウェーハで半導体を量産する。新工場は2019年末に完成、2021年末に生産開始予定。投資額は約10億ユーロで、700名の新規雇用を見込む。(2017年6月19日付プレスリリースより)



海外投資

<メキシコ>
-同社は、メキシコ初となるステアリング工場を開設したと発表した。Queretaro州Colonに80百万ドルを投じて建設された広さ15,000平方メートルの新工場は、マニュアル式ステアリングコラム、Servolectric用コラムEPS部品、Servolectric用デュアルピニオンEPS部品を製造する。車両のステアリングをコントロール、アシストするServolectric用製品の製造は、メキシコ初。同社は最近10年間で400百万ドル超をメキシコに投資しており、2016年から2020年にかけて総額500百万ドルを投資する予定。メキシコでは1955年から事業を展開し、現在は国内12カ所に生産拠点を保有している。(2017年12月5日付 Mexico-Nowより)

-同社は、メキシコQueretaroに80百万ドルを投資して、2017年末までに工場を新設すると発表した。新工場ではステアリングシステム、ブレーキシステムなどを製造する。Queretaro工場はGM、マツダ、ホンダ、トヨタ、BMWの工場と近接し、VolkswagenとAudiのPuebla工場とのアクセスにも便利な立地となっている。(2017年7月11日付 Mexico-Nowより)

-同社は、2020年までにメキシコGuadalajaraの拠点に13百万ドルを投資し、従業員数を3倍にすると発表した。11百万ドルは現在建設中のオペレーションセンターに、残り2百万ドルは2017年8月14日から操業を開始するイノベーションセンターに投資するという。イノベーションセンターは、協業・技術起業プロジェクトスペースやトレーニングルームを有する。同社はGuadalajaraのDigital Creative Cityにあるオフィスを維持する一方、同地区に新たなビルも建設予定。(2017年7月10日付 Mexico-Nowより)

<タイ>
-同社は、タイの首都バンコクの東130kmに位置するHemarajに、インジェクション製品向けの新工場を開設したと発表した。新工場は、同社モビリティ・ソリューションズ部門のタイにおける2番目の工場で、初のスマート工場。投資額は約80百万ユーロで、広さは1万平方メートル。工場では、インジェクションバルブやノックセンサーなどを生産する。同社は2018年には、ベトナムでの生産も拡大する計画。2017年は前年比50%増の120百万ユーロを東南アジアに投資したが、2018年も同程度の投資を予定しており、その大部分がタイとベトナム向けとなる見通しだという。(2017年12月4日付プレスリリースより)

<中国>
-2017年8月1日、同社子会社博世汽車部件(蘇州)有限公司[Bosch Automotive Products (Suzhou) Co., Ltd.]は新しい工場、南京分公司[Nanjing Branch]の着工式を行った。1億ユーロ近くを投じて面積約20,000平方メートルの敷地にアジア太平洋地区市場向け「iBooster」の生産工場を建設する。新工場は「インダストリー4.0」に取り組み、2本の生産ラインを建設する。初期の生産能力は40万台とし、2024年までに300万台超まで引き上げる。iBoosterはバキューム源に頼らない、新しいブレーキシステム・コンポーネントを補完するモジュールの1つ。主にハイブリッド車や電気自動車に用いる。iBoosterとESPhevを組み合わせることで制動エネルギーのほとんどを回生できる。(2017年8月1日付けプレスリリースより)

-2017年2月22日、同社の子会社「羅伯特博世電機(中国)有限公司 [Robert Bosch Motor (China) Co., Ltd.]」の長春支社は長春ハイテク開発区と協定書を結んだ。同社は年産3百万セットのスターターモーター工場を同開発区に建設する。このプロジェクトの総投資額は2億元。敷地面積は4.5万平方メートル、建築面積は3.15万平方メートル。2017年には生産高約7億元、2020年フル稼働後は10億元を見込む。(2017年2月27日付け各種リリースより)

<日本>
-同社日本法人(東京都渋谷区)は、国内工場でIoT(モノのインターネット)の活用を本格化する。材料や部品にIDタグを付けて生産のリードタイムを管理するなど、現在国内で26のIoTプロジェクトを立ち上げており、既に複数の工場で試験導入を開始した。生産現場のネットワーク化は、自社内の工場や機械に採り入れるのに加え、取引先の自動車メーカーやサプライヤーとの連携も早期に実現する方針で、バリューチェーン全体で生産性向上に向けた取り組みを推進する。(2017年2月28日付日刊自動車新聞より)

<インド>
-同社は、インドのPune工場を拡張中であると発表した。インド国内での法改正に伴う需要増を見込んでの建設で、ABS、ESPおよび油圧アクチュエーターの開発・生産を行う。新工場への投資額は40億ルピー超で、7ヘクタールの敷地内に2つの工場と1つの研究開発センターを開設する。従業員数は1,000名にのぼる。また同社は、Chakan工場がABS・ESPシステムの生産にInternational Production Network (IPN)を利用している旨も発表した。ABS生産ラインの各機械がIPNと接続することにより、Manufacturing Execution System (MES)によって管理され、製造プロセスの改善を行う。(2017年1月23日付プレスリリースより)