日本メーカー:2015年度も最高益を更新する計画だが、伸び率は縮小

過去最高の設備投資と研究開発費投入を計画、トヨタは新工場建設を再開

2015/05/25

要 約

日本メーカー10社の売上高 日本自動車メーカー10社の2014年度決算は、連結売上高が7.2%、営業利益が12.6%、当期純利益は12.9%拡大し過去最高を記録した。しかし2012年度、2013年度に比べると成長率は低下した。2015年度も記録を更新する計画だが、売上高が4.4%、営業利益が4.6%、当期純利益が3.8%と、伸び率はさらに縮小する。

 地域別では市場状況の明暗が見られ、北米市場が好調を維持し、欧州市場も回復を示しているが、日本市場では販売台数減が見込まれている。アジアを中心とする新興国市場では、中国市場の減速、タイ・インドネシア市場での回復の遅れが懸念されているが、日本自動車メーカーは、アジア及びその他の新興国地域においても、前年度比49.1万台(4.8%)増の積極的な販売計画を発表している。

 また営業利益の増減要因では、2013年度・2014年度に各社の営業利益を押し上げた為替影響が、2015年度では、新興国通貨安のため1,653億円の減益要因となる見込み。

 こうしたなか、収益性を高めてきた日本自動車メーカーは、過去最高の設備投資(3兆600億円)と研究開発費(2兆8,150億円)を投入し、競争力強化を図る計画。トヨタは、3年間新工場建設を凍結してきたが、中国とメキシコに新工場を建設すると発表した(2015年4月発表)。


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