ホンダの2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みと未来作り

オートモーティブワールド2022 基調講演より

2022/02/17

要約

環境・安全の新目標
環境・安全の新目標
(出典:本田技術研究所 オートモーティブワールド2022 基調講演資料)
(転載許可取得済、以下同様)

  本レポートは、ホンダの「2050年カーボンニュートラル」を目指す取り組みと、それに基づく2040年までにグローバルで四輪車販売の100%をEV/FCVとする計画、米国と中国でのEV投入計画を報告する。

  レポート前半のホンダの「2050年カーボンニュートラル」計画は、2022年1月に開催されたオートモーティブワールド2022における、株式会社本田技術研究所 代表取締役社長 兼 本田技研工業株式会社 執行役常務 大津 啓司氏の基調講演「2050年カーボンニュートラルに向けたホンダの取り組みと未来作り」をベースに作成した。

  ホンダは、2050年までに全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラルを目指している。大津氏の講演では、ホンダの目指すカーボンニュートラル計画はEV/FCVの投入計画に限定せず、電池の使い方、水素エネルギーの活用、資源の効率利用など幅広く検討・計画していることを紹介した。カーボンニュートラルはホンダ1社で実現できるものではなく社会全体で取り組むことが必要であり、そのための未来の社会像に少しでも迫りたいと考えるからだという。

  具体的には、“Triple Action to ZERO”(カーボンニュートラリティ、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーション)の3つを柱に取り組んでいく。このうち電動モビリティとエネルギーサービスの活用をまとめたコンセプトが「“Honda eMaaS” Concept」で、モバイルパワーパック、車載大容量バッテリー、水素など様々なエネルギーを利活用する「エネルギーのマルチパスウェイ」により、カーボンフリーエネルギー活用を拡大していく。

  さらにEV/FCVの進化の方向性として、ホンダは全固体電池など革新電池のセル仕様と生産プロセスを開発している。また、電気と水素エネルギーそれぞれの特徴を生かして賢く組み合わせ、社会全体の電動化を加速させるとしている。

  また、航空機など電動化が向いていない領域や、将来もどうしても排出されるCO2があると想定されるので、そのCO2を利用・吸収・除去するCarbon Capture Utilization and Storage(CCUS)技術への取り組みを紹介した。

  レポート後半では、2040年までにグローバルで四輪車販売の100%をEV/FCVとする計画、米国と中国でのEV投入計画を報告する。


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