中国市場2021年第4四半期(2):ホンダ、BMW、Audiが電動化戦略計画を発表

Teslaが上海研究開発イノベーションセンターを開設、小米汽車が2024年に初のモデルを量産へ

2022/01/31

要約

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上汽GM Ultiumメガファクトリー(出所:上汽GM)

 本レポートでは新興EVメーカーおよび外資完成車メーカーの2021年第4四半期(10-12月)における中国の主な動向を紹介するとともに、2021年第4四半期に発表された中国の自動車業界に関連する主な政策を簡単に紹介する。新興EVメーカーはバッテリーやバッテリー交換式分野での整備を強化した。蔚来汽車(NIO)はRoyal Dutch Shellと電動車のエネルギー領域において戦略的提携に合意。2022年はバッテリー交換式インフラ建設を引き続き推進する。小鵬汽車(XPeng)は高圧SiCプラットフォームおよび高電圧スーパー充電ポールを発表。威馬汽車(WM Motor)は香港の充電ソリューションを展開するEV Powerと充電分野で戦略的提携に合意した。合衆新能源(Hozon)は寧徳時代(CATL)と技術に関する研究開発やサプライチェーン保障に関する戦略的提携に合意した。零跑汽車(Leapmotor)は、スマートバッテリーを含むスマート駆動技術を発表。愛馳汽車(Aiways)はネット配車/タクシーのバッテリー交換式モデルを投入し、将来的にバッテリー交換運営会社の設立計画を発表した。理想汽車(Li Auto)は、北京現代から取得した工場を改築し2023年の稼働を目指す。小米汽車は本社を北京経済開発区に設置し、新エネルギー車(以下、NEV)事業の新会社を設立した。

 外資完成車メーカーは、NEV事業の戦略計画を次々に発表。Audiブランドは2022年までに中国に電動車10モデルを投入する。BMW2025年までに中国市場でのEVの販売比率を全体の4分の1に高める。ホンダは2030年以降中国市場に投入する新型車は全てEVHVなどの電動車のみとすることを発表した。Teslaは上海のギガファクトリーを拡充する。また、外資完成車メーカーは中国国内に研究開発センターを次々に設立している。VWは、合弁の第一汽車とデジタル化研究開発センターを成都に、新技術開発センターを長春に設立する。Daimlerは、北京のR&Dセンター(Daimler R&D Tech Center China)を稼働。Teslaは上海研究開発イノベーションセンターおよび上海ギガファクトリーデータセンターを開設した。現代自グループは中国先進デジタル研究開発センターを上海に開設した。

 政策面では、20211227日に中国国家発展改革委員会と商務部が「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2021年版)」を公布。これにより、2022年1月1日から自動車製造領域において乗用車製造における外資の出資比率制限を撤廃し、同一の外国人投資家が同類の完成車製品を生産する合弁企業を中国国内で設立する場合は2社までという制限を撤廃する。また、20211231日には中国財政部などの4部門により「2022年のNEV普及応用のための補助金政策に関する通知」を公布した。2022年のNEV補助金の水準を2021年と比較して30%引き下げる(一部の要求に適合する車両は20%の引き下げに留める)とし、20221231日以降に登録した車両は補助金の対象から外される。


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