Hella 2006年5月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ) 2006年
5月期
2005年
5月期
増減率 要因
売上高 3,394.8 3,071.2 10.5% 下記参照

要因
売上高は、前年比で10.5%増加の3,384.8百万ユーロ。製品売上げの増加で、売上げは成長したが大幅な販売価格の値下げがなければ、伸びはさらに大きかったものと思われる。

増加の半分以上は、NAFTA地域によるもの。アジアパシフィックの売上は前年比で約20%増加。

ドイツでの売上げは、もともと高水準であった前年から1.6%と僅かに増加した。一方で、その他の欧州諸国は特に東欧での成長が目覚しく、前年比で+10%。

ほとんどの事業部門で売上げが増加したが、特にエレクトロニクス部門の成長が顕著。

部門別事業概況
<ライティング部門>
グローバルの過剰生産能力と、激しい競合
厳しい価格圧力と鉄及び樹脂の価格高騰に対応するため、特にライティング部門では工場の集中化と生産及び開発活動の海外移転を進めることが必須。
過去2年以内に、Lippstadtの第二工場は、Hella Pilot工場とヘッドランプのテクノロジーセンターに移管。経営効率の強化のため、2005年度(2006年5月期)実施の大規模なLion(Light On)活動を立ち上げた。特にライティング部門における全工程及びコスト構造の最適化が目的。

<エレクトロニクス部門>
グローバル成長
2005年度(2006年5月期)、エレクトロニクス部門の成長基盤は、新拠点の設置(デトロイト、上海、Timisoara(ルーマニア))で大幅に強化。
また、合弁企業(インド(Padmini)及び中国(HSE))の完全子会社化や、中国Xiamenのリレーの合弁会社の支配権を握るなど、アジアでの事業成長に向けた明確な基盤を確立。

運転者支援システム
2005年度は、以下3つの運転者支援システムの量産を開始。
-Hella車線変更アシスタント
-新開発のリアビューカメラ
-アダプティブクルーズコントロールシステム
また、運転者の縦列駐車を自動ステアリング機能でアシストするエレクトロニックパワーアシストの生産も立ち上げた。


新世代Hella スロットルバルブセンサーや、ステアリングトルクセンサー分野のCIPOS非接触型センサー用新型統合回路の生産も開始した。

開発動向

研究開発費用
- 2006年5月期 2005年5月期
人数 2,886 2,923
(単位:百万ユーロ)    
ライティング 97.7 99.4
エレクトロニクス 166.6 149.0
アフターマーケット製品 21.3 15.7
その他 - -
合計 285.6 264.1
売上高比率 8.4% 8.6%

製品開発
<ライティング>
ライティングエレクトロニクスに注力
-同社は、将来のヘッドランプシステムにおいてライティングエレクトロニクスが鍵となると考えている。
たとえば、将来のアシストランプ付きLEDヘッドランプ、新型アクチュエーター技術を利用したVarioXモジュールをベースとしたインテリジェントヘッドランプの開発など。このヘッドランプは、特定の運転環境に応じて、自動的に街灯、道路灯、広範囲を照らすフォグランプ、ハイビームなどの機能を発揮。

メインライト用LED技術
2005年秋のIAA International Motor Show(フランクフルト)で、フルLEDランプシステムを発表。同社は既に、初の量産も受注。

ライトガイドの開発
湾曲した三次元ライトガイド・ロッドを初めて製品に採用。プリズム・ロッドを使用した水平および垂直の光分布によって独特のデザインを様々形態で自由につくり出すことが可能。、

<エレクトロニクス>
-2005年度のAglaia GmbH(ベルリン)買収により、画像技術能力が大幅に増強された。これにより、信号や人、物の認識などカメラ技術をベースとしたアプリケーションの大幅な拡大につながることに期待。

設備投資

設備投資費:  278百万ユーロ(2006年5月期)

中国のエアコンアクチュエーター、ボディアクチュエーターならびにリレー、インドの温度センサーの生産能力を増強し、部品事業の競争力を強化。