Magna International Inc. 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 40,827 36,588 11.6 1)
営業利益 2,951 2,985 (1.1) -
製品別売上高
ボディ外装・構造 17,527 16,613 5.5 2)
パワー・ビジョン 12,321 11,629 6.0 3)
シ―トシステム 5,548 5,224 6.2 4)
車輌開発 6,018 3,547 69.7 5)

 

要因
1) 全社売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比11.6%増の40,827百万ドル。増加の要因は、特に車両開発、ボディ外装・構造、シートシステム事業の新規プログラム投入によるもの。また、為替の影響も売上増に貢献した。

2) ボディ外装・構造
-2018年12月期の売上高は、前年比5.5%増の17,527百万ドル。2017年以降、Jeep「Cherokee」、Jeep「Wrangler」、ChevroletEquinox」、GMC「Terrain」、Ford「Expedition」、LincolnNavigator」などの新規プログラムが売上増に寄与した。また、売上増のうち157百万ドルは為替差益によるもの。同部門の利益は、他事業の生産量の全体的な減少および顧客価格の下落により一部相殺された。

3) パワー・ビジョン
-2018年12月期の売上高は、前年比6.0%増の12,321百万ドル。GMC「Sierra」、Chevrolet「Silverado」、Chevrolet「Traverse」、Buick「Enclave」、BMW「X3」、Porsche「Cayenne」、Jeep「Wrangler」およびBMWとDaimlerのDCTの新規プログラムなどにより売上が増加した。また、為替差益により売上が249百万ドル増加した。このほか、施設取得により23百万ドルの売上をもたらした。なお、同部門の利益は、他事業の生産量の全体的な減少および顧客価格の下落により一部相殺された。

4) シ―トシステム
-2018年12月期の売上高は、前年比6.2%増の5,548百万ドル。Ford「Expedition」、Lincoln「Navigator」、BMW「X5」、「Lynk & Co. 01」、「Lynk & Co. 02」、Chevrolet「Traverse」、Buick「Enclave」などのプログラムが売上増の要因のひとつ。各種プログラムの生産終了、施設の売却、生産量の変化、顧客価格の譲歩および外貨換算のマイナス影響などいくつかの要因により利益が一部相殺された。

5) 車輌開発
-2018年12月期の売上高は、前年比69.7%増の6,018百万ドル。好調の要因は主にJaguar「E-PACE」、Jaguar「I-PACE」、BMW「5 Series」の3モデルのプログラムによるもの。また、為替差益により売上が250百万ドル増加した。
  

買収

-同社は、スペインのVIZA Gecaの買収に合意したと発表した。取引完了は2019年第1四半期の予定。VIZA Gecaはフロアラッチシステムや折り畳みシートなどを製造するシートシステムメーカーで、2017年の売上高は約125百万ユーロ、VWPSA、ルノー日産などに製品を供給している。買収完了後、MagnaVIZAのスペイン、チェコ、モロッコ、メキシコの1,100名超の従業員を迎え入れる予定。(20181218日付プレスリリースより)

-同社は、ドイツDresdenを拠点とするHaptronikを買収すると発表した。先進のモーションコントロールソフトウェアに投資し、メカトロニクス分野におけるリーダー的立場を強化するのが狙い。Haptronikは、メカトロニクス製品のモーションコントロールソフトウェアを専門とするテクノロジー企業。ドアやリアゲートといった電動システムのモーション制御や触感認識を向上させるアルゴリズムを開発している。取引は2019年第1四半期に完了する見通し。(20181025日付 プレスリリースより)

-同社は、OLSAの買収に合意したと発表した。ヘッドランプ、テールランプなどの照明部品事業の拡張を目指すという。買収額は約230百万ユーロで、2018年末までに買収を完了する見込み。OLSAはイタリアTurinに本拠を置き、VolkswagenBMWDaimlerFCAなどに照明部品を供給するサプライヤー。従業員数は約2,500名で、イタリア、ポーランド、ブラジル、中国、メキシコに生産拠点を保有している。買収によってMagnaは世界で11カ所の照明部品製造拠点と2カ所のエンジニアリングセンターを持つこととなる。(2018628日付プレスリリースより)

 

事業再編

-米国の各種メディアは、同社の子会社Lordstown Seating Systemsが、GMのオハイオ州Lordstown工場閉鎖検討に伴い、120名の従業員を解雇すると報じた。Lordstown Seating Systemsはこれまで600名の従業員を雇用してきたが、過去2回の事業縮小で既に300名を解雇しており、GMLordstown工場の閉鎖決定時には、残りの従業員180名も解雇されるという。またGMLordstown工場の操業を継続する場合、従業員再雇用の可能性もあるとしている。(20181231日各種報道より)

-同社のパワートレインユニットが、グローバル液圧・制御 (FP&C) 事業を韓国のHanon Systemsに売却することで合意したと発表した。Hanon Systemsは、サーマル・エネルギーマネジメントシステムのグローバルサプライヤー。売却額は約123,000万ドルで、取引は2019年第1四半期に完了する見通し。MagnaのグローバルFP&C事業は、機械式・電子式ポンプ、電動冷却ファンなどを手掛け、2017年の売上高は14億ドル。北米、欧州、アジアの10拠点にいる約4,200人の従業員は、Hanon Systemsに移管される予定。Magnaのパワートレイン事業部は、電動式を含むトランスミッションやドライブライン関連システムのサプライヤーとして活動を続けていくという。(2018920日付プレスリリースより)

 

合弁会社

-同社は、フランスを本拠にエンジニアリング・R&Dサービスを提供するTechnologies formと、モロッコCasablancaに折半出資の合弁会社「MG2」を設立すると発表した。自動車メーカーの輸出向け生産拠点として注目されつつあるモロッコで、自動車用エンジニアリングサービスを提供するのが目的。両社のエンジニア約500人体制で事業を開始する予定。(2018102日付 プレスリリースより)

-同社の子会社Magna Electronicsは、Rohinniと合弁会社「Magna Rohinni Automotive」を設立し、OLED(有機EL) より明るく、エネルギー効率のよい超薄型のマイクロLEDライティングソリューションを生産すると発表した。Magnaのエレクトロニクスやソフトウエアの技術とRohinniのモビリティ向け照明技術を組み合わせ、デザインや製品の差別化を実現するRohinniの薄膜マイクロ・ミニLEDをベースにした製品を迅速かつコスト効率よく市場に投入する。合弁会社は、米ミシガン州Hollyを拠点とする予定。(2018828日付プレスリリースより)

-同社は、北京汽車集団(BAIC)エネルギー車(NEV)を生産する北京新能源汽車(Beijing Electric Vehicle : BJEV)と自動車生産と電気自動車(EV)の開発を行う2つの合弁会社を設立する計画を発表した。今後数か月間、両社は関係当局と協力し、合弁契約締結の準備を行う。新合弁会社2社は、江蘇省鎮江市のBAICの既存工場を活用し、2020年に生産を開始する計画。年間生産能力は18万台を予定している。まずBJEVARCFOXブランドのモデルを生産する。新合弁会社はEVの開発および生産業務を外部の顧客にも提供する計画。(2018618日付プレスリリースより)

-同社は、北京海納川汽車部件股份有限公司(Beijing Hainachuan Automotive Parts)とドアモジュールを生産する合弁会社を設立したと発表した。中国でドアモジュールを供給する契約をドイツの自動車メーカーからすでに獲得しているという。新工場を北京に建設し、中国自動車産業の需要に対応する。合弁会社の設立と新たな工場の建設により、両社は中国、特に北京における存在感を高め、新たな顧客の獲得や現在の顧客との関係強化に乗り出す。新工場は、2021年に稼働を開始し、100人以上を新規雇用する予定。(2018426日付プレスリリースより)

-同社は、広汽集団 (GAC) の子会社である広汽零部件 (GAC Component)と合弁会社を設立し、大手自動車メーカーのクロスオーバー車向けにリアゲートを生産すると発表した。新会社は、中国湖南省長沙の敷地面積55,900平方メートルの新工場を拠点に、2018年後半から生産を開始する予定。当初の従業員数は116人の見通し。(201842日付プレスリリースより)
 

事業提携

-同社は、米ミシガン州に拠点を置くスタートアップのMay Mobilityとの提携を発表した。May Mobilityは自動運転シャトルメーカーで、両社はMay Mobilityの低速電動マイクロシャトルを改良、スケールアップし、米国市場への投入を目指す。シャトルの初となる商業展開は2018626日にミシガン州デトロイトで行われる予定。Magnaは自動運転対応のカスタムドア、パノラマムーンルーフ、センサーなどを供給する。May Mobilityは、複雑な都市環境や居住環境をナビゲートするために独自の技術を積み重ねて車両をさらに改善するとしており、開発者、都市計画立案者および自治体との連携により、2019年までにオンデマンドサービスの提供を開始し、顧客需要の成長を促進するサービスの拡張を図るとしている。(2018613日付プレスリリースより)

-同社は、配車サービスのLyftと提携し、自動運転システム開発への出資、開発、生産に共同で取り組むと発表した。Lyftのネットワークにおける年間50億マイル以上の走行データを自動運転車の開発に活用する。共同開発した自動運転車は、Lyftのネットワークで使用されるほか、自動車メーカーにも提供される。Magnaは、Lyft200百万ドルを出資するという。(2018314日付プレスリリースより)

 

最近の動向

-Invest Lithuaniaは、同社がリトアニアでの潜在的パートナーの選定を開始したと発表した。小型車両、大型車両、農業機械のサプライヤー約50社がリストに挙がっており、そのうち約半数がMagnaのパートナーになる可能性があるという。同社によると、この中の25%が実際のパートナーになるとしている。同社はバルト諸国の32社と会合をしており、うち22社がリトアニアの企業で、約半数が潜在的パートナーとなったと推定されている。 (201866日付 Invest Lithuaniaメディアリリースより)

 

受注

-同社は、チェコChomutovの新工場の開設と、BMWから追加のシート事業の受注獲得を発表した。Magna2017年に初めてBMWにシート製品の供給を開始している。Chomutov工場は2018年末までに生産を開始し、BMWの複数モデルにシートシステムを供給する予定。6,000平方メートルの新工場のシート製品の生産能力は、年間36万個超となる。Magnaのシート事業部門は欧州に16カ所の生産拠点を保有、うち5カ所がチェコに位置する。欧州以外では世界50カ所で生産拠点を、6カ所で研究開発センターを展開している。(20181011日付プレスリリースより)

-同社は、新開発のドアラッチ「Comfort+」を欧州自動車メーカーに供給すると発表した。「Comfort+」はドアの開閉時の感触と室内の静粛性に注力して設計されており、機構内でスライドフリクションをローリングフリクションに変更することで開閉時に必要な力を低減し、なめらかで均一な感触をもたらすという。従来のドアラッチと比較してドアを開けるのに要する力を40%から60%低減し、同社の試験では100万回ドアを開閉しても開けるのに必要な力に変化はなかったとしている。(2018523日付プレスリリースより)

-同社とそのパートナーであるInnoviz Technologiesは、BMW Groupの自動運転車向け次期プラットフォームにソリッドステートLiDARを供給すると発表した。レベル4-5の自動運転をサポートするソリッドステートLiDARを量産する今回の契約は、自動車業界で最初の契約の1つ。両社の包括的なセンサーシステムは、3Dポイントクラウド(点群)データを活用して、車両周囲の高精度な3D画像をリアルタイムに作り出す。Magna20178月、自動運転プラットフォーム「MAX4」を披露した際に同システムを紹介。「MAX4」は、カメラ、レーダー、LiDAR、超音波センサー、先進運転支援システム (ADAS) の中央演算モジュールからなり、顧客のニーズに合わせて一部もしくは包括的なシステムとして供給される。(2018426付プレスリリースより)

-同社は、大型ピックアップの2019年型「Ram 1500」に搭載されるアクティブエアダム(スポイラー)をはじめとするアクティブ・エアロダイナミクスシステムを北米国際自動車ショー (NAIAS)に出展すると発表した。アクティブエアダムが量産車に搭載されるのは、「Ram 1500」が初めて。Magnaのアクティブグリルシャッターと組み合わせることで、同車の空気抵抗を7%削減し、高速走行時の1ガロン当たりの燃費を1マイル向上するとしている。Ramのアクティブエアロシステムは、同社が開発したスマートアクチュエーターとパワーシステムによって稼働する。(2018117日付プレスリリースより)
 

受賞

-2018年5月31日、同社の子会社麦格納(福州)汽車座椅有限公司[Magna (Fuzhou) Automotive Seating Co., Ltd.]は福建ベンツから2017年度優秀サプライヤー賞を受賞した。同社は福建ベンツの「V-Class」ラグジュアリーバンに2列目シートを供給している。(2018年6月11日付けリリースより)

-同社は、照明とドライブラインの性能向上に対する貢献が評価され、GMから同2部門で「Supplier of the Year」賞を獲得したと発表した。Magnaは、業界初の「D-OpticLEDヘッドランプを2018年型 ChevroletTraverse」に供給し、前方視界の視認性向上と独特なデザインを提供。ドライブラインに関しては、1速トランスファーケース「Actimax」や2速トランスファーケース「ULTIMAX」、電動リミテッド・スリップ・ディファレンシャルなどをGMに供給している。(2018427付プレスリリースより)

 

研究開発費

-2017年12月期の研究開発費は522百万ドル、2018年12月期は約588百万ドルだった。

 

研究開発拠点

-同社は、中国江蘇省にメカトロニクス・エンジニアリングセンターを新たに開設したと発表した。このセンターではソフトウェア、ハードウェアのエンジニア100名余りを雇用するほか、昆山エンジニアリングセンターから110名のエンジニアを受け入れ、SmartAccessパワードアなどのメカトロニクス製品を設計、開発する。業界初の完全な電子制御を実現したSmartLatchはBMW i8に搭載されている。(2018年12月6日付プレスリリースより)

-蘇州工業園区の製造・国際貿易区は2018年4月10日、同区に入居するDelphi R&Dセンター、MagnaクロージャーシステムグローバルR&Dセンターなど10のプロジェクトの投資契約書調印式を開催した。総投資額は50億元。Delphiは2017年11月に蘇州工業園で新工場の建設に着手しており、今回はその新工場の付属施設としてR&Dセンターを建設し、新エネルギー車中核部品の製品設計と検証を行い、多種の製品を並行して開発する。研究開発職、事務職など450名の雇用を創出する。Magnaは同区にクロージャーシステムグローバルR&Dセンターを建設する。2020年までに研究要員を250名以上まで増やす計画。(2018年4月11日付け各種リリースより)

 

技術提携

-同社と北京汽車工業 (BAIC)は、中国市場向け次世代スマート電気自動車(EV)のアーキテクチャーを協同開発すると発表した。Magna Steyrは、自動車製造やエンジニアリングサービス、フル電動/電化アーキテクチャー、軽量技術におけるイノベーションや優れた費用効率が評価され、BAICのパートナーに選出されたという。 (201849日付プレスリリースより)
 

製品開発

フレキシブルな新型シートシステム
-同社は、新型モビリティおよび自動運転車向けのフレキシブルなシートシステムを発表した。このシステムは3種類のシート構造の構成が可能で、カーシェアリングのカーゴモードでは、座席がレール上を移動して荷物用の最大スペースを確保することができる。またロングトリップモードではマッサージシートを旋回させて、キャンプファイアスタイルの構成に変更できる。さらに自動運転ライドシェアモードでは、シートを会議スタイルの構成に変更し、どの座席が利用可能かを示す信号が表示されるという。同社は、2016年型Chrysler「Pacifica」にシート格納システム「Stow ‘n Go」が、GMC「Acadia」にピッチスライドシートシステム「EZ Entry」がそれぞれ初採用されている。同社は世界6カ所にシート研究開発拠点を、また50カ所にシート製造拠点を保有している。(2018年12月10日付プレスリリースより)

軽量で再利用可能な熱可塑性リアゲート
-同社は、軽量で再利用可能な熱可塑性リアゲートを自動車メーカーに提供していると発表した。金属製と比べて最大で25%軽く、よりフレキシブルな設計が可能という。Magnaは、1999年に欧州高級自動車メーカー向けに熱可塑性リアゲートの生産を開始し、その後、複数の欧州メーカーに採用された。北米では、2014年に日産「Rogue」、2018年に2019年型JeepCherokee」と2019年型AcuraRDX」に供給し、中国でも、2018年後半に2モデルへの供給を開始するなど、同社は、計300万ユニット以上の熱可塑性リアゲートを世界で出荷している。英調査会社IHS Markitによると、世界のSUV/小型SUV市場は2018年の34百万台から2025年まで43百万台への拡大が予想されることから、Magnaは、同セグメントに熱可塑性リアゲートを供給する大きなチャンスがあるとみている。(2018830日付プレスリリースより)

新型48Vトランスファーケース
-同社は、世界的に厳格化されているCO2排出規制に対応するための新型48Vトランスファーケースおよびその他48V製品を発表した。同社の「etelligentDrive eDS 48V High Performance System」は、自動車メーカーが採用する初のマイルドハイブリッドトランスファーケースの1つで、2輪ドライブシステムと比較してCO2排出量を最大10%低減し、燃費効率を向上するという。(2018年6月14日付プレスリリースより)

低価格の3Dサラウンドビューシステム
-同社とルネサスエレクトロニクスは、エントリーレベルからミッドレンジの車両に最適となる低価格の3Dサラウンドビューシステムを開発し、先進運転支援システム(ADAS)の普及車への搭載を加速すると発表した。同社の3D サラウンドビューシステムは、ルネサスのスマートカメラや3Dサラウンドビューに最適な車載用SoCR-Car V3M」を採用した。このシステムは、パーキング時や低速運転時にドライバーを支援する360度パノラマビューを提供する車両カメラシステム。すぐに使用できる画期的なシステムのため、インテグレーションの時間や開発コストを最小限に抑え、自動車メーカーは3Dサラウンドビューシステムを、容易に低価格なオプションとして加えることができるとしている。(2018518日付プレスリリースより)

高精度レーダーシステム
-同社は、高精度レーダーシステム「ICON RADAR」を北米国際自動車ショーで発表した。「ICON RADAR」は米軍が使用する先進技術を組み込んでおり、広範囲で精密な検出や、高い弾力性を実現している。同社はエンジニアリングと製品開発でスタートアップ企業Uhnderと協業しており、2019年の市場投入を目指す。「ICON RADAR」は300m超の広範囲にわたって継続的に周辺をスキャンし、対象物の距離、高さ、スピードなどを探知する。この検出・探知機能は競合のシステムと比較して約100倍の対象物を検知するという。ガードレール、路上のがれきや段差、車両や歩行者など探知した対象物をドライバーに知らせる。コンパクトサイズの「ICON RADAR」は外装に柔軟性も持ち合わせ、各自動車メーカーの自動運転システムやMagnaの自動運転車両プラットフォーム「MAX4」に容易に組み込むことができるとしている。(2018115日付プレスリリースより)

「CES 2018」で未来のモビリティ技術を紹介
-同社は、米ラスベガスで開催される「CES 2018」で、自動車の電動化や自動運転向けの製品を紹介すると発表した。同社のブースでは、バーチャルリアリティを使って、自動運転がどのように動くのかを体験できるほか、未来のモビリティを自分でデザインし、バーチャルテストドライブを楽しむこともできるという。同社の最新の電動化技術を搭載したコンセプトカー「e1」も出展される予定。(201812日付プレスリリースより)

 

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 1,650 1,875 1,807

 

海外投資

<米国>
-同社のビジョンシステム事業部門Magna Mirrors of Americaは、米ミシガン州Newaygo175,000フィートの工場を新設すると発表した。投資総額は45百万ドルで、48名の雇用創出を見込む。Magna Mirrorsは、電子ディスプレイや自動調光ガラスなどの付加価値機能を備えた内装および外装のバックミラーを製造している。2012年9月、Magna Mirrorsはミシガン州Holland Charter Township10.1百万ドルを投資し、177名の雇用を創出している。(20181023日付 Michigan Economic Development Corporationプレスリリースより)

-同社の子会社Bowling Green Metalformingは、14.2百万ドルを投じて2004年以来米ケンタッキー州Warren County工場の6度目の拡張を行い、27名の雇用を創出すると発表した。拡張には、広範囲にわたる改修や3,000トンプレス機の導入などが含まれる。Bowling Green MetalformingはトラックフレームASSY、エンジンクレードル、サスペンションリンクなどを製造しており、現在の従業員数は1,600名超でケンタッキー州南中央部最大の企業となっている。(201872日付 Kentucky Cabinet for Economic Developmentリリースより)

-同社は、米サウスカロライナ州スパータンバーグ郡にBMWグループ向けのシートを生産する工場を開設したと発表した。BMWグループへのシート供給は初めて。工場の開設式で、Magnaは工場の拡張計画も発表。敷地面積を25,000平方フィート増の255,000平方フィートに、新規雇用数を130人増の610人に拡大する。工場では現在、拡張工事が行われているという。Magnaは、サウスカロライナ州に3工場を持ち、約1,450人を雇用している。新シート工場は同州で4番目の工場となる。(2018326日付プレスリリースより)

<英国>
-同社は、英国Telfordにアルミ鋳造工場を新設したと発表した。新工場は広さ約225,000平方フィート、300名を雇用する見込み。新工場ではMagnaが特許を持つ真空鋳造製法によって、強度と剛性に優れ、燃費効率、安全性、ハンドリングを向上した軽量アルミ鋳造部品をJaguar Land Rover向けに製造する。ハイブリッド車や電気自動車(EV)が普及する中で、高圧アルミ鋳造技術は車両軽量化の重要な要因になるとしている。(201858日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-同社の子会社Cosma Internationalは、メキシコSan Luis Potosiに工場を新設したと発表した。新工場は、San Luis Potosiへの総額233百万ドルの投資の一環として建設された。Cosma Internationalは、FordHermosillo工場で生産する「Fusion」向けボディインホワイトなどを製造する。また、フレームレール、フロアパン、上部ピラー、ボディサイドシステム等も生産する。San Luis Potosi工場の新設により、Magnaはメキシコ32カ所に工場を保有することとなる。(2018416日付 Mexico-Nowより)

<ドイツ>
-同社は、ドイツEsslingenに複合材料の成形技術などを研究・開発するコンポジットセンターを開設したと発表した。厳しい排出ガス規制に直面する欧州の自動車メーカーを、車体の軽量化や先進素材を用いた外装部品の面から支援するのが目的。センターには、炭素繊維複合材料のSMC (シート・モールディング・コンパウンド) や熱硬化性樹脂の圧縮成形に最適な、加圧能力2,300トンの「Engel V-Duo」プレス機を設置。車のサブフレームなどの構造部品、ドアパネルやフードといった外装ボディパーツを中心に開発し、欧州の自動車メーカー数社との共同開発プロジェクトを実施するという。(201837日付プレスリリースより)