日本メーカーの世界生産:海外生産は5年連続で拡大し1,748万台
国内生産は977万台で1.5%増、輸出は447万台で4.5%減も、一部国内回帰の動き
2015/05/12
- 要 約
- 2014年の海外生産:北米とメキシコを含む中南米で増加
- 国内生産:登録車生産は2年連続で減少、軽自動車生産は3年連続で増加
- 2014年の輸出:円安の定着にもかかわらず輸出台数は447万台で4.5%減
- 各社が生産の一部国内回帰を計画
要 約
世界生産台数は3年連続、海外生産は5年連続で過去最高を更新
日本自動車メーカー12社の2014年世界生産は2,725万台(3.3%増)で、3年連続で過去最高を更新した。海外生産は1,748万台(4.3%増)で、5年連続で過去最高を記録した。海外生産比率は、2008年の50.2%から2014年には64.1%に高まった。地域別には、2014年にアジアで911万台を生産し海外生産の50%強を占めるが、前年比は0.6%の微増、北米で479万台(5.4%増)、中南米(メキシコを含む)で159万台(23.9%増)の大幅増となった。
国内生産は1.5%の微増、輸出台数は4.5%の減少
2014年の国内生産は977万台で、前年比3.1%減であった2013年実績963万台を超えたが、1.5%の微増にとどまった。国内販売は、通年で前年比3.5%増加した(1~3月期に消費増税前駆け込み需要で20.7%増加した後、4~12月期は前年比3.4%減少)。
輸出は、円安の定着にもかかわらず海外生産の拡大に伴い2年連続で減少し447万台(2014年は4.5%減)。
一部生産を国内回帰させ、輸出を増加させる動きも
日本自動車メーカーは、円高時にその影響を最小化するため海外現地生産を増やし、日本からの輸出は減少し、中期的に国内生産は伸びていない。しかし、各社は一定量の国内生産を維持することも重要としている。円安の定着により、今後の計画として国内生産と輸出を若干増やすよう調整する動きも見られる。
トヨタは、次期型Camryの北米市場向け車を2017年から堤工場で生産する。日産は2013年に米国へ移管したRogueの生産の一部を国内に戻す計画。ホンダは、2015年度後半から米国向けFitの生産の一部をメキシコ工場から寄居工場に移すとしている。
日本の自動車メーカー12社の生産、国内販売、日本からの輸出
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2014年 対前年比 |
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国内生産 | 11,573,165 | 7,933,512 | 9,627,407 | 8,396,520 | 9,940,962 | 9,628,802 | 9,773,515 | 101.5% |
海外生産 | 11,651,554 | 10,117,520 | 13,181,462 | 13,382,390 | 15,823,480 | 16,756,179 | 17,476,219 | 104.3% |
生産合計 | 23,224,719 | 18,051,032 | 22,808,869 | 21,778,910 | 25,764,442 | 26,384,981 | 27,249,734 | 103.3% |
国内販売 | 5,082,235 | 4,609,256 | 4,956,136 | 4,210,219 | 5,369,720 | 5,375,513 | 5,562,888 | 103.5% |
日本からの輸出 | 6,727,091 | 3,616,168 | 4,841,460 | 4,464,413 | 4,803,591 | 4,674,633 | 4,465,635 | 95.5% |
資料:日本自動車工業会(JAMA)
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