ホンダの中国事業 (上): 販売目標は2015年130万台、2023年までに200万台

小型SUVなど小型車の拡販に注力、HV生産は2016年までに計画

2014/09/25

要 約

 本レポートは、ホンダの中国事業の販売状況とモデル戦略ならびに研究開発新体制整備の進展について報告する。なお、次回はホンダの中国での生産体制の進展について報告する予定。

 ホンダは、中国乗用車市場の小型化志向シフトへの対応遅れと「Accord」 (雅閣) 等自社の現地戦略車の販売失速、ならびに反日デモの悪影響などで一時的に低迷していたが、2013年には急回復して、中国での販売を約24.4%増の78.1万台を売り上げた (工場出荷ベース、輸入は含まず、輸出を含む)。2014年1~7月の販売累計は、前年同期比5%強の増加で拡販の勢いがややスローダウンしている。

 ホンダは、広州および武漢の開発支援拠点に加えて、2013年11月に「本田技研科技 (中国) 有限公司」(Honda Motor China Technology Co., Ltd.) を広州市に設立、研究開発体制を強化した。

 2013年~2015年には、完全改良と新規投入と合わせて新モデルを10車種以上投入して、中国での商品ラインナップの大幅な強化を狙う。更に、Acuraブランド車の2016年からの現地生産の計画も推進している。

外資別中国乗用車販売台数 ホンダの中国合弁会社別販売推移
 
関連レポート
 ◇2014年北京モーターショーのホンダ展示車取材
    (1) ハイブリッド車展示 (2014年5月掲載)
    (2) ガソリン車展示 (2014年5月掲載)
 ◇ホンダのアジア戦略 (LMC Automotive 予測付、2014年5月掲載)
  ◇ ホンダの中国事業 (2015年までの中国事業の中期販売戦略詳細付、2013年4月掲載)


ホンダの中国における販売状況

▽ホンダの中国販売は2013年の24%増から2014年1~7月は5%増と増加幅が縮小

 ホンダは、中国販売事業で中長期的に日産を超え、長期的にはVWを追い越すことを目指している。ホンダの2013年販売 (工場出荷ベース) は、「Accord」 (雅閣)のフルモデルチェンジ効果、「CRIDER (凌派)」「JADE (杰徳)」新型車の投入効果により、前年比24.4%増の78.1万台と好調であった。
 一方、2014年1~7月の実績は前年同期比5%強増と増加幅が縮小した。合弁会社別にみるとは、東風ホンダが好調なのに対して、広汽ホンダの販売および、生産輸出のモデルチェンジしたばかりの輸出専用工場「本田汽車(中国)有限公司」の輸出は不調であった。

 

▽車型別販売動向: 2014年上半期のセダン/ハッチバックは減少傾向、SUV/MPVは堅調

 ホンダの2014年の中国販売動向を車型別でみると、セダンとハッチバックは2013年上半期の26.2万台から2014年上半期では25.5万台へと減少した。一方、MPVまたはSUVは堅調であるが、伸び幅は大きくない。ホンダは2013年に続き、2014年も多くの新型車を投入しているが、2014年上半期に関しては、新型車投入による拡販効果は不十分な状況にある。欧米のブランドに比べて、ホンダブランドの良さが広範な顧客に良く認知されているとは言えず、改善の余地がある。

ホンダの中国における合弁会社の販売実績

単位:台
合弁会社/ブランド/車型別 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1-7月
2014年
1-7月
▽総合計(中国のホンダ合弁会社) 604,523 671,640 642,011 627,610 780,986 381,665 402,123






3
合弁
会社別
広汽ホンダ 377,623 386,031 362,294 316,405 435,480 209,167 208,764
本田汽車 (中国) 28,299 25,009 24,249 29,034 24,097 13,977 9,165
東風ホンダ 198,601 260,600 255,468 282,171 321,409 158,521 184,194
ブランド別 Honda 604,523 671,640 617,315 588,945 751,986 359,362 389,208
理念(EVERUS) - - 24,696 24,576 13,913 11,575 3,513
思銘(CIIMO) - - - 14,089 15,087 10,728 9,402
車型別
(上段) 販売台数
(下段) ホンダの中国
販売全体でのウェート
Sedan,
Hatchback
470,895 485,824 451,604 430,808 523,791 261,575 255,006
77.9% 72.3% 70.3% 68.6% 67.1% 68.5% 63.4%
MPV 28,395 45,816 30,404 27,766 67,223 20,968 46,099
4.7% 6.8% 4.7% 4.4% 8.6% 5.5% 11.5%
SUV 105,233 140,000 160,003 169,036 189,972 99,122 101,018
17.4% 20.8% 24.9% 26.9% 24.3% 26.0% 25.1%

(参考) ブランド別の各種集計

単位:台
ブランド/車型/合弁会社別 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2013年
1-7月
2014年
1-7月
▽Honda ブランド 604,523 671,640 617,315 588,945 751,986 359,362 389,208
現地
合弁
会社別
広汽ホンダ MPV 28,395 45,816 30,404 20,900 27,277 14,401 6,753
Sedan,
Hatchback
349,228 340,215 307,194 270,929 394,290 183,191 198,498
本田汽車
(中国)
28,299 25,009 24,249 29,034 24,097 13,977 9,165
東風ホンダ MPV - - - 6,866 39,946 6,567 39,346
SUV 105,233 140,000 160,003 169,036 189,972 99,122 101,018
Sedan 93,368 120,600 95,465 92,180 76,404 42,104 34,428
車型別 MPV 28,395 45,816 30,404 27,766 67,223 20,968 46,099
SUV 105,233 140,000 160,003 169,036 189,972 99,122 101,018
Sedan, Hatchback 470,895 485,824 426,908 392,143 494,791 239,272 242,091
▽中国合弁会社ブランド - - 24,696 38,665 29,000 22,303 12,915
広汽ホンダ 理念(EVERUS) Sedan - - 24,696 24,576 13,913 11,575 3,513
東風ホンダ 思銘(CIIMO) - - - 14,089 15,087 10,728 9,402

注: 工場出荷ベース、輸出を含む。輸入車は含まない。

 

ホンダの中国製乗用車の車型別販売推移 ホンダの中国製乗用車の車型別販売割合

 

▽ホンダの2015年中国販売目標は130万台

 ホンダの中国販売事業は2010年まで延び続けたが、2011年に東日本大震災による部品供給の遅れと、「Accord」販売失速および中国市場の小型車志向への需要シフト対応が遅れたことと相まって、1999年現地生産を開始してから初めて前年比で減少した。その後の2012年も、中国での反日デモなどの悪影響が加わって、2011年に比べても更に減少し年間販売が59.9万台にとどまった。
 2013年は反日デモの収まりと新型車導入で前年比24.4%増の75.7万台と急回復を果たしたが、2014年に入って伸び悩んでいる。現在は更なる拡販に向けて新型車を投入するなど商品力を強化し、2015年に130万台、2023年までに200万台超の販売を目指すとしている。


 これに併せて、2013年から2015年に、新規投入と全面改良車種を合わせて 10車種以上 (2014年~2015年に合計約 9車種) を導入。このうち、中国現地で開発し2013年に発売した2車種 (内訳:「CRIDER」は6月、「JADE」は8月発売) を含めて、合計5車種を中国専用車とする。

 また、長期販売目標では、広州汽車との合弁会社「広汽ホンダ」は2020年までに、東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」は2023年までに、それぞれ年間100万台販売の目標を掲げている。

ホンダの中国における四輪車 (自動車) 事業の主な組織概要

ホンダ系現地法人 本社
所在地
ホンダ
出資比率
備考
本田技研工業 (中国)
投資有限公司
北京市
など
100% ・2004年に設立。ホンダ中国事業の統括会社。
本田技研科技 (中国)
有限公司
広州市 100% ・2014年1月に新設。中国における自動車の研究開発、購買企画、生産企画を担当。
広州本田汽車
研究開発有限公司
広州市 50% ・自動車の商品開発に必要な調査・研究。
広汽本田汽車有限
公司:広汽ホンダ
広州市、
増城市
50% ・広州汽車との合弁生産会社。乗用車を生産。早ければ2015年からエンジンも新規生産へ。
  *注: 自社のエンジン新規生産までには、これまで通り、主に、自社構内にある東風本田発動機からエンジンの調達を継続する。
東風本田汽車有限
公司:東風ホンダ
武漢市 50% ・東風汽車との合弁生産会社。乗用車とエンジンを両方生産。
本田汽車 (中国)
有限公司
広州市 65% ・広州汽車および東風汽車との合弁生産会社。輸出生産に特化した、中国で唯一の外資の出資比率が50%超えた完成車生産の合弁生産会社としても有名。現在、JAZZ/FIT 輸出生産をホンダのメキシコ工場に移管して、Accord 輸出モデルの生産に切り替えたばかり。
東風本田発動機
有限公司
広州市 50% ・東風汽車との合弁生産会社。広汽ホンダの広州工場構内に立地。乗用車用エンジンを組立て生産。
東風本田汽車零部件
有限公司
恵州市 65% ・自動車用エンジンの構成部品、足周り部品を生産。
本田汽車零部件
有限公司
恵州市 100% トランスミッション等、自動車中核部品の生産。

 

 



ホンダの中国乗用車販売目標: 2015年130万台/2023年までに200万台、市場シェア8~10%

ホンダ中国販売の中長期目標まとめ

<乗用車市場シェア>
・長期的に 8~10%を目指す。
・中国販売において、中長期的に日産グループ、長期的にVWグループを追い越す (2013年11月ホンダが表明)
<販売台数目標>
 *注:工場出荷台数ベース、輸入は通関ベース。


 2014年: 90万台 (Acura ブランド車の輸入販売約8,000台を含む)
 2015年: 130万台 (Acura ブランド車を含む、Honda ブランドは2011年実績 617,315台の2倍に設定)
 2023年: 200万台超





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◇広汽ホンダ  2014年: 50万台超
 2015年: 70万台
 2020年: 100万台
◇東風ホンダ  2014年: 35万台超
 2015年: 50万台 (内訳:「CIVIC」シリーズ 20万台、「CR-V」 20万台、その他 10万台)
 2023年: 100万台
  *注:販売代理店を、356店舗 (2013年7月) → 360店舗超 (2014年9月時点) → 450店舗 (2015年) 。東風ホンダの販売責任者は2013年、今後の自社販売代理店の販売目標を1店舗につき平均で、現行の約800台から1,000台に引き上げる方針を表明。
◇本田汽車(中国)  2014年: 2万台超
 2015年: 2万~3万台
  *注: 中長期販売台数目標は明らかにされていないが、工場生産能力について、当面は増強計画がなく、当面は現行5万台のままで維持する方針を表明している。
◇Acura 輸入販売 2014年: 8,000台超
  注: 2016年から、広汽ホンダでの現地生産開始に向けて推進中。

 

 



ホンダの中国研究開発新体制: 現地化を推進、広州に開発現地法人を設立

広州市に、研究開発の現地法人を新設

 ホンダは2013年11月、広州市 (経済技術開発区) に、自動車の研究開発、購買企画、生産企画を主な業務とする、中国現地法人「本田技研科技 (中国) 有限公司」を全額出資で設立。2014年1月に新会社は稼働を開始した。2016年1月には広州市内に新しい社屋を建設して移転する計画。
 新会社の資本金は4億元。従業員数は366名 (2013年11月時点)。これに併せて、新会社は、ホンダ中国事業の統括会社「本田技研工業 (中国) 投資有限公司」 (2004年1月設立) の広州支社 (分公司) を吸収し、同支社機能の移管も受け入れている。
 ホンダは、2013年~2015年までの3年間で、現地生産モデルの完全改良車と新規投入車合計10車種以上を投入するモデル計画を2012年に発表した。新会社の設立は、現地生産モデルの研究開発/部品の購買調達/生産企画のほか、重要度が増す大市場である中国におけるAcura/Hondaなど現地輸入販売車の研究開発にも役立つ。

 

 これまで、ホンダの中国四輪車 (乗用車) 分野における研究開発の関連業務に関して、広汽ホンダとホンダの合弁開発拠点「広州本田汽車研究開発有限公司」(広州市)が自動車の商品開発に必要な調査・研究を担当。東風ホンダ (武漢市) に併設する技術開発センター (武漢市) も自社関連製品の技術開発サポートの役割を果たしている。


 このほか、金型等の製造用機械設備の生産や、生産技術の開発導入などについては、同広州市にある「本田生産技術 (中国) 有限公司」が行っている。

 なお、ホンダの中国二輪車事業に関する研究開発は、主に、上海市に設立した「本田摩托車研究開発有限公司」が主担当に持たせている。

 



モデル戦略: Acuraを含めて小型SUV導入を強化、HVは2016年までに生産へ

▽ホンダの中国市販モデル計画概要


・2014年から、中国市販車に「FUNTEC」動力システム技術 (*注) が順次採用される (最終的に全車種に導入)。
 *注: ホンダの新世代動力システム技術「Earth Dreams Technology」と、ホンダ独自の「先端安全技術」や「ホンダの快適性技術」を加えた、中国に注力しているホンダの先端技術組み合わせの総称。うち、
  ① ホンダ先端安全技術: モノコック式ボディ構造「ACE」 (Advanced Compatibility Engineering)、衝突緩和ブレーキシステム「CMBS」(Collision Mitigation Brake System)、アダプティブ・クルーズコントロールシステム「ACC」(Adaptive Cruise Control)、死角モニタリング・システム「Lane Watch」を含む
  ② 快適性技術: MM理念 (Man Maximum Machine Minimum)、V型レール式2列目座席、スマートフォンと連結できるディスプレー・オーディオシステム、スマートフォンとホンダ独自のクラウドンシステムと情報化交換ができる「Honda Link」を含む。

 なお、2014年7月時点、「FUNTEC」技術が搭載される新しい中国市販車は合計3車種。その内訳: 9代目「雅閣」(Accord)、「凌派」 (CRIDER)、「杰徳」(JADE)。
・ 当面は、SUVを含む、小型モデルを中心に投入。
・ 2013年~2015年に、完全改良車と新規モデルを合わせた新型車、合計10車種以上を導入。
  2014年~2015年に、同新型車合計9車種導入の予定 (2013年11月ホンダ発表)。



◇広汽ホンダ ・2016年までに (早ければ2015年に) ハイブリッド車:HV を中国生産へ (初モデルは「FIT HYBRID」との報道もある)。
◇東風ホンダ ・2013年から2015年までに、完全改良車と新規投入車を合わせて、「FUNTEC」技術を採用した Honda ブランド合計 6車種を導入。
◇Acura ブランド
   車の現地生産
・2016年からのAcuraブランド車現地生産開始に向けて計画が進行中。初の現地生産モデルは、2013年4月発表の「Acura Concept SUV-X」 をベースにした小型SUV。

 

中国での主な新モデル導入状況: 2016年までにHVモデルの現地生産を開始へ

▽広汽ホンダ: 広州汽車グループとの広州合弁工場
モデル 発売時期
(予定)
詳細
凌派
(CRIDER)
2013年6月  ホンダが中国市場向けに日中共同で開発した小型セダン。ボディサイズは、全長4650/全幅1750/全高1505mmで、ホイールベースは2650mm。標準販売価格は、3タイプで11.48万~13.48万元。
 ホンダの「FUNTEC」技術を採用した、排気量1.8Lの直列4気筒 i-VTEC エンジン (最高出力102kW/最大トルク172Nm) に、5速MTまたは5速ATを組み合わせる。燃費 (メーカー発表) は、100km当たりに指定テストモード走行で 6.5/6.7L。
3代目
飛度 (FIT)
2014年5月  フルモデルチェンジを行った3代目 「FIT」。広汽ホンダの主力モデル。搭載エンジンは、ホンダの「FUNTEC技術」搭載した排気量1.5L (DOHC i-VTECタイプ) の1機種のみ (旧型の2代目は1.3Lと1.5L エンジンを設定)。新型CVTと組み合わせる。
 標準販売価格は7.38万~11.28万元。主な競合車種は一汽VW「Polo」や広汽トヨタ「致炫」(Yaris)。なお、2014年6月、広汽ホンダは今後、FIT販売を倍増させる方針を表明。
完全改良型
奥徳賽
(ODYSSEY)
2014年8月  フルモデルチェンジした「ODYSSEY」の最新型。搭載エンジンは、排気量2.4L 4気筒タイプのみ。プラットフォームは、これまでのAccordプラットフォームではなく、新しい独自 (ODYSSEY) プラットフォームを採用。
繽智
(VEZEL)
2014年10月
(9月から
販売予約)
 ホンダ 「Concept V」をベースとした新しい小型アーバン SUV (4ドア式)。全長4294mm/全幅1772/全高1605/ホイールベース2610mm。1980年代と1990年代生まれの中国の若者をターゲットユーザーに設定して開発。Accord/FIT/CRIDERに次ぐ4車種目の広州ホンダの主力車。販売予定価格は13.98万元から。
 2WD/4WDモデルともに設定。排気量1.8L i-VTEC エンジン (最高出力100kW/最大トルク169N・m) アイドリングストップ、変速機は 5速 MT またはCVT を組み合わせる。メーカー発表の燃費は 6.5L/100km。
飛度 (FIT)
HYBRID
~2016年
(予定)
 新型「FIT」 のハイブリッド仕様モデル。
Acura
小型SUV
2016年
(予定)
 中国市場をメイン市場に設定・開発した「Acura Concept SUV-X」 (コンパクトタイプ) をベースとした上級小型SUV。
▽東風ホンダ: 東風汽車グループとの武漢合弁工場
モデル 発売時期
(予定)
詳細
杰徳
(JADE)
2013年8月  主に中国市場、とりわけ、1980年代生まれ(中国語"80後") の若者をターゲット顧客に開発。様々なライフスタイルのニーズを満たすC-MPVセグメント(欧州セグメンテーション)に属する世界戦略MPV (5/6座席)。今後、世界各地に導入・拡販を行う計画がある。
 ホンダの新型 CVTが組み込まれた「FUNTEC」動力システム技術を採用。
2代目
思鉑睿 (SPIRIOR)
2014年11月(予定)  フルモデルチェンジした、東風ホンダの次期主力車種であるスポーティセダン「SPIRIOR」の最新型 (2代目)。2014年4月開催の北京モーターショーでコンセプトカー、2014年8月成都モーターショーで量産モデルを発表。年間販売目標は6万台以上。
 ボディサイズは、全長4820/全幅1850/全高1465mm、ホイールベース2775mm。ホンダの「FUNTEC」技術を採用。最高出力153kW/最大トルク247Nmで、排気量2.4L i-VTEC エンジンに、8速DCTを組み合わせる。今後、排気量2.0L エンジン搭載仕様モデルも追加導入の予定。
 主な競合モデルは、
 ① 一汽轎車の最新型「馬自達6」(阿特茲、3代目Atenza) 、
 ② 天津一汽トヨタの「Reiz」(鋭志: Mark X)。
 新型「SPIRIOR」の上記競合2モデルは共に、マニュアルモード付ATを有する。
(仮称)
炫威
(XR-V)
2014年末
(予定)
 東風ホンダの次期主力モデル(小型SUV)。広汽ホンダ「繽智」と同じ「Concept V」 がベース車。4WDモデルも設定。年間販売目標は7万台以上。2014年8月に市販モデルに近いコンセプトカー「XR-V」を発表 (全長4275/全幅1770/全高1605/ホイールベース2610mm)。2014年10月に量産モデルを発表する予定。
 排気量1.5Lのホンダ最新型エンジン、または、最新型「CIVIC」にも設定する1.8L エンジン (最高出力104kW/最大トルク174Nm) にアイドリングストップ、および6速MT/5速AT/CVTを組み合わせる。装備面でもパノラマルーフを採用。
New
CIVIC
2017年(予定)  フルモデルチェンジするCIVICの最新型 (セダン)。次期型よりHV はアコードと同じ2モーターのハイブリッド動力システムを採用する予定。
 なお、現行市販モデル (旧型) のエンジンは排気量1.8L (4気筒)、HV仕様モデルは1.3L の4気筒を搭載。
▽本田汽車(中国): 広州汽車および東風汽車グループとの広州合弁工場 (輸出専用工場)
モデル 発売時期 詳細
JAZZ/北米仕様FIT (生産時期は
2005~
2014年4月)
 2005年から欧州向け「JAZZ」 として生産・輸出を開始。2012年よりカナダ向け「北米仕様 FIT」も生産開始。 2014年5月に欧州、カナダ向けとも生産を完全停止し、メキシコ工場に移管された。
Accord
(輸出仕様)
2014年6月  欧州向け「JAZZ」/北米仕様「FIT」に替わり、同工場では、米国工場から移管されたロシア/中近東向けの「Accord」を2~3万台規模で生産する。

 

Honda ブランド: 小型SUVセグメント、最新型 「ODYSSEY」導入で公用MPVセグメントを強化

▽MPVモデルのラインナップを拡充、2012年から新たに2車種追加生産
<広汽ホンダ> セグメント拡大にモデルチェンジして、最新型「ODYSSEY」導入
 広汽ホンダは2014年8月、MPVである全面改良型「ODYSSEY」(奥徳賽) の生産を開始、まずは北京で発売した。これに併せて、旧型「ODYSSEY」の生産を終止した。新型は5モデルで、標準販売価格は22.98万~29.98万元。最大の競合車種である上海GM 「Buick GL8」 の販売価格 (28.99万~39.99万元) より約6万~10万元安い。
 ホンダは、モデルの全面改良を契機に、開発段階から中国MPVセグメントを、旧型「ODYSSEY」の家庭向けB級乗用車スタイル MPV から、公務用/ビジネス用等の公用車市場 MPV に広げて設定。最大の競合車種である公用車セグメントに注力してきた上海GMの「Buick GL8」とは、真正面から競合するモデルと開発した。
 旧型と新型の「ODYSSEY」より、全長/全幅/全高とのボディサイズ、およびホイールベースに関して、その最大競合車「Buick GL8」のほうがすべて大きい。同3車種の全長/全幅/全高/ホイールベースの詳細は下記の通り。
 【旧型「ODYSSEY」】     4810/1802/1570/2830mm
 【新型「ODYSSEY」】     4830/1805/1695/2900mm
 【競合車「Buick GL8」】  5213/1847/1750/3088mm
 他方、中国 MPV 市場における、旧型「ODYSSEY」と「Buick GL8」の近年の工場出荷ベースの販売先のウェートは以下の通り。
 ▽旧型「ODYSSEY (奥徳賽)」
   個人ユーザー 70%以上、商務などの公用車ユーザー 30%未満
   <モデル特徴> 比較的にコンパクトで低燃費、走行の便利さを追求したサイズとデザイン。
 ▽「Buick GL8」
   以前の顧客はほとんど公用車ユーザーであったが、近年は個人ユーザーと公用車ユーザー共に、約50%。
   <モデル特徴> 車自体の安定性を追求。ボディサイズが大きく安定性が良い。燃費は良くない。
 <東風ホンダ> 2012年からの2年間、1年にMPV 1車種追加生産
 東風ホンダは、それまでなかったMPV事業に参入。2012年7月は自社初の 大型MPV 「艾力紳」 (ELYSION)、2013年9月は2車種目のMPV 「杰徳」(JADE) の生産販売を開始した。
 ▽「ELYSION (艾力紳)」
   7/8人乗りのホンダの最上級MPV。中国で導入されるまでは日本国内専用モデル (日本での販売は2013年10月に終了)。エンジンは初代 「SPIRIOR」 と同じ 排気量2.4L 4気筒エンジンを搭載。
 ▽「JADE (杰徳)」
   中国市場向けに開発、その後世界各国に展開する世界戦略MPV (欧州のC-MPVセグメントに属する5/6人乗り)。排気量1.8L 4気筒エンジンを搭載。

 

Acuraブランド: 2016年から、広汽ホンダでの現地生産準備を推進中

 ホンダは2013年7月、広州汽車集団と、中国でのAcura (中国語名称:謳歌) ブランド車事業を共同で行うことに関する基本合意書に調印した。2016年から、両社の広州合弁工場 (広汽ホンダ) における生産開始を目指して検討を進めている。
 これに先立って、2013年4月開催した上海モーターショーで、ホンダは3年以内(2016年まで)に、中国市場をメイン市場に設定・開発した小型SUVコンセプトカー「Acura Concept SUV-X」 (コンパクトタイプ)をベースとした量産モデルを、現地生産すると発表した。
 ホンダは中国でのAcuraブランドの輸入販売を2006年9月に開始した。2013年7月時点、「MDX」「RDX」「ILX」「RLX」など、セダンとSUVを合わせて6車種を市販中。2013年には、2006年に発売した米国仕様「Acura RDX」をベースにして、中国市場向けに改良した中国仕様「Acura RDX」 (排気量3.0L) を発売。大型SUVでは11月に、最新型「Acura MDX」 3代目を発売した (3列7座席、標準販売価格 73.9万~79.5万台)。
 また、ホンダは2014年、黒龍江/福建/遼寧/江西省を含めて、展示ブース兼特約販売代理店の方式で、Acuraブランドの販売ネットワークの構築も進めている。2014年5月、深圳市 (広東省) で、Acura ブランド展示中心 (実車展示ブース) をオープンした。
 これにも併せて、ホンダは2014年4月、研究開発機能を有する広州新会社「本田技研科技 (中国) 有限公司」が、中国市場に特化するAcuraモデルの研究開発にも支援・協力を行うとの方針を表明した。

 

ハイブリッド車の中国現地生産について

▽2015年に、ハイブリッド車の中国現地生産へ
 トヨタ/日産より生産体制整備などに遅れをとっているといわれるホンダは、近年の省エネ・新エネルギー車推進政策の変化に応じるように、着実に推進する動きを加速している。
 ホンダは、まず省エネ自動車であるハイブリッド車 (HV) の現地生産を2016年末まで(早ければ2015年)に開始すると報道されている。
▽2012年に、環境対応車を3車種投入
 ホンダは2011年11月、広州市で電気自動車(EV)の実証実験を開始した。米国、日本に続き3ヵ国目となる。実験車両「FIT EV」は「FIT」をベースとし、リチウムイオンバッテリーやホンダの燃料電池車「FCX Clarity」のギアボックス同軸モーターなど最新技術を多数採用。充電時間は220V (中国家庭用電源) で6時間以下、最高時速は144km、航続距離は150km以上となっている。実験は広州市政府、広州汽車集団と共同で実施した。
 ホンダは2012年、ホンダのハイブリッドシステム 「IMA」(Integrated Motor Assist) を搭載した「CR-Z」と「FIT HYBRID」を、広汽ホンダを通じて輸入販売した。「CR-Z」は1.5L i-VTECエンジンを搭載し、燃費は25km/L(10・15モード)。「FIT HYBRID」は 1.3L i-VTEC エンジンと低燃費運転支援システム「Eco Assist」を搭載し、燃費は30km/L(10・15モード)。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>