中国新興EVメーカー(下):中堅メーカー3社とNEV提携相関図

合衆新能源汽車、零跑汽車、愛馳汽車

2021/04/02

要約

合衆新能源汽車 コンセプトカーEureka 03 (2020年北京モーターショー)

 2021年3月11日の中国汽車工業会(CAAM)の発表によると、2月の新エネルギー車(以下、NEV)の生産台数は、前年比6.2倍の12.4万台。販売台数は4.8倍の11万台で生産/販売ともに8ヵ月連続で前年同月比増となった。また、2021年1-2月のNEVの生産台数は前年比2.9倍の31.7万台。販売台数は2.2倍の28.9万台。CAAMによる年初の見通しでは2021年のNEV販売台数は180万台に達するとしている。

 中国汽車報によると、中国新興EVメーカーは2020年にピーク時の100社余りから40社余りまで減ったと報じている。これらのうち量産を実現し、且つ販売実績がある企業は10社前後に過ぎない。このほか、2020年年初から多くの中国新興EVメーカーが存続困難にあると報じられた。前途汽車(Qiantu Motor)、緑馳汽車(REECH)、長江汽車(Changjiang Automobile)、奇点汽車(Singulato)、拜騰汽車(Byton)、江蘇賽麟(Saleen)、南京博郡(Bordrin Motors)などが、業務停止、破産/再編、製造放棄などネガティブなニュースが次々と伝えられている。世界的なコロナ禍の影響で中国自動車業界のブランド淘汰が加速している。

 合衆新能源汽車(HOZON)は2020年、傘下の哪吒汽車(NETA)のブランドロゴを改めるとともに、電気SUV 2モデル「哪吒U」と「哪吒V」を発売し、北京モーターショーでは新型コンセプトカー「Eureka 03」を披露した。2021年には20億元を投じてインテリジェント技術R&Dセンターを建設する予定である。零跑汽車(LEAPMOTOR)は2020年10月、独自の知財権を有する自動運転用チップ「凌芯(Lingxin) 01」を発表。同社3モデル目の量産ハイエンドSUV「零跑C11」は広州モーターショーで世界初公開し、2021年1月1日に予約受付を開始した。愛馳汽車(AIWAYS)は海外市場の開拓に注力しており、2020年8月に欧州市場で発売。ドイツ、フランス、オランダ、ベルギーなどの市場へ参入。また、メタノール水素燃料電池の開発と自動車への応用に注力し、デンマーク及び山西省と新疆でメタノール水素燃料電池開発と製造の拠点を配置した。

 本レポートでは主にこの中堅新興EVメーカー3社の2019年下半期以降の動向について紹介する。

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