ホンダ:新興国市場での急速な拡大を計画

新興国拠点の生産能力と開発体制を強化、現地調達率を拡大

2013/09/13

要 約

ホンダの世界販売台数 ホンダは2016年度に世界で600万台の販売を計画。うち300万台を新興国市場で販売するとしている(300万台は2012年度実績比2倍強)。ホンダの新興国市場開拓は、他の大手自動車メーカーに比べて若干遅れており、ホンダは新興国での生産・開発・部品調達の現地化を徹底し、現地ニーズに沿った商品をより低価格で提供する体制を構築する。競争力を高め、急速な成長を計画している。

 本レポートは、上記のホンダの戦略に基づく、
  (1)2013年9月に日本で発売した新型フィットの、グローバルでの開発および生産体制、
  (2)タイ、インド、ブラジルなど主要新興国での、生産・開発体制拡充、部品の現地調達率の引き上げ、およびフィットのワンランク下の位置付けとなる新興国向けエントリーカー「ブリオ」の開発、
についてレポートする。


 なおホンダの中国事業については、ホンダの中国事業:乗用車シェア目標8~10%、生産能力は2015年以降125万台超へ(2013年4月掲載)をご参照ください。

関連レポート:
ホンダの中期戦略(1):次期型フィットを世界6地域で同時開発 (2012年12月掲載)

 



ホンダ:2016年度に新興国市場で300万台販売を目指す

 ホンダは2012年9月の社長会見で、2016年度に世界で600万台販売、うち300万台を新興国市場で実現するとの中期戦略を発表した。ホンダは、日本と北米を基盤に成長してきたので、トヨタ・日産との比較でも新興国市場への取り組みが若干遅れていた。

 2013年度見通しでは、新興国市場での販売台数は162.5万台で、2016年度目標300万台の54%だが、ホンダは2013~2015年に、マレーシア、タイ、インドネシア、インド、ブラジル等で相次いで新工場・新生産ラインを稼動させる計画(本レポート後半で報告する)。

ホンダ:成熟市場と新興国市場での販売台数

(1,000台)
2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度
見通し
2016年度
の目標
成熟市場 2,402 2,192 2,238 2,069 2,594 2,805 3,000
新興国市場 1,115 1,200 1,274 1,039 1,420 1,625 3,000
世界市場 3,517 3,392 3,512 3,108 4,014 4,430 6,000
新興国市場比率 31.7% 35.4% 36.3% 33.4% 35.4% 36.7% 50.0%

 

トヨタの新興国比率
(暦年)
37.1% 39.3% 43.0% 46.3% 45.1%
日産の新興国比率 33.3% 37.2% 41.4% 42.8% 43.6% 43.6%
資料:各社の決算発表資料、会社概要
(注) 1-1. 成熟市場は、日本、北米および欧州、新興国市場はそれ以外の地域。メキシコは、ホンダ・日産では北米に含まれ、トヨタでは新興国市場の中南米に含まれる(トヨタのメキシコ販売は年間5万台前後なので、新興国比率への影響は1%未満)。
1-2. 3社とも、中国の合弁会社の販売を含む。
2-1. ホンダは「Hondaグループ販売台数」で、2010年度まではホンダ及び連結子会社の完成車販売台数(A)と、持分法適用会社への生産用部品の販売台数(B)の合計。2011年度以降は、上記(A)と持分法適用会社の販売台数(C)の合計。
2-2. 2016年度新興国市場300万台販売のうち、中国を除くアジアで2011年度比100万台増の120万台を販売する計画。
3. トヨタは、「トヨタの地域別海外販売台数の推移」による、トヨタ・レクサスブランドの暦年実績(日野・ダイハツを含まない)。
4. 日産は、「グローバル小売販売台数」。

 

ホンダの地域別世界販売台数

(1,000台)
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2012年
4~6月期
2013年
4~6月期
2013年度
見通し
2016年度
目標
日本 646 582 588 692 185 140 825 3,000
北米 1,297 1,458 1,323 1,731 450 459 1,795
欧州 249 198 158 171 39 40 185
アジア 950 1,008 837 1,122 262 285 1,325 3,000
その他 250 266 202 298 63 75 300
世界 3,392 3,512 3,108 4,014 999 999 4,430 6,000

資料:ホンダの連結決算参考資料

 

 



新型フィットを世界6地域で同時開発、コストを2割削減

 ホンダは2013年9月、3代目となる新型「フィット」と「フィット・ハイブリッド」を日本で発売した。新型フィットは、フィット(ハッチバック)、シティ(セダン)、コンパクトSUVの3タイプを揃え、パワートレインはガソリン、ハイブリッド、ディーゼルを提供、2016年度には、世界で2011年度比約倍にあたる年150万台を生産・販売する計画。3タイプは、主要部品の5割強~7割弱を共有する。

 ホンダは、新型フィットシリーズから「グローバルオペレーション改革」を推進している。従来、本田技術研究所が世界中の車を開発していた手法を改め、世界6地域で同時に開発する手法を取り入れた。6地域は、日本、北米、欧州、東南アジア、中国と南米。車両設計全体の7割程度を世界共通とし、3割程度をそれぞれの地域にニーズに合わせて設計し「現地最適図面」を作成する。これにより、世界各地のニーズにきめ細かく対応し、また現地調達部品を増やしてコストを削減する。そのため、タイ、インド、ブラジル等各国の開発体制を強化している。

 旧型フィットは、収益性が必ずしもよくなく地域によっては赤字であったが、先進国向けフィットは小型車専用工場として効率を高めた国内寄居工場やメキシコ工場で生産することで、また新興国向け車は現地調達率を引き上げることでそれぞれコストを2割削減し、世界のどこで売っても利益が出る車になったとされている。

 フィットは日本を含む8つの国・地域の全10拠点で生産し、123の国と地域で販売している。

新型フィットのコストを2割削減

先進国向けフィット  先進国向けフィットは、小型車専用工場を新たに稼動させコストを下げる。日本では最新鋭の寄居工場で生産する。北米向けは、日本からの輸出をなくし、2014年から、寄居工場のノウハウを導入したメキシコ新工場で生産する。
新興国向けフィット  現地調達率を高める。例えば、インドでは部品点数ベースで現在の7割から9割に高め、新型車の価格を値下げする。中国では7割から8割に、ブラジルでは5割から6割に現地調達率を高める。それぞれ現地で生産可能な仕様に設計し、部品を発注する。
日本では、寄居新工場で新型フィットを生産
小型車生産に特化  寄居工場は、年産能力25万台。フィット級の小型車生産に特化し、徹底して効率を追及し、構築したノウハウをメキシコ工場に続き2015年に稼動開始するタイ新工場など、世界各地のホンダ工場に水平展開する。
省エネ性能  エネルギー消費量の大きい塗装工程では、4回塗って3回乾かす通常の工程を改め、それぞれ1回ずつ減らした。従業員が作業している空間だけに空調を流すシステムも採用。エネルギー消費量を狭山工場に比べ35%削減した。
自動化  生産工程を見直し、ラインの長さを短縮し初期投資を削減した。組立工程では、インストルメントパネルを組付ける際に、いったんドアを外す作業を自動化するなどコストダウンを図った。
11月から本格生産  なお寄居工場は新規工場のため、2013年7月に既存モデルであるフリードの生産を開始。新型フィットの生産は鈴鹿工場で開始した。11月から寄居工場に移し、本格生産する計画。

 

 

 



次期型シビックなどで、メガサプライヤーへの発注を増やし、部品費を3割削減

 ホンダは、2015~2017年に発売する次期型シビック、CR-V、アコードでは、今回のフィットで実現した「改革」をさらに進めて、新興国を含めた世界各地で部品を供給できるメガサプライヤーへの発注比率を2011年の16%から40%に引き上げると発表し、メガサプライヤーの協力を求めた。部品・モジュールによっては、開発をサプライヤーに一任する。

メガサプライヤーへの発注を大幅拡大し、部品費を3割削減

 ホンダは2012年11月、米国でメガサプライヤー25社を招いて説明会を開き、調達費の大幅削減を条件に、新興国を含めた世界のホンダ工場に供給することができるメガサプライヤーへの発注比率を、2011年の16%から2020年に40%に引き上げると発表した。2015~2017年に発売する次期型シビック、CR-V、アコードから適用する。部品調達費の3割削減を目指す。
 その前提として、シビック、CR-V、アコードの主力3車種のプラットフォームを共通化し、部品のモジュール化を進め、3車種の部品を金額ベースで4~5割共通化する(現行車の共通化率は、プラットフォームの異なるシビックとアコードで数%、プラットフォームを共有するシビックとCR-Vで2割程度とされる)。モジュールによっては、開発を丸ごとサプライヤーに一任する。2016年の生産台数は、各車種年間70~80万台、合計240万台規模を見込んでいる。

資料:日本経済新聞 2013.1.5/2013.9.5、日刊工業新聞 2013.3.27/2013.8.6/2013.9.6

 

 



新興国各国で生産能力と開発体制を増強、現地調達を拡大

 ホンダは、従来手薄であった新興国市場、タイ、インドネシア、インド、ブラジルなどで、積極的に生産能力を増強している。併行して開発陣を強化し、現地ニーズに適合した商品を開発し、また現地調達率を高めることを進めている。なお下記の他に、マレーシアでも2013年中に年産5万台の第2ラインが稼働開始し、マレーシア工場の生産能力は10万台に倍増する。ホンダは、2016年に、アジア地域で120万台を販売する計画。

 

タイ:2015年に年産42万台体制、2016年に30万台販売を計画

 タイでは2011年秋の大洪水により半年間操業停止に追い込まれたことから、洪水の懸念のない地域に新工場を建設した。同時に既存工場の生産能力も増強して、タイでの年産能力を2013年初の28万台から2015年に42万台に1.5倍増する。42万台のうち、30万台分をタイ国内で販売し、12万台を輸出用に活用する計画。

 開発・設計機能については、ブリオベースのセダンであるブリオアメイズ(タイ)、アメイズ(インド)をタイの開発拠点が中心で開発した。ブリオベースの7人乗りMPVも同拠点が中心で開発している。さらに次期型ブリオの開発は、全面的にタイの拠点に移管する計画。

 タイでは、2011年5月にブリオ、2012年11月にセダンタイプのブリオアメイズを発売。この2車種も貢献し、タイでの2013年1~6月乗用車販売台数は131,458台、シェア35.5%で、乗用車市場でトップとなった。

タイ:新工場を建設し、2015年に年産能力合計42万台へ

プラチンプリ県
新工場を建設
 ホンダは、タイのプラチンプリ県に、約171.5億バーツ(約549億円)を投資し、年産能力12万台の新工場を建設する(2013年2月発表)。製造工程のショートプロセス化や、塗装・溶接工程に最新の生産技術を投入することなどにより、高効率な生産体制の新工場を建設する。2015年から新型フィットなど小型車を中心に生産する。
 新工場の敷地面積は265万平方メートルで、既存アユタヤ工場の3倍となる用地を確保した。アユタヤ工場には大幅な増強の余裕はなく、今後の大型投資は新工場が優先される見込み。
既存工場を
30万台に増強
 既存のアユタヤ工場では、2013年1月に24万台から28万台に、2014年に30万台に増強する。その結果、2015年にホンダのタイでの合計生産能力は、従来の28万台から42万台に1.5倍増する計画。
輸出向けを含め、
さらなる強化
 42万台の生産能力のうち、30万台分をタイ国内に、12万台を輸出に向ける計画。ホンダは、今後も、拡大を続けるタイの小型車市場や、アセアン、大洋州、中近東への輸出増を見据えて、生産能力の増強を図るとともに、さらなるラインアップの増強に取り組むとしている。
次期型ブリオから開発をタイに全面移管
アメイズや
ブリオMPVを開発
 タイの開発拠点"Honda R&D Asia Pacific"は、既に数百人規模の体制に拡充されており、2012年11月に発売した、ブリオ(ハッチバック)ベースのセダン「ブリオアメイズ」を開発した。インドで発売したアメイズもタイが中心となり開発。2014年に発売するMPVタイプ車も、タイとインドネシアの要員が共同で開発している(インドネシアで生産し販売する計画)。
ブリオの開発を移管  ホンダは、2017年頃に発売するアジア戦略車であるブリオ次期型車の開発を、ベース車の開発から全面的にタイの開発拠点に移管する。
2013年上期の乗用車シェアが35.5%で第一位
ブリオアメイズを発売  2012年11月、新型小型セダン、ブリオアメイズを発売した。全長4m以下(3990mm)のコンパクトなサイズとし、ブリオに引き続き、タイ政府のエコカー認定を受けた。
2013年上期乗用車
シェアがトップ
 タイ・ホンダの発表によると、タイでの2013年上期乗用車販売台数は131,458台で、対前年同期2.7倍、シェア35.5%で第一位となった。主要モデル別販売台数は、シティ 53,174台、ジャズ 16,572台、ブリオアメイズ 14,956台、ブリオ 2,735台など。

 

インドネシア:新工場を建設、ブリオMPVも生産

 インドネシアでは、既存工場敷地内に年産12万台の新工場を建設中で、2014年中に生産を開始し、同国での生産能力は6万台から18万台に拡大する。また、現地調達率を約50%から約80%に拡大する。

 ホンダは2013年9月、インドネシア政府のLCGC政策に合致する新型車「ブリオ・サティヤ(Brio Satya)」を発表した。またブリオベースのMPVを生産し、インドネシア乗用車市場の大半を占めるMPV市場に向けた商品を拡充する。

インドネシア:新工場を建設、ブリオMPVも生産
新工場を建設  ホンダは、3兆1,000億ルピア(約270億円)を投資して、インドネシアの既存工場敷地内に年産12万台の新工場を建設する。2014年中に生産を開始し、同国での生産能力は、現在の6万台から18万台に拡大する。既にタイとインドで生産しているブリオなど小型車を生産し、アセアン諸国への輸出も計画していく。新工場では、ブリオベースのMPVも生産する。
LCGC適合のブリオ・
サティヤを発売
 ホンダは2013年9月、インドネシア政府の制定したLCGC(Low cost green car)政策に合致する新型車「ブリオ・サティヤ」を発表した。11月に発売する。インドネシア工場で生産し、85%の高い現地調達率を達成した。タイから輸入しているブリオも同時にマイナーチェンジし、「ブリオ・スポーツ」として併売する。
現地調達率を
80%に高める
 インドネシアを、アセアン地域でタイに次ぐ中核拠点に育成する。現地での開発力を高め、効率的な生産体制を構築し、さらに現在約50%である部品の現地調達力を、約80%まで高めることにより、高品質な製品をスピーディーに、手頃な価格で提供するとしている。

 

インド:2014年に第2工場で稼動開始、生産能力を24万台に倍増

 インドでは、2008年の完工後完成車の生産を凍結していた第2工場で2014年に生産を開始し、インドでの年産能力は12万台から24万台に増強される。

 これまでホンダのインド事業は、量販モデルのジャズ(フィット)の価格がインド市場には割高で、またインド市場の大半を占めるディーゼルエンジン車を持たないため苦戦していたが、2013年4月に初のディーゼルエンジンを搭載するアメイズを発売した。販売好調で、11月から3交代制で生産する。

 ホンダは、今後その他の車種にもディーゼルエンジン搭載車を設定し、2016年の販売台数を2012年の7.3万台から30万台に拡大する計画。

インド:2014年に第2工場が稼動開始、年産能力を24万台に倍増

2014年にタプカラ
工場で稼動開始
 ホンダは2008年に完工したインド2番目の完成車工場(タプカラ工場)で、世界の経済状況から完成車生産を凍結し、ボディーパネルやエンジン部品を生産していた。2013年にディーゼルエンジン部品の生産を開始し、2014年中に年産能力12万台の組立ラインと鍛造鉄部品生産ラインの稼動を開始する。関連投資額は250億ルピー(約425億円)。 インド第1工場と合わせた年産能力は、12万台から24万台に倍増する。
ディーゼルエンジン
を現地生産
 ディーゼルエンジンは、第2工場で生産する部品を使用して、第1工場(ウッタル・プラデシュ州)に設置したガソリンエンジン用生産ラインを一部改造して生産する。インドではディーゼルエンジン比率が5割を超えているが、ホンダはディーゼルエンジン車を持っていなかった。
 2013年4月に発売したアメイズに1500ccディーゼルエンジンを搭載した。アメイズは、タイの開発拠点が中心となって開発した。販売好調で、11月から第1工場での生産を、2交代制から3交代制に変更し、月産台数を6,000台から9,000台に増強する。
 次いで第1工場で生産している「ジャズ(日本名フィット)」「シビック」「アコード」、など全車種にディーゼルエンジンを搭載していく計画。
開発体制を強化  インドの研究開発部門は、現在数十人の体制だが、近い将来に100人規模に拡充する。世界戦略車の仕様を現地の嗜好に合うように調整したり、現地調達部品採用の拡大を図る。現地調達率はアメイズが90%その他車種は80%以下だが、全ての車種の現地調達率を90%超に高める計画。

 

ブラジル:第2工場を建設、研究開発に2年間で40億円を投資

 ホンダは、世界第4位の自動車市場であるブラジル事業を大幅強化する方針。年産能力12万台の第2工場を建設し、2015年から生産開始する。ブラジルの年産能力は、合計24万台に倍増する。

 また今後2年間に研究開発に1億レアル(約40億円)を投資し、研究所も数百人規模に拡充して、現地ニーズを反映した設計開発や現地調達部品採用を強化する計画。フィットのワンランク下の位置づけになる小型車については、アジアで展開するブリオを投入するのではなく、現地の研究所で開発するとしている。

 また2015年に、アキュラブランド車を輸入し発売する。

ブラジル:第2工場を建設、新研究開発施設を完成

第2工場を建設  ホンダは、ブラジルに約10億レアル(約430億円)を投資して、第2完成車工場を建設し、2015年から年産12万台で生産を開始する(2013年8月発表)。既存工場が位置するスマレ市から約100km北西に位置するサンパウロ州イチラピーナ市に建設し、新型フィットなどの小型車を生産する予定。ブラジルの生産能力は、現在の12万台から24万台に倍増する。
 製造工程のショートプロセス化や塗装工程へ最新技術を投入することで環境への取り組みを進めるほか、最適な自動化技術を投入することなどにより、高効率な生産体制を目指す。
研究開発機能を強化  ホンダは、今後2年間でブラジルの研究開発機能強化に1億レアル(発表時の為替レートで約40億円)を投資すると発表した(2012年10月発表)。新研究開発施設を2013年中に完成させるとともに、研究者数も2012年末の約100人から数百人規模に拡充する予定。
 今回の強化は、世界全6地域が同じレベルで同時に機種開発を行う「グローバルオペレーション改革」の一環で、現地ニーズを反映した設計開発や現地調達部品の採用拡大を進める。またブラジルでは、2014年以降、フィット、シティなどの小型車ラインアップを一新、ブラジルで人気の高いコンパクトSUVも投入する予定。
安価な小型車を
ブラジルで開発
 フィットより安価な小型車として、アジアではブリオ/ブリオアメイズを展開しているが、ブラジルでは当面フィットをシリーズ化して顧客層を拡大することを優先する。フィットより安価な小型車については、ブラジルの開発陣が開発するとしている。

 

 



アジア地域の営業利益貢献度が拡大

 ホンダの所在地別セグメント情報を見ると、依然として北米事業が売上高、営業利益とも最も貢献している。一方アジア地域(持分法適用対象である中国事業を除く)の業績も着実に拡大しており、特に営業利益では、2012年度以降北米事業の7割を超えるレベルまで上昇している。

ホンダの所在地別売上高と営業利益

(100万円)
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2012年度
4~6月期
2013年度
4~6月期
売上高 日本 3,305,777 3,611,207 3,362,952 3,893,512 1,006,658 975,884
北米 3,908,216 4,147,897 3,714,756 4,857,102 1,214,711 1,501,308
欧州 825,472 699,298 580,792 642,110 147,879 175,982
アジア 1,518,580 1,841,167 1,490,478 2,305,647 512,810 706,743
その他地域 896,491 982,083 893,132 896,467 220,342 240,719
消去または全社 (1,875,362) (2,344,785) (2,094,015) (2,716,891) (666,491) (766,541)
連結 8,579,174 8,936,867 7,948,095 9,877,947 2,435,909 2,834,095
営業利益 日本 (29,135) 66,118 (109,834) 178,428 60,978 62,187
北米 236,379 300,922 223,293 208,918 82,217 71,858
欧州 (10,872) (10,203) (12,109) 460 (7,634) (9,740)
アジア 113,006 150,637 76,870 146,758 31,750 53,755
その他地域 45,808 69,549 56,956 35,694 12,277 5,415
消去または全社 8,589 (7,248) (3,812) (25,448) (3,575) 1,488
連結 363,775 569,775 231,364 544,810 176,013 184,963

資料:ホンダ連結決算資料
(注)中国事業の現地生産による売上高と営業利益は上表には含まれず、中国事業の純利益が、連結業績の関連会社持分利益、当期純利益に反映されている。

 

 



LMC Automotive 生産予測:ホンダグループは2016年に532万台を生産

(LMC Automotive社、2013年7月)

ホンダの生産台数予測 LMC Automotive社の2013年7月の予測によると、2012年のホンダの世界生産台数は前年比39%増加し405万台に回復した。LMC Automotive社は、この傾向は継続し、2013年に432万台を生産すると予測。また他の日本自動車メーカーにも共通することだが、日本市場は下降するが中国とインドの需要が牽引し、ホンダグループの世界生産は2016年に532万台に達すると予測している。LMC Automotive社は、ホンダが今後数年かけて進める商品と販売地域の多様化が、生産台数の拡大に貢献するであろうと指摘している。

 ホンダの日本での生産は、100万台前後を維持する見込み。一方海外生産は、2013年の326万台から2016年に438万台に増加する見込み。LMC Automotive社は、「2012年11月から為替レートが変動し1ドル=95円のレベルまで円安になった。しかし金融危機前の110~120円からすれば依然として円高であり、また日本の自動車メーカーはかなりの海外生産能力を構築している。従って、生産が急速に日本に回帰する可能性は低い」とコメントしている。

LMC社による、ホンダの国別生産台数予測

(台)
COUNTRY GLOBAL MAKE 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Global Total 3,615,198 2,883,799 4,047,020 4,322,623 4,758,881 5,088,961 5,318,691
Argentina Honda 0 879 8,114 11,385 9,899 33,438 47,563
Brazil Honda 131,455 85,545 135,389 137,728 132,222 144,823 147,037
Canada Acura 70,761 55,179 68,917 6,663 0 0 0
Honda 207,555 178,732 341,231 399,705 440,916 472,011 467,314
Sub-total 278,316 233,911 410,148 406,368 440,916 472,011 467,314
China Honda 677,881 621,662 584,514 584,078 665,107 758,115 829,040
India Honda 62,290 44,585 98,084 127,121 203,546 263,090 305,408
Indonesia Honda 52,562 43,984 64,261 73,161 151,238 218,449 236,736
Japan Acura 34,502 34,212 22,855 11 0 0 0
Honda 956,776 676,424 1,009,101 1,060,989 1,160,043 1,033,274 942,751
Sub-total 991,278 710,636 1,031,956 1,061,000 1,160,043 1,033,274 942,751
Malaysia Honda 42,086 23,482 29,418 42,557 47,622 61,936 66,505
Mexico Honda 55,001 45,426 61,813 59,156 163,334 321,871 481,174
Philippines Honda 11,553 7,855 6,455 7,933 11,340 11,858 12,409
Russia Honda 0 0 0 0 0 17,895 36,254
Taiwan Honda 28,358 19,423 18,532 28,233 31,167 36,191 37,066
Thailand Honda 170,335 112,961 191,599 310,252 287,963 327,680 356,483
Turkey Honda 20,305 12,341 21,850 15,232 17,810 16,490 19,704
UK Honda 139,278 97,459 165,741 152,204 147,061 137,679 123,719
USA Acura 55,844 55,140 107,251 144,445 194,609 209,809 217,345
Honda 898,656 768,510 1,111,895 1,161,770 1,095,004 1,024,352 992,183
Sub-total 954,500 823,650 1,219,146 1,306,215 1,289,613 1,234,161 1,209,528
資料:LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast" (July 2013)
(注) 1. データは、小型車(乗用車 + 車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載にはLMC Automotive社の許諾が必要です。
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