欧州メーカーのEV/HV計画:VWとDaimlerがPHVを積極投入

BMWはEV "i3"を2013年、PHV "i8"を2014年に発売

2013/04/30

要 約

 本レポートは、欧州自動車メーカーの電動車両、EV(Electric vehicle)、HV(Hybrid vehicle)およびPHV(Plug-in hybrid vehicle)の開発・発売計画について報告する。

 電動車両の販売は順調とは言えないなかで、各社は2013~2015年に積極的な発売を計画している。その背景としては、下記要因が言われている。

 ・現在発売されている車種は、電動車両のより早い普及が見込まれていた数年前に企画された。

 ・年々厳しくなる日米欧の燃費規制、CO2規制に対応するためには、何らかの電動車両の導入が必要である。

 ・米国California州では、「ZEV規制(2025モデルイヤーで、販売台数の15.4%をEV、PHVまたはFCV(Fuel cell vehicle)とすることを求める)」の実施を予定、2018モデルイヤーから規制が開始される。他に9州がCalifornia州に追随予定。

 ・燃費効果が特に大きいEVとPHVの販売は、現在は電池の価格、航続距離、充電インフラが十分整備されていない、などの理由で伸び悩んでいる。しかし、電池の量産によるコストダウンが期待され、またどこかでブレークスルーが起きる可能性もある。

 Daimlerは、幅広く電動車両を設定するが、次期型S-class、C-classからPHVを中大型車に設定していくとされる。BMWは、EV "i3"を2013年に、PHV "i8"を2014年に発売する。また2015~2016年に発売する次期型7 SeriesにPHVを設定する。VWは、eDSGのシステムを導入し、MQBプラットフォームベースの全てのモデルを容易にHV化またはPHV化できる体制とした。またPHVを大幅拡充する方針。

 PSAは、現在進めているディーゼルHVのHybrid4に加え、空圧式のHybrid Airを開発中。Renaultは、2013年初めに、EVのなかで最量販車となることを期待する"Renault ZOE"を発売した。マス広告も本格的に開始するとしている。

B-class E-cell CrossBlueコンセプト
BMWが2014年に発売するPHV"i8"コンセプト
(2013年4月の上海モーターショー配布資料から)
VWが2013年4月上海モーターショーに出展したPHV
CrossBlue Coupeコンセプト

 
関連レポート
2013年Detroitオートショーでの欧州メーカーの展示



Daimler:次期型S-class、C-classにPHV設定を計画

 Daimlerは、SmartからS-classまで、またHV/EVからPHVまで、幅広く電動車両を発売または計画している。

 Daimlerは、Modular hybrid systemで効率的にHV/PHVを導入するとしている。モーターを中心とするHybrid modules、電池、トランスミッション(7G-TRONIC)、各機種の内燃エンジンを組み合わせて、車のサイズや、またマイルドHVからフルHVさらにPHVまでに対応する。

 Daimlerは、2014~2015年に、次期型S-classと次期型C-classにplug-in Hybridを設定する計画。現在中小型車では、4気筒や3気筒エンジンへのダウンサイジングが進んでいる。一方高級車への需要も根強くあり、例えばS-classでは同様のダウンサイジングは考えにくい。Daimlerは、顧客の走行性能への要求と、欧米の燃費規制に対応するため、中大型車のPHVに注力し、将来のDaimler商品ラインアップでは、最大25%がPHVになる見込みとの報道もある。

Daimler:SmartからS-Classまで、幅広く電動車両を開発

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV S400 BlueHybrid (表1)  2009年
限定販売
新型車
ML450 BlueHybrid (表2) 2011年
販売終了
E300 BlueTec Hybrid(表3) 発売
E 400 Hybrid(表4) 発売
EV Smart EV 第2世代 (表5) 2009年
Smart EV 第3世代(表6) 発売
A-Class E-Cell(表7) 2009年
限定販売
B-Class E-Cell(表8) 発売
M-Benz Vito E-Cell(表9) 市販開始
M-Benz SLS AMG(表10) Concept車
出展
欧州で
限定発売
PHV M-Benz S-Class (表11) 発売
M-Benz C-class(表12) 発売

(注) "~2012年" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年、2012年発売車は"発売"と記載 (後出表も同様)。

 

(表1)
S-class
 現在のMercedes-Benz S400 BlueHybrid は、BMW と共同開発したマイルドHV システムを搭載し、7速ATと15kWのモーターを搭載する。欧州自動車メーカー初の量産HVとして2009年に発売した。2013年に予定されるS-classの更新に合わせてHV新型車を発売する。
(2)
ML 450
 Mercedes-Benz ML450 BlueHybrid は、GM/BMW/Chrysler と共同開発した RWD車用 Two Mode HEV システムを搭載する。しかし2011年初めの第3世代M-class発売時にHVは設定しなかった。コストが約1万ドルと高いこと、燃費(24 mpg city/21 mpg highway)がライバルのトヨタRX450h(30/28 mpg)に及ばないことなどで、販売が苦戦していた。
(3)
E300
 Daimlerの初のディーゼルHV、E300 BlueTec Hybridは、2100ccターボディーゼルエンジン、7速ATと20kWのモーターを組み合わせ、燃費は67.2 mpg、CO2排出量は109g/km。DaimlerとドイツEvonik社合弁のDeutsche Accumotive社製0.8kWhのリチウムイオン電池を搭載する。
(4)
E400
 E-class車のガソリンHV車。3.5L V6ガソリンエンジン、7速ATと、E300 Blue Tec hybridと同じリチムイオン電池とモーターを搭載した。
(5)
Smart EV
第2世代
 Daimler は、2009年11月からフランス Hambach 工場で、第 2世代 Smart fortwo Electric Driveを 2,000台限定生産し、欧州と米国を中心にリース販売して、実際の使用データを収集した。Tesla Motors が供給する、民生用18650型セルをつなげた 16.5 kWh のリチウムイオン電池を搭載する。
(6)
Smart EV
第3世代
 2012年秋に、第3世代のSmart EVの生産を開始した。Boschと共同開発した55kWのモーターと、ドイツの化学会社Evonikとの合弁会社 "Deutche Accumotive"で開発した17.6kWhのリチウムイオン電池を搭載する。航続距離は90マイル。2013年に6,000台生産するとされる。
(7)
A-class
 Daimlerは2010年9月に、A-Class(先代モデル) E-Cellを500台生産し、欧州や日本で限定リース販売した。36kWhのTesla Motors製リチウムイオン電池を搭載し、航続距離は200km。
(8)
B-class
 DaimlerはB-Class E-Cellを2013年3月のNYオートショーに出展した。2014年初めに、最初に米国で発売する。DaimlerのNew front-wheel platformベースで、電池パック、モーターなどのEVシステムはTesla Motorsが供給する。航続距離は100マイル、最高時速は100マイルでリミッターが作動する。
(9)
Vito E-cell
 Vito E-cellは7人乗り乗用バン。36kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は80マイル、最高時速は50マイル。市内の短距離の移動・送迎に向く。2011年にドイツのHamburgとフランスのParisで顧客にレンタルして走行実験を行った。2012年3月のGenevaモーターショーに出展し次いで欧州で発売した。
(10)
SLS AMG
 2012年9月開催のパリモーターショーに出展したMercedes-Benzのスーパーカー SLS AMG E-Cell。容量60kWhのリチウムイオン電池を搭載、4つのコンパクトなモーターを各ホイールの近くに配置し、1回の充填による航続距離は120マイル、発進から60 mphまで3.8秒、最高速度は155マイル/時。4つのモーター合計の最高出力は740hp、最大トルク738 lb-ft。ガルウィング式ドアを装備する。欧州で2013年に限定発売する(価格は416,550ユーロ)。米国での発売は未定とのこと。
(11)
S-class
PHV
 2013年に発売する新型Mercedes-Benz S-classに、Plug-in Hybridを設定する見込み。将来のS-classを示すとされる、2009年Frankfurtモーターショーに出展したVision S 500 Plug-in Hybridは、V6 3.5Lガソリンエンジン、モーターと10kWh以上のリチウムイオン電池を搭載し、燃費は3.2L/100km(31.25km/L、)、EV走行距離は30kmとしている。
(12)
C-class
 2014年に発売見込みの新型M-Benz C-classに、Plug-in Hybridを設定し2014年に発売するとされる。またEV走行距離は18マイルと報道されている(他のスペック詳細は不明)。

 

 



BMW:EV "i3"を2013年に、PHV "i8"を2014年に発売

 BMWは、2007年に"Project i"を発足させ、電動自動車の研究・開発に着手し、MINI EとActiveEのトライアルを経て、2011年にサブブランド"i"を開発した。EVの"i3"とPHVのスポーツカー"i8"を並行して開発し、"i3"を2013年秋に、PHV "i8"を2014年に発売する。

 "i3"の米国でのベース車価格は、52,200ドルとされるが、BMWのロイヤルな顧客にとっては、「5 Seriesの量販モデルより低価格であり、よい商品であれば価格は必ずしも問題にはならない」としている。

 2012年秋のParisモーターショーに、UKLプラットフォームベースのBMW Active Tourerコンセプト(PHV)を出展した。UKLは前輪駆動プラットフォームで、将来のMiniと1 Seriesの合計10~12モデルに使用する。BMWは"premium small car"マーケットが今後急速に拡大すると見込み、2020年に目指す世界200万台販売に大きく貢献するとしている。

BMW:2013年秋に EV "i3"、2014年初めにPHV "i8"を発売

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV 7 Series ActiveHybrid (表1) 改良型
発売
X6 ActiveHybrid (表2) 2011年
販売終了
5 Series ActiveHybrid (表3) 2011年
3 Series ActiveHybrid (表4) 発売
EV i3(表5) 発売
PHV i8(表6) 発売
BMW Active Tourer(表7) Concept車
出展
次期型7 Series (表1) 発売

 

(1)
7 Series
 BMW 7 Series ActiveHybrid は、Daimler と共同開発したマイルド HV システムを搭載している (リチウムイオン電池を使用)。2012年秋の7 Seriesマイナーチェンジに合わせて、従来のV8 4.4Lエンジンに替わり直列6気筒3.0Lエンジンを採用した。
 7 Seriesは、2015~2016年に、炭素繊維強化樹脂やアルミニウムを多用してモデルチェンジする予定。次期型では、PHVを設定する見込みとされている。
(2)
X6
 BMW X6 ActiveHybrid は、GM/Daimler/Chrysler と共同開発した RWD車用 Two Mode HV システムを搭載する (ニッケル水素電池を使用)。2011年に米国での販売を終了した。
(3)
ActiveHybrid5
 5 Series ActiveHybridは、7 Seriesが搭載するマイルドHVを、モーター出力を15kWから40kWにアップするなど強化し、EV走行も可能にした(35km/h程度のスピートで4kmのEV走行が可能)。直列6気筒3000ccガソリンエンジン、8速ATと組み合わせる。2011年に発売した。リチウムイオン電池は、米国のA123 Systems LLC製の1.35kWhのリチウムイオン電池を採用(ActiveHybrid 3も同じ)。
(4)
ActiveHybrid3
 ActiveHybrid 3は、ActiveHybrid5と同様のシステムを搭載する。直列6気筒3000ccエンジン、8速AT、55-hpのモーターを組み合わせ、システム全体の出力は335-hp。
(5)
"i3"
 i3は、4人乗りの街中移動用EV。最大出力125kW/170hp、最大トルク250Nmのモーターがリアアクスルを駆動する。アルミニウム製シャシーと炭素繊維強化樹脂を使用する軽量ボディーを搭載。2013年秋に発売する。価格は正式発表していないが、欧州で40,000ユーロ程度、米国で52,200ドル程度とされる。
 これまで行ってきたMini EとActive Eの走行実験で、ユーザーの90%はMini Eの実用航続距離(100マイル)に満足している。しかし一部ユーザーの懸念に応えるため、発電用にBMWバイク用の2気筒650ccガソリンエンジンをオプション設定する。航続距離は、250マイル程度に延長される。
(6)
"i8"
 大都市での使用を想定する i3に対して、i8はスポーツカーと低燃費を両立させたPHV。 BMW Vision EfficientDynamicsコンセプトを発展させた4人乗り2ドアクーペ。価格は10万ユーロ程度とされる。
 i8では、i3と同じモーターが前輪を、3気筒1500ccターボガソリンエンジン(最高出力164kW/220hp、最大トルク300Nm)が後輪を駆動する。最高時速250km。発進から時速100kmまで5秒以下。EV走行距離は35km。前輪・後輪の荷重は50:50。燃費は100km走行を3リッター以下(約94 mpg)。
(7)
Active Tourer
 2012年Parisモーターショーに出展したConcept Active Tourerは、今後BMW車とMini車のベースとする前輪駆動のUKLプラットフォームベース。UKLは今回初めて公開された。コンセプト車は、3気筒直噴ターボ1500ccガソリンエンジンで前輪を、モーターで後輪を駆動するPHV。モーターを外すと前輪駆動車になる。EV走行距離は30km、燃費は2.5L/100km (40km/L)、CO2排出量は60g/km。

 

 



VW:eDSGによりHV/PHV開発を標準化、PHVを大幅拡充

 VWは、2013年1月のDetroitオートーショーで、VW CrossBlueコンセプトに搭載する"eDSG"と呼ぶシステムを発表した。eDSGを利用することにより、横置きエンジン用MQB Platformベースの全モデルを容易にHV化またはPHV化できるとしている。

 VWは、2013年にVW初のPHVとなる、1Lの燃料で111km走行する"VW XL1"を250台限定生産する。これを機に、一連のPHVを投入する。2014年にAudi A3/Golf PHV、次いでVW Passat、Audi Q7/Q3/A6/A8、Porsche Cayenneなどに設定するとされている。Chevrolet Volt、Toyota Prius PHV、Ford C-Max Energiに対抗する。

 2018年に世界で1,000万台販売するために、Plug-in vehicles(EVとPHV)の30万台販売を構想しているとされる(EVは充電に時間がかかることがネックになるので、PHVが中心となる)。

 なお、2014年に北米で発売する新型VW Golfは、同一生産ラインで、6種類のパワートレイン(ガソリン、ディーゼル、CNG、EV、PHVおよびエタノール)をフレキシブルに生産でき、かつ市場動向や政府規制が変わった場合も、生産数量を調整できるとしている。

 Audiブランドも、年1車種ずつ電動車両を発売する計画。四輪駆動に"quattro"をつけるように電動車両には"e-tron"バッジをつけて投入する。

VW グループ:PHV/EVを相次ぎ投入

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV VW Touareg 2010
Porsche Cayenne S 2010
Porsche Panamera S 2011 PHVに交代
Audi Q5 2011
Audi A6 発売
Audi A8 発売
VW Jetta(表1) 発売
PHV XL 1 (表2) 限定生産
Porsche 918 Spyder(表3) 限定生産
Porsche Panamera SE-Hybrid
(表4)
Concept車
出展
発売
Audi crosslane coupe(表5) Concept車
出展
Audi A3 e-tron (表6) Concept車
出展
発売
VW Golf(表7) 発売
VW CrossBlue Concept(表8) Concept車
出展
Concept車
出展
その他のモデル(表9) 順次発売
EV Audi R8 e-tron(表10) 限定生産
VW e-up! (表11)  発売
e-Golf (表12) 発売
VW Caddy Blue-e Motion(表13) 2011年~
実証テスト
発売
VW E-Bugster(表14) Concept車
出展

 

(1)
Jetta HV
 2012年11月に米国で発売した。1.4Lターボガソリンエンジン、27phのモーター、7速DSG(Dual Shift Gearbox)と三洋電機製 1.1kWhのリチウムイオン電池を搭載。VWグループが、横置きエンジン車にHVを設定するのは初。価格は26,000ドルから。
(2)
XL 1
 VWは、2人乗りPHV XL 1 の市販モデルを2013年3月のGenevaモーターショーに出展した。全長3888mm×全幅1665mm×全高1153mm。2気筒800cc 35kWのディーゼルエンジン、20kWのモーター、5.5kWhのリチウムイオン電池、7速DSGを組み合わせ、100kmをディーゼル燃料 0.9Lで走行し燃費は111km/L。ボディー素材にCFRPを採用し、車体重量を 795kgに抑えた。EV走行距離は50km、最高時速は 74.6マイル。2013年に250台限定生産し、当面はドイツとオーストリアで販売する。
(3)
918 Spyder
 Porsche 918 Spyder PHVは、580hpのV8エンジンと合計241hpを発生させる2個のモーター(前輪用と後輪用)、6.8kWhのリチウムイオン電池を搭載、CFRPを多用する2シーター車。100kmあたりNEDC基準で3リッター(約78 mpg)の低燃費車。EV走行距離は25km以上。最高速度325km/h。発進から時速100kmまで3秒。価格は845,000ドル(684,800ユーロ)で、2013年から918台限定生産する。
(4)
Panamera
 Porsche初のPHVであるPanamera S E-Hybridを、2013年7月に発売する。V6 3000cスーパーチャージャー付エンジン、95hpのモーターと9.4kWhのリチウムイオン電池を搭載する。EV走行距離は20マイル以上。燃費は3.1liters/100km。価格は 99,975ドルから。Porscheは、2012年秋のParisモーターショーにE-Hybridを示すPanamera Sport Turismo Conceptを出展していた。
(5)
Audi
crosslane coupe
 2012年9月のParisモーターショーに出展したPHVコンセプト車。全長4250mm全幅1900mm全高1500mmの小型車で、Q3より小さく"Q2"(現在はラインアップにない)の位置付けとされる。17.4kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV走行距離は84km。
(6)
A3 e-tron
 Audiは、2013年3月のGeneva モーターショーと3~4月のNew Yorkオートショーに、5ドアハッチバックPHVモデルのA3 e-tronを出展した。出展車のPHVシステムの最高出力は204hp、最大トルクは258 lb-ft。新型A3シリーズ内燃エンジン車は2014年初めに米国で発売予定、e-tronも2014年に発売すると見込まれている。
(7)
Golf PHV
 VW Golf PHVは、Audi A3 e-tronと共通のパワートレインを搭載する。1400cc 148hpのガソリンエンジン、100hpのモーターを搭載し、EV走行距離31マイルとされる。
(8)
CrossBlue
 VWは、2013年1月開催のDetroitオートショーに、PHVの"CrossBlue"SUVコンセプトを出展した。2000ccディーゼルエンジン、2個のモーター、7速DSGトランスミッションと9.8kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV走行距離は14マイル。
 VWは、"CrossBlue"コンセプトの紹介で、"eDSG"の呼称を初めて発表した。トランスミッションにモーターを内蔵するDSGを使用するHV/PHVシステム "eDSG"は、VWグループ車のMQB Platformを使用する全てのモデルに適用できるとしている。
 VWは、同様の中型SUVベースのPHVコンセプト車として、2012年3月のGenevaモーターショーに"VW Cross coupe concept"(2000ccエンジンを搭載)を、2013年4月の上海モーターショーに"VW CrossBlue Coupe Concept"(V6エンジンを搭載)を出展した。
(9)
その他
 VWグループは、中長期の戦略として、2014年のAudi A3/VW GolfのPHVに続いて、VW Passat、Audi Q7/Q3/A6/A8、Porsche Cayenneなどに相次いでPHVを設定していくとされる。
(10)
Audi R8
 Audi R8 e-tronコンセプトは、R8ベースの 2人乗り車で、全長4.43m、全幅1.90m。前後アクスルに各2個(車全体で 4個、合計出力は230kW)のモーターを配置したEVスーパースポーツカー。容量53kWh(重量は550kg)のリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は250km、発進から時速100kmまで4.8秒。2012年末から1,000台を限定生産する予定であったが、まだ発売されておらず、最終の手直し中とされる。
(11)
e-up!
 Up! blue-e-motion 4人乗り市販車を、2013年秋開催のFrankfurtモーターショーで初披露し同時に発売する。18.7kWhのリチウムイオン電池を搭載し、モーター最高出力は60kW、航続距離150km(NEDC基準)、最高速度135km/h。
(12)
e-Golf
 VWは、第7代目GolfベースのEVを2014年に発売する計画。容量26.5kWhのリチウムイオン電池を搭載、モーター最高出力85kW、航続距離93マイル、最高速度135km/h。
(13)
Caddy
 ドイツの郵便事業(Deutsche Post DHL)とVWは、2011年にドイツのPotsdam市で、配達車にCaddy EVを使用する(e-Postと呼称)3カ月間の実証実験を行った。CaddyのEV走行距離は110km。
(14)
E-Bugster
 2012年のDetroitオートショーに、EVのE-Bugster conceptを出展した。New Beetleベースで、26.5kWhのリチウムイオン電池など、e-Golfと共通のシステムを搭載するとされる。

 

 



PSA:空圧式Hybrid Airを開発、2016年に実用化を計画

 PSAは2015年に、ドライブの楽しさを犠牲にすることなく、平均CO2排出量を116g/kmに低減する計画。

 三菱自動車と共同開発したEV乗用車とEV小型商用車を投入。またディーゼルHVを4車種発売した。

 さらに、空圧式Hybrid Airを開発し、2016年に実用化する計画。

PSA:空圧式のHybrid Airを開発し、2016年実用化を計画

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
EV Peugeot iOn/Citroen C-ZERO
(表1)
2010年
Peugeot Partner (表2) 発売
Citroen Berlingo(表2) 発売
HV Peugeot 3008 (表3) 2011年
Peugeot 508 RXH(表3) 発売
Citroen DS5 (表3) 発売
Peugeot 508 Saloon(表3) 発売
Onyx(表4) Concept車
出展
2008 Hybrid Air(表5)
Peugeot 2008/Citroen C3
Concept車
出展
実用化
計画
PHV Plug-in Hybrid(表6) 開発中

 

(1)
iOn/C-ZERO
 Peugeot iOn/Citroen C-ZEROは、三菱自動車と共同開発した、三菱 i-MiEVの姉妹車。2010年末に欧州で発売した。
(2)
Partner/
Berlingo
 PSAと三菱自動車は、Peugeot Partner/Citroen BerlingoベースのEVも共同開発した。PSAのスペインVigo工場で生産し、2013年第2四半期に発売する。容量22.5kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は 105マイル。
(3)
Hybrid4
 PSA は、前輪を2000ccディーゼルエンジンで、後輪をモーターで駆動するHybrid4システムを、2011年にPeugeot 3008に搭載、 2012年にPeugeot 508 RXH 、Citroen DS5と508 Saloon に搭載し発売した。三洋電機製ニッケル水素電池を搭載、トランスミッションは 6速 AMT を採用する。
(4)
Onyx
 2012年9月にのParisモーターショーに、HVスポーツカーコンセプトOnyxを出展。前輪をモーターで駆動し、V8 3700ccターボディーゼルエンジンを車両中央付近に配置し後輪を駆動する。レース車両がベースで、ボディーは炭素繊維強化樹脂を採用。
(5)
Hybrid Air
 PSAは、2013年3月開催のGenevaモーターショーに、空圧式のハイブリッドシステムを搭載する"2008 Hybrid Air"を出展した。制動時のエネルギーを油圧ポンプで回収して最大25MPaの高圧タンク中の空気を圧縮し、加速するときには、この空圧を利用して油圧モーターを駆動し加速をアシストする。試作車は、3気筒1200ccガソリンエンジンと組み合わせて、CO2排出量69g/kmを達成、さらに燃費2.0-liters/100kmを目指すとしている。Robert Boschと共同開発中。
 この原理は既に大型建機などに使用され、またFordは大型ピックアップトラックに、Chrslerはミニバンへの搭載を研究している。
(6)
PHV
 PSAは、次のステップとして、PHVを開発する計画。EV走行レンジ20km程度を確保し、また長期のドライブにも心配なく、環境対応の理想の解決方法だとしている。

 

 



Renault:スーパーミニ ZOEで、EVの拡販を期待

 Renaultは、2013年初めに、4番目のEVであるRenault ZOEの販売を開始した。Bプラットフォームベースの通勤に最適なスーパーミニカー(supermini、Renault資料)としている。RenaultはEVについて、初めて本格的なマス広告をする計画で、ZOEでEVの拡販を期待している。

Renault:2013年初めに、スーパーミニEV ZOEを投入

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
EV Fluence 2011年
Kangoo Express 2011年
Twizy 2011年
ZOE (表1) 発売
Twin'Z(表2) Concept車
出展

 

(1)
ZOE
 ZOEは、全長 4,084mm、全幅1,730mmの 4人乗り小型5ドアハッチバック車。22kWhのリチウムイオン電池、65kWのモーターを搭載し、航続距離は210km。2012年末からフランスで限定された納車を開始し、2013年初めに本格販売を開始した。
 フランスでの販売価格は、政府補助7,000ユーロ適用後で13,700ユーロ。電池のリース代を別途79ユーロ支払う。家庭での充電設備設置費用は600~1,000ユーロ。Renaultは、Zoeは価格の手頃さ、燃料代の節減、メンテナンスコストが内燃エンジン車より20%程度低いこと、および150kmの航続距離から、通勤用に最適で、EVの最量販車になることを期待している。
(2)
Twin'Z
 Twin'Zは、英国の家具デザイナーRoss Lovegroveと協力して生まれたEV citycarで、2013年4月のMilan Triennaleで初公開された。全長3627×全幅1705×全高1506mmの小型車で、都市部での取り回しのよさを重視したサイズとのこと。車両後部に配置したモーターが後輪を駆動する。

 

Fiat:Fiat 500 EVを発売

 

Fiat:2013年4月にFiat 500 EVをCalifornia州で発売

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
EV 500 EV 発売
(注) 1. Fiatは、2013年4月に米国California州でFiat 500 EVを発売した。1回の充填での走行距離は87マイル。価格は32,500ドルだが大幅値引きをして、価格16,000ドルのFiat 500ベース車と同じ3年間月額199ドルのリースを提供するなど、他車種にない販促を行っている。
2. Fiat EV発売の目的は、Fiatの技術を示すことと、California州のZero-Emission規制を満たすためとしている。

 

 



FerrariとMcLarenがHV/PHVスーパーカーを発売

FerrariとMcLarenのHV/PHVスーパーカー

モデル 発表時期 概要
Ferrari LaFerrari
(HV)
2013年3月  「HY-KERS」と呼ぶ、パフォーマンス重視HVシステムを搭載する2人乗り車。V12 直噴6300ccエンジンに出力100hpのモーターを組み合わせ、最高速度350km/h以上、0~124マイル/hの加速は約3秒。燃費は40%低減。F1カーと同クラスの炭素繊維強化樹脂製ボディーを搭載する。Samsung Electronicsがリチウムイオン電池を供給する。
 2013年4月~2014年に499台生産する計画。価格は約100万ユーロだが、既に全車売約済み。
McLaren P1
(PHV)
2013年3月  最高出力542kWのV8ツインターボエンジンと、出力132kWのモーターを搭載するPHV。2人乗り。最高速度は350km/hでリミッターが作動する。0~100km/hの加速は3秒以下。
 価格は約130万ドル。2013年後半に、英国で生産すると報じられている。
(注) 1. 両モデルとも、2013年3月のGenevaモーターショーに出展された。
2. Jaguarは、2010年のパリモーターショーに、価格が120~150万ドルとされるHVスーパースポーツカー"C-X75"を出展し、2013年に250台を生産する予定であったが、最近の経済情勢から中止を決定した。開発段階は完了し、数台のプロトタイプが生産される見込み。開発した技術は、今後の商品計画に活かすとしている。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>