インド(下):タタは乗用車事業を立て直し、近くコンパクト車ZICAを投入
マヒンドラは小型SUV 3車種を投入、商用車をフルラインアップ化
2016/01/21
要 約
![]() Tata Motors乗用車事業再建の起爆剤として期待される Tata ZICA(写真:Tata Motors) |
本レポート「インド(下)」では、地元資本のタタモーターズ(Tata Motors)とマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(Mahindra & Mahindra、以下M&M)の動向について報告する。
Tata Motorsのインドでの販売台数は、2011-12年度(2011年4月~2012年3月)の84.5万台から2014-15年度の3年間に45.2万台に減少した。乗用車(Passenger Vehicles)は5割以上の減少、商用車(Commercial Vehicles)も首位を維持してはいるが、販売台数が4割近く減少しシェアを落としている。
Tata Motorsは、商用車での首位を維持するとともに、Horizonext計画に基づき乗用車事業を抜本的に強化する方針。近く、「Tataにとってこれまでで最も重要な乗用車モデル」とされるコンパクトハッチバック車ZICAを発売する。
M&Mは、UV(Utility Vehicles)でシェアトップだが、競合車の参入によりシェアを落としている。競争力強化のため、2015-16年度にSUV 3車種を投入した。特に、M&MのSUV初のガソリンエンジンも搭載するKUV100は、M&Mの新たな顧客層を開拓すると期待されている。
商用車については、M&Mは、2015年4~12月にLCVs分野でTataを抜いてシェアトップとなった。さらにM&Mのラインアップに欠けているGVW 9~16tクラスを開発し、2年以内にGVW 3.5~49tのフルラインアップで商用車を展開すると2015年8月に発表した。
(注)現地価格の日本円換算値は、1ルピー=1.8円で計算した。
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インド全体市場:乗用車に続き、商用車需要も回復へ
インド自動車市場は、2013-14年度(2013年4月~2014年3月期)に9.9%(乗用車は6.8%、商用車は20.2%)減少した。乗用車は、2014-15年度から回復に向かっている。商用車のうち、中大型車(M&HCVs:GVW 7.5t以上)は2014-15年度から回復している。小型商用車(LCVs)は依然として前年割れだが、2015年4~12月期には3.5%の減少で減少幅は縮小してきた。
インド国内セグメント別販売台数
セグメント | 2011-12年度 | 2012-13年度 | 2013-14年度 | 2014-15年度 | 2014年 4~12月期 | 2015年 4~12月期 |
---|---|---|---|---|---|---|
Passenger Cars | 2,031,306 | 1,895,471 | 1,786,826 | 1,876,017 | 1,360,048 | 1,516,977 |
Utility Vehicles | 363,772 | 553,660 | 525,839 | 553,699 | 405,353 | 418,201 |
Vans | 234,761 | 237,298 | 190,844 | 171,395 | 129,691 | 131,388 |
Total Passenger Vehicles | 2,629,839 | 2,686,429 | 2,503,509 | 2,601,111 | 1,895,092 | 2,066,566 |
M&HCVs | 349,216 | 268,263 | 200,618 | 232,755 | 160,060 | 207,668 |
LCVs | 460,283 | 524,887 | 432,233 | 382,206 | 284,119 | 274,129 |
Total Commercial Vehicles | 809,499 | 793,150 | 632,851 | 614,961 | 444,179 | 481,797 |
Total | 3,439,338 | 3,479,579 | 3,136,360 | 3,216,072 | 2,339,271 | 2,548,363 |
資料:SIAM(Society of Indian Automobile Manufacturers) | |
(注) 1. | Commercial Vehiclesで、M&HCVsはGVW 7.5t以上、LCVsは7.5t未満。それぞれPassenger Carriersを含む。 |
2. | 三輪車、二輪車は除く。 |
Tata Motors:国内販売のシェアが、2011-12年度の24.6%から2014-15年度14.1%に低下
2014-15年度のTata Motorsの販売台数を、2011-12年度と比べると、84.5万台から45.2万台に46.5%減少した。乗用車で販売台数減、シェア下落率が大きい。超低価格車Nanoの販売が失速し、海外資本メーカーの積極的な新型車投入に押されCompactセグメント車が44.3%減少した。
主力の商用車も4割近い減少で、シェアは第一位を維持してはいるが、58.5%から47.2%に低下した。ライバル社のM&MとAshok Leylandがシェアを伸ばしている(両社とも販売台数を減らしているが、Tata Motorsに比べ落ち込みが少ない)。
乗用車と商用車を合わせた国内販売でのシェアは、24.6%から14.1%に低下した。
Tata Motorsのセグメント別販売台数
セグメント | 2011-12 年度(A) | 2012-13年度 | 2013-14年度 | 2014-15 年度(B) | B/A | 2014年 4~12月期 | 2015年 4~12月期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Passenger Cars | 257,966 | 174,692 | 107,187 | 109,470 | -57.6% | 73,120 | 82,298 |
Utility Vehicles | 48,475 | 44,439 | 28,100 | 23,850 | -50.8% | 18,597 | 13,681 |
Vans | 64,909 | 95,333 | 63,525 | 28,471 | -56.1% | 22,586 | 16,051 |
Total Passenger Vehicles | 371,350 | 314,464 | 198,812 | 161,791 | -56.4% | 114,303 | 112,030 |
M&HCVs | 207,014 | 143,381 | 110,187 | 127,011 | -38.6% | 88,670 | 108,858 |
LCVs | 266,164 | 301,410 | 207,700 | 163,419 | -38.6% | 123,338 | 103,157 |
Total Commercial Vehicles | 473,178 | 444,791 | 317,887 | 290,430 | -38.6% | 212,008 | 212,015 |
Total | 844,528 | 759,255 | 516,699 | 452,221 | -46.5% | 326,311 | 324,045 |
セグメント別シェア
Passenger Vehicles | 14.1% | 11.7% | 7.9% | 6.2% | 6.0% | 5.4% | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Commercial Vehicles | 58.5% | 56.1% | 50.2% | 47.2% | 47.7% | 44.0% | |
Total | 24.6% | 21.8% | 16.5% | 14.1% | 13.9% | 12.7% |
資料:SIAM (注)Passenger Carsでは、Microセグメント(Nano)は、2011-12年度の74,527台から2014-15年度16,901台に減少、Compactセグメント(Indica、Indigo eCSなど)は163,780台から91,258台に減少した。
Tata Motors:Horizonext計画で乗用車事業を立て直し、近くコンパクトハッチバックZICAを発売
Tata Motorsは、2013年6月に、乗用車事業を強化するHorizonext計画を発表した。インド自動車市場での競合がますます激しくなるなか、Tata Motorsは、商用車での優位を強化するとともに、乗用車事業を抜本的に強化するとしている。Horizonext計画は、1)焦点を絞った商品開発、2)世界トップクラスの生産技術の確立、3)顧客に豊かな購入体験を提供する、4)一貫した質の高いサービスの提供、を目指す。
Horizonext計画に基づき、Compactセグメントに、2014年8月にZestセダン、2015年1月にBoltハッチバックを投入したが販売は伸びていない。2016年2月に発売予定のZICAは、同計画の下で開発された本格的な新型車とされる。
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Horizonext計画で乗用車事業を立て直し
Tata Motorsの乗用車事業は曲がり角にあるとして、殆ど全てのラインアップを刷新していく計画。2020年までの商品計画を作成し、現在参入していないセグメントへの参入も計画。なお今後も、小型車がTataの乗用車ポートフォリオのキーセグメントになるとしている(Sanand工場は、小型車を年間30万台生産する能力がある)。 |
Horizonext計画のもと、2014年8月にZestセダン、2015年1月にBoltハッチバックを発売したが、Zestの2015年の販売台数は2.5万台、BoltはさらにZestの約半数と不振。この2車種は、IndigoとIndicaの後継車の色彩が強く、新鮮味に欠けたとされる。またCompactセグメントのなかでも、Zestは48.8万ルピーから、Boltは45.5万ルピーからの競合の激しい価格帯に投入し、ライバル車に競り負けている。 |
Tata Motors:2016年2月にコンパクトハッチバックZICAを発売
Tata ZICAは、Horizonext戦略が生み出した初の本格的な量販車とされる。2月のAuto Expo 2016開催後発売される見込み。1.2Lガソリンエンジンまたは1.0Lディーゼルエンジンを搭載し、全長3746mm、全幅1647mm、全高1535mmの小型ハッチバック。 |
ZICAは、TataにとってIndica(1998年発売)やNano(2008年発売)以来の本格的な新型乗用車とされ、200人以上の技術者が3年間かけて開発した。Compactセグメントでも、より上級のTata ZestやTata Boltに比べ競合車は少なく、Tataは、ZICAをもって乗用車市場でのシェア回復を目指している。 |
数少ないライバル車は、Maruti Suzuki Celerio(ベース車価格は39万ルピー)、Hyundai Grand i10(同47万ルピー)などで、ベース車価格は、両モデルの間に設定すると予想されている。初めて車を購入する顧客を主な対象とする。 |
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商用車では、2015年8月にACE Megaピックアップトラックの新型車を発売した。
小型トラック新型ACE Megaを発売
Tata Motorsは、2015年8月、都市間および都市内輸送のニーズに応える小型ピックアップトラック、ACE Megaの新型車を発売した。積載量は1tで、2気筒800ccディーゼルエンジンを搭載し、燃費はクラストップレベルの18.5km/L。 |
ACEシリーズは、2005年発売以来150万台を販売し、GVW 2t以下小型トラックのシェア8割を抑え、またインドで販売される全商用車の2割はACEシリーズだとしている。 |
Tata Motors:Jaguar Land Roverが連結業績を支える構造
Tata Motorsは、2008年にJaguar Land Rover(以下JLR)をFordから買い取った。JLRは2014-15年度の売上高と当期純利益を2010-11年度比倍増させて(4年間で倍増)Tataの連結業績を支えている。
Tata Motorsは、2014-15年度の連結売上高は2兆6,724億ルピー(約4兆8,000億円)でインド最大の自動車メーカーと称している。しかし、連結売上高におけるTata単独の売上高の割合は、2011-12年度の約4割から最近は15~17%に縮小し、大部分をJLRを中心とする子会社群が支える構造になっている。
Tata単独では、2014-15年度の売上高は2010-11年度比2割減、最終損益は赤字となった。2015年4~9月期のTata単独業績は、大型商用車の販売増で、最終赤字が前年同期の145億ルピーから3億ルピーに縮小するなど回復の兆しを見せている。
Tata Motorsの連結及び単独業績 |
(100万ルピー、JLRは100万GBP(英ポンド:Great Britain Pound)) |
2010- 11年度 | 2011- 12年度 | 2012- 13年度 | 2013- 14年度 | 2014- 15年度 | 2014年 4~9月期 | 2015年 4~9月期 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高 | 連結(A) | 1,268,437 | 1,713,394 | 1,945,141 | 2,374,550 | 2,672,440 | 1,251,693 | 1,226,203 |
Tata単独(B) | 516,069 | 597,950 | 514,079 | 415,910 | 414,058 | 164,555 | 197,994 | |
JLR | 9,871 | 13,512 | 15,784 | 19,386 | 21,866 | 10,161 | 9,833 | |
B/A | 40.7% | 34.9% | 26.4% | 17.5% | 15.5% | 13.1% | 16.1% | |
当期純損益 | 連結 | 92,736 | 135,165 | 98,926 | 139,910 | 139,863 | 86,891 | 23,392 |
Tata単独 | 18,118 | 12,422 | 3,018 | 3,345 | (47,390) | (14,520) | (299) | |
JLR | 1,036 | 1,460 | 1,214 | 1,879 | 2,038 | 1,143 | 400 |
資料:Tata Motors | |
(注) 1. | 主な連結子会社としては、JLRの他に、Tata Daewoo Commercial Vehicles、Tata Motors Financeなどがある。 |
2. | 2016年初時点で1 GBP=約98インドルピー、1インドルピー=約1.8円。 |
3. | 当期純損益は、少数株主分控除後。 |
Mahindra & Mahindra:UVと小型商用車(LCVs)でシェアトップ
Mahindra & Mahindra(M&M)は、Mahindra Groupの中核企業で、自動車部門と農機具部門が中心。Mahindra Groupは、2015年3月時点で113の子会社を擁し、年間170億ドル(2兆円強)規模の売上高を誇る。
M&Mは、インド市場で11~13%のシェアを維持している。販売はUVとLCVが中心。
UVの全体需要は年間53~55万台を維持しているが、M&Mによると、12.5%の優遇物品税率が適用される小型UVセグメントに、海外メーカーから数多くの新型車が投入された。このためM&MのシェアはNo.1を維持しているが、2011-12年度の55.6%から2014-15年度以降37%前後に低下している。
またM&Mは、商用車で25%前後のシェアを維持している。このうち小型商用車(LCVs)でここ3~4年シェアを拡大し、2015年4~12月期のシェアは42.5%でTata Motorsを抑えトップとなった。一方、GVW 9~16tモデルのラインアップを欠いている。
M&Mは、2015-16年度にUVの新型車3車種を発売し、またM&HCVsを強化する計画を発表した。
Mahindra & Mahindraのセグメント別販売台数
セグメント | 2011-12 年度 (A) | 2012-13年度 | 2013-14年度 | 2014-15 年度 (B) | B/A | 2014年 4~12月期 | 2015年 4~12月期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Passenger Cars | 17,839 | 15,344 | 9,734 | 3,184 | -82.2% | 2,274 | 2,618 |
Utility Vehicle | 202,217 | 263,926 | 219,421 | 206,837 | 2.3% | 149,809 | 153,242 |
Vans | 25,644 | 31,437 | 25,189 | 13,947 | -45.6% | 11,311 | 7,756 |
Total Passenger Vehicles | 245,700 | 310,707 | 254,344 | 223,968 | -8.8% | 163,394 | 163,616 |
M&HCVs | 3,885 | 3,806 | 3,243 | 4,402 | 13.3% | 2,931 | 4,679 |
LCVs | 136,962 | 150,892 | 157,316 | 149,520 | 9.2% | 111,901 | 116,417 |
Total Commercial Vehicles | 140,847 | 154,698 | 160,559 | 153,922 | 9.3% | 114,832 | 121,096 |
Total | 386,547 | 465,405 | 414,903 | 377,890 | -2.2% | 278,226 | 284,712 |
セグメント別シェア
Passenger Vehicles | 9.3% | 11.6% | 10.2% | 8.6% | 8.6% | 7.9% | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
(内)Utility Vehicles | 55.6% | 47.7% | 41.7% | 37.4% | 37.0% | 36.6% | |
Commercial Vehicles | 15.7% | 18.0% | 25.4% | 25.0% | 25.9% | 25.1% | |
(内)LCVs | 29.8% | 28.7% | 36.4% | 39.1% | 39.4% | 42.5% | |
Total | 11.2% | 13.4% | 13.2% | 11.8% | 11.9% | 11.2% |
資料:SIAM
M&M:2015-16年度にSUV 3車種を発売
UVセグメントでは、M&Mは2015年5月にXUV500をマイナーチェンジ。次いで 2015年9月にCompact SUV TUV300を発売し、2016年1月にさらにその下に位置づけられるKUV100を発売した。
新規モデルTUV300は、9~12月に月平均約3,800台を販売し、順調なスタートを切った。
KUV100はSUV風のハッチバックで、M&M SUV初のガソリンエンジンを設定し、44.2万ルピーからの低価格に設定した。M&Mは、"young SUV"と呼び、新たな顧客層の開拓を期待している。
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M&Mが2015ー16年度に発売したSUV
発売時期 | モデル名 | エンジン | 全長 | 価格 |
---|---|---|---|---|
2015年5月 | XUV500 (マイナーチェンジ) | 2179ccディーゼル | 4585mm | 1,150,209ルピー~(約207万円~) |
2015年9月 | TUV300 | 1493ccディーゼル | 3995mm | 710,849ルピー~(約128万円~) |
2016年1月 | KUV100 | 1200ccガソリン | 3675mm | 442,000ルピー~(約80万円~) |
1200ccディーゼル |
(注) 1. | 価格は、XUV500とKUV100はMaharashtra州Pune市、TUV300はデリー市価格。 |
2. | 全長4m未満、エンジン排気量1.5L未満のTUV300とKUV100には、12.5%の低い物品税率が適用される。この基準を超えると、物品税率は24~30%となる。 |
KUV100で、初めて車を購入する顧客にアプローチ
低価格 | KUV100は、SUV風のハッチバックで、Maruti Suzuki SwiftやFord Figoに対抗する車種と位置付けられ、ガソリンエンジン車が44.2万ルピーから、ディーゼルエンジン車は52.2万ルピーからの低価格に設定。6人乗り車(3+3)も設定した。 |
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ガソリンエンジン を搭載 | KUV100は、新開発の「mFALCON」1.2Lガソリンエンジンと1.2Lディーゼルエンジンを搭載する。ディーゼル車にはStart-Stopを設定。またM&MのSUVがガソリンエンジンを搭載するのは初めて(注)。顧客層の拡大に寄与するとされている。 |
Delhi首都圏で 登録できる | 2015年12月に、インド最高裁判所は、2016年3月までDelhi NCR (National capital region)での、2000cc以上のディーゼルエンジン車登録を禁止する決定をした。Mahindra車の多くが2000cc以上のディーゼルエンジンを搭載しているため、自動車メーカーのなかで一番影響が大きいとされる。KUV100はDelhi首都圏で登録できる数少ないMahindra車の一つになる。(注) |
初めて買う車の 候補になる | M&Mには、CompactセグメントのVibe、Super compactのVeritoがあるが、これらはRenault Loganベースの車で販売台数も少ない。KUV100は、M&Mが、初めて車を買う顧客に提供する自社開発の車となる。 |
(注)Mahindra車では、Renault LoganベースのVeritoのみガソリンエンジン(1.4L)を搭載する。また2000cc以下のディーゼルエンジンを搭載する車は、Vibe/Verito(1461cc)、Quanto/TUV300(1493cc)とKUV100の5車種のみ。
M&M:GVW 9~16tクラスを開発し、商用車をフルラインアップ化
M&Mは、商用車において、LCVs(GVW 7.5t未満)では高いシェアを持つが、M&HCVs(GVW 7.5t以上)ではTata MotorsとAshok Leylandが強く、M&Mのシェアは2~3%にとどまる。
M&Mは、70億ルピーを投資して、現在ラインアップに欠けているGVW 9~16tクラスを開発し、今後2年以内にフルラインアップの商用車を提供すると発表した。
またLCVsセグメントの、Jeeto(トラック)とSupro(トラックとバン)を発売した。
M&M:9~16tクラスを開発し、商用車をフルラインアップ化
2015年8月、商用車開発に70億ルピー(126億円)を投資すると発表した。現在ラインアップに欠けているGVW 9~16tクラスを開発、今後2年以内にGVW 3.5~49tのフルラインアップの製品を展開し、商用車首位のTata Motorsに対抗する |
M&Mは、既にGVW 20t超のM&HCVsを販売しているが、販売台数は年間数千台で、シェア首位のTata Motorsに大きく引き離されている。 |
M&M:新型小型商用車を投入
小型トラック JEETO | 2015年6月、M&Mは新規モデルの小型トラックJeetoを発売した。1気筒625ccディーゼルエンジンを搭載し、全長3281mm~3581mm。エンジン(最高出力11HPと16HP)、積載量(600kgと700kg)、荷台の長さ(1630mm、1780mmと1930mm)の組み合わせで8タイプから選べる。燃費は、最高37.6km/L。Telangana州でのEx-Showroom価格は23.2万ルピーから。 |
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小型トラック・バン SUPRO | M&Mは、2015年10月、小型商用車Suproを発売した。909ccディーゼルエンジンを搭載し、8人乗りSupro VanのMaharashtra州でのEx-Showroom価格は43.8万ルピーから。燃費は最高23.5km/L。Supro Maxitruckは積載量1tで、燃費は最高22.4km/L。同州価格は42.5万ルピーから。 |
M&M:Pininfarinaを買収
2015年12月、Mahindra & Mahindraは、イタリアのデザイン会社Pininfarinaを買収することで合意した。M&MとグループのIT企業Tech Mahindraが、Pininfarina株式の76.06%を28百万ドル(約34億円)で取得する。取得手続きは2016年末までに完了する予定。残りの株式も、同じ価格で取得できる見込み。他に債権者への保証や投資の約束で、M&Mの投資額は合計185百万ドルとされる。 |
Pininfarinaは、Ferrari、Alfa Romeoなどの自動車だけでなく、航空関連、エレクトロニクス製品、インテリアなど幅広い分野を手掛けており、M&MはMahindraグループの幅広い製品群(航空機、二輪車、小売関連など)のデザインにも活用していく方針と見られる。 |
<自動車産業ポータル、マークラインズ>