中国市場2021年第4四半期(1):上汽、一汽、広汽がRobotaxiに注力

吉利がスマート化戦略を発表、上汽が飛凡汽車を設立、長城がハイエンドEVブランドをリリース

2022/01/27

要約

2020年vs2021年销量

 中国汽車工業協会(CAAM)の1月12日の発表データによると、2021年の自動車販売台数は前年比3.8%増の2,627.5万台、うち新エネルギー車(以下、NEV)の販売台数は前年比157.5%増の352.1万台となった。12月の自動車販売台数は前年同月比1.6%減の278.6万台で、そのうちNEV販売台数は前年同月比113.9%増の53.1万台、市場シェアは19.1%に達した。

 本レポートは主に2021年第4四半期(10-12月)の国営および民営自動車メーカーの中国市場における主な動向について報告する。大手自動車メーカーは引き続き「新四化(CASE)」関連分野の布石を急ぎ、NEV販売比率の向上と自動運転技術の実用化に注力している。NEV分野では、上汽集団がNEVのミドルレンジ/ハイエンド市場に向けて飛凡汽車科技有限公司を設立し、Rブランドを運営。傘下の小型商用車の製造/販売を展開する上汽大通汽車(Maxus、以下上汽大通)は、今後3年以内にNEV10モデルを発売し、2025年にはNEVの販売比率を40%超とする目標を掲げる。広汽集団は、2025年に自主ブランドのNEV販売比率を50%に引き上げ、2030年にはグループ全体でNEV販売比率を50%とすることを計画。吉利新能源商用車の傘下ブランド「遠程汽車(Farizon Auto)」は、2030年までにNEV販売台数を57万台、完成車の全ライフサイクルでのCO2排出削減90%達成を計画する。長城汽車は新たにハイエンドEVブランド「沙龍(Saloon)」を発表した。

 インテリジェント・コネクテッド分野では、吉利(Geely)がスマート科学技術エコネットワークおよびスマートエネルギー/製造/サービス体系の戦略的枠組みの構築を計画すると同時に、1,500億元の研究開発への投資、25モデル以上のインテリジェントNEVのリリース、2025年のグループ全体の販売台数365万台達成などの9大行動を発表した。重慶金康新能源汽車傘下のSERESブランドでは、Huaweiとの初の提携モデルSF5に続き、共同でハイエンドのスマートカーブランドAITO(Adding Intelligence to Auto)を発表した。この他、複数の国営自動車メーカーがRobotaxiに力を入れている。

 

 

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