CES Asia 2018:電動化、インテリジェント化、コネクテッド化

中国における自動運転、スマートモビリティとスマートシティ、IT企業との連携

2018/07/27

要約

 2018613日から15日まで、中国上海新国際博覧センター及びケリーホテルで、CES Asia 2018(2018年アジア消費者エレクトロニクスショー)が開催された。展示会におけるカンファレンスイベントのうち、6つのカンファレンスを取材した。カンファレンスでは、大手自動車メーカー、新興自動車メーカー、大手自動車部品メーカー、自動車関連のサービスサプライヤー、中国IT大手、国際的な監査法人、大手メディアなどからのパネリストが集まり、新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)、IOV (Internet of Vehicle、以下IOV)、自動運転などのテーマについて活発な議論がなされた。

関連レポート:
CES 2018:自動運転とHMIの技術展示(2018年2月)
CES 2018:EV普及促進へ(2018年2月)



電動化と自動運転

テーマ:EVの新用途

会社名 会社概要 講演者 部門・職位
コンチネンタル ドイツ大手自動車部品メーカー。 王海波 パワートレインテクニカル/イノベーションダイレクター
Leap Motor
(零跑汽車)

2015年創業。浙江大華(Dahua Tech)が資本導入、中国新興EVメーカー。EVスマートカーを生産。

許煒 副社長
Desay SV Automotive
(徳賽西威汽車電子)
中国の大手自動車電子製品設計及び生産を手掛けるメーカー自動運転関連製品を生産。 黄力 研究院院長
ifeng(鳳凰網) 大手中国メディア(ポータルサイト)。 司会:李艶 「製品家」番組プランナー


  司会者とパネリストたちのセッションは下記の通り。(以下、レポート内敬称略)

嘉宾们和主持人在进行讨论
司会者とパネリストによるディスカッション
グローバルでのEV台数予測

  国際エネルギー機関(International Energy Agency, IEA)による2017年5月30日発表のレポートによると、2017年のグローバルのEV台数は、前年比57%増で310万台を超えた。2020年までに3倍以上に増え、2030年のグローバルでのEV保有台数は1.25億台に到達する、と司会者が述べた。

 

EV市場における現状の制約要因

  コンチネンタルの王海波は、EV市場における制約要因は主にバッテリーであるという。EVの大幅な拡大には、航続距離500km超、20万kmのバッテリー寿命、大幅なコストダウン、そして、コーヒー1杯を飲み終える程度の時間に70%の充電量が可能になると述べた。

  Leap Motor(零跑汽車)の許煒は、バッテリー技術の進化が難しい点は、量から質の変化までに時間がかかる点を挙げている。そして、EVバッテリーは開発段階でいくつかの大きな技術的問題があるため、水素燃料電池も代替案の一つであるとした。EVに対する消費者の許容度合いについて、すでに充電バイクにより充電モードを経験しているため、現在必要なのは充電設備を大規模に建設することであると述べた。

 

EV関連の措置

  コンチネンタルは、運転支援システム、自動運転、自動駐車の3機能を開発した。

  Leap Motorは、近々発売する新車に2つの新機能(顔認証と指静脈認証)を搭載する予定。搭載予定の指静脈認証の機能は中国初で、その精度と一意性は、現在よく使われている指紋認証より優れている。また、シーンが異なる際の信頼性も高い。例えば、指が水に触れた時、または雨天時には、一般的に指紋認証は失効するが、指静脈認証は影響を受けない。Leap Motorは今後、この2つの機能についてカスタマイズサービスを展開する。

  自動車電子部品を手掛けるDesay SV Automotive(徳賽西威汽車電子)は、最近中国国内と海外に複数のR&Dセンターを設立している。また、先日には湖南省長沙で自動運転レベル2の駐車に関する試験を行った。2020年にレベル3の自動運転を実現する計画である。

 

自動運転とその安全レベル

  王海波は、現在中国での自動運転関連の法規は未整備だとしている。しかし、北京などの都市では、自動運転テスト関連の法規が現れている。

  許煒によると、Leap Motorは現在レベル2の自動運転車を生産がすること可能で、2020年にはレベル3の自動運転車を生産する計画があると述べた。但し、レベル4の場合、路面状況下で多くの制限があり、量産までには暫く時間がかかるとのことであった。中国政府は、すでに自動運転の路上テストを許可したが、以前はこの様に許可が下りることはほとんどなかった。

  中国の自動運転テストが米国より遅れている要因は、安全レベルの向上に多くのデータとテストが必要なためである、と王海波が述べた。

 

国内外における自動運転の進化の差

  Desay SV Automotiveの黄力は、現在中国ではインテリジェント化の進化は非常に速く人々の許容度も高い。市場では自動運転システムを繰り返す機会は多いが、蓄積が少ないと述べた。許煒の意見では、中国と米国のギャップは大きくないが、現在中国国内ではデータ蓄積量と時間が不足している。中国政府は、自動運転に対して相応のサポートを与えており、将来中国はますます米国のレベルに近づくとのこと。王海波によると、中国は市場規模が大きく新技術の採用度合いが高いため、米国に追いつくペースはかなり速いとしている。

 

  聴衆とパネリストのセッションでは下記トピックスが議論された。

HV技術に関してコンチネンタルが採用した新機軸

  主に2点が挙げられる。1つ目は48Vのハイブリッドシステムで、これについての製品シリーズソリューションが整っている。2つ目はパワートレインで使用される電子制御システムであるとコンチネンタルの王海波が述べた。

インテリジェント化に関してLeap Motorが採用した指静脈認証及び顔認証以外の構成

 Leap Motorのセンサー、カメラ、レーダー、超音波などは全て自主開発で、視覚ベースの自動運転システムを引き続き構築中である。2019年3月発売予定のS0モデルに、レベル2の自動運転システムを搭載予定。計画では、2020年にレベル3のインテリジェント運転を実現する。

 

テーマ:自動運転に対して、消費者は準備できたか

会社名 会社概要 講演者 職位・部門
デロイト 世界四大会計事務所の一つ。 Marco Hecker 中国自動車産業パートナー
Aptiv 元デルファイよりスピンオフした、大手自動車部品サプライヤー、自動運転とアクティブセーフティなどの技術及びソリューションを提供。 王辰 アクティブセーフティ及びユーザーエクスぺリエンスアジア太平洋区域副総裁
零跑汽車 2015年創業し、Dahua Tech(浙江大華)からの資本が注入され、中国車メーカー新勢力、知能EVを生産する。 朱江明 創業者兼会長
デロイト 世界四大会計事務所の1つ。 司会:於海霞 中国リスクコンサルテーションパートナー


  本カンファレンスは、司会者とパネリストは下記トピックスを議論した。

自動運転はインフラをどのように再構築するのか

  Aptivの王辰によると、レベル4の自動運転の実現には、暫く時間がかかるとしている。この技術がスマートシティで正式に運用されると、通勤時間は1/3に短縮され、排気ガスは半分となる。また、現在世界中で交通事故による死亡者は年間150万人で、自動運転技術を用いると状況は大幅に改善される。中国市場でのレベル1/レベル2のADASの搭載率はグローバル平均より高い。自動運転レベル4の許容度も85%程度あり欧米より高い。自動車業界では、2020年を目途にレベル2/レベル3の自動運転は路上で大規模運用できると認識している。

 

自動運転は都市をどのように再構築するのか

  デロイトのMarco Heckerによると、世界各地の状況は違うとのこと。例えば、アメリカ人は自動車に依存し、北米の路面の大部分は車用で、中国の場合は歩行者用である。デロイトの研究データによれば、2017年に60%超の中国人が自動運転に不安をおぼえ、2018年にこの比率は25%に減少した。中国の消費者は、自動運転技術と新興メーカーに対し、許容と自信を持っており日本の状況とは全く異なる。政府の都市計画の管理者は各都市に主導権をとらせており、政府は「中国製造2025」の中に計画されている自動運転車と有人車の共存問題の検討を開始している。レベル5の自動運転の実現について、中国はすでにIOV、電動化、自動運転の3つの領域で世界をリードしている。2030年まで、エコシステムレベルで繋がる車は3億台に達し、そのうち7400万台はEV、3500万台は自動運転車で、全てレベル4以上になる。中国において、現時点では自動運転の路上テスト関連の法規制は厳しく、北京及び上海で許可を取ったメーカーは3社のみだが、米国のシリコンバレーで許可を受けた中国メーカーは12社。自動運転の影響は、全てのエコシステムに波及する。

 

自動運転は生活を再構築するのか

  Leap Motorの朱江明は始めに、カーシェアリングは渋滞問題を完全に解決できないという意見を示した。車両の使用時間帯は通勤ピーク時に集中するために、カーシェアリングでは車両数を大幅に減らせないと言う。また、インテリジェントドライビングの発展は段階的なプロセスで進んでいるため、大衆の恐怖心を除くには時間がかかるとしている。Leap Motorは、自動車を未来の電子製品に定義。一連のインテリジェント関連部品(カメラ、レーダーなど)を自主開発し、長年かけてAIも開発。今後は、これらの技術を組み込み、レベル1から順に自動運転を少しずつ実現させる。

 

主持人和嘉宾们在进行讨论
司会者とパネリストによるディスカッション
インテリジェント化とIOVの挑戦に向けて、車両システムはどのように対応するのか

  王辰は、レベル4の自動運転車において、毎時間生みだされるデータ量は非常に多く、従来の電磁マネジメントシステム構造を使用すると、データの処理は困難となるとしている。例えば、車内のワイヤーはすでに全長2.5マイルに達しており、レベル4後に、ボタンとハーネスを増設した場合、良い効果は得られない。レベル4の自動運転の大規模運用に際して、シーンの大量の蓄積と信頼性テストにまだ時間はかかる。

 

自動運転と有人運転の共存について

  朱江明は、信号制御から解決し、自動運転はトップダウン設計と標準化などから着手する必要があると考えている。中国におけるレベル1/レベル2の実現も米国とは異なるべきで、中国の頻繁な道路建設を考えると、レベル2/レベル3の車道を基準にしてはいけない。車道は、基準としてではなく、ルールに則り適用されるべきである。運転習慣と同じように、自動運転は中国に定着することになる。

  Marco Heckerは、エコシステムに対して制限する都市より、開放的な姿勢を持つ都市は成功しやすいと述べた。未来の法規は車とインフラに止まらず、車と5G通信も含む。そして、現在世界中のスマートフォン市場において、中国メーカーはシェアが高くそのため自動運転領域と自動車に関するインフラ整備の標準化において、中国勢のできることは多い。また、中国のエコシステムは他国と少し異なる。

 

自動運転のビジネス

  王辰は、自動運転の商業利用のプラットフォームをどのように構築するかを研究中だと述べた。Aptivは、シンガポールで2016年9月よりシンガポール政府と連携し、「FIRST MILE LAST MILE」という自動運転プロジェクトを開始。また、米国のボストンで、MIT (Massachusetts Institute of Technology) と連携し、「都市半径化」という自動運転プロジェクトを展開している。2018年のラスベガスでのCESで、すでに自動運転機能が搭載された車を200台投入したと発表した。以上は世界3カ所でAptivが行った自動運転に関する試験プロジェクトである。今後は中国で新たなプロジェクトを行う可能性がある。

 



インテリジェント化とIOV

テーマ:スマートカーの新時代における決定的な勝利

会社名 会社概要 講演者 部門・職位
SITECH DEV
(貴安新区新特電動車)

2017年中国貴州省貴安新区で創業の新興EVメーカー。

先越 創業者・CEO
Thunder Soft
(中科創達ソフト)
世界有数のインテリジェントターミナルプラットフォーム技術/モバイルインターネット端末機器のトータルソリューションのプロバイダー。 鄒鵬程 CTO
Banma(斑馬智行) 上海汽車グループとAlibabaグループの合弁会社、コネクテッドカー向けのソリューションを提供。 周平 副社長
PATEO(博泰) 中国有数のIOV企業、ハードウェア・ソフトウェア・クラウドプラットフォームなどの技術を保有。 張毅 事業運営副社長
Xiaopeng
(小鵬汽車)

2014年創業の中国新興EVメーカー。中国工業情報部の製品公告を最初に取得した。コネクテッドカーの量産も展開。

何涛 創業者・副社長
SoundAI
(声智科技)
2016年創業の音声技術とAIインタラクティブ、音声インタラクティブ技術と言語認識サービスを提供。 常楽 チーフナレッジオフィサー
Zhidx(智東西) カンファレンスの主催者であり、インテリジェント産業に特化したメディア。 司会:孫暁寒 チーフエディター

 

インテリジェント新時代 車をさらに理解する(SITECH DEVの先越による講演)

  先越CEOは、現在のインテリジェント化のイノベーションは、自動車産業にとって20世紀初頭以来4回目の変革であり、自動車は次世代のスマートシティのモバイル端末であることを強調した。IOV技術によりインテリジェントキャビン技術を実現。同時に、インテリジェントハードウェアの複雑な操作が増え、コストアップなどの問題も生じると述べた。

  これらの問題に対しSITECH DEVの考え方は、使用する場面とユーザー要件を決め、実現可能な煩雑な機能を「減算法」で削除するという。 現在までにSITECH DEVが行った3つの取り組みは、①AGL(Automotive Grade Linux)連盟に中国OEMで初加盟、②プラットフォームの開放、全方位でのサービスを提供し中国招商銀行などの企業と連携して、自動車バンキング、スマートバッテリーバンキング、シェアエコシステムを開発、③車載システムのブラッシュアップ。

 SITECH DEVは音声アシスタントTEDDYを発表した。TEDDYは、画像認識、ARインタラクティブと音声応答が可能。講演最後にパートナー企業を公表した。パートナー企業は、iFLYTEK(科大迅飛)、Sense Time(商湯科技)、Face++、一汽、Mobike、Bosch、Lenovoなどで、Boschは自動運転ソリューション及び自動運転シェアリングソリューションを提供する。

图1:新特汽车创始人先越在演讲
SITECH DEVの創設者 先越 氏によるスピーチ
图2:嘉宾们在进行圆桌讨论
パネリストによるディスカッション


 

セッションは下記トピックスを中心に行われた。

スマートカーづくりの準備

  Xiaopeng(小鵬汽車)の創業者 何涛は、2018年末に Xiaopengはコンシューマー向けのスマートカー1モデルの発売を予定しており、同モデルにはいくつかのスマートキャビン、自動運転などの機能が搭載されると述べた。

  SoundAIの常楽は、2018年後半に新型3モデルにSoundAIの音声インタラクティブ技術を搭載すると述べた。

 

スマートカーにおいて必要不可欠な鍵となる機能

  何涛によると、1つ目は車と使用者のインタラクティブ性とコミュニケーション能力、2つ目は車自体の能力が必要不可欠としている。彼は、レベル4の完全自動運転の量産化にはある程度時間が必要だとした。現時点で商品化が可能な機能は、特定のシーンと状況下での自動運転で、例えば渋滞中の追従機能、自動駐車機能などである。また、車内空間における、スマートキャビンも1つの方向性で、車と人のインタラクティブ方法は拡張される。視覚方面だけに止まらず、ジェスチャー、そして音声認識と音声によるインタラクティブもある。最後に、自動車におけるインテリジェントについて、画像認識機能についてさらに注力していると述べた。

 IOV企業PATEOの張毅は、車の使用者自身が、インテリジェントなモノと対話していると思い使用するとしたら、まず車は人間の話を理解するべきで、また正確に反応すべきであるとした。ここに2つキーとなる問題がある。1つ目はデータの脱構築化(deconstruction)、2つ目は効率化である。音声インタラクティブとAIの時代において、データは燃料になり、計算能力はエンジンになると述べた。

  Thunder Softの鄒鵬程は、将来は、携帯電話が時代の経過とともにモニターが大きくなったように、自動車に搭載されているスクリーン(前席のインパネ/フロントガラス、後席のインフォテインメント用モニター等)もトレンドとして大きくなるとした。また、数も増えるとしている。また、人間味や双方向の体験が必要になると考える。例えば、ブレーキをかける際、タイヤの煙りを見れば、ブレーキ操作はより安定するだろうと述べた。

 上汽グループとAlibabaグループの合弁会社Banmaの周平は、音声は1つの要素であるとした。但し、データ作動、個人個人の識別、連続シーンの3つの属性が必要と述べた。形式としては、音声でも他の方法(ARダッシュボードなど)でも良いとのこと。

 

音声インタラクティブが現行のボタン/タッチ操作に完全に切り替わる時

  何涛は、シーンの複雑さの度合いや使用者の発音の違いを考えると、音声インタラクティブへの切り替わりの時期を具体的に示すのは難しいとしながらも、おおよそ2050年以降になると述べた。

  常楽の意見はさらに楽観的で、2018年後半で発売される新車に、いくつかの使いやすい音声インタラクティブ機能が搭載されるという。

  張毅は、音声インタラクティブ技術は未来のものではなく、現在すでに実現しているもので、PATEOと百度(Baidu)の共同開発車は既に実現されているとしている。

 

テーマ:エコシステムで繋がるスマートカー

会社名 会社概要 講演者 部門・職位
Banma 上海汽車グループとAlibabaグループの合弁会社、コネクテッドカー向けのソリューションを提供。 郝飛 CEO
Alibaba Cloud
(阿里雲)
Alibaba Groupの世界をリードするCloud computing & AI テクノロジー企業。Cloud computing, Big data, AI などを提供。 Cheng Liwei 自動車スマートモビリティチーフアーキテクト
Ingeek(銀基安全) 中国の情報セキュリティ企業、情報セキュリティ関連のコンサルティング/サービス/ソリューションなどを提供。 Han Yi 総経理
Audi China 大手自動車メーカー。 Hans Lippert Director of Digital Business
デロイト 世界四大会計事務所の1つ。 司会:周令坤 中国管理コンサルティングパートナー


 

  司会者とゲストたちのセッションは下記の通り。

中国消費者のIOVに対するスタンスと需要

  デロイトの周令坤によると、デロイトの研究では、中国消費者の62%はIOVとスマートカーに期待を抱いていると同時に87%は情報セキュリティについて心配をしている。また、IOVに対する中国消費者の主な要望は、渋滞改善の最適なルートの提案、低コストのカスタマイズ化されたルートの提案、最適化されたメンテナンスの定期レポート、運転習慣に基づいたメンテナンス費用の予測、車載Wi-Fiなどである。

 

スマートカーとスマートシティに対応した業務

 郝飛は、BanmaはオープンプラットフォームAliOSに基づき、自動車産業にソリューションを提供し、スマートエコシステムを通じて、現在はスマートパーキングとスマート給油などの機能を展開していると述べた。

 2018年5月には、山東省高速道路と連携し、high way cloud pay機能をリリースした。これにより、スマートカーでhigh way cloud pay機能を使用することで、ETCの代わりにクラウド経由で支払いが可能となる。

  Audi Chinaは体系を構築中で、中国自動車産業の発展と連携したいとHans Lippert述べた。現在は北京と無錫の2都市でHuawei及びChina Mobileなどの企業と連携している。

  Alibaba CloudのCheng Liweiによれば、すでにIOVの本質はデジタルビークルからデジタルユーザーに変わった、1車両が1日に運用するデータ量は、以前の10-40MBから4GBに達し、5G時代には100倍に増える。Alibaba Cloudの業務は、車両オーナーをサポートし、これらのデータを処理する。また、AIスマートモビリティとスマートシティの開発にも取り組んでいる。杭州では都市の頭脳を構築、また雄安新区では建設にも参画。

 

スマートモビリティとスマートシティに対するAlibabaの布石

  従来のIOVから、スマートモビリティに、またスマートシティまでの流れは、段階的関係であるとCheng Liweiが述べた。モビリティの視点から言うと、すべてのシステムはnorthbound interface(上位装置インターフェイス)をオープンにした上で、全てのデータはオンラインとなりAIに依存する。都市の視点によると、次元がさらに高くなり、もはや個々の移動効率を最大化することではなく、Alシティの頭脳は、都市の運営効率を最大化し、公平性も考慮する必要がある。最終的な目的は、全ての人の移動効率を最大化することだとしている。中国において最大のデータ保有量を持つ組織は政府である。Alibaba Cloudは、主に市道ネットワークカメラのデータに基づき、リアルタイムで交通量を計測、予測し、事故を識別し、避難指示を誘導する。杭州にはスマートハイウェイを建設している。ビデオによる識別にはまだバラツキがあるため、車から介入すること(例えば高速道路標示を車内に映すことなど)は必要である。

 

主持人和嘉宾们在进行讨论
司会者とパネリストによるディスカッション
Audi Chinaはいかに現在のスマートソリューションから利便性を得るのか

  Audi Chinaは、顧客からの膨大なデータを取得し、データは顧客ニーズと顧客の使用習慣の分析に用いられている。さらにAudi Chinaの車両自体を改善する、とHans Lipperが述べた。その他にAudi Chinaは現在、北京にシェアタイプのレンタカーサービスを開発している。最後に、Audi ChinaはTencentと連携し「My Car」という名のサービスを開発していると述べた。なお、このサービスはWeChatによる位置共有などの機能を含んでいる。

 

IOV実現後、Alibabaはいかににデータを収益化するのか

  データはネットワークで相乗効果を起こした時のみ、大きな価値が生まれる。単一チャンネルと単次元データの価値は低い。例えば、自動車メーカーのCRMデータベースに長年眠っている幾千ものデータ価値は低い。Alibabaがデータの収益化で行うことは、今までの経験を活かして自動車メーカーとインターネット企業をサポートし、データの相乗効果を高めることである。自動車メーカーがスマートモビリティ、IOV、オフラインのアフターサービスなどの業務を行った際に累積したデータはネットワークで相乗効果を生むことが可能で、さらに価値あるモノに変換できる。

 

IOV機能に対するユーザーの支払意欲

  周令坤によると、ユーザーの過去におけるIOV体験が良くないために、IOV機能の有料更新を行ったユーザーの比率は10%に満たないと述べた。この状況に対して、Banmaの郝は自動車メーカーとともに、新規ビジネスを構築した。それはIOVの基礎データ通信量を永年無料とし、一部の上級機能から有料にするというものである。Banmaは、無料の技術アップグレードを提供し、ユーザーの忠誠心と活況を保証する。これは、自動車メーカーにとっては大きな負担にならない。なぜなら、長期的に安価なインターネット契約が提供される一方で、自動車メーカーは車両データの分析を通じて利益を得られる。2016年7月にBanmaがこの案を展開してから、多くの自動車メーカーがこの方法を選択している。

 



スマートモビリティ

テーマ:スマートモビリティに関する自動車メーカーの観点

会社名 会社概要 講演者 職位・部門
BYTON(拝騰汽車) 2016年創業した新興EVメーカー、インテリジェントEVを生産。 Dr. Daniel Kircher 創業者・総裁
デロイト 世界四大会計事務所の1つ。 司会:洪廷安 中国産業計画リードパートナー

 

戴雷在演讲
BYTONのDaniel Kirchert博士によるスピーチ
スマートモビリティ、スマートシティからインテリジェントなアジア太平洋地域(Daniel Kirchert博士のスピーチ)

  Daniel Kirchert博士は、BYTONの初の量産モデルは2019年に発売されると述べた。過去のテスラにおける電動化と異なり、BYTONはインテリジェント化と自動運転の方向に進む。自動車の位置づけは次世代のインテリジェンス端末であり、また革新的なUI(User Interface)がポイントである。「革命的なUIは全てを変える」(Steve Job’s 言葉からの引用)。

  新モデルには、49インチ超大型UIのスクリーンが搭載される。先進的なジェスチャーコントロールセンサーが搭載され、従来のコントロールボタンがなくなり、リモートタッチ+ジェスチャーのコントロール方法に切り替わる。8インチのドライバー用のタッチスクリーンと後席の独立型インフォテインメントシステムは、基本的にスマートフォンと入れ替えることも可能。

  BYTONの本部と工場は南京にあり、工場はインダストリー4.0標準、敷地面積は4,856,137平方メートル。年間生産能力は30万台を計画している。溶接と組立てを含む試作現場の面積は8000平方メートル。2018年には100台程度の試作車を製造し、5月下旬までにテストを行った。開発チームはミュンヘンとシリコンバレーのR&Dセンター。初の車両は顔認証登録、AR、VR、シミュレーター、ネットビデオ会議などの機能が装備され、中国市場の発売翌年には欧米を含む海外市場でも展開する。

  BYTONは現在5億ドルの融資調達を完了。主な調達先は一汽、CATL(寧徳時代)、COASTAL CAPITAL(沿海資本)などから。自動運転領域ではAURORAと連携し、レベル4の自動運転車を2020年に市場投入したいとのこと。同時に、百度と連携し現地化された自動運転機能を開発する。

  最後に、世界初公開となるByton K-Byte (Sedan)コンセプトカーの情報が発表された。この車には4つの自動運転センサーがあり、360度のシーンをカバーできる。


  司会者とパネリストのセッションでは下記テーマが議論された。

中国市場で近い将来で量産される自動車に対し、サプライチェーンは準備できたのか

  Daniel Kircher博士は、中国のサプライチェーンは世界一であるとし、なぜなら世界中で最も品質の良い車の一部は中国で生産されており、中国のサプライチェーンは完全に自給自足されているからであると述べた。もちろん、BYTONもミュンヘンとシリコンバレーにあるリソースを使う。Daniel Kirchert博士は、最近中国でスマートカーと自動運転の急速な発展に驚き、AIなどの領域で中国はすでに米国シリコンバレーと肩を並べていると思うと述べた。

 

EVに対する伝統的な自動車メーカーのリソース配分と環境の変化

  司会者の洪廷安は、今まで多くの伝統的な自動車メーカーはEV生産を始めたが、それらの会社は全てのリソースを投入してない、と述べた。そして、彼らが戦略を転換した後に、環境がどのように変化するのか。Daniel Kirchert博士は、伝統的な自動車メーカーがまだリソースを全て投入していないのは「力不足」ではなく、時間をかけて転換したいためだという。目的は今あるブランドを保護するためである。一旦、戦略の転換が決定するとEV技術自体の難易度は内燃機関車ほど高くないため、何の問題もないとしている。

  もう1つ興味深いのはスマートカーのインタラクティブで、今までの伝統的な自動車と全く異なる。この点について、伝統的な自動車メーカーの転換はより遅く、まさに新興勢力にチャンスがある。次に、伝統的な自動車メーカーは、カスタマイズにコストをかける。原因は、BYTONに類似した新興メーカーの顧客は20代のグループであるためで、彼らは幼い頃からスマート端末と共に成長し、スマートカーへの需要度は高い。しかし、Audiのような伝統的な自動車メーカーの顧客は平均年齢が高く、スマートカーへの需要度は低い。

 

EVに対する中国の投資

 中国は過去数年にEVに多くのリソースを投入し、トップレベルの国家政策の1つとなった。EV、スマートカー、自動運転などの推進に、中国政府は強い決意を表明し様々な取り組みを行った。しかし、充電ステーションなど投資不足の点もある。今後、2-3年のうちに大量のEVが現れ、中国は世界最大で最強のEV市場になるとDaniel Kirchert博士は述べた。

 

自動運転「ラストワンマイル」において、どの会社が中国市場で良好か

 Daniel Kirchert博士は、BYTONで2019年に発売する車に最高レベルの自動運転車の運用を実現したいとのことである。Bosch及びAURORAと連携し、南京工場で製造したプロトタイプ車のロードテストをシリコンバレーで行っている。しかし、北京や上海などで大規模なロードテストにはまだ長い時間を要する。もし、レベル4の自動運転を達成するなら、引き続き政府の法規制が必要で、また小規模区域から実施すべきと述べた。最後に、自動車技術以外、さらにスマートシティの要素を考慮する必要があり、政府の役割は重要であるとのことであった。

 

テーマ:スマートシティでスマートモビリティを実践する

会社名 会社概要 講演者 職位・部門
Huawei 大手の通信技術会社。 楊立志 スマートシティ業務監督
Voom アメリカの空飛ぶバス会社。 Evan Tahler 製品管理主席
デロイト 世界四大会計事務所の1つ。 司会:Simon Dixon グローバルトラフィックインダストリーリーダー

 

デロイトのモビリティ指標(Simon Dixonのスピーチ)

  セッションで司会者のSimon Dixonはデロイトのモビリティ指標を紹介した。この指標は、世界の54都市をカバーし、関連データは毎年更新され、将来のモビリティとスマートシティの2つの大きなテーマをつなげ、都市はいかにこれらに適応していくかについて、いくつかのキーとなる問題を回答した。


  デロイトインデックスの調査結果は下記の6つの要点となる:

要点 注記 詳細

1.過去は全ての序章になる

歴史には重要な作用があるが、決定的な要素ではない ·今の交通システムは長年の政策の結果
·当局は現在の交通システムを解決/改善する必要がある
·都市はイノベーションにより歴史的に残存する問題を解決できる
2.政府の基礎業務は必須 基礎業務から着手し その後展開する ·適用可能なインフラを提供する:道路、橋梁、バス、電車、信号
·厳格な規則の実行:自動車の所有権、交通規則、駐車、支払い
·システムの安全を担保する:インフラと乗客の安全を保護する、そうでなければ民衆は使用しない
·民営企業は大衆に役に立つことを担保する
3.一体化がキーとなる 幅広い産業からの参加者を含む ·異なる参加者たちを協調する:中央/地方政府、公共/私人、郊外/都心、規制当局/運営企業
·以下の要素は参加者の加入を容易にする:時刻表、交通方式、範囲、支払いシステム
4.渋滞問題はどこにもある 渋滞の原因は車の多さではない ·北米における渋滞原因は、自動車文化と自家用車に対する高い依存によるもの
·欧州の多くの都市は、自動車が出現する前に形成され、都市の道路が多すぎる車を収容しきれない
·インド、アフリカ、中南米における渋滞の原因は、常にインフラの不適切な使用と適切なインフラの不備
5.車は実に役に立つ 但し、相応しい管理が必要 ·幅広い範囲における一体化システムの一部となる
·モビリティのファーストマイル/ラストマイルに有効である
·適切な規範と現地状況に相応しい規模の制限が必要:インフラ、通勤文化、道路シェア
6.現地の文化との結びつき 利用と結果の改善 ·現地の要素はモビリティ選択肢に影響:地理と地形、天候、社会意向
·交通計画を行う者は、設計の際に現地文化を結合させ、問題を解決すべき


  新モビリティのエコシステムは、現在のシステムより快適でリーズナブル且つ安全でシームレスな輸送を提供する。

 

主持人和嘉宾们在进行问答
聴衆からの質問に答える司会者とパネリスト


  司会者とパネリストは下記テーマを議論した。

スマートモビリティにおける将来の展望

  Voom会社の業務内容は都心間の移動で、現在「車両」はヘリコプターの他に空飛ぶ自動車も開発している、とEvan Tahlerは述べた。Voomの研究によると、2030年までに世界では、50億人が都市に生活し、その際は地上交通だけはで足りない。既存の地下鉄及び超高層ビルと航空交通は同様の考え方となる。空飛ぶバスはすでに未来のインフラの1つと言われ、重要な交通手段になる。Voomもエアナビゲーションを開発しており、安全を保証したいとのこと。

 

未来のスマートシティとスマートモビリティの発展方向

  Huaweiの楊立志は、スマートシティ、スマートモビリティのいずれの発展にとって、各組織の努力が必要だとしている。それぞれの都市には異なる問題と解決策があり、Huaweiではそれを「一城一策」と呼んでいる。現在Huaweiは、世界40ヵ国余り、120都市余りのスマートシティの建設に参加している。スマートシティの観点は以下の2点。①都市は生き物であり、単一なシステムではない。例えば交通、医療、エネルギー、安全などのシステムは独立したものではなく、お互いに良いサイクルがあれば、都市の良好な運行効果が保証できる、②都市サービスの運営プロセスにおいて様々な業務が含まれ(技術提供、システム管理など)、単一の組織や会社だけで解決することは不可能である。そのため、「エコシステム」の概念が必要となり、社会と各業界の共同での努力が必要である。

 

未来のスマートシティとスマートモビリティにおけるデータセキュリティの扱い

  データを開放することはかなり重要で、開放することでスマートシティとスマートモビリティの実現を可能にする。但し、データの開放に伴い安全の問題も生じる。この矛盾について、楊立志の意見は、安全問題は礎であり最重要だとしている。関連する問題に対処する政府組織はすでにあるが、データの「使用」と「保護」のバランスはかなり複雑だ。社会ではデータに対する欲求とアピールがますます高まっているものの、今なお中国においては様々な要因によりまだ相対的に保護された状態である。しかし、データ間の障壁を破り、相互協調してこそ、データのより良い利用ができると誰もが既に認識している。以前、李克強首相は「データを利用して話し、データを利用して決定する、管理する、イノベーションを起こす」と提案し方法も示した。データが保証されていて、完全に閉鎖されたループを構築するために、適切な体制と組織の完備が必要である。時間の経過とともに、大衆は今のモバイルでの支払いを受け入れるように、もはやデータの安全性について心配がなくなる。

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