Fordの商品戦略:新型F-150は、燃費、牽引力など総合的に性能を向上

高性能車を拡充、Lincolnブランドを強化し2020年30万台販売を目指す

2015/10/27

要 約

FordのGTスーパーカー
FordのGTスーパーカー(2016年に発売予定)

 本レポートは、ライトトラックと高性能車を拡充し、Lincolnブランド強化を目指す、Fordの商品戦略について報告する。

 Fordは、もともとライトトラック比率が高いが(2011年以降66%超)、米国経済の回復と原油価格低下によるライトトラック販売への追い風があり、収益性が高いライトトラックを強化している。

 2014年秋に投入した新型F-150に、量販車初のアルミニウムボディーを採用し燃費を向上。また、ハイテン材を多く使用する強固なフレームにより、牽引力を引き上げた。今後次期型Super Duty、大型SUV Ford Expedition/Lincoln Navigatorにも展開する。

 2012年に北米での販売を終了した中型ピックアップトラックRangerの復活と、Rangerをベースとするbody-on-frame構造の新型SUV投入を検討している。これらの車種は、Michigan Assembly工場での生産となる見込み。同工場は、数年前に大幅改造し、生産車種をそれまでのF-150などのライトトラックから小型乗用車のFocus、C-Maxに変更したばかりだが、再度改造しライトトラックを生産することになる。

 高性能車については、2015~2020年に12車種を投入する計画で、2015~2016年にはFord Mustang Shelby GT 350、Focus RS、Ford GT、F-150ベースの高性能車Raptorを投入、Fordブランドのイメ-ジアップと収益の拡大を目指す。

 Lincolnブランドは、20年にもわたり半ば放置されていたが、5年間で25億ドル(技術開発費など関連費用を含めると総額50億ドル)を投資してラインアップを抜本的に強化する計画。2016年にフラグシップの高級大型セダンContinentalを復活させる。同ブランドを2014年から中国市場にも投入し、中国での拡販を見込み、2020年に2014年比3倍の世界30万台販売を目指す。


 Fordは、ここ2年間の積極的な新型車投入(F-150、Mustang、Edgeなど)が成果を生み、2015年第2四半期に、税前利益は29億ドル、純利益19億ドルの四半期として15年ぶりの高水準の利益を達成した。


関連レポート:Ford:堅調な業績を維持、多くの新型車を投入 (2014年6月)



F-150:燃費に加え、牽引力、ハンドリングなどの性能を総合的に向上

 Fordは、2014年秋に発売した新型F-150にアルミニウムボディーを採用し、車両重量を700ポンド(約320kg)軽量化した。同時に、ハイテン材を多く使用するフレームを採用し、牽引力を高めた。ハンドリング、加速性、ブレーキ制動距離なども含め性能を総合的に向上させた。

F-150:軽量化による燃費向上と、強固なフレームによる牽引力の向上を同時に実現

 Fordは新型 F-150に、量販車初のアルミニウムボディー(キャブと荷台)を採用し、700ポンド(約320kg)の軽量化を実現した。ベース車であるV6 2700cc EcoBoostエンジン搭載車の燃費は下表のように前モデルV6 3700cc自然吸気エンジン車の燃費を超えたが、発売前に期待されたhighway 30 mpgは実現できなかった。
 しかし700ポンドの軽量化は大きな進歩で、今後導入予定の10速ATなどと組み合わせることにより、燃費はさらなる向上が期待できるとしている。新型F-150発売時には間に合わなかった新技術を、今後順次採用していく。
 アルミ合金は、合金の成分、製法、厚みを持たせるなどの技術により、軽量化しながら前モデルのスチール製ボディーより強度を高めたとされる。また、ハイテン材を78%使用する強固なフレーム(前モデルでは23%)を採用し、牽引力や積載性能を高めた。

 

Ford F-150新旧モデルベース車の燃費(miles per gallon)

 city highway combined
旧型 2014 V6 3700cc(自然吸気) 17 23 19
新型 2015 V6 2700cc(EcoBoost) 19 26 22

 

 



高性能車を拡充:Fordブランドのイメージアップと台当たり利益増を図る

F-150シリーズの高性能車Raptor F-150シリーズの高性能車Raptor(2016年に発売する)

 Fordは、高性能車を相次いで投入する。2015年にMustang Shelby GT 350、GT350R、2016年にFocus RS、GT、F-150 Raptorを投入する。2020年までに12車種の高性能モデルを投入し、Fordブランドのイメージの差別化を図る方針。

 また、量販車をベースとする高性能モデルは、販売台数は多くなくても比較的少額の投資で、大きな台当たり利益を確保できるとしている。

 Fordは、2014年末に、それまで高性能モデル・レースモデルを担当していた3つの組織、"Ford's Special Vehicle Team in North America"、"Team RS in Europe"、"Global Ford Racing Operation"を"Ford Performance"に統合した。

 

 



ライトトラック系車種を拡充、中型ピックアップトラックRanger復活も検討

米国市場でのライトトラック比率 米国市場では、2011年に乗用車とライトトラックがほぼ半々であったが、米国経済の回復とガソリン価格の低下からライトトラック比率が高まり、2015年1~9月期には55.6%に達した。Fordは、もともと米国市場全体よりライトトラック比率が高く(2011年以降66%以上)、Fordは、ピックアップトラックやSUVなどライトトラックに注力している。

 Ford社内には、乗用車販売ももっと伸ばす余地があるとの考えもあるが、当面は需要が強く利益率も高いライトトラック系各車種を優先している状況と見られる。

 現行モデルの強化に加え、2012年に北米での生産・販売を終了した中型ピックアップトラックRangerを復活させ、Rangerベースで、body-on-frame構造のSUVを投入することも検討している。

 

生産工場:Michigan工場で再度body-on-frameのトラック系車種生産を検討

 Fordは数年前にMichigan Assembly Plantでの生産車種をトラック系から乗用車Focus、C-Maxに切り替えたが、同工場を再度body-on-frame構造のライトトラック生産に切り替える見込み。

 なお、Fordのライトトラックでは、Expedition、Explorer、Escapeなどの供給能力が不足しているため、ラインスピードのアップ、シフト体制の変更など増産に努めている。しかし、将来の市場変動も想定しFordは北米に新工場を建設する計画はないとしている。

中型ピックアップトラックと中型body-on-frame構造SUV復活を検討

 Fordは、原油価格の高騰と燃費指向の高まりの中、2010年に中型SUV Explorerをbody-on-frame構造からモノコック構造に変更してモデルチェンジし、2012年に北米での中型ピックアップトラックRangerの販売を中止した。
 しかし、米国で中型ピックアップトラックは根強い需要があり、2011~2014年の間も年間25~30万台が販売された。主要モデルはトヨタTacoma、Chevrolet Colorado、日産Frontierなど。
 Fordは、2015年8月、Rangerの復活とRangerベース(=body-on-frame構造)のSUV開発を検討中であることを明らかにした。Rangerは、仕様や価格がF-150に近いということもあり販売を終了したが、F-150の価格が上がり、中型ピックアップトラックの存在する余地が生まれたとしている。またSUVは、Broncoのモデル名を復活させる案が有力(BroncoはF-150ベース、body-on-frame構造のSUVで、1996年まで販売されていた)。
Michigan Assembly Plantで、再度body-on-frameのライトトラックを生産
 FordはMulally CEOの時代に、小型車、省燃費車を強化する一環として、ExpeditionやF-150を生産していたMichigan Assembly Plantに550百万ドルを投資して大幅改良し、フレキシブルに複数の車種を生産できる設備を導入。それまでのトラック系車種の生産をKentucky Truck工場などに移して、2010年からFocus、C-Maxおよび各車種のHV/PHVの生産を開始した(これらの車種が、その後最重要になると考えていた)。
 復活させるRangerや同車ベースのSUVは、Michigan Assembly Plantで生産する見込み。現在生産しているFocus、C-Maxは、メキシコCuautitlan工場に移管し、Cuautitlan工場で生産しているFiestaは、同じFiestaを生産しているタイ工場に移管する案が有力とされる。

 

Fordブランドの主要新モデル

2014年 F-150  アルミボディーを採用し、車両重量を700ポンド(約320kg)軽量化した。米国での平均実売価格は3,200ドル(約38万円)上昇。生産体制が整い、2015年第2四半期の北米地域の利益増大に貢献した。
 価格6万ドル以上の最上級トリム車Limitedと高性能車Raptorも2015~2016年に発売予定。GMと共同開発した10速ATも、2017年モデルイヤーで投入する。
Mustang  新型Mustangは、米国で2015年1~9月に前年同期比6割増の9.6万台を販売し好調。2015年夏に、Shelby GT350/GT350Rの高性能2モデルを投入した。
2015年 Edge  2015年3月に、中型クロスオーバーEdgeの新型車を発売した。2.0リッターEcoBoostエンジンを標準装備。燃費は、同じ2.0リッターを搭載する前モデルと同じ 20 city/30 hwy.。F-150と共通の発想で、燃費の細かい向上よりも居住性や性能の向上を重視。全長と全高を多少大きくし、牽引力も高め2000ccエンジン車で3,500ポンド(1,600kg)を牽引できるようにした。
Mustang Shelby GT350  Mustang Shelby GT350は、価格は49,000ドルから。6速MTと、Ford初のフラットプレインクランクシャフトを持つV8 5200ccエンジン(最高出力526hp、最大トルク429 pound-feet)を搭載する。(フラットプレインクランクシャフトは、フリクションが少なく高回転・高出力が可能。)
Mustang Shelby GT305R  GT350Rは、さらに13,500ドル高い価格で、アルミホイールに替えてカーボンファイバーを使用し、60 ポンド(約27kg)軽量化した。レース仕様で、より俊敏な走行を目指すため、エアコン、オーディオは装備しない。
Explorer  フロントおよびリヤデザインを変更し、2.0リッターEcoBoostエンジンに替え2.3リッターEcoBoostを採用するなど大幅改良し、大幅マイナーチェンジだがFordは新世代(6代目)Explorerと呼ぶ。
 2015年9月に最上級仕様車Explorer Platinumを発売、拡大する高級仕様SUV市場に参入し、GMC Acadia DenaliやGrand Cherokee Summitに対抗する。キルトした皮製ドアトリム、木製トリム、ソニーの最上級オーディオなど、Ford車にかつてなかった豪華な材質を使用し、価格は52,970ドル(Platinum以外の仕様は31,050~43,500ドル)。
2016年 Focus RS  2016 Ford Focus RSは、2016年春にドイツから輸入し北米で発売する高性能車。Focus RSとして、初めて四輪駆動を採用。価格(36,605ドルから)も、2.3リッターEcoBoostエンジンが生み出す最高出力350hpも、Focus量産車の倍以上で、Fordの収益性も量産モデルの倍以上とされる。
Super Duty  F-150と同様に、アルミボディーを採用。同時に、95%をハイテン・スチール材で構成する強固なフレーム(現モデル比で最大24倍の硬度を持つ)により、牽引力を高めた。
GT  600 hpを生み出す3.5リッターV6 EcoBoostエンジンを搭載し、アルミニウムとCFRPを多用するスーパーカー。Ford社内でも全く秘密で開発され、2015年Detroitオートショーに出展した。Fordは、新GTで次回のルマン24時間耐久レースに出場する予定。価格は40万ドル前後で2016年後半に発売するが、生産台数は年間250台にとどまる。
F-150 Raptor  F-150の高性能車で2016年秋に発売する。現Raptorは、2010年に発売し、V8エンジンを搭載するが、新型車は第2世代のV6 EcoBoostツインターボエンジンを搭載、Ford車で、初の10速AT(GMと共同開発した)を搭載する。最高出力450hp、最大トルク450lb-ft、価格は50,000~53,000ドル(F-150ベース車価格は26,315ドルから)と見られている。
2017年 Subcompact クロスオーバー  Chevrolet TraxやホンダHR-Vに対抗するsubcompactクロスオーバーSUVとして、インドで生産するEcosprtを輸入し、モデル名は北米向けに変えて2017年に投入する見込み。米国仕様とするため、細部仕様について多くの変更が必要になる。
Expedition  新型Expeditionは、F-150、Super Dutyに続いてアルミボディーを採用する見込み。Fordは、Chevrolet、GMCやJeepの大型SUVとの競争力を強化したい考え。
2018年 Fiesta  多少大型化し、ホンダFitに対抗する計画とされる。現在メキシコで生産しているが、タイに移管する可能性が高い。またモデル名を変更する可能性もある。
Focus  より丸みのあるデザインに変更し、デュアルクラッチトランスミッションを廃止すると見られる。生産は、モデルチェンジに合わせて、現在のMichigan Assembly PlantからメキシコCuautitlan工場に移管するとされる。

資料:Automotive News 2014.11.24/2015.5.25/2015.8.17

 

 



Lincolnブランドの強化に25億ドルを投資、2020年に世界30万台販売を目指す

Lincoln "Continental" Lincolnブランドは "Continental" のモデル名を復活させ、 2016年に発売する

 Lincolnブランドは、米国のラグジュリーブランドで販売台数第8位にとどまるが、2014年には米国ラグジュリー市場で最大の伸び率(15.6%)を示した。2014年に投入したMKC(Ford Escape姉妹車)がLincolnブランドの販売を牽引。2015年秋に新型MKX(Ford Edge姉妹車)の投入が続く。

 2002年に販売を終了したフラグシップカーLincoln Continentalを復活させ、2016年後半に投入する。また2019年には、Explorerの姉妹車をAviatorのモデル名を復活させ投入する計画。

 従来のFordの高級ブランドでは、1998年に大型乗用車Lincoln Town CarとMercury Grand Marquisを合計20万台以上を販売したが、今後はMKC、MKX、Navigator(Expedition姉妹車)などのSUVが中心となる見込み。

 Lincolnの販売台数は、2015年に10万台販売を達成すると2008年以来であり、2014年に続いて2015年も拡大すると、1997~1998年以来の2年連続の販売増となる。

 前任CEO Mulallyの時代は、景気後退期で全社の効率化と省燃費車の強化に集中し、Lincolnブランド拡大に注力できなかったが、新任CEO Mark Fieldsは、Lincolnブランドの商品開発と生産設備に25億ドル(個別技術開発費などを含めると総額50億ドル)を投資する計画。新しい、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動に対応するフレキシブルなプラットフォームを開発し、Fordブランド車との差別化を図る方針とされる。

 中国には、2014年に最初の販売モデルとしてMKZ(Fusion姉妹車)とMKCを投入、2015年にMKX(Edge姉妹車)とNavigatorを発売した。新しいフラグシップカーContinentalも2016年に投入する計画。

 Fordは、商品カバー率の向上と中国での拡販により、2020年にLincolnブランド30万台販売を目指すと発表した。

Lincolnブランドの主要新モデル

2014年 MKC  Ford Escapeの姉妹車。2014年に導入され、2015年1~9月に米国で1.8万台販売し、Lincolnブランド・ライトトラックのトップセラーになった。
2015年 MKX  Ford Edge姉妹車。Adaptive steering、precolission assist、全方位カメラなどLincolnブランド初の先進技術を搭載する。
2016年 Continental  2002年に生産を中止したContinentalを復活させ、2016年後半に発売する。FusionのCD4プラットフォームを延長して使用し、Continental専用の3.0リッターV6 EcoBoostエンジンを搭載する。前輪駆動および四輪駆動を設定。2015年New Yorkオートショーにコンセプトカーを出展した。Continentalの投入に伴い、MKS(Ford Taurus姉妹車)は販売を終了する。
 Continentalは、現在も米国でよい響きを持っているとされる。また中国に投入するが、中国でも昔の米国映画で知っている人が多く、「上流社会」につながるイメージがあるとしている。
2017年 Navigator  姉妹車であるFord Expeditionと同様に、2017年に新型F-150のプラットフォームベースでモデルチェンジし、アルミ製ボディーを搭載する。
2019年 Aviator  Ford Explorerの姉妹車となる中型クロスオーバーSUVを計画。2005年に生産を中止したAviatorのモデル名を復活させる見込み。2009年に発売したMKTは、新型Aviator発売前に販売を終了する。

 

 



2015年第2四半期は15年ぶりの高利益、年後半はさらに増益を見込む

 2015年第2四半期は、四半期決算として2000年以来、15年ぶりの高水準の利益を実現した。税前利益は29億ドル、純利益19億ドルを達成。ここ2年間の積極的な新型車投入(Ford F-150/Mustang/Edge、Lincoln MKCなど)が成果を生んでいる。

 業績を牽引したのは北米事業で、営業利益率は11.1%、かつてない26億ドルの税前利益を実現した。Fordは、2015年後半には、F-150始めその他の新型車の生産が軌道に乗ることにより、年前半にも増して利益水準が高まる見込みとしている。

 新型F-150は、実売価格が前モデル比3,200ドル向上し、インセンティブも減少している。ラインアップでは、現在最上級仕様はPlatinum(約51,000ドル)だが、2016モデルイヤーで価格6万ドル以上の高級トリム車Limited、また2016年に高性能車Raptorの投入が収益に貢献する見込み。

 F-150は、従来からFord自動車部門の利益の90%を稼いでいる、との試算もある。

Fordの連結業績

2012年 2013年 2014年 2014年 1H 2015年 1H 2015年 1Q 2015年 2Q
卸売台数(1,000台) 5,668 6,330 6,323 3,250 3,264 1,568 1,696
売上高(10億ドル) 134.3 146.9 144.1 73.3 71.2 33.9 37.3
自動車事業営業利益率 5.3% 5.4% 3.9% 5.0% 5.5% 3.6% 7.2%
税前利益(100万ドル)
(内)自動車部門 (内)財務部門
7,966 6,256 1,710 8,608 6,936 1,672 6,282 4,488 1,794 3,980 3,089 891 4,273 3,313 960 1,405 936 469 2,868 2,377 491
税引後利益(100万ドル) 5,596 6,593 4,633 2,300 2,809 1,630 1,885

 

(自動車部門)北米事業の業績

2012年 2013年 2014年 2014年 1H 2015年 1H 2015年 1Q 2015年 2Q
卸売台数(1,000台) 2,784 3,006 2,842 1,477 1,494 678 816
売上高(10億ドル) 79.9 86.5 82.4 41.6 43.3 20.0 23.3
営業利益率 10.4% 10.2% 8.4% 9.5% 9.1% 6.7% 11.1%
税前利益(100万ドル) 8,343 8,809 6,898 3,940 3,937 1,340 2,597

 

 



資料編

Fordの米国モデル別販売台数

2011年 2012年 2013年 2014年 2014年 1~9月 2015年 1~9月
乗用車 C-Max Crown Victoria Fiesta Focus Fusion Mustang Taurus 0 46,725 68,574 175,717 248,067 70,438 63,526 13,309 4,429 56,775 245,922 241,263 82,995 74,375 35,210 0 71,073 234,570 295,280 77,186 79,960 27,595 63,192 219,634 306,860 82,635 62,629 21,731 52,403 176,156 240,585 59,831 51,694 17,291 53,868 163,864 231,475 96,225 37,959
673,047 719,068 793,279 762,545 602,400 600,682
ライト トラック E-Series/Club Wagon E-Series Van Edge Escape Expedition 25,569 91,305 121,702 254,293 40,499 23,774 98,649 127,969 261,008 38,062 22,651 102,705 129,109 295,993 38,350 14,367 88,896 108,864 306,212 44,632 14,056 75,088 86,051 230,162 32,691 178 38,858 95,709 233,012 30,483
Explorer F-Series Flex Ranger Transit Transit Connect 135,704 584,917 27,428 70,832 0 31,914 164,207 645,316 28,224 19,366 0 35,216 192,397 763,402 25,953 0 0 39,703 209,994 753,851 23,822 20,448 43,210 158,652 557,037 18,536 3,310 31,944 190,171 564,451 15,062 86,085 36,827
1,384,163 1,441,791 1,610,263 1,614,296 1,207,527 1,290,836
Fordブランド合計 2,057,210 2,160,859 2,403,542 2,376,841 1,809,927 1,891,518
乗用車 MKS Town car MKZ 12,217 9,460 27,529 12,524 1,001 28,053 10,793 0 32,361 8,160 34,009 6,260 26,769 5,428 22,963
49,206 41,578 43,154 42,169 33,029 28,391
ライト トラック MKC MKT MKX Navigator 0 5,024 23,395 8,018 0 7,094 25,107 8,371 0 6,014 23,913 8,613 13,077 4,800 23,995 10,433 6,418 3,725 18,728 5,888 18,237 3,409 15,167 8,760
36,437 40,572 38,540 52,305 34,759 45,573
Lincolnブランド合計 85,643 82,150 81,694 94,474 67,788 73,964
Ford Motor 合計 2,143,101 2,243,009 2,485,236 2,471,315 1,877,715 1,965,482
Fordシェア 16.8% 15.5% 15.9% 14.9% 15.1% 15.1%
米国Light Vehicle合計 12,779,007 14,492,398 15,603,678 16,531,070 12,432,208 13,053,284
乗用車とライトトラックの比率
2011年 2012年 2013年 2014年 2014年 1~9月 2015年 1~9月
Ford Motor 乗用車 33.7% 33.9% 33.7% 32.6% 33.8% 32.0%
ライトトラック 66.3% 66.1% 66.3% 67.4% 66.2% 68.0%
米国 Light Vehicle 乗用車 49.6% 51.6% 50.1% 48.0% 47.7% 44.4%
ライトトラック 50.4% 48.4% 49.9% 52.0% 52.3% 55.6%

資料:Automotive News

 (注)F-SeriesはSuper Dutyを含む。2014年実績で、F-150:700,796台、Super Duty:53,055台。

 



LMC Automotive 生産予測:Fordの2018年世界生産台数は677万台へ

(LMC Automotive社、2015年9月)

Ford生産予測 LMC Automotive社の生産予測(2015年9月)によると、Fordの2015年ライトビークル生産台数は643万台で、2014年比39万台(6.4%)増加し、その後緩やかに拡大して2018年には677万台に到達する。

 2015年の39万台生産増は、主に米国(19万台)とスペイン(12万台)で実現する。米国では、Ford Transitと新型Ford Mustangを1年を通して生産することが貢献する。しかし今後米国での生産は緩やかに減少していき、2018年は211万台を生産する見込み。FordはMichigan Assembly工場でのFocusとC-maxの生産を、2018年にメキシコ工場に移管する計画。メキシコでの生産は、2014年から2017年の間は44万台前後だが、2018年には67万台に51%急拡大すると予測している。

 中国では、2015年に93万台を生産し、市場の全般的な減速にも拘わらず2014年比6.6%増加する。2015年以降も徐々に拡大し2018年に113万台に到達する。

 ドイツでの生産は、2018年に80万台で、2014年比22.2%増加する。 スペインでの2015年生産は40万台で、2014年比12万台(42.7%)増加する。FordはValencia工場に26億ドルを投資し、世界でもっとも進んだ、フレキシブル工場の一つに改造した。

 トルコでの2015年生産は32万台で、2014年比8.5万台(36.3%)増加する。LMC Automotiveによると、Fordは欧州の生産体制について、コストの高い北欧での生産を減らして、Transit CourierやTransit vanを生産するトルコ工場をより多く活用していく方針。

Fordの2018年世界生産台数は677万台

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
Ford Ford 5,380,038 6,036,877 5,914,374 6,304,470 6,442,047 6,458,411 6,625,018
Lincoln 85,270 99,214 131,189 126,484 138,105 147,487 141,192
Troller 1,027 1,011 1,242 1,418 983 1,064 1,071
Total 5,466,335 6,137,102 6,046,805 6,432,372 6,581,135 6,606,962 6,767,281
USA Ford 2,058,389 2,279,516 2,218,173 2,401,274 2,355,043 2,279,750 2,050,929
Lincoln 24,334 21,507 54,019 58,260 57,151 69,057 65,714
USA sub-total 2,082,723 2,301,023 2,272,192 2,459,534 2,412,194 2,348,807 2,116,643
China Ford 475,437 754,418 870,759 928,045 988,648 1,042,893 1,133,500
Germany Ford 694,004 616,364 653,926 739,292 729,505 753,682 799,086
Mexico Ford 423,423 469,780 392,169 401,512 407,925 397,537 625,227
Lincoln 20,740 45,615 39,444 37,355 41,764 42,910 41,604
Mexico sub-total 444,163 515,395 431,613 438,867 449,689 440,447 666,831
Spain Ford 134,748 227,751 282,581 403,372 417,426 380,443 353,549
Turkey Ford 264,735 274,995 233,056 317,581 325,033 322,291 325,644
Brazil Ford 275,773 351,467 268,923 244,962 243,158 268,891 279,883
Troller 1,027 1,011 1,242 1,418 983 1,064 1,071
Brazil sub-total 276,800 352,478 270,165 246,380 244,141 269,955 280,954
India Ford 115,570 119,298 151,102 159,426 216,930 244,260 256,754
Thailand Ford 136,418 156,240 147,202 135,317 188,115 230,034 249,946
Canada Ford 215,728 226,266 187,570 181,680 210,061 200,340 192,637
Lincoln 40,196 32,092 37,726 30,869 39,190 35,520 33,874
Canada sub-total 255,924 258,358 225,296 212,549 249,251 235,860 226,511
Russia Ford 127,918 103,240 56,767 45,928 69,598 80,648 103,423
Argentina Ford 89,072 102,280 103,107 94,119 89,130 89,089 89,413
South Africa Ford 48,358 53,798 73,511 77,228 80,015 76,800 72,049
Taiwan Ford 18,959 24,135 21,504 25,888 33,647 34,013 34,365
Romania Ford 30,591 68,339 52,829 52,464 45,289 36,445 32,577
Vietnam Ford 3,075 6,074 9,297 12,287 13,070 13,122 13,679
Venezuela Ford 21,875 12,292 4,502 2,396 2,907 4,801 8,463
Nigeria Ford 0 0 0 746 2,439 3,372 3,894
UK Ford 28,031 12,989 0 0 0 0 0
Malaysia Ford 0 0 239 32 0 0 0
Australia Ford 36,288 34,356 30,521 27,603 18,244 0 0
Poland Ford 54,613 51,644 54,502 52,924 5,864 0 0
Belgium Ford 123,325 91,635 102,134 394 0 0 0
Philippines Ford 3,708 0 0 0 0 0 0
資料: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast" (September 2015)
(注) 1. データは、小型車(乗用車 + 車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載にはLMC Automotive社の許諾が必要になります。
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