中欧6カ国:2010年生産は20万台増の326万台

VWはスロバキアでNew Small Family、DaimlerはハンガリーでA-/B-Classを生産

2011/07/14

要 約

 以下は、中欧6カ国 (チェコ、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ハンガリー、スロベニア) で生産する自動車メーカー各社の最近概況である (Fiat が生産能力を増強するセルビアと、長城汽車が工場を新設したブルガリアを追加した)。

 中欧6カ国では、2007年から300万台超を生産し、2010年には09年比20万台増の326万台を生産した。その大半を、ドイツ、フランス、イタリア、英国等のEU諸国やロシア等に輸出している。2010年は欧州各国政府の新車購入支援策の終了により、小型車生産が伸び悩んだが、2011年には欧州・ロシア市場の需要は回復する見込み。

 新規参入では、Daimlerが2012年からハンガリーでA-/B-Classの次期モデルを生産するほか、長城汽車が2011年9月からブルガリアでハッチバック、ピックアップ、SUV各1車種を生産する。

 生産能力増強を計画するOEMは、現代自動車が2012年にチェコでの年産能力を30万台に (2010年実績は20万台)、VWが2011年秋までにスロバキアで 40万台に (同11万台)、Audiが2013年までにハンガリーで12.5万台に (同3.9万台) 拡充する。また、Fiatがセルビアで年産20万台体制 (同1.5万台) を構築中。



中欧6カ国での2010年生産は7%増の326万台、販売は4%減の78万台

 中欧6カ国の自動車生産台数は、2007年に初めて300万台を超え、2008年には327万台に拡大した。2009年に経済危機の影響で306万台に減少したが、2010年には326万台に回復。2011年1-5月も前年同期比で4%増加。特にスロバキアの拡大幅が大きい。

 中欧6カ国での乗用車販売台数は、2007~2008年に100万台を超えたが、2009年は81万台、2010年は78万台に減少した。2011年1-5月は前年と同水準。

中欧6カ国の自動車生産台数

(台)
  2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年
1-5月
2011年
1-5月
チェコ 854,817 937,648 945,822 983,243 1,076,385 442,734 476,010
ポーランド 716,344 874,602 1,005,707 907,076 894,807 432,282 448,066
スロバキア 267,088 528,163 527,544 433,954 523,019 205,798 240,434
ルーマニア 213,597 241,712 245,308 296,498 350,912 147,243 139,541
ハンガリー 190,233 296,072 349,785 229,508 211,310 83,925 76,476
スロベニア 153,127 198,402 197,843 212,749 205,711 98,915 88,700
6ヶ国合計 2,395,206 3,076,599 3,272,009 3,063,028 3,262,144 1,410,897 1,469,227

資料:各国の自動車工業会など、対象は大型トラック・バスを含む全車種
(注) チェコ、ポーランド、ハンガリーの2010/2011年 1-5月は大型トラック・バスを含まない。

中欧6カ国の乗用車販売台数

(台)
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年
1-5月
2011年
1-5月
チェコ 156,686 174,456 182,554 167,708 167,501 70,488 72,128
ポーランド 238,993 293,305 320,040 320,206 333,492 119,771 113,962
スロバキア 59,084 59,700 70,040 74,717 63,998 21,556 27,885
ルーマニア 256,364 315,621 270,995 130,195 106,318 26,351 23,152
ハンガリー 187,676 171,661 153,278 60,189 43,476 17,278 18,913
スロベニア 59,578 68,719 71,575 57,967 61,142 26,740 27,173
6ヶ国合計 958,381 1,083,462 1,068,482 810,982 775,927 282,184 283,213

資料:ACEA (欧州自動車工業会)、2011年1-5月の販売台数は速報値。

主要自動車メーカーの生産拠点 (中欧6カ国+セルビア、ブルガリア)

  自動車
メーカー
生産拠点 主要生産モデル 生産台数 (台)
2009年 2010年
チェコ Hyundai Nosovice Hyundai i30, i30cw, ix20/
(2011年夏まで) Kia Venga,
(2011年夏から) Hyundai ix35
118,000 200,135
Skoda Mlada Boleslav Skoda Octavia, Fabia 528,585 576,362
Kvasiny Skoda Roomster, Superb,
Superb Combi, Yeti
Vrchlabi Skoda Octavia, Yeti
トヨタ/PSA Kolin Toyota Aygo/Peugeot 107/
Citroen C1
332,489 295,712
ポーランド Fiat Tychy Fiat Panda, 500, Seicento/
Lancia Ypsilon/Ford Ka
605,450 533,455
GM Gliwice Opel Astra, Zafira 96,399 158,732
GM FSO Warsaw Chevrolet Aveo/
Daewoo Lanos, Matiz
59,695 45,854
VW Poznan VW Transporter, Caddy 138,193 149,200
スロバキア Kia Zilina Kia cee'd, cee'd Sporty Wagon,
pro cee'd, Sportage/
(2011年夏まで) Hyundai ix35,
(2011年夏から) Kia Venga
150,015 229,469
PSA Trnava Peugeot 207/Citroen C3 Picasso 207,128 187,954
VW Bratislava VW Touareg/Audi Q7/Skoda Octavia
(2011年10月から) New Small Family
(Porsche Cayenne のボディも生産)
76,171 105,596
ルーマニア Ford Craiova Ford Transit Connect
(2012年初から) B-MAX
300 9,558
Dacia Pitesti Renault/Dacia Logan,
Sandero, Duster
296,010 341,299
ハンガリー Suzuki Esztergom Suzuki Swift, SX4, Splash/
Fiat Sedici/Opel Agila
195,081 169,676
Audi Gyor Audi A3 Cabriolet,
TT Coupe, TT Roadster
32,657 38,744
Daimler Kecskemet (2012年から)M-Benz A-/
B-Class後継車
0 0
スロベニア Renault Novo Mesto Renault Clio II, Twingo, Wind 212,749 205,711
セルビア Fiat Kragujevac Fiat Punto, (2011年末から) Uno/
Opel Astra Classic
16,337 14,551
ブルガリア 長城汽車 Lovech (2011年9月から) Voleex C10,
Wingle 5, Haval H6
0 0

資料:各社 website など。生産台数は各国自工会と、一部は INOVEV (Mavel) 資料

 



チェコ: 現代自動車は2012年に車両30万台、トランスミッション50万基を生産

 チェコでは、現代自動車、Skoda, トヨタ/PSA等が2009年に98万台、2010年に108万台を生産し、中欧諸国の中では生産規模が最大となっている。

 現代自動車は、チェコ工場を拡張し、2012年の車両の年産能力を30万台 (現在20万台)、トランスミッションの年産能力を50万基 (同30万基) に引き上げる。生産車種では、2010年秋にBセグメントMPVのix20を追加した。

 トヨタ/PSAの合弁工場はトヨタ、Peugeot、Citroenの3ブランドでAセグメント車を生産しているが、2010年に欧州各国の新車購入支援策終了の影響で生産が11%減少した。2011年の生産台数は2010年と同水準だが、小型車需要の増加が見込める2012年には拡大する見込み。

現代自動車:2012年の年産能力は、車両 30万台、トランスミッション 50万基

 現代自動車は、2011年 6月、チェコ・Nosovice工場に 35億コロナ (約2.12億ドル) を投じて、車両の年産能力を 20万台から 30万台に引き上げる拡張工事を開始した。トランスミッションを生産する第 2ユニットも建設し、トランスミッションの年産能力を 30万基から 50万基に引き上げる (トランスミッションは起亜のスロバキア・Zilina工場にも供給)。拡張工事は 2012年に完了する予定。
 また、現代自動車は、生産能力を増強するため、新規に 900人を雇用する。2011年秋に第 3シフトを導入する計画で、2011年内に 650人、2012年に 250人を雇用する計画。

現代自動車:2010年秋に ix20 を生産開始、2011年夏から Kia Venga に代えて ix35 を生産

 現代自動車は、2010年10月に欧州で発売された Bセグメント MPV の ix20 をチェコ・Nosovice工場で生産している。同モデルのデザインと開発はドイツ・Russelsheim の欧州 R&D センターが担当、ix35 に続く現代自の最新デザイン"Fluidic Sculpture (流れるような彫刻)" を導入した。Kia Venga の姉妹車。
 現代/起亜自動車は、2011年夏に、Kia Venga の生産を Nosovice工場から起亜のスロバキア工場に移管し、Hyundai ix35 の生産を起亜のスロバキア工場から Nosovice工場に移管する。

資料:Automotive News Europe 2011.6.7/2011.6.23

 

トヨタ/PSA:2010年の生産台数は 11%減の 29.6万台

 トヨタ/PSA のチェコ合弁工場は、欧州各国の新車購入支援策が終了したため、2010年の生産台数が 09年より 11%低下し、29.6万台となった。売上高も 16%減の 447億コルナとなったが、コスト削減策が功を奏して、税引き前利益は前年並みの14億コルナ弱。2011年の生産台数は2010年並みだが、2012年には小型車需要が増加し、生産は拡大すると予測している。

資料:Automotive News Europe 2011.3.23

 



ポーランド: 2008年に101万台、2009年に91万台、2010年に89万台を生産

 ポーランドは、中欧ではチェコに次いで生産規模が大きく、Fiat, GM, GM FSO, VWが2008年に100万台超を生産。しかし、2009年には91万台、2010年には89万台に減少した。

 Fiat は、2011年11月から、次期Panda の生産を、Tichy工場からイタリアのPomigliano d'Arco工場に移管する。一方、2011年4月には、Tichy工場でLancia Ypsilon の生産を開始した。

 GM は、2011年5~7月に、Gliwice工場でOpel Astraを増産し、販売増に対応する。また、2013年に発売のOpel/Vauxhall ブランドの新型コンバーチブルを、Gliwice工場で生産する。

Fiat:2011年11月から次期 Panda の生産はイタリア工場へ移管

 Fiat は、2011年11月から次期 Pandaの生産をポーランド・Tichy工場からイタリア・Pomigliano d'Arco工場に移管する。Pomigliano工場では、2011年 1月に新労使協約を発効させ、週 6日・3シフト勤務への移行など、勤務体制の変更を労組側が承認した。Fiat は、8億Euro を投資してPomigliano工場の生産台数を 27万~30万台に引き上げる。
 次期 Panda の生産を Pomigliano工場に移管する措置は、Fiat の Fabbrica Italia (イタリアでの乗用車生産を 2010年の 65万台から 2014年に 140万台に引き上げる計画) の一環。イタリアでの生産で収益をあげるため、現行の年間 235日・2シフトから、年間 280日・3シフトへ移行して、生産効率を 70% 向上させる。

Fiat:2011年 4月から Lancia Ypsilon の生産開始

 ポーランド・Tichy工場では、2011年 4月から Lancia Ypsilon の生産を開始した。2012年の販売目標は12万台。5ドアハッチバック車で、Lancia の mini flagship。欧州主要国で同年 6月に発売。Lanciaブランド車を販売していない英国とアイルランドでは、9月に Chrysler ブランドで発売する。

資料:Fiat Press Release 2011.2.15, Automotive News Europe 2011.3.26/2011.6.22

 

GM:Gliwice工場で2011年 5~7月に Opel Astra の生産を 8シフト分追加

 欧州GM (Opel/Vauxhall) は、2011年 5月、Astra の販売増に対応するため、5月~7月に Astra 5ドアハッチバックと Astra Sports Tourer の生産を、ポーランド・Gliwice工場で 8シフト分追加すると発表した。(英国・Ellesmere Port工場でも同期間に 8シフト分追加する。また、同年 8月からはドイツ・Russelsheim工場でも Astra 5ドアハッチバックを Insignia と混流生産する予定。)

GM:2013年発売の Opel/Vauxhallブランドの新型コンバーチブルを Gliwice工場で生産

 2011年2月、GMは2013年にOpel/Vauxhallブランドで新型コンバーチブルを投入すると発表した。新型車は現行 Astra, 同ワゴンモデル SportsTourer、3ドアクーペ Astra GTC と同様の小型車用プラットフォームを採用し、ポーランドの Gliwice工場で Astra と共に生産する。新型車の開発は、Opelが2010年 2月に発表した 2014年までに総額 110億Euro を投資する再建計画の一環。

資料:Opel Press Release 2011.2.25/2011.5.12

 



スロバキア: 起亜自はエンジン工場を新設、VWはNew Small Familyを生産

 スロバキアでは、起亜自動車、PSA、VW等が、2007年、2008年に53万台を生産したが、2009年には43万台に減少、2010年は52万台。スロバキアの自工会によると、2010年は欧州各国の新車購入支援策が終了したため、生産は52万台にとどまったが、2011年はロシア・欧州の需要が回復し、生産台数は約12%増加する見込み。

 起亜自動車は、Zilina工場で、2010年に新型Kia Sportage/Hyundai ix35, Kia pro cee'dの生産を開始した。2011年下期には、年産能力15万基の新エンジン工場を稼働する。

 PSAは、2012年から、Peugeot 207とCitroen C3 Picassoに続き、3車種目の生産を開始する。3シフト体制として、年30万台生産する計画。

 VWのBratislava工場では、生産するSUV (VW Touareg, Audi Q7) の需要がドイツおよび新興国で高まり、2010年には 09年比 39%増の 10.6万台を生産した。その99.3%は、EU諸国および中国に輸出する。同工場では、2011年秋までに年産能力を43%増の40万台に引き上げ、低価格小型車のNew Small Familyの生産を開始する。

起亜自動車:2010年に新型 Kia Sportage/Hyundai ix 35 と pro cee'd の生産を開始

 起亜自動車は2010年 3月、ジュネーブ・モーターショーで SUV の新型 Sportage をワールドプレミアした後、6月にスロバキア・Zilina工場で生産を開始した。プラットフォームは、2010年初めに生産を開始した Hyundai ix35 と共通。両モデルとも Hyundai グループの欧州開発部門が開発した。
 2010年12月には、スロバキア・Zilina 工場で Kia cee'd (5ドアハッチバック) の新バージョン、3ドアハッチバックの pro cee'd の生産を開始した。

起亜自動車:2011年夏から Hyundai ix35 に代えて Venga を生産、Sportage を増産へ

 現代/起亜自動車は、2011年夏に、Kia Venga の生産 (2010年 4.9万台)を 現代のチェコ工場から起亜のスロバキア・Zilina工場に移管し、Hyundai ix35 の生産 (2010年 7.6万台)を Zilina工場から 現代のチェコ工場に移管する。Zilina工場では余裕のできたラインで、Kia Sportageを増産する方針。起亜は2009年にSportageの旧モデルを約 2万台販売。2011年には新型 Sportage の販売目標を 5万台としていたが、同年 6月時点で年間販売台数は 7万台を超える見込みだとしている。

起亜自動車:2011年下期から新エンジン工場を稼働、年産能力は既存工場と合わせ45万基に

 起亜自動車は、スロバキア・Zilina工場に 1億Euroを投資し、2010年 4月から新エンジン工場を建設。2011年 4月に完工した。2011年下期にはフル生産に入り、年産能力は 15万基。200人余を新規雇用する。
 既存エンジン工場は、2011年 6月に、生産開始後 5年弱で 100万基のエンジンを生産した。現在は 3シフトで日産 1,350基、年産能力は 30万基。Kia cee'd や Venga が搭載する1.4L ガソリンエンジンをはじめ、ガソリンエンジンを 6割、ディーゼルエンジンを 4割生産する。

資料:Kia Motors Europe Press Release 2010.6.25/2010.12.15/2011.6.6, Automotive News Europe 2011.6.23

 

PSA:2012年から 3車種目の生産を開始し、年30万台生産の見通し

 PSAは、2011年 4月、スロバキア・Trnava工場に 130百万Euro を投資して、2012年春から新モデルの生産を開始すると発表した。同工場の生産車種は、Peugeot 207 と Citroen C3 Picasso に続き、3車種目となる。2012年春には新たに 900人を雇用し、3シフト体制として年 30万台を生産する見通し(現行は従業員 3,000人、2シフトで、2010年の生産台数は 18.8万台)。追加される新モデルの詳細は不明。
 2011年 3月、PSA は東日本大震災の影響で日立からの電子部品の供給が滞り、スロバキア・Trnava工場では 23日から 30日まで通常の 40~50%に減産した (日本からの部品供給は空輸しており、通常10日分程度しか保有していない)。31日からは徐々に供給が回復し、4月10日時点では通常に戻っている。

資料:PSA Press Release 2011.3.28, 各種報道

 

VW:3億800万Euroを投資し、2011年秋から New Small Family を生産

 VWは2011年秋から、スロバキア・Bratislava工場で、コンセプトカー up! をベースとする低燃費・低価格の小型ハッチバック (3ドア・5ドア) New Small Family (NSF) の生産を開始する。VW/Seat/Skodaの 3ブランドで生産する計画で、2012年初から欧州で販売する。NSF生産に向けて、総額 3億 800万Euroを投資して設備を拡張し、年産能力を現行比 43%増の 40万台に引き上げる。

VW:スロバキアでの車両・部品増産のため、2015年までに 10億Euro を投資する計画

 VWは、2011-2015年の 5年間にスロバキアに 10億Euroを投資し、自動車および部品の生産を拡大すると発表した (2011年 2月発表)。

資料:VW Press Release 2011.3.15, Automotive News Europe 2011.6.23/2009.4.22

 



ルーマニア:DaciaはLogan のSUVバージョンDuster、FordはB-MAXを生産

 ルーマニアでは、Renault (Dacia) とFord等が2009年に30万台、2010年に35万台を生産した。

 Renaultは2010年春から、Pitesti工場でLoganのSUVバージョンDacia/Renault Dusterの生産を開始した。

 Ford は、2011年6月に欧州での生産計画を見直し、今後、ルーマニア・Craiova工場ではBセグメント車を生産する。2012年からは小型ミニバンの新型B-MAXを生産する計画。現在、生産している小型商用バン Transit Connectの後継車の生産は、スペインに移管する。

Renault:2010年春から Dacia/Renault Duster を生産

 Renaultは2010年春から、ルーマニア・Pitesti工場で Logan の SUV バージョン Duster の生産を開始した。Dacia/Renault の両ブランドで投入する。ルーマニア国内のほか、EU諸国やトルコ、アルジェリア、モロッコではDacia ブランドで、ウクライナや中東、アフリカ諸国では Renault ブランドで販売する。2011年にはロシアとブラジルでも生産する。

資料:Renault Press Release 2009.12.18/2011.6.16

 

Ford:欧州での生産計画を見直し、ルーマニアでは2012年から B-MAX を生産

 Fordは2011年 6月、欧州での生産計画を修正した。今後 3年間で欧州に 20以上の新型車 (フルモデルチェンジまたは大幅更新モデル) を投入する計画だが、生産性の向上と商品主導の成長戦略のため、スペイン・Valencia、ドイツ・Saarlouis工場では Cセグメント車、ドイツ・Cologne、ルーマニア・Craiova工場では Bセグメント車を生産する。
 ルーマニア・Craiova工場は、2012年初から小型ミニバンの新型 B-MAX を生産し、将来的には Bセグメント車をもう 1車種生産する。また、2012年初から、低燃費の 1.0L EcoBoostエンジンも生産する。Fordは Craiova工場の設備刷新のために 6億7,500万Euro以上投資する計画。(現在、Craiova工場が生産している小型商用バン Transit Connect の後継車は、スペイン・Valencia工場が生産する。)

資料:Ford Press Release 2011.6.14, Automotive News Europe 2011.6.14

 



ハンガリー: Audiは年産能力を12.5万台に3倍増、Daimlerは2012年に新工場稼働

 ハンガリーでは、スズキ、Audi等が2008年には35万台を生産したが、2009年には23万台、2010年には21万台に減少した。

 Audiは、2013年までにGyor工場の年産能力を、2010年実績の3倍の12.5万台に拡大する。A3 CabrioletやTT Coupe/Roadsterに加え、A3の他の派生モデルも生産する計画。

 Daimlerは、年産能力10万台の新工場を建設し、2012年からA-/B-Classの次期モデルを生産する。

 欧州GM (Opel/Vauxhall) は、Szentgotthardのエンジン工場に、年産能力50万基の新工場棟を建設。2012年末に稼働を開始する。

スズキ:震災の影響により、Magyar Suzuki で約 1ヶ月間、通常の 2シフト体制を 1シフトに削減

 Magyar Suzuki は、東日本大震災の影響により、日本からの電子部品の供給が不足したため、2011年 5月 3日から通常の 2シフト体制を 1シフトに減らしていた。約1ヶ月後の 6月 6日に 2シフト、日産 850台ベースに戻した。減産中も人員整理はしなかったとされる。

資料:各種報道

 

Audi:2013年までに年産能力を、2010年実績の 3倍の 12.5万台に拡大

 Audi は、2010年 9月、ハンガリー・Gyor工場の年産能力を、2013年までに 12.5万台 (2010年実績は 3.9万台) に引き上げると発表した。総投資額は 9億Euro (用地購入分は除く)。 2010年夏に、既存工場の隣接地 200万㎡ を政府から 2,300万Euro で購入した。生産工場を拡張し、現在生産している A3 Cabriolet, TT Coupe, TT Roadster に加え、A3の他の派生モデルも生産する。増産に伴い、直接雇用で1,800人、間接雇用で15,000人の雇用を創出する見通し。
 Gyor工場では、従来、ドイツの Ingolstadt で生産したボディを使用していたが、工場拡張後は、ボディ製造、塗装、組立等、一貫生産を行う考え。
 ハンガリー政府は、Audi の設備拡大投資に対し、雇用創出を期待できるとして、112億フォリント (約 6,100万ドル) の直接補助金を交付することを承認した (2011年 4月発表 )。

資料:Audi Press Release 2010.9.23, Automotive News Europe 2011.4.7

 

Daimler:2012年から新工場でA-/B-Class 次期モデルを生産

 Daimler は、8億Euroを投資して、2009年10月からハンガリー・Kecskemetに小型車工場を建設している。2011年秋には試験操業に入り、2012年第 1四半期から操業を開始する予定。年産能力は10万台で、A-/B-Class の次期モデルを生産する。

資料:Daimler Press Release 09.10.16, Automotive News Europe 2011.6.2, 各種報道

 

GM (Opel/Vauxhall):エンジン工場に年産能力50万基の新工場棟を建設

 欧州 GM (Opel/Vauxhall) は、2011年 4月、ハンガリー・Szentgotthardのエンジン工場に 5億Euro を投資し、新工場棟の建設を開始した。2012年末に稼働を開始する予定。800人の新規雇用を見込む。フル稼働後の年産能力は 50万基。小型・中型ガソリンエンジンと中型ディーゼルエンジンを生産する。いずれも欧州の排出ガス基準 Euro6 に対応し、低燃費・低排出ガスのエンジンを供給する。

資料:Opel Press Release 2011.4.12

 



スロベニア: 2013年からRenaultがDaimlerの4人乗りsmartを受託生産

 スロベニアでは、Renaultが唯一の自動車メーカーとして完成車を生産しており、2009年と2010年にはそれぞれ約21万台を生産した。

 Renaultは、2010年春からNovo Mesto工場で新型クーペ・ロードスター Wind の生産を開始した。2013年からは、Daimlerの4人乗りsmartを受託生産する。

Renault:2010年春から新型クーペ・ロードスター Wind の生産を開始

 Renault は、2010年春にスロベニア・Novo Mesto工場で、新型 2人乗りクーペ・ロードスター Wind の生産を開始。2010年 7月に英国とスロベニア、9月に他の西欧諸国での販売を開始した。Wind は全長 3.83mの小型車で、Clio II RS (Renault Sport) と同じプラットフォームを使用。1.2Lのターボエンジンまたは1.6Lのエンジンを搭載。電動式ガラスルーフは 12秒で自動開閉する。

Renault:2013年から Daimler の 4人乗り smart を受託生産

 Renault は、2011年 2月、生産体制の再編計画について概要を発表した。スロベニア・Novo Mesto工場では、2013年から Daimler の小型車 smart の 4人乗りモデルを受託生産する計画。Renault・日産 と Daimler は、2010年 4月に結んだ戦略的提携に基づき、次期 smart と次期 Twingo に採用する新型プラットフォーム (現行 smart 2人乗りモデルが採用するユニークな後輪駆動方式) を共同開発している。(2011年 6月には、次期 smart と次期 Twingo の発売は2014年に延期されたという報道もある。)

資料:Renault Press Release 2010.6.28, Renault・日産 Press Release 2010.4.7, Automotive News Europe 2011.2.9/2011.6.10

 



セルビア: Fiatが2011年末からUnoの生産を開始

 Fiatは、セルビアの国営自動車メーカーZastava と提携し、2006年12月からPuntoの生産を開始。2008年には、セルビア政府と合弁会社を設立し、ZastavaのKragujevac工場を引き継ぎ、2011年半ばまでに年産20万台体制を構築する。2011年末からは、ブラジルで開発・生産するUnoの欧州モデルを生産する計画。

Fiat:2011年下期に 2車種のテスト生産、2011年末に Uno の生産開始

 Fiat は、2011年下期から、セルビアにある Zastava の Kragujevac 工場で、新モデル 2車種のテスト生産を開始する計画。2011年半ばまでに設備増強を行い、フル稼働時の年産能力は20万台となる見込み。Fiat は、セルビア工場に対する投資額を、当初計画より 1億Euro 増額し、8億Euro とする。現在、同工場で生産している Punto は、2012年に生産を終了する予定。
 Fiat は、ブラジルで開発・生産する新型 Uno の欧州モデルを、セルビア・Kragujevac 工場で生産し、2011年末に投入する計画。Uno は B セグメント・エントリーカーで、Fiat のラインアップでは Panda と Punto Evo の間に位置するモデル。ブラジルでは2010年 5月に発売した。

資料:Automotive News Europe 2010.7.27, 各種報道

 



ブルガリア:長城汽車が年産能力5万台の新工場を稼働

 長城汽車は、2011年9月に、ブルガリア初の自動車組立工場の稼働を開始する。年産能力は5万台で、ハッチバック、ピックアップ、SUVを各1車種生産する計画。

長城汽車:ブルガリア工場が2011年9月に稼働開始、ソフィアモーターショーに9車種出展

 長城汽車は、2009年10月にブルガリアの Litex Motors と合弁企業を設立する覚書に調印し、工場を建設していたが、2011年 9月に稼働を開始する予定。首都 Sofia から北東に 170km の Lovech市に建設した工場は、年産能力 5万台。ハッチバック 「凌傲 (Voleex) C10」、ピックアップ 「風駿 (Wingle) 5」、SUV 「哈弗 (Haval) H6」を生産する予定。同工場はブルガリア初の自動車組立工場として、現地政府も注目している。
 長城汽車は、2011年 6月にブルガリアで開催されたソフィアモーターショーに、唯一の中国メーカーとして 9車種を出展した。出展車種は、量販モデルの Haval H5, Voleex C30, Voleex C10, Wingle 5 のほか、新モデルのHaval H6, Voleex C20EV など。

資料:長城汽車 Press Release 2011.6.11

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>