日本市場の新型車装備(下)軽乗用車編: 自動ブレーキの作動速度域・歩行者対応が拡大

スズキはWagon Rにマイルドハイブリッド、ダイハツはTantoにスマートアシストIIIを搭載

2017/03/15

概要

同一車線自動運転技術を採用したNissan Serena (写真:Nissan)
マイルドハイブリッドを採用したSuzuki Wagon R (写真:Suzuki)

 本レポートは、日本の自動車メーカーが20156月~20172月に国内販売した、新型軽乗用車の主要装備の概要である。取り上げたモデルは、ダイハツの3車種とスズキ、日産、三菱の各1車種で、計6車種(3車種は新モデルおよび全面改良車、残りの3車種は一部改良車。OEM車は含まない)。

 走行性能(燃費向上を含む)装備では、減速時のエネルギーを利用して発電した電力で、発進時にはモーターによるクリープ走行が可能なマイルドハイブリッドシステムを、スズキが新型Wagon Rに採用。衝突安全性装備では、前席サイドエアバッグの搭載が拡大した。

 運転支援装備では、車両の前後左右に装着したカメラにより、車両を真上から見たような俯瞰映像を表示する周辺視界情報提供装置(スズキ全方位モニター等)の搭載が拡大。また、予防安全装備では、対車両の自動ブレーキを本レポートで取り上げた新型車全6車種が搭載し、中高速度域での対応も拡大。対歩行者の自動ブレーキの搭載も拡大した。さらに、ペダルの踏み間違いなどによる急発進を回避する誤発進抑制機能(前方)や車線から逸脱しそうになると注意を促す車線逸脱警報の搭載も拡大した。

 視認性確保では、ステアリング操作に合わせてヘッドランプが動くAFSヘッドランプを、ダイハツがMove Canbusに軽自動車として初めて搭載。周辺の明るさに応じてハイ/ロービームを自動で切り替えるオートハイビームの搭載も拡大した。快適・利便性装備では、ウィンカーのスイッチを入れるとターンランプが自動で3回点滅するワンタッチウィンカー機能を備えたレーンチェンジウィンカーの搭載が拡大。運転席前方の表示パネルに走行情報を映し出すヘッドアップディスプレイを、スズキがWagon Rに軽自動車として初めて搭載した。



スズキ、ダイハツ、日産、三菱が新型軽乗用車に設定した主な先進装備

(2015年6月~2017年2月に日本で発売した新型車)

装備 設定車種
走行性能(燃費向上) マイルドハイブリッドシステム Suzuki Wagon R
衝突安全性 前席サイドエアバッグ Daihatsu Tanto/Move Canbus/Cast Sport, Nissan Dayz Roox, Mitsubishi eK Space
運転・駐車支援 周辺視界情報提供装置
(スズキ全方位モニター等)
Suzuki Wagon R, Daihatsu Move Canbus, Nissan Dayz Roox, Mitsubishi eK Space
対車両自動ブレーキ 全6車種
対歩行者自動ブレーキ Suzuki Wagon R, Daihatsu Tanto
誤発進抑制機能(前方) 全6車種
車線逸脱警報機能 Suzuki Wagon R, Daihatsu Tanto/Move Canbus/Cast Sport
視認性確保 AFSヘッドランプ Daihatsu Move Canbus
オートハイビーム Suzuki Wagon R, Daihatsu Tanto, Nissan Dayz Roox, Mitsubishi eK Space
快適・利便性 レーンチェンジウィンカー
(ワンタッチウィンカー機能付)
Suzuki Wagon R, Daihatsu Tanto/Move Canbus/Cast Sport
ヘッドアップディスプレイ Suzuki Wagon R



新型車装備レポートシリーズ:

日本市場の新型車装備(上):トヨタ、レクサス、日産編 (2017年3月掲載)、
日本市場の新型車装備(中):ホンダ、マツダ、富士重工、スズキ、ダイハツ編 (2017年3月掲載)、
欧州メーカーの新型車装備 (2016年11月掲載)、
米国の新型車装備  (2016年8月掲載)
Mercedes-Benz, BMW, Audiの予防安全装備  (2015年10月掲載)、
日本の新型車装備  (2015年7月掲載)、
日本の新型軽乗用車の装備  (2015年7月掲載)
Hyundai/Kia の新型車装備  (2015年6月)、

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