五菱宏光MINIEV分解調査

シティコミューターとして割り切ったシンプルな構造

2022/03/29

要約

宏光MINIEV分解調査
五菱宏光MINIEV分解調査

  本レポートはコベルコ科研によって行われた上汽GM五菱汽車の宏光MINIEVの分解調査をもとに、安価なEVの構造や装備に着目し、日本の軽自動車と比較しながら解説していく。


  五菱宏光MINIEVはベースグレード「軽松款」で最低価格2万8,800元(約48万円)という低価格モデルとして知られ、2020年7月の発売以降、中国での販売台数は好調に推移している。車両サイズは日本の軽自動車より全長が短く、全幅がやや大きい。最小回転半径は4.2mで、シティコミューターとして十分な取り回しの良さである。同モデルは高速道路を走行することも可能ではあるが、低速域がメインのシティコミューターとして割り切って開発されたモデルのため、この低価格を実現できたと考えられる。

  内外装などの目に見える部分はデザインや色遣いが工夫されており、チープな印象を強く受けるものではない。しかし、バッテリー関連部品や車体骨格、装備の少なさ(エアバッグが装着されていないなど)からコストダウンが感じられる。また、車体底部のアンダーカバーは存在せず、バッテリーや駆動モーターはむき出しになっている。


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