日産の中国事業:大連工場を稼働、インフィニティを強化

SUV X-Trailとヴェヌーシア T70が販売を下支え

2015/10/26

要 約

日産の中国事業  日産の現地合弁会社 東風日産は50億元を投じ、2012年から着手していた大連工場(遼寧省)の1期工事を2014年10月に完工し、生産能力15万台の新工場を稼働させている。既存3工場と併せ中国全土に車を提供していく生産体制を整えた。
 これにより中国全土の生産能力は乗用車系で144万台/年(2015年9月時点)となっている。大連工場の更なる能力増強などで、長期的に190万台程度まで中国での生産能力を増強していく計画。

  日産の中国での生産台数は、2014年実績は99.0万台と、100万台を超えた前年から1.7%減少した。また2015年に入っても減少は続いており、1-9月累計で0.9%減。2014年10月稼動の大連工場でSUVのX-Trailの生産を開始し、鄭州工場と合わせて同モデルを10万台を超える生産を行い、全体の落ち込みを防いでいる。販売も中国で需要が増加しているSUVにシフトしている。2015年10月には新型Qashqaiを発売し、SUVの品揃えを強化した。

 また東風日産の自主ブランドのヴェヌーシアでも、SUVのT70を2015年1月に発売。ヴェヌーシアブランドは2014年に11.4万台を販売し、東風日産販売の11%を占めた。2015年には5割増を計画中だが、1-9月累計では前年同期と比べて2.6%減少している。

 Infinitiブランドでは、中国現地生産を2014年11月にQ50Lから開始。次いで、生産モデル2車種目となるクロスオーバー車QX50の生産を行い、2015年3月に発売。2015年1-9月の生産台数は1.9万台。

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