ロシア:原油安・欧米の制裁により市場低迷、回復は2017年以降か

GMは工場閉鎖・Opel撤退、多数のメーカーは減産で対応

2015/04/30

要 約

ロシアの自動車生産・販売台数 ロシアの2014年の自動車販売は前年比10.3%減の249万台 (大型商用車を除く)。2012年には過去最高の294万台を販売し、ドイツに続く欧州第2の市場となったが、2013年は景気減速により販売は減少。2014年にはウクライナ危機に伴う欧米の対ロシア制裁や原油価格の低下を背景とする経済低迷により、さらに市場が冷え込んだ。

 政府は支援策を実施して自動車市場を下支えしているが、2015年に入っても販売は引き続き低迷している。Association of European Businessesの2015年の販売見通しは前年比24.1%減の189万台(1月発表)。原油安と制裁は長期化すると予想され、自動車市場の見通しは不透明である。LMC Automotive社によれば、市場の回復は2017年以降となる見込み。

 ロシアの2014年の生産台数は189万台で、前年より13.3%減少した。GMはロシア市場の回復には時間がかかると見て、2015年内に自社工場を閉鎖し、Opel車と大半のChevrolet車の販売を中止すると表明した。一方、多数のメーカーは大幅減産で対応している。

 これまで多くのメーカーは、ロシア市場の長期的な成長に期待して、現地生産・現地調達率を拡大してきた。日産は2014年にSt. Petersburg工場の年産能力を10万台に引き上げ、FordはSollersとの合弁工場に最新設備を導入して刷新した。2015年初めにはRenault-日産-AvtoVAZがロシアでの共同購買を一本化した。トヨタは2015年末までにSt. Petersburg工場の年産能力を10万台に倍増する計画。中国の力帆汽車と長城汽車も新工場の建設計画を進めている。今後、各社はロシア市場の動向を注視しながら、ロシア事業を進めて行くと見られる。

 
関連レポート:ロシア:2013年後半は政府の購入支援策が下支え(2013年12月)



2015年1-3月:販売は36%減の38.4万台、生産は21%減の38.5万台

ロシアの自動車販売台数と増減率 ロシアの自動車販売は、2014年3月以降はウクライナ危機の影響で市場が冷え込み、前年比減少幅は月を追うごとに拡大。9月に政府の新車購入支援策が導入されると、減少幅は縮小し、12月はルーブル安による自動車値上げの前の駆け込み需要で販売が前年比プラスとなった。しかし、12月後半にルーブルが急落し、2015年初めには値上げも実施されたため、2015年1-3月の販売台数は前年比36.3%減の38.4万台となった。

 一方、ロシアで現地生産を行う各メーカーは、2014年半ばから需要低迷に対応して減産を実施。2015年1-3月の生産台数は前年比20.7%減の38.5万台。乗用車の生産台数は前年比20.4%減、商用車は23.7%減となった。

ロシアの自動車生産台数と販売台数

(台)
2011年 2012年 2013年 2014年 2014年 1-3月 2015年 1-3月 2015年 (見通し)
自動車生産台数 1,994,254 2,239,545 2,182,973 1,893,365 484,878 384,600 -
乗用車生産台数 1,738,163 1,968,789 1,919,143 1,692,505 446,074 355,000 -
商用車生産台数 256,091 270,756 263,830 200,860 38,804 29,600 -
自動車販売台数 2,653,408 2,938,789 2,777,447 2,491,404 602,473 383,538 1,890,000
資料:生産はASM Holding, 販売はAssociation of European Businesses (AEB)
(注) 1. 生産台数は大型トラックを含む。販売台数は大型トラックを含まない。
2. 2015年1-3月の生産はRussia Federal State Statistics Serviceの速報
3. 2015年の販売見通しはAEBの予測 (1月発表)。

 

 



ロシア政府:支援策により低迷する自動車市場を下支え

ロシア:新車購入支援策を2015年まで延期、2015年3月に250億ルーブルを追加支援

新車購入 支援策を実施  2014年8月、ロシア政府は国内新車市場の低迷に対応して新車購入支援策の導入を承認した。ロシアで生産した新車への買い替えを促進するもので、期間は2014年9月1日より12月31日まで。予算総額は100億ルーブルで、約17万台分。
 乗用車購入時の支援額は廃車を伴う場合が5万ルーブル、買い換えの場合が4万ルーブル。下取り車については、車齢6年以上の車両が対象となる。(2010-11年に実施された支援策は、車齢10年以上の車両の買い換えに対して5万ルーブルを補助する内容。)
追加と延期を発表  2014年10月、ロシア政府は2014年末までに追加で29億ルーブルを新車購入支援策に割り当てると発表。また、同策を2015年まで延長する方針を表明した。12月の発表によると、2015年は約17万台分、100億ルーブルの予算を割り当てる。
250億ルーブルの追加支援  2015年3月、ロシア政府は国内の自動車産業を支援するため、250億ルーブルの追加支出を承認した。新車購入支援策の第2四半期分として50億ルーブル、連邦政府機関による自動車購入資金として110億ルーブルが充当されるほか、自動車ローン金利の補助、リース費用の削減等に使用される。これらの措置により、2015年の自動車販売の減少を前年比24%減に抑える計画。(支援措置がなければ同50%減に落ち込むと予測している。)

(注) 2015年4月末の為替レートは1ドル=約51.79ルーブル。2014年12月末に急落し、1年前の約半値の1ドル=70ルーブル台となったが、2月から徐々に回復し、3月下旬には同50ルーブル台に戻った。原油安が一服し、ウクライナ情勢が当面は安定しているためだが、欧米の経済制裁は継続しており、ルーブルの上昇基調が続くかどうかは不透明。

 

 



市場シェア:AvtoVAZが15.5%に低下、現代グループが15.1%に拡大

ロシアの乗用車/LCV市場シェア メーカー別の市場シェアでは、AvtoVAZ (アフトワズ) が2010年の27%から徐々に減少し、2014年には15.5%に低下。2014年内にシェアを6.5%にするという目標を掲げていた日産は、好調なロシア向けセダンAlmeraや新投入したDatsunブランド車に支えられ、7.3%を確保した。Renault-日産-AvtoVAZの3社は、合計で30.7%を占めている。

 現代グループは、起亜のサブコンパクト車Rioと現代自のロシア向けセダンSolarisが引き続き好調で、15.1%のシェアを確保。AvtoVAZに迫る市場シェアを獲得した。

 



メーカー別乗用車生産台数と各社の減産実施状況

ロシアのメーカー別乗用車生産台数 ロシアのメーカー別乗用車生産台数の推移をみると、AvtoVAZの生産は2012年以降、下降を続け、2014年には39万台に減少した。一方、AvtoVAZの新工場で2013年から本格生産を開始したRenaultと日産は着実に生産を拡大。特に日産は2014年に前年比73.2%増と大きく生産を増やした。

 2014年半ばからは、需要低迷に対応し、AvtoVAZをはじめ多数の自動車メーカーが減産を実施。2015年も引き続き、減産を実施・計画している。

 LMC Automotiveは、2015年のロシアの自動車市場が前年より35%縮小するという予測に基づき、同年のライトビークル生産台数は前年比23%減の140万台に落ち込むと予測している。2015年3月18日に発表されたGMの撤退を考慮すると、生産台数はさらに減少する見込み。LMC Automotiveによると、2017年には169万台に回復し、2018年には193万台に増加する見通し。

ロシア:減産の動き

AvtoVAZ  2014年8月の発表によると、2014年9-11月の3カ月間でLada車の生産を合計2.5万台削減する。
Renault  2015年2月16日から3月6日まで、Avtoframos (Renault子会社) の Moscow工場の生産を停止。
日産  2015年3月16~31日にSt. Petersburg の Kamenka工場の生産を停止(2015年3月報道)。
GM  2014年8月22日から9月12日まで、St. PetersburgのSusary工場での生産を停止。9月16日には、同工場の生産体制を 2直から 1直に縮小し、早期退職制度により人員削減を実施すると発表した。同工場ではOpel Astra と Chevrolet Cruze を生産している。
 2015年3月の発表によると、GMはSusary工場の運転を2015年半ばに休止する。また、GAZのNizhny Novgorod工場で行っているChevrolet車の委託生産も2015年内に停止する。
Ford  St. Petersburg工場では、2014年4月7日~15日、4月21日~6月9日、11月13日~12月1日、12月12日~2015年1月18日に稼働を停止し、従業員700人を解雇。タタルスタン共和国の Naberezhnye Chelny工場でも1直に減らし、250人の派遣労働者を削減すると報じられた。
VW  2014年9月8日から10日間、さらに11月3日から5日間、Kaluga 工場の操業を停止。2014年の生産台数を当初計画の15万台から12万台に引き下げた。
 2015年3月の発表によると、2015年4~7月はKaluga工場を週4日操業、5月からは3直から2直に縮小。5月の2週間は操業停止とする。この結果、150人をレイオフする計画。(エンジン工場の新設計画は継続。)
PSA/三菱自  2015年2月にKaluga工場の操業を2週間停止した。
 2015年3月の発表によると、4月27日~7月10日にCitroen C4, Peugeot 408の生産を停止、4月27日~5月10日にMitsubishi Outlander, Pajero Sportの生産を停止する。これにより、100人の従業員を削減する。
吉利汽車  ルーブルの急落により、2015年1-2月は生産を停止。
長城汽車  ルーブルの急落により、2015年1-2月は生産を停止。
三菱ふそう  2014年10月からロシアでの生産を徐々に減らし、2015年3月末で停止。再開の見通しは立っていない。三菱ふそうは親会社DaimlerとKamazとの合弁会社を通じ、タタルスタン共和国のNaberezhnye Chelny工場で小型トラック Canterを組立生産している。

 

 



Renault-日産- AvtoVAZ (アフトワズ) の動向

Renault-日産 Alliance とAvtoVAZの動向

AvtoVAZ の 経営権を取得  Renault-日産 Alliance は2014年6月、AvtoVAZ の経営権を取得したと発表した。Renault-日産は、AvtoVAZの経営権を所有する Alliance Rostec Auto BV の株式の67.1%を7億4,200万ドルで取得。これに伴い、AvtoVAZ株式の過半数 50.1% を傘下に収めた。
ロシアでの共同 購買を一本化  Renault-日産 Alliance と AvtoVAZ は、ロシアにおける3社の部品購買活動を統合した AVTOVAZ-Renault-Nissan Purchasing Organization (ARNPO) を2015年1月に発足させた。Renault と日産はすべての購買活動を管理する組織 RNPO を2001年に設立、RNPO と AvoVAZ は2013年に一部の購買活動を共同で行う Common Purchasing Organization LLC (CPO) を設立。今回、RNPOは CPO を子会社とし、名称を ARNPO に変更した。3社の購買量を併せることにより、ARNPOはロシア自動車業界で最大のバイヤーとなる。

 

AvtoVAZの動向

人員削減計画  AvtoVAZの業績低迷を受け、CEOのBo Andersson氏 は2014年1月末、生産調整、コスト削減、在庫と運転資金の管理強化のため、220の緊急措置を策定。大規模な人員削減にも着手した。2014年10月の報道では、2014年末までに約 1.3万人(うち1万人が事務職)を削減し、全従業員数を5.3万人に縮小。さらに2020年までに3万人にまで削減するとしている。
カザフスタンに 合弁工場を建設  AvtoVAZ は2014年10月、カザフスタンに年産能力12万台の新工場を建設すると発表した。カザフスタンでLADA車の販売・サービスを行っている BIPEK AVTO と合弁会社 (AvtoVAZが25%、BIPEK AVTOが75%出資) を設立し、工場を建設する。第1段階では2016年に工場を稼働する計画。生産車両の半数をシベリア向けに出荷する予定で、同市場での販売も BIPEK AVTO が協力する。生産車両には、セダンの Lada Vesta とハッチバックの Lada X-ray が含まれる見通し。
AvtoVAZ:新型車投入計画
Lada Vesta  新型セダン Vesta は Priora の後継モデルで、2015年 9月に発売予定。Izh-Avto の Izhevsk 工場で生産する。Renault-日産アライアンスと共同で開発し、新たなB/Cプラットフォームを使用。
Lada X-ray 2  コンパクトクロスオーバーSUV X-ray 2 は、2016年より AvtoVAZ の Togliatti 工場で生産を開始する計画。Renault の B0 プラットフォームを使用し、基本構造はRenaultと共同で開発、デザインはAvtoVAZ が担当した。

 

日産の動向

ロシア市場での 目標  2016年までに販売車種の90%を現地生産とし、シェアを10%に 引き上げる方針 (2014年のシェアは7.3%)。また、2016年までにDatsunブランドディーラーを80~100拠点に拡大する計画。同年には、Datsunブランド車の販売台数は日産車の3分の1を占める見込み。
St.Petersburg 工場の能力倍増  日産は1億6,700万Euroを投資して、2014年内にSt. Petersburg工場に2本目の生産ラインを稼働させ、年産能力を2倍の10万台に引き上げた。1,500人の新規雇用を創出。生産車種も3車種から5車種に増やし、8月に新型 Pathfinder、12月に新型X-Trail の生産を開始。2015年には新型 Qashqai の生産も開始する。
日産:新型車投入計画
Datsun mi-DO  2015年初頭に販売開始予定。Datsun on-DO の5ドアハッチバックモデル。プラットフォームを共有しているが、mi-DO は全長が 387mm 短く、ダイナミックな走りのイメージを強調。1.6Lガソリ ンエンジンに5速MT または 4速ATを組み合わせる。AvtoVAZ の Togliatti 工場で生産する。

 

 



米国メーカー (GM/Ford) の動向

GM:ロシアでの事業方針を転換

Opel車と大半の Chevrolet車の 販売中止  GMは2015年3月、ロシアでのビジネスモデルを変更すると発表。今後はプレミアム・セグメントに焦点を合わせ、Cadillac車と米国製のアイコン的なChevrolet車 (Corvette, Camaro, Tahoe) を輸入販売する。他のChevrolet車の販売は最小限にし、Opel車の販売は2015年12月末までに終了する。この結果、年間約20万台だった販売は2,000台に縮小する(Automotive New Europe 2015.3.23)。GMは「2016年に欧州事業を黒字化する」という目標を優先させたと見られる。
自社工場と GAZへの 委託生産を停止  ロシアでの生産については、St. PetersburgにあるGMのSusary工場の生産 (Opel Astra, Chevrolet Cruze等) を2015年半ばまでに終了し、同工場の運転を休止する。また、ロシアメーカーGAZのNizhny Novgorod工場で行っているChevrolet車の委託生産も2015年内に停止する計画。これにより、GMのロシアでの生産は、AvtoVAZとの合弁会社 GM-AvtoVAZのTogliatti工場で生産するSUVのChevrolet Nivaだけとなる。

GM-AvtoVAZ:Togliatti工場の拡張計画を継続

 GMはSt. Petersburgの自社工場の生産を停止するとしているが、GM-AvtoVAZは Chevrolet NIVA の次世代モデルを計画通り2016年より生産する予定。2013年6月からサマーラ州Togliatti工場近くに新工場を建設しており、2015年末に稼働する計画。

 

Ford:2015年に新型車4車種の投入を計画

 Fordは2015年にロシア市場に新型車4車種を投入する。新型Mondeoの生産開始前に、Vsevolozhsk工場を改修し、生産機器の更新、自動化の拡大、生産工程の強化等を行った。また、新型TransitをSKD生産からフルサイクル生産に切り替えるため、Yelabuga工場に1億ドルを投じて最新の溶接システムや塗装ロボットを導入した。
新型Mondeo  中型セダン。2015年4月にFord SollersのVsevolozhsk工場で生産開始。道路事情に合わせて最低地上高を12ミリ上げ、サスペンションとブレーキを調整するなど、ロシア市場向けに改良した。
新型Transit  大型バン/ワゴン。2015年4月にタタルスタン共和国にあるFord SollersのYelabuga工場で生産を開始。全長が3種、全高が2種あり、2.2L Duratorqディーゼルエンジンに6速MTを組み合わせる。
Focus (一部改良)  コンパクト車。2015年後半からFord SollersのVsevolozhsk工場で生産を開始する計画。
Fiesta  サブコンパクト車の5ドアモデル。2015年後半からFord Sollersのタタルスタン共和国にあるNaberezhye Chelny工場で生産を開始する計画。

Ford Sollersの動向

第3工場の 改修完了  Ford と Sollers の折半出資合弁会社 Ford Sollers は、2014年12月にタタルスタン共和国 Naberezhnye Chelny 工場の改修を完了。同社の第3工場で、約4億ドルを投資して設備を刷新した。年産能力は11万5,000台、約1,500人の従業員を擁する。まず、小型SUV EcoSport の生産を開始。2015年からは新型 Fiesta の5ドアモデルを生産する計画。
Fordが経営権を 取得  Fordは2015年4月、Ford Sollersの優先株を購入することにより同社の経営権を取得し、追加資金を投入すると発表した(普通株の保有比率50:50は維持する)。これにより、Ford Sollersはロシアでのモデルラインアップを拡大し、生産投資を進める計画。Fordは2015年3月31日付で、Ford Sollersを連結子会社扱いとする。

 

 



中国メーカー (力帆/長城/奇瑞) の動向

力帆汽車:ロシアで2つの新工場建設を計画

Kaluga州  力帆汽車は2014年8月、ロシア西部の Kaluga 州に新工場を建設するとする意向書を現地政府と交わした。投資額は1.5億ドル。当初は年産1万台規模、最終的には年産10万台を目指す。力帆は、中国メーカーのロシア販売台数で3年連続トップを維持している。
Lipetsk州  力帆汽車は2014年11月、ロシア西部の Lipetsk 州での新工場建設計画について、経済開発産業省から承認を受けた。10月に Lipetsk 州政府と約 3億ドルの投資契約を締結、溶接 、塗装、組立工程を備える工場を設置する計画。新工場は2017年夏に完工、年産能力は6万台の予定。生産モデルはセダン 3車種と SUV 6車種を計画している。

 

長城汽車:ロシアで新工場を着工

 長城汽車は2014年8月、Tula 州の Uzlovaya 工業団地内で完成車工場の定礎式を開催した。敷地面積は216万平方メートル、総投資額は180億ルーブルで、2期に分けて建設する計画。第1期の投資額は120億ルーブルで、2017年に年産8万台で稼働を開始する。第2期が完了する2020年には年産能力15万台とする計画。同社がプレス、溶接、塗装、組立までの一貫生産拠点を海外に設置するのは今回が初めて。

 

奇瑞汽車:Derwaysでの委託生産を開始

 奇瑞汽車は2014年7月、ロシアの自動車メーカーDerways Automobileでの委託生産を開始した。7月にはセダンのBonus 3と小型クロスオーバーのTiggo 5、8月には新プラットフォームを使用するセダンのArrizo 7の生産を開始。これら3モデルは、まとめてAmbition Lineと呼ばれる。奇瑞汽車は2005年にロシア市場に参入して以来、累計約18万台を販売した。今後はDerwaysと協力し、現地生産とモデルラインアップの拡大を図る計画。

 

 



日本メーカー (トヨタ) の動向

トヨタ:St. Petersburg 工場の能力増強

 トヨタは、2015年末までに St. Petersburg 工場の年産能力を 5万台から 10万台に拡大する計画。2014年11月には、新型 Camry の生産開始に際し、プレス工程と樹脂成形の生産ラインを開設。これにより、Camryの現地調達率を15%から30%に引き上げた。2016年よりロシア向け RAV4 の生産を開始する。2018年までに現地調達率を50%に引き上げる計画。2016年には、同工場への累計投資額は160億ルーブルになる。

 

 



商用車メーカー (Tata/GAZ/Scania/いすゞ/Volvo/Kamaz/Ford Otosan) の動向

Tata Motors:ロシア社とトラック販売代理店契約を締結

 Tata Motors は2014年7月、ロシアの TML TRUCK RUS と商用車の販売代理店契約について調印した。小型・中型・大型商用車を販売する計画。TML TRUCK RUSは今後5年間で、モスクワやサンクトペテルブルクなど主要地域に Tata の販売店や補修部品センターを 60カ所開設する。

 

GAZ と Scania:バス生産で提携拡大

 GAZ と Scania は2014年9月、パートナーシップ協定を締結したと発表した。ロシア・海外市場向けバスの生産・販売促進について協力関係を拡大していく。GAZグループは Scania のシャシーを使用して、2005年に観光バス Cruise、2011年 に大型バス Voyage の生産を開始しており、両社の協力関係は10年以上続いている。現在は、Scaniaのコンポーネントを使用して、Voyage L, LIAZ-529230 も生産している。

 

いすゞ:ロシアでトラック生産開始

Elf (N-Series)  いすゞのロシア合弁会社、Sollers-Isuzuは2014年4月、UAZの Ulyanovsk 工場で、1.5~6.5トンの Elf ( N-Series) の CKD生産を開始した。同工場のいすゞトラックの年産能力は5,000台で、年内に Elf を 2,340台生産する計画。現地調達率は30%で、2015年に40%まで引き上げる予定。
Forward (F-Series)  Sollers-Isuzuは2014年10月、UAZの Ulyanovsk 工場で、8~12.5トンの中型トラック Forward (F-Series) の組立生産を開始した。年間1,000~1,500台生産する計画。

 

Volvo:ロシアでキャブ工場を稼働

 Volvo は2014年11月、9,000万ユーロを投じて Kaluga に建設したキャブ工場を開所した。既存の車体工場に隣接し、キャブの年産能力は車体と同じ1万5,000台。内訳は Volvo 向けが1万台、Renault Truck 向けが5,000台。2014年内に Volvo 向けを 2,000台生産し、Renault Truck 向けは2015年半ばより生産を開始する計画。

 

Kamaz:アゼルバイジャンで組立生産

 Kamazは2014年12月、アゼルバイジャンの自動車メーカー Ganja Automobile Plant と大型トラックの組立生産について合意した。Kamazが大型トラックの組立キットを供給し、2015年上期よりGanja Automobile の工場で生産を開始する計画。両社はアゼルバイジャンの首都 Baku と第2の都市 Ganja でのアフターサービスも実施することで合意している。

 

Ford Otosan:Avtotor にトラック生産を委託

 Ford のトルコ合弁会社 Ford Otosan は2014年12月、ロシアの自動車メーカー Avtotor とトラックの委託生産に関する覚書を締結した。Avtotor の Kaliningrad 工場で 12月末より Ford ブランドのトラックやトレーラーの生産を開始、ロシア市場で販売する計画。

 

 



LMC Automotive 販売予測:ロシア市場は2015-16年に160万台へ縮小も、2018年には210万台へ回復する見込み

(LMC Automotive社、2015年第1四半期予測)

ロシアのlight vehicle 販売予測 ロシアは、原油価格の低下、ウクライナ危機に伴う欧米の経済制裁、ルーブル安等により、深刻な景気後退に陥り、消費者購買力が大きく低下している。2015年のライトビークル販売は、自動車の大幅な値上げ、金利高、実質賃金の低下等により、2014年よりさらに減少する見通し。LMC Automotiveの2015年第1四半期予測では、ロシアにおける2015年のライトビークル販売は、政府が新車買い換え支援策を延期して市場を支えるにもかかわらず、前年比35.3%減の161万台に落ち込む見込み。原油価格は2015年中は1バレル当たり平均55ドルと低迷し、その後の回復も緩慢なものと予測されることから、2016年に販売が回復する可能性は少ない。2017年にゆるやかな回復の兆しが現われ、2018年には213万台にまで増加する見込み。

 2015年3月18日に発表されたGMのロシア市場からの撤退計画は、LMC Automotiveの2015年第1四半期予測に間に合わず、予測値に盛り込むことができなかった。GMのロシア事業はこれまでも多少一貫性に欠ける面があったが、市場低迷によりそれが露わになったようだ。いずれにしても、GMが去った後を競合メーカーが埋めなければならないのは確かである。近年、GM車で最も販売台数が多かったモデルは(販売を継続するSUVのChevrolet Nivaは除く)OpelブランドのAstraとMokka、それにChevroletブランドのCruzeである。これらのモデルが姿を消すと全メーカーが何らかの恩恵を受けるが、最も利益を得るのは、現代自グループ、Renault-日産、Ford、VWグループであるとLMC Automotiveは見ている。

ロシアのブランド別 light vehicle 販売予測

(台)
SALES GROUP GLOBAL MAKE 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
Total 2,934,488 2,771,634 2,491,273 1,612,004 1,609,517 1,836,494 2,131,083
Renault-Nissan Group Lada 537,623 456,307 387,307 302,516 309,549 355,090 422,077
Nissan 153,752 146,318 162,010 132,609 129,173 136,390 141,245
Renault 189,849 210,100 194,531 121,902 111,667 118,511 134,269
Datsun 0 0 11,414 41,484 41,902 42,126 44,766
Infiniti 9,208 8,672 8,973 5,329 4,434 5,634 6,380
Renault-Nissan Group sub-total 890,432 821,397 764,235 603,840 596,725 657,751 748,737
Hyundai Group Hyundai 174,282 181,153 179,631 105,169 109,260 126,117 145,503
Kia 187,330 198,021 195,691 116,195 103,908 122,052 143,424
Hyundai Group sub-total 361,612 379,174 375,322 221,364 213,168 248,169 288,927
Volkswagen Group Volkswagen 180,878 172,166 140,683 85,365 86,514 99,312 117,929
Skoda 99,064 87,457 84,437 55,719 50,315 54,715 59,109
Audi 33,515 36,149 34,014 15,939 17,330 23,480 29,635
Porsche 3,609 3,791 4,707 2,443 2,714 3,600 5,582
Seat 2,501 3,377 1,641 31 452 1,781 2,268
Bentley 259 149 0 39 146 291 324
Lamborghini 6 9 0 0 0 9 6
Volkswagen Group sub-total 319,832 303,098 265,482 159,536 157,471 183,188 214,853
General Motors Group Chevrolet 238,216 198,137 132,736 69,708 76,203 90,840 104,709
Opel 81,239 81,447 64,985 34,496 36,461 48,991 63,480
Daewoo 55,035 37,340 28,134 14,521 12,530 11,603 7,322
Cadillac 2,026 1,510 1,324 935 791 1,310 1,539
General Motors Group sub-total 376,516 318,434 227,179 119,660 125,985 152,744 177,050
Toyota Group Toyota 153,051 154,813 161,954 89,868 79,921 91,973 108,980
Lexus 15,651 15,055 19,149 7,278 8,278 8,882 9,898
Daihatsu 0 18 0 0 0 0 0
Toyota Group sub-total 168,702 169,886 181,103 97,146 88,199 100,855 118,878
Ford Group Ford 130,806 106,740 65,967 52,454 58,471 69,034 85,665
GAZ Group GAZ 78,711 75,152 67,042 44,453 46,256 55,674 63,692
Mitsubishi Motors Mitsubishi 74,294 78,746 80,133 46,952 47,785 51,171 57,983
Daimler Group Mercedes-Benz 41,412 49,635 60,185 33,969 33,176 38,886 46,103
Smart 27 192 368 218 284 322 459
Daimler Group sub-total 41,439 49,827 60,553 34,187 33,460 39,208 46,562
BMW Group BMW 37,513 42,074 35,504 23,405 25,128 29,063 38,123
MINI 2,630 2,801 1,750 738 772 930 1,312
Rolls-Royce 56 52 0 0 12 21 30
BMW Group sub-total 40,199 44,927 37,254 24,143 25,912 30,014 39,465
PSA Group Peugeot 44,418 33,864 21,102 12,008 13,533 16,643 21,354
Citroen 30,335 27,160 19,099 9,759 10,093 11,344 13,766
DS 2,524 1,805 976 722 869 1,441 1,949
PSA Group sub-total 77,277 62,829 41,177 22,489 24,495 29,428 37,069
Geely Group Volvo 20,366 15,015 15,421 8,442 10,198 13,385 17,295
Geely 17,565 27,265 18,837 11,539 11,941 11,901 12,322
Geely Group sub-total 37,931 42,280 34,258 19,981 22,139 25,286 29,617
Mazda Motors Mazda 44,442 43,175 50,716 25,165 20,269 20,883 26,948
Fiat Chrysler Automobiles Fiat 14,010 8,002 8,102 4,936 6,500 11,003 15,855
Jeep 4,568 5,219 8,206 5,297 6,111 8,235 9,280
Alfa Romeo 16 41 96 36 29 82 119
Maserati 36 28 27 35 50 83 73
Ferrari 40 25 18 11 13 12 12
Dodge 54 191 26 0 0 0 0
Chrysler 481 186 145 12 0 0 0
Fiat Chrysler Automobiles sub-total 19,205 13,692 16,620 10,327 12,703 19,415 25,339
Other Chinese Manufacturers Lifan 20,544 27,468 23,626 15,743 17,748 18,422 21,920
Haima 590 400 1,009 450 575 719 988
Hawtai 0 0 0 377 519 595 763
Other Chinese Manufacturers sub-total 21,134 27,868 24,635 16,570 18,842 19,736 23,671
Great Wall Motor Great Wall 14,374 19,953 15,005 12,167 17,857 17,908 20,651
Great Wall Motor sub-total 14,374 19,953 15,005 12,167 17,857 17,908 20,651
Tata Group Land Rover 19,045 21,028 21,148 11,038 10,512 13,642 16,229
Jaguar 1,506 1,708 1,628 814 1,188 1,767 2,510
Tata Group sub-total 20,551 22,736 22,776 11,852 11,700 15,409 18,739
Mahindra Group Ssangyong 31,200 34,055 25,010 12,326 13,760 14,144 16,758
Mahindra Group sub-total 31,200 34,055 25,010 12,326 13,760 14,144 16,758
Suzuki Group Suzuki 32,683 27,729 19,931 8,847 11,621 13,050 14,594
Honda Group Honda 21,513 25,742 20,655 10,331 10,162 11,747 13,621
Acura 0 57 994 851 679 771 799
Honda Group sub-total 21,513 25,799 21,649 11,182 10,841 12,518 14,420
Chery Group Chery 11,517 13,882 18,139 7,989 8,789 11,062 10,740
Fuji Heavy Subaru 14,296 16,829 17,547 8,573 8,197 8,836 9,717
FAW Group FAW 561 4,841 2,164 2,056 2,274 2,995 3,096
Brilliance Auto Brilliance 0 0 955 1,243 1,688 2,060 2,195
Fiat Industrial Iveco 1,605 1,564 0 476 984 1,360 1,635
BAIC Group Beijing 1,843 1,496 1,082 755 844 1,088 1,379
Jianghuai Automotive JAC 0 0 424 807 1,078 1,200 1,237
Yulon Motor Luxgen 0 62 89 580 1,302 1,435 1,232
Changan Automobile Group Changan 0 0 1,094 842 1,123 1,185 1,193
Isuzu Motors Isuzu 156 214 766 505 475 567 661
Dongfeng Motor Dongfeng 0 0 0 285 424 661 646
BYD Auto BYD 2,629 106 5 0 0 0 0
Iranian Manufacturers Iran Khodro 0 12 0 21 24 24 0
Other Uaz 60,652 51,627 49,844 33,217 24,645 28,424 27,723
Aston Martin 24 12 0 11 11 12 11
Tagaz 7,287 1,374 129 2 0 0 0
Bogdan 7,512 2,055 70 0 0 0 0
ZAZ 9,962 3,315 481 0 0 0 0
Izh 2,465 698 19 0 0 0 0
Others 11,126 6,050 2,418 1 0 0 0
Other sub-total 99,028 65,131 52,961 33,231 24,656 28,436 27,734
Source: LMC Automotive "Global Automotive Sales Forecast" (Q1 2015)
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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