東南アジアの日系部品メーカー:インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピン等

インドネシアでは新規進出・能力拡大が続く、ベトナム、マレーシア、フィリピンは輸出拠点として強化

2015/04/23

要 約

東南アジア 以下は、東南アジア諸国 (タイを除く) における日系自動車部品メーカーの最近動向である (収録対象は、2015年3月下旬までの約10カ月間)。

 インドネシアの2014年の自動車販売台数は、前年比0.4%減の119.2万台と2009年以来5年ぶりのマイナスとなった。経済成長の減速を背景にルピア安に伴う金利の高止まり、燃料費の値上げなどが影響した。2015年1-2月も前年同期比15.2%減の17.7万台と減少が続いている。こうしたなか、一部の日系部品メーカーでは工場建設の中止や停止がみられる。

 しかし、中期的なインドネシア市場拡大の見込みと輸出拠点として育成する計画により、トヨタ、日産、ホンダ、ダイハツなど主要自動車メーカーによる生産能力増強、新興国向け戦略車の投入、エンジン工場建設などが進められており、それに対応した日系部品メーカーの新規進出や生産能力拡充が行われている。また、進出している部品メーカーにも輸出拠点化の動きもみられる。


 ベトナムでは、グローバル輸出拠点拡充のための生産能力増強の動きが見られる。原田工業は車載アンテナの、矢崎総業はワイヤーハーネスの第2工場を建設。ヨコオは車載用アンテナの工場を増設し、中国からの生産移管品目を拡大させている。ミツバもリレーの生産能力を増強。山下ゴムは、防振部品のR&Dセンターが2014年8月に完成し、本社での基礎研究や開発機能の段階的移管を進めている。

 マレーシアでも輸出拠点化が進められている。新規進出では、宇部興産が省エネタイヤの原料となるポリブタジエンゴム(BR)で、昭和電工はアルミニウム鋳物で、日本化薬はエアバッグなどの部品で新工場を建設。生産能力の拡大では、東洋ゴムが米国市場向けの乗用車用タイヤ、日本電気硝子が高機能樹脂強化用ガラスファイバの工場を拡充。

 フィリピンでも輸出用の生産能力増強が行われている。第2工場建設では、東海理化がスイッチ類、原田工業がアンテナ、古河ASがワイヤーハーネス、中山精工がエンジン部品のシャフトなどで生産能力を拡大。既存工場の拡張では、日本セラミックが衝突防止装置のセンサー、ミツバが小型モーター、横浜ゴムが乗用車・SUV用タイヤの生産能力増を図っている。

 カンボジアでは、デンソーがオイルクーラー等の工場を、ニッパツがシートカバーの縫製工場を建設。両社とも製品をタイの自社工場に輸出。ラオスでは、トヨタ紡織がタイ工場の布製シート工程をラオスの工場に全面移管する。

 なお、タイでの日系部品メーカーの動向は、別途報告する予定。


日系部品メーカー関連レポート:
米国編(2015年3月)
中国編(下):華東・華北・東北地域・中国全体での動向(2015年2月)
中国編(上):華南・華中・西南での動向(2015年1月)
インド編(2014年11月)



インドネシアにおける日系自動車部品メーカーの動き

インドネシア

新規進出 (*合弁会社) <現地調達ニーズ対応> 今仙電機(シートアジャスタ)、エイチワン(プレス部品用金型)、昭和製作所(クッション材金型)、セントラル硝子(合わせガラス)、ソフトプレン工業(防音・防振用樹脂部品)、ダイキョーニシカワ*(エンジン用樹脂部品)、日立オートモティブシステムズ*(自動車機器システム)、古河電池*(鉛バッテリー)、メタルアート(鍛造部品)

<軽量化対応> 新日鉄住金*(ハイテン材)、豊田鉄工(アルミ合金の断熱材部品)

生産能力増強・新品目の追加 (**輸出も実施) <新たな工場建設> IJTテクノロジー(第2工場、鋳造・鍛造部品**)、河西工業(内装部品の第2工場)、杉浦製作所(ナット、ボルト**)、橋本エンジニアリング(インストルメントパネル部品の自社工場)、ユニバンス(ギア製造工場**)

<設備増強、生産品目の追加> 旭硝子(フロートガラスの最新鋭設備導入)、キャタラー(四輪車用触媒を新たに生産)、京浜金属(バネ、リングの品目拡大)、日本ピストンリング(バルブシート)、不二精機(プラスチック部品の品目拡大)

経営体制強化、開発拠点設置 カネミツ*(鋼板加工の合弁会社を子会社化)、住江織物**(シート類の合弁会社を子会社化)、セーレン(シート材の製品開発オフィス検討)
工場建設中止・停止 中止:ダイヤモンド電機(点火コイル)、一時中止:椿本チェイン(タイミングチェーン)。いずれも需要減少への対応

(資料)各社の計画から作成

 

 



インドネシア 生産拠点の新規構築:エイチワン、カネミツ、新日鉄住金、セントラル硝子、豊田鉄工、古河電池など

 

会社名 活動内容
今仙電機
シートアジャスタの現地での最終組み立て委託を計画
今仙電機製作所は、機構製品や電装製品など自動車用部品の現地販売会社のPT.IMASEN PARTS INDONESIA(仮称、West Java州Bekasi)を2014年8月に設立し、2015年1月に営業開始。加えて、現地で協業先を確保し、シートアジャスタなどの最終組み立てを生産委託する計画。製品をホンダ、スズキ向けに供給する。従来は、タイ、フィリピンの工場から輸入。今後、段階的に生産の現地化を図る。
エイチワン
プレス部品用金型、金型鋳物を2014年に生産開始
エイチワンは、全世界でのプレス部品用金型の年間生産量を2016年度に2013年度比5割増の770型に引き上げる。その一環として、PT. H-ONE PRIMA AUTO TECHNOLOGIES INDONESIA(West Java州Karawang県)の金型工場が2014年1月に稼働。年産能力は150型で開始。同年10月には金型鋳物を生産開始。年産能力は7200トン。金型と鋳物製品をインドネシアのほか日本、中国、タイ、インドの拠点に供給。
カネミツ
鋼板加工の合弁会社を子会社化
カネミツは、2014年11月に合弁会社PT. KANEMITSU SGS INDONESIA (West Java州Bekasi)を設立。資本金は160万ドル。出資比率はPT. SETIA GUNA SEJATIが49%、カネミツが48%だが、生産体制の整備を迅速化するため、合弁提携先のJFE商事が所有する議決権3%の委任を受け、議決権所有割合を51%として子会社化した。2015年6月にレンタル工場で鋼板加工品、プーリー、治具の製造を開始予定。
昭和製作所
シートのクッションを作る金型製作用モデルを生産開始
昭和製作所は、2014年10月にP.T.Showa Works Indonesia(West Java州Bekasi)を設立。2015年1月にレンタル工場で、シートのクッション材用金型を製作するための硬質ウレタン製マスターモデルの生産を開始。取引先シートメーカーの現地調達強化に対応。投資額は6,000万円。取引先の拡大を図り、3年後に売上高6,000万円と黒字転換を目指す。
新日鉄住金
ハイテン材生産の合弁会社の最終契約を締結、工場稼働は2017年
新日鉄住金は、PT KRAKATAU STEEL(PERSERO)Tbkと2012年に設立した合弁会社PT KRAKATAU NIPPON STEEL SUMIKIN」(Banten州)の最終契約を2014年8月に締結。資本金は1.42億ドル。出資比率は、新日鉄住金80%、KRAKATAU20%。事業内容は、自動車用冷延鋼板および(合金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造・販売。インドネシアでの生産車種に使うハイテン材では引張強度590メガパスカルが最高級だが、将来の有望市場とみて、建設中の新工場には日本でしか製造していない超最高級のハイテン材(1180メガパスカル)に対応できる生産設備も整える。稼働は2017年半ばの予定。年産能力は48万トン。設備投資額は約3億ドル。日本メーカーの現地供給ニーズに対応。
セントラル硝子
自動車用ガラスの合弁会社を2014年12月設立、工場稼働は2016年
セントラル硝子は、Saint-Gobain Glass France S.A.と折半出資の自動車用合わせガラス製造販売合弁会社PT Central Saint-Gobain Sekurit Indonesia (Eastern Jakarta)を2014年12月に設立。資本金は不明。2016年初に新工場を稼働予定。年産能力は50万台分。
ソフトプレン工業
防音・防振用の樹脂部品の新会社設立、2015年6月に工場稼働
ソフトプレン工業は、2015年1月に現地法人(社名不明)を設立し、レンタル工場(West Java州Bekasi)で2015年6月から密封や防音、防振用の樹脂部品を生産する。四輪車、二輪車の関連部品や日系電機メーカーに供給。初期投資額は約1億円。原料のウレタン、ゴム、ポリエチレンなどの樹脂を発泡させたスポンジの塊は国内外から調達。3年後の売上高は、日本の3割に当たる5億円を目指す。
ダイキョーニシカワ
エンジン部品の新工場が2015年春に稼働
ダイキョーニシカワは、2013年2月に天馬と共同で設立したPT.DaikyoNishikawa Tenma Indonesia(West Java州Bekasi)の工場が2015年春に稼働。エンジン用部品の樹脂製オイルストレーナー、インテークマニホールドを生産。ダイハツの新工場に納入する。投資額は約8億円。
ダイヤモンド電機
インドネシアでの点火コイルの新工場建設を中止、タイに生産拠点を集約
ダイヤモンド電機は、インドネシアでの需要の減少に伴う生産状況の変化からPT. Diamond Electric Indonesia(Jakarta)で予定していた点火コイルなどを生産する工場建設を中止。生産集約化のためにタイに新会社を設立し、2015年11月に新工場を稼働予定。インドネシアでの工場設備用に予定していた2.8億円は新会社立ち上げ資金の一部に充当。インドネシア現地法人は点火コイルなどの販売活動を継続。
椿本チェイン
タイミングチェーン製造の自社工場建設をストップ
椿本チェインは、PT. TSUBAKI INDONESIA MANUFACTURING(Jakarta)のタイミングチェーンシステムの自社工場(West Java州Karawang)を2015年稼働で計画していたが、日系自動車メーカーの販売進捗に遅れがあるため、建設をストップ。レンタル工場での生産を続け、様子見の状態。
豊田鉄工
アルミ合金の断熱材部品を2015年末から生産
豊田鉄工は、P.T. Nusa Toyotetsu (NTC)(West Java州Bekasi)の工場でアルミ合金を使った断熱材部品を2015年末から生産する。鉄系の部品を製造する既存ラインでアルミも加工できる混流生産にして投資額を抑える。燃費向上のための車体軽量化ニーズに対応。
日立オートモティブシステムズ
自動車機器システムの新工場建設
日立オートモティブシステムズは、2014年11月に自動車機器システムを製造するPT Hitachi Automotive Systems Indonesia(West Java州Bekasi)を設立。資本金は約14億円。出資比率は、日立オートモティブシステムズ94.4%、アジア統括会社のHitachi Automotive Systems Asia, Ltd. 0.6%、潤滑剤などを生産するPT. Dirgantara Mitramahardi 5%。工場稼働は2016年夏の予定。生産能力、生産品目は明らかにしていない。
古河電池
合弁会社の自動車用鉛蓄電池の工場を2014年に建設
古河電池は、インドモービルグループ(サリムグループ)との合弁会社PT. FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURING(FIBM、West Java州Bekasi)の自動車用鉛蓄電池工場をPURWAKARTA州に建設。2015年1月から生産開始。古河電池は合弁会社に51%出資しており、設備投資額も約半分の26億円を負担。
メタルアート
鍛造部品の新工場が2014年末に稼働、中期的には東南アジア諸国への輸出拠点に
メタルアートは、PT METALART ASTRA INDONESIA(West Java州 Karawang県)の工場が2014年12月末に稼働。2015年にかけて、まずダイハツの現地工場に向けクランクシャフトやコンロッドなどのエンジン鍛造部品を生産し、供給。2016年度には、売上高47億円を計画。その後、日産、ホンダ、スズキなどのインドネシア工場にも広げる計画。中期的には同工場を東南アジアの拠点に育成する計画で、タイ、マレーシアなどにも輸出する方針。2020年には、売上高を100億円以上に引き上げる計画。

 

 



インドネシア 生産能力増強・新製品の追加など:旭硝子、河西工業、キャタラー、日本ピストンリング、ユニバンスなど

 

会社名 活動内容
IJTテクノロジー
第2工場を建設し鋳造・鍛造部品の生産能力増強、増資も
IJTテクノロジーホールディングスは、現地子会社のPT. Asian Isuzu Casting Center(AICC:West Java州Karawang県)の敷地内に新子会社PT.TJForge Indonesia(TJFI)の工場を建設。2014年8月からAICCで製造した鋳造品を機械加工し、タイの日系商用車メーカーに出荷開始。続けて、TJFIの第2工場建設を2014年に開始。乗用車向けプロペラシャフト(年産能力約34万本)と商用車向けフロントアクスル(同約3万本)の加工・組立設備を導入し、2015-16年の稼働を計画。現地や周辺国の日系メーカーに納入する。投資額は、数十億円。2015年5月にTJFIへ約73億円増資し、資本金を約140億円とする。
旭硝子
フロートガラスの生産窯を新設し、生産能力増強
旭硝子は2014年9月、フロートガラス生産体制強化の一環として、PT ASAHIMAS FLAT GLASS Tbk(Jakarta)に約160億円を投じて、従来よりも40%生産能力を向上させた最新鋭の生産窯を新設し、既存のフロート窯1基を停止すると発表。新窯の年産能力は21万トン。2016年第3四半期に量産開始予定。年産能力は、2014年の57万トンから63万トンに増加する。
河西工業
内装部品の第2工場が稼働
河西工業は、P.T. Kasai Teck See Indonesia(West Java州Karawang市)の第2工場が2014年4月に稼働。主にドアの内装部品を生産し、日産の現地工場で生産する小型車や多目的スポーツ車(SUV)など向けに供給。
キャタラー
四輪車用触媒の生産を2015年に開始
キャタラーは、PT.CATALER INDONESIA(CIC。West Java州Bekasi)の二輪車用触媒を生産する工場で、2015年から四輪車用触媒の年間50万個体制で生産開始する。トヨタグループ向けの新規受注で納入量が増えるため、タイ、日本からの輸入を現地生産に切り替える。
京浜金属
バネ、リングなどの生産能力増強
京浜金属工業は、PT.KHN-METAL INDONESIA(West Java州Karawang県)の生産能力を増強する。日系メーカーから2015-17年モデルの部品用バネ、リングなどを新たに受注したため。投資額は、1.3億円。売上高は、2013年度の1000万円から2016年度に2億円への拡大を見込む。
杉浦製作所
ナット、ボルトの生産能力増強
杉浦製作所は、PT. Sugiura Indonesia (West Java州Karawang県)の工場を現状比約3倍に増築する。2015年度末までにタイヤを固定するハブナットやボディ部品のウェルドナットの月産能力を材料ベースで現状比3.5倍の約700トンに引き上げ、現地やタイなどへの安定供給体制を築き、日系メーカーや一次部品メーカーに供給する。
住江織物
合弁会社を連結子会社化
住江織物は、合弁会社のPT.Sinar Suminoe Indonesia(SSI。Bandung市)を2015年2月に連結子会社化した。資本金は41億1100万ルピア。議決権割合は、住江織物51%、PT. Sinar Continental 49%。グローバル供給体制を構築する上で、SSIを東南アジアでの重要拠点として位置づけ、海外事業の一層の強化を図る。SSIは、シートファブリック、フロアカーペット、PVCシート等をインドネシア国内の各メーカーに供給するほか、ASEAN諸国や北米等に輸出。
セーレン
シート材の製品開発オフィス設置を検討
セーレンは、海外の生産拠点での自動車シート材や衣料品向け生地の製品開発を進めている。2015年に稼働するメキシコのシート材工場に製品開発拠点を設けるほか、2013年末に稼働したPT.SEIREN INDONESIA(West Java州Bekasi)のシート材工場にも製品開発のオフィスを設けることを検討。
日本ピストンリング
既存工場でバルブシートを新たに生産
日本ピストンリングは、PT.NT Piston Ring Indonesia(West Java州Karawang県)で2015年11月からバルブシートを新たに生産する。同工場はピストンリングの供給拠点で、TPRとの共同出資解消後の空きスペースの活用を検討していた。メーカーからのバルブシートの現地供給ニーズに対応し、タイからの輸入を現地生産に切り替える。工場内に設備を導入。投資額は数千万円を見込む。2016年時点で月産約200万個を予定。
橋本エンジニアリング
需要拡大に対応し、自社工場を建設
橋本エンジニアリングの現地法人PT.HASHIMOTO ENGINEERING INDONESIA はWest Java州Karawang県のレンタル工場でインストルメントパネル内部の鉄製フレームを生産しているが、同社製品を採用する車種の増加に対応して同州Bekasi県に自社工場を建設する。投資額は約1億円。レンタル工場から設備を順次移し、2015年9月に新工場での生産開始を目指す。納入先は現地の部品メーカー。3年後に売上高を2014年の10倍の2億円に引き上げる計画。
不二精機
機械設備を倍増させ、生産品目も拡大
不二精機は、PT. Fuji Seiki Indonesia(West Java州Bandung)の精密成形品工場で2017年度までに射出成型機を2014年度の2倍強に増やし、新たに自動車のモーターやポンプ周りのプラスチック部品の量産を開始する。投資額は約3億円。生産品目を現状の10品目程度から数十種類に増やし、売上高を2013年度の1億円から2017年度までに10億円に引き上げる計画。
ユニバンス
ギアの製造工場が2014年6月に稼働
ユニバンスは、PT. UNIVANCE INDONESIA(West Java州Purwakarta)の鍛造工場が2014年6月に稼働。マニュアルトランスミッション(MT)やトランスファー用ギアの月産能力は10万個。投資額は5億円。従来、鍛造部品は日本からの輸入に頼っていたが、ギアを粗材加工から一貫して製造する内製化により、MTやトランスファーの価格競争力を強化。今後2、3年で新たなプレス機を導入し、鍛造能力を3倍に拡大させる計画。東南アジアへの輸出を中心に、今後数年で売上高42億円を目指す。

 

 



ベトナム 新拠点設立、既存工場の拡充:ブリヂストン、原田工業、ミツバ、矢崎総業、ヨコオなど

ベトナム

 

会社名 活動内容
原田工業
車載用アンテナの第2工場建設
原田工業は、HARADA INDUSTRIES VIETNAM LIMITED(Dong Nai省)の第2工場を2013年11月に完成。車載用アンテナと付属部品の生産量を従来の2倍に引き上げ、2014年度から稼働を本格化。
ブリヂストン
乗用車用汎用タイヤの工場が2014年4月に稼働、更に生産能力を増強
ブリヂストンは、Bridgestone Tire Manufacturing Vietnam Limited Liability Company(Hai Phong市)の乗用車用ラジアルタイヤの新工場が2014年4月に稼働。2014年末の生産能力は1日1万本。ブリヂストンは、2015年度にタイヤ事業に3,150億円の設備投資を計画しているが、投資を注力する拠点の一つがベトナム。新工場の生産能力を2016年上期に1日2.5万本、2017年下期に同4.9万本に引き上げる計画。日本や欧米への市販用タイヤの輸出基地として主に汎用タイヤを供給する。
ミツバ
自動車用リレーの生産能力を増強
ミツバは、Mitsuba M-Tech Vietnam Co.,Ltd(Dong Nai省)の自動車用リレーの2016年の生産量を2013年比10%増加させる計画。日系メーカーからの受注増に対応。
矢崎総業
ベトナム北部、南部でのワイヤーハーネスの2工場が稼働
矢崎総業は、ベトナム北部にあるYazaki Haiphong Vietnam, Ltd. (Haiphong市)の2つ目の工場(Quang Ninh省)が2014年11月に操業開始。総投資額は3,500万ドル。同時期に、南部のYazaki EDS Vietnam, Ltd (Binh Duong省)の新工場(Tra Vinh省)も完成。投資額は4,800万ドル。アセアン地域全体でのワイヤーハーネスの生産能力増強の一環。
山下ゴム
R&Dセンターが2014年に完成、将来的には防振ゴムの生産拠点化も
山下ゴムは、Y-TEC VIETNAM Ltd.(Hai Phong市)のR&Dセンターが2014年8月に完成。2014年内に基礎技術などの研究開発部隊を日本からベトナムに移管。2015年には、金型などの工場設備を内製化して設備コストを半減させ、他の新興国拠点に供給する。2013年からの3年間で約40億円を投じる。今後数年で、防振、制振、制音に使うゴムの材料や新分野の基礎研究や製品開発を拡充。2018年のR&D要員を300人規模にする計画。将来的には、防振ゴムの生産拠点とすることを視野に入れている。
ヨコオ
車載用アンテナ工場を増設し、中国からの生産移管品目を拡大
ヨコオは、Yokowo Vietnam Co.,Ltd.(Ha Nam省)工場の第2期工事が2014年4月末に完了。月産能力は従来の約3倍の約100万台。人員も2倍強の1,260人に増大。これに伴い同年4月から、円安によるコストアップも含めた中国子会社の労務費増加を吸収・圧縮するため、ベトナム工場への生産移管品目を拡大。日本向けの車載通信機器用ワイヤーハーネスやAM/FM用マイクロアンテナなどに加えシャークフィンアンテナなどを生産。中国工場の人員は400人減の2,400人になった。今後、中国工場を2,000人以下に、ベトナム工場を1,600人体制にする。

 

 



マレーシア 新工場、生産能力拡充:宇部興産、昭和電工、日本化薬、日本電気硝子など

マレーシア

 

会社名 活動内容
宇部興産
ポリブタジエンゴム(BR)の生産開始、更に生産能力拡充を計画
宇部興産は、韓国ロッテグループ、三菱商事などとの合弁会社Malaysian Synthetic Rubber Sdn. Bhd.(Johor州)の工場を2014年11月に稼働。資本金は約58億円。出資比率は、ロッテケミカル40%、ロッテケミカルグループのタイタンケミカル10%、宇部興産40%、三菱商事10%。宇部興産の製造技術ライセンスにより、省エネタイヤの原料となるポリブタジエンゴム(BR)の製造設備を建設。年産能力は5万トン。タイタンケミカルからは、原料ブタジエンの供給を受ける。2017年度中に年産能力2.2万トンへの増強を計画。
片山工業
金型の開発・生産合弁会社を設立
片山工業は、2015年2月に合弁会社INGRESS KATAYAMA TECHNICAL CENTRE(IKT、Selangor州)を設立。資本金は約15.2億円。出資比率は、片山工業40%、マレーシアの現地部品メーカーINGRESSが60%。片山工業は、3年をめどに技術移転を進めて、部品用金型の開発・生産を行う。
昭和電工
アルミニウム鋳造工場が2014年11月に量産開始
昭和電工は、Shotic Malaysia Sdn. Bhd.(Johor州)の鋳造工場が完成し、2014年11月にアルミニウム連続鋳造棒、切断材の量産を開始。昭和電工は、シンガポールにアルミニウム鍛造工場を持つため、ASEAN地域での鋳造から鍛造までの一貫生産体制が整った。アジア地域の自動車向けアルミニウム加工品の需要増に対応する。
東洋ゴム
米国市場向けのタイヤ生産能力を増強
東洋ゴムは、Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd(Perak州Ipoh市)に、米国工場から乗用車用タイヤ生産の一部を2014年に移管し、米国工場に再輸出。米国市場向けのタイヤ供給体制強化の一環。北米工場とマレーシア工場で、2016年にタイヤ供給量を2013年比約25%増強する。
日本化薬
安全部品の工場を建設、2015年に稼働
日本化薬は、Kayaku Safety Systems Malaysia Sdn. Bhd.(Negiri Sembilan州)の工場が2014年下期に完成。本格稼働は2015年5、6月の予定。第1期の投資額は約70億円。生産品目は、エアバッグを膨らますインフレーターやマイクロガスジェネレーター、エアバッグなどに使われる点火装置と一部の火薬。日本、欧州(チェコ)、北米(メキシコ)、中国に続く5拠点目。当初はタイ、インドネシア、インドなどのアジア諸国に全て輸出。今後5年で、売上高約56億円を目指す。
日本電気硝子
高機能樹脂強化用ガラスファイバの生産能力増強
日本電気硝子は2014年6月、Nippon Electric Glass (Malaysia) Sdn. Bhd.(Selangor州)の自動車向け高機能樹脂強化用ガラスファイバの生産能力を3割増強すると発表。投資額約200億円で、加工設備を増設する。生産開始は2015年4月。製品は、欧米メーカーや日系樹脂メーカーの海外拠点に供給。

 

 



フィリピン 第2工場建設、生産能力拡張:東海理化、古河AS、日本セラミック、横浜ゴムなど

フィリピン

 

会社名 活動内容
東海理化
第2工場が2014年12月稼働、スイッチ類の輸出拠点に
東海理化は、TRP, Inc.(Laguna州Sta. Rosa)の第1工場の隣接地に第2工場を建設し、2014年12月に稼働。レバーコントロールスイッチなどの輸出拠点として、生産能力を約50%増強した。当面は需要の旺盛な北米向けに供給するが、アセアン域内外の同社グループ会社への供給増にも対応する。投資額は2017年までに30億円程度を見込む。
中山精工
シャフト生産を2014年12月に開始、タイ向けに輸出
中山精工は、Nakayama Precision Industries , Incorporated.(Subic Bay Freeport Zone)で新たに工場をレンタルし、エンジン用部品のシャフトの生産設備を導入。2014年12月に生産開始し、タイの日系部品メーカー向けに輸出。年産能力は60万台分。投資額は約2億円。今後、他の自動車関連部品の生産も検討。
日本セラミック
自動車向けセンサー事業拡大の一環として生産能力増強
日本セラミックは、Nicera Philippines Inc. (N.P.I.)(Subic Bay Freeport Zone)の工場で自動車の衝突防止装置に使うセンサーの生産ライン増設を2014年に実施。需要が伸びている非接触型電流センサー事業強化の一環。
原田工業
車載用アンテナの第2工場建設
原田工業は、HARADA AUTOMOTIVE ANTENNA (PHILIPPINES), INC.(Cavite州)の第2工場が2014年1月に完成。2014年度から稼働を本格化。車載用アンテナと付属部品の生産量を従来の2倍に引き上げた。
古河AS
ワイヤーハーネス増産のために新工場建設
古河ASは、Furukawa Automotive Systems Lima Philippines, Inc.(FALP。Batangas州)のワイヤーハーネスの生産能力を2倍に拡張するため、新工場を建設し2014年2月に稼働した。FALPは日本向けの生産が中心で、受注が伸びていることに対応。投資額は、2015年までに約25億円。2015年度の売上高目標は160億円。当初計画の120億円から引き上げた。
ミツバ
工場を増築し小型モーターを増産
ミツバは、2014年度から2016年度の期間にMitsuba Philippines Corp.のBatangas工場の増設を計画。同工場は米国向け生産拠点で、米国での需要が急増しているため、シート、ルーフ、ウインドー用などの小型モーターの生産量を2013年度比1.8倍に増産する見通し。
横浜ゴム
乗用車・SUV用タイヤ工場を拡張
横浜ゴムは、YOKOHAMA TIRE PHILIPPINES, INC.(Pampamga州Clark Freeport Zone)の第2次拡張工事(年産能力250万本を追加)が2014年に終わり、フル稼働。年産能力は、1,250万本に増加。また、2017年度までの3年間に更なる拡張を進める計画。

 

 



カンボジア、ラオス、東南アジア地域 新工場建設、生産能力増強など :デンソー、ニッパツ、トヨタ紡織、日本ガイシなど

東南アジア地域

 

カンボジア

会社名 活動内容
デンソー
2つ目の工場建設、2016年に稼働予定
デンソーは、DENSO Cambodia Co., LTD.の既存工場があるPhnom Penh経済特別区内に2つ目の工場を建設する。マグネトー(二輪車用発電機)、オイルクーラーなどを生産し、2016年3月の稼動開始を予定。投資額は約22.4億円。全量をタイのデンソー拠点に送り、品質保証をした後、タイ国内の2輪車・4輪車メーカーに供給する。新工場の売上高は、30億円を計画。
ニッパツ
シートの縫製部品工場を新設
ニッパツは、シートの縫製部品の合弁会社NHK SPRING (CAMBODIA) CO.,LTD (Banteay Meanchey 州Poipet市=タイとの国境の町)を2015年4月に設立。資本金は約3億8400万円。出資比率は、タイニッパツ75%、タイのシートカバーメーカーのチャイワッタナー25%。工場は2016年4月に稼働予定で、布や革製シートカバーの縫い合わせを行い、タイに輸出する。売上高は2020年度に22億バーツ(約70億円)の予定。ニッパツのシート供給体制強化の一環。

 

ラオス

会社名 活動内容
トヨタ紡織
布製シートカバーの縫製工程を2015年内にタイから全面移管
トヨタ紡織は、2014年4月に生産開始したTOYOTA BOSHOKU LAO CO., LTD(Savannakhet県.)にタイ工場で生産している2車種の布製シートカバーの縫製工程を2015年内に全て移管する。タイの人件費上昇に伴うもので、労働集約型の工程を移管。年産能力は20万台分。

 

東南アジア地域全般

会社名 活動内容
ショーワ
ショックアブソーバーの生産能力増強を検討
ショーワは、今後3年間で東南アジアでの四輪車用ショックアブソーバーの生産能力増強を検討中。国は未定。二輪車用については、インドネシアのP.T. SHOWA INDONESIA MANUFACTURING(West Java州Bekasi)で増強する。
中央自動車工業
補修部品販売強化のため、アジア各国で駐在員事務所を設置
中央自動車工業は、補修部品事業強化のために海外販売体制を強化。アジアでは、2014年にインドネシア、フィリピンに駐在員事務所を開設。2015年初頭にはベトナムでも設置。ミャンマーでも事務所開設を構想。
日本ガイシ
排ガス浄化用部品の新工場建設を東南アジアで検討
日本ガイシは、東南アジアに自動車排ガス浄化用部品の新工場建設を検討中で、2015年内をめどに最終決定する。タイやベトナムを軸に用地を選定している。2017年以降に稼働し、年産能力は確定していないが、1ライン当たり数百万個規模。投資額は100億円を超える見通し。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>