Autoneum Holding Ltd. (旧 Rieter Automotive) 2013年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万スイスフラン) |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,053.3 | 1,940.9 | 5.8 | 1) |
純利益 | 36.2 | 29.6 | 22.3 | - |
要因
1) 全社
-2013年12月期の売上高は前年比5.8%増加の2,053.3百万スイスフラン。全ての地域において増収を達成。販売が好調な車種への製品供給、市場シェアの増加が主な要因。
事業再編
イタリア子会社の売却-イタリア子会社のAutoneum Italyをドイツの投資会社mutaresに売却。今回の売却により、Autoneumは西欧における生産拠点を4拠点削減し、15拠点とした。同社の中核事業である乗用車メーカー向けの吸音製品およびサーマルマネジメント部品に注力する計画。Autoneum Italyは従業員約730名を雇用しており、そのうち約80名がLeiniのイタリア本社に、約650名がDesio、Pignataro、Santhia、Vicolungoの4工場に勤務している。2012年の売上高は約132百万スイスフラン (約107百万ユーロ)。Autoneumはさらに今後、フランスのDieppe工場を閉鎖し、その他の欧州拠点に移転する計画を検討している。(2013年7月23日付プレスリリースより)
合弁事業
-同社、日本特殊塗料および広東時利和汽車実業集団 [Guangdong TGPM Automotive Industry Group] との間で設立した中国合弁会社である武漢日特固防音配件 [Wuhan Nittoku Autoneum Sound-Proof] の株式25%を日本特殊塗料から取得したと発表。湖北省武漢に生産拠点を持つ同合弁会社は、2011年より日本の自動車メーカー向けに防音製品およびサーマルマネジメント部品を納入している。同地域の自動車メーカーからの需要を踏まえ、今後は日本以外の自動車メーカーにも納入する可能性があるという。武漢工場には約200名の従業員が勤務し、ダンパー、インナーダッシュ、アウターダッシュ、フードライナーなどの生産を行っている。生産量の拡大に伴い、2014年に7,500平方メートルの拡張を行う計画。 (2013年12月12日付プレスリリースより)開発動向
研究開発費 |
(百万スイスフラン) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
全社 | 64.4 | 66.4 | 58.2 |
-2012~2013年は、欧州、米州、アジアの自動車メーカーの新モデルおよび各種要望向けの防音ソリューション、車体下部部品およびカーペットの研究に注力。
研究開発体制
スイス | Winterthur (HQ) | -アコースティックセンター -研究開発センター |
Sevelen | -開発センター | |
フランス | Aubergenville | -アコースティックセンター -開発センター |
ドイツ | Rossdorf-Gundernhausen | -アコースティックセンター |
ポーランド | Katowice | -アコースティックセンター |
米国 | ミシガン州Fmarmington Hills | -アコースティックセンター -開発センター |
イリノイ州Chicago Heights | -開発センター | |
イリノイ州Tinley Park | -アコースティックセンター -開発センター |
|
ブラジル | Sao Bernardo do Campo | -アコースティックセンター -開発センター |
中国 | 上海 | -アコースティックセンター -開発センター |
日本 | 東京 (日本特殊塗料) |
-アコースティックセンター |
静岡 (日本特殊塗料) |
-アコースティックセンター |
製品開発
回転射出ファイバープロセス-軽量化および吸音性能向上に貢献する新たなフェルト技術を開発。回転射出ファイバー (Rotating Injection Fiber) プロセスの次世代技術で、自動車用仕切り板およびフロア部品向けのフェルトブランクの生産に使用する。この新たな生産システム「IFP-R2」は、生産工程の最適化および環境性能の向上に向けて開発された。(2013年11月5日付プレスリリースより)
制振製品
-新たに制振製品「AUTYL」を開発。車体のさまざまな部位に使用でき、車内の音響快適性を大幅に向上させるもの。高い減衰特性と軽量化を実現し、ボディシェルをはじめ塗装後の部品などにも使用可能。これにより、自動車メーカーは車両の生産工程のなかで、「AUTYL」を組み込むタイミングを自由に選択できる。また、接着力に優れているため平面だけではなく曲面にも適用できるほか、車両の前面、ボディ、タイヤハウスなど垂直・水平に組み立てる車体部品にも使用が可能になる。この「AUTYL」は、すでに複数のドイツ自動車メーカーに採用されているという。(2013年8月26日付プレスリリースより)
新技術「Theta-FiberCell」
-エンジンカプセル化に向けた新技術「Theta-FiberCell」を開発。この技術により、比較的長時間の蓄熱や冷間始動時のCO2排出削減を実現する。顧客の要望に応じて、「Theta-FiberCell」をボディ取り付け型またはエンジン取り付け型カプセル向けに使用する。この多孔質繊維フォームは、内外部の吸音のほか熱安定性を実現。新欧州ドライビングサイクル基準 (NEDC) において、12時間停止させた中型乗用車の温度は、「Theta-FiberCell」を使用すると従来に比べて約6度高いという結果になった。油温が6度上昇するごとに、走行中1kmあたり3gのCO2削減につながるという。(2013年6月24日付プレスリリースより)
技術提携
-トヨタ紡織、日本特殊塗料と防音機能を強化した内装パッケージを共同開発した。このプロジェクトは2012年7月から開始されており、同社と日本特殊塗料は防音部品の技術を蓄積している。同社は、車両の電動化によって車室内でモーター音や風切り音が増えることを受け、同内装パッケージにより走行中の車室内での会話明瞭度を従来に対して2割向上を実現。設備投資
設備投資額 |
(単位:百万スイスフラン) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
全社 | 80.7 | 75.3 | 75.3 |
-2013年12月期の設備投資額は、主に成長市場向けの能力増強、新規製品および生産施設の効率化に使用された。
海外投資
<メキシコ>-メキシコで合弁相手の日本特殊塗料とSilaoに合弁工場UGNを設立したと発表。工場面積は6万平方フィート。2013年末より防音製品およびサーマルマネジメント製品の生産を開始する予定。Autoneumは既にメキシコHermosilloに生産拠点を保有しており、主に米国の自動車メーカー向けに納入している。(2013年4月9日付プレスリリースより)
<ロシア>
-ロシアのRyazanに生産子会社「Autoneum Rus LLC」を設立したと発表。新工場では、ロシアの自動車メーカー向けに防音製品およびサーマルマネジメント部品を生産する。2013年秋に量産を開始し、2017年までに従業員約200名を雇用する計画。(2013年2月19日付プレスリリースより)