富士重工:2012年度の販売台数、売上高、各段階の利益が過去最高

国内の登録車販売が7年ぶりに10万台、米国販売は5年連続で前年超え

2013/03/28

要 約

 主要地域別連結販売計画富士重工の2012年度連結販売台数予想は72.2万台、売上高は1兆8,900億円、営業利益1,070億円、純利益760億円で、いずれも過去最高となる見込み。

 富士重工は、2008年4月にトヨタ・ダイハツとの開発・生産での提携を拡大し、順次軽自動車の開発・生産から撤退し(2012年2月で全ての軽自動車の生産を終了)、BOXER(水平対向)エンジン、四輪駆動、衝突回避技術 "EyeSight"など独自の技術を活かし、付加価値の高い小・中型乗用車の開発と生産に集中する体制とした。

 その結果、2012年にはBRZ、Legacy大幅改良車、新型Impreza XV、新型Foresterなどの有力新型車を相次いで発売し、国内で販売する登録車は、2005年以来7年ぶりに10万台を超え(10.8万台)、また初めて軽自動車販売(7.0万台)を上回った。利益率の高い商品が売れ、工場の稼働率も高いことが、利益の順調な拡大にも繋がっているとしている。

 米国をメインターゲットとする商品開発が実を結び、米国販売は5年連続で増加し2012年は33.6万台、2013年には36.5万台販売を見込む。

 中国では、計画していた現地生産は2015年度までの実現が困難な状況だが、販売体制を強化し輸入車を拡販して、2015年度10万台販売を目指している。

 富士重工は2011~2015年度中期経営計画 "Motion-V"を進めており、2015年度に世界85万台販売を目指している。今後の販売拡大は、北米、中国、その他地域(ロシアや東南アジアなど)で計画している。

2011~2015年度中期経営計画"Motion-V"の進捗状況

収益目標  2015年度:連結営業利益 1,200億円、連結営業利益率 6%レベル
2015年度
連結販売計画
当初計画  世界で90万台(うち米国で35万台、中国で18万台)
2012年5月
に修正
 中期経営計画期間中の中国現地生産が困難になったため(2013年中に年産5万台で生産を開始し、2015年に15万台生産する計画であった)、世界で85万台(北米41万台(うち米国38万台)、中国10万台、出荷ベースでOEM・CKD込み)に再設定した。

富士重工の地域別連結販売台数

(1,000台)
2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
実績・見込
2015年度
計画
北米 207.1 249.8 307.1 308.6 389.8 410
中国 26.2 48.9 62.4 48.3 50.2 100
日本
欧州
オーストラリア
178.8
56.8
36.7
171.3
37.3
35.0
158.1
48.2
41.2
172.3
39.1
36.9
159.6
47.1
38.7
日欧豪3地域小計 272.3 243.6 247.5 248.3 245.4 270
その他 49.7 20.5 40.0 34.6 36.8 70
合計 555.3 562.8 657.0 639.9 722.3 850
資料:富士重工の決算発表資料から作成
(注) 1. ロシアはその他地域に含む。
2. 北米は、上記の計画(2015年度41.0万台)以上に拡大するとされている。


関連レポート: 2012年の軽自動車市場は200万台水準、乗用車でのシェアは34%(2012年11月掲載)



2013年販売計画:世界販売計画は過去最高の75万台

 富士重工の2012年暦年世界小売販売台数は、70.7万台で過去最高。地域別には米国(33.6万台)、カナダ(3.1万台)、オーストラリア(4.0万台)で過去最高を達成した。

 2013年計画は75万台。国内販売は2012年17.8万台から16.2万台へ減少する見込みだが、海外販売は全ての主要地域で拡大し、海外合計は52.9万台から58.8万台へ11.2%拡大する計画。新型Impreza XVと新型Foresterが通年で貢献し、群馬製作所本工場の能力増強が完了し、Imprezaの供給が増やせることなどが貢献する。

地域別小売台数:2012年実績と2013年計画

(1,000台)
日本 米国 カナダ 欧州 豪州 中国 その他 世界
2012年実績 178 336 31 42 40 43 35 707
2013年計画 162 365 36 44 42 58 44 750
前年比 91.0% 108.6% 116.1% 104.8% 105.0% 134.9% 125.7% 106.1%

資料:富士重工新春会見 2013.1.15

 



日本国内市場:2012年登録車販売が軽販売を超え、7年ぶりに10万台超

 日本国内では、2012年に登録車を10.8万台、軽自動車を7.0万台、合計17.8万台販売した。登録車販売は2005年以来7年ぶりに10万台を超え、また初めて軽自動車の販売を上回った。

 2013年は、エコカー減税がなくなったため全需は前年比10%程度減少すると想定し、スバル車は16.2万台の小売販売台数を計画。今後も国内で登録車を10万台超販売し、軽自動車は6万台程度を安定して販売する計画。

富士重工:モデル別国内新車販売台数

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
Legacy 59,370 52,066 38,215 26,317 28,226 27,407 22,354 25,983
Impreza 28,937 26,031 33,994 24,729 21,704 24,053 21,664 51,998
BRZ 4,830
Forester 20,099 14,855 12,520 23,104 12,879 14,035 14,465 12,440
Exiga 9,710 9,881 11,519 7,369 8,627
DEX 1,104 2,698 1,063 330 4
Trezia 963 7,552 4,103
登録車合計 108,406 93,042 84,828 85,050 75,491 79,139 73,806 108,070
軽自動車合計 149,567 152,192 140,990 121,693 97,996 97,558 84,895 69,651
合計 257,973 245,234 225,818 206,743 173,487 176,697 158,701 177,721
資料:日本自動車販売店協会連合会, 全国軽自動車協会連合会
(注) 1. 登録車合計台数は、その他・モデル名不明を含む。
2. 軽自動車販売は、全車ダイハツからOEM供給を受けて継続する。

 

 



北米市場:米国販売は5年連続で増加、2015年度38万台販売を計画

 富士重工の2012年米国小売販売では、2012年初めに新型車を投入したImprezaの販売が8万台超に前年比倍増して、合計で336,441台(26.0%増)となり、米国での販売台数が5年連続で前年を上回った(米国市場参入自動車メーカーで富士重工1社のみ)。

 米国でのディーラー数は、ここ数年約620店で変わっていないが、3分の1程度が入れ替わり、GMとChryslerの苦境を機に、両社の車を扱っていたディーラーなど力のあるディーラーが増加している。

 2013年は、米国Light Vehicle市場が1,500万台に回復すると見て、小売販売台数36.5万台を計画。新型フォレスター、XV Crosstrekの販売が本格化し、不足気味であった在庫も回復するので販売機会損失も低減するとしている。

 富士重工の中期経営計画"Motion-V"の最終年度2015年度の米国販売計画は35万台であったが、2012年5月に38万台に上方修正した。従来弱点とされた米国南部でも販売が拡大しており、40万台も視野とされている。

 Indiana州SIA(Subaru of Indiana Automotive)の生産能力は、スバル車分17万台、トヨタのCamryの受託生産分10万台。2014年夏にスバル車生産ラインを3万台分増強する。また2016年にCamry生産ラインを7万台分増強して、現在は日本から輸入しているImprezaを混流生産する計画と報道されている。

北米モデル別新車販売台数

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
米国 Impreza 41,148 46,333 49,098 46,611 44,395 41,196 81,799
Legacy 84,442 78,428 66,876 64,997 38,725 42,401 47,127
Outback 21,333 93,148 104,405 117,553
BRZ 0 4,144
乗用車計 125,590 124,761 115,974 132,941 176,268 188,002 250,623
Baja 5,241 1,127 2 0
Tribeca 18,614 16,790 10,975 5,930 2,472 2,791 2,075
Forester 51,258 44,530 60,748 77,781 85,080 76,196 76,347
XV Crosstrek 7,396
小型トラック計 75,113 62,447 71,725 83,711 87,552 78,987 85,818
米国計 200,703 187,208 187,699 216,652 263,820 266,989 336,441
カナダ計 16,190 16,504 19,892 23,034 27,805 26,984 31,003
北米合計 216,893 203,712 207,591 239,686 291,625 293,973 367,444

資料:米国販売はAutomotive News、カナダ販売はWard's Automotive Yearbook。
(注) 青色表記モデルは、北米生産車。

 

 



中国市場:現地生産は延期するが、販売体制を強化し輸出車を拡販

 中国市場では、2012年に6.6万台の販売を計画したが、日中関係の悪化から実績は4.3万台。しかし販売は回復基調にあり、2013年は5.8万台の販売を計画。中国ではForesterが販売の半数以上を占める。2013年は、新型ForesterとXVでの販売増を目指し、またBRZも投入する計画。

 富士重工は、奇瑞汽車との合弁生産を2013年にも開始する予定であったが、中国政府の認可が得られず、現在進めている中期計画の期間(~2016年3月)中の中国現地生産開始は困難になったとしている。中期計画での2015年度販売計画を、従来の18万台から10万台に下方修正した。

 富士重工は完成車輸出による拡販を追及する方針。2013年1月に、それまで富士重工100%出資であった中国におけるスバル車販売会社「スバル汽車(中国)有限公司、SOC(Subaru of China, Ltd.)」に、中国で多数のブランドの自動車ディーラーを経営するPANGDA AUTOMOBILE TRADEから40%の出資を受入れ合弁会社に移行した。中国企業のノウハウを活かすとともに、人員の増強や組織の強化を行い、販売店数を2013年初めの182店から2016年3月までに200店に拡充する計画。

 

2012年12月、マレーシアでXVのKD生産を開始

 富士重工は、2012年12月、マレーシアでTan Chong Motor Assemblies Sdn.Bhd.と提携しスバルXVのKD生産を開始した。年間5,300台の規模で生産し、マレーシア国内、タイ、インドネシアで販売する。これまで3カ国での販売は年間300台程度であったが、2015年に約1万台に引き上げる計画。

 将来は、現在日本で生産しているオーストラリア向け車種も生産する。

 

 



生産体制:世界生産能力は、2014年夏に80万台、2015年度に85万台

 富士重工は2012年2月に群馬製作所本工場での軽商用車サンバーの生産を終え、軽自動車生産から完全に撤退し、2012年3月から、トヨタと共同開発したSubaru BRZ/Toyota 86の生産を開始した。

 日米の生産能力を増強する計画で、2012年夏に本工場の生産能力を、15万台から18万台に増強した。米国SIAは、2014年夏にスバル車生産能力を17万台から20万台に増強する。富士重工の世界完成車生産能力は2014年に80.2万台に、2016年3月までに85万台に増強される。

生産台数の計画

(1,000台)
2011年 2012年 2013年計画 2015年度
海外(SIA) 162 185 172 210
国内 419 569 569 580
合計 580 753 741 790
資料:富士重工新春会見 2013.1.15
(注) 1. 国内生産台数はトヨタ86の台数を含む。
2. 2013年の生産は、前年の増産により内外とも在庫の充足が進みつつあることから、国内は前年並み、海外は約7%減の計画。
3. 2012年12月にマレーシアで開始したKD生産は含まない。

生産能力の計画

(1,000台)
2012年 2013年計画 2014年計画 2015年度
海外(SIA) 170 170 200
国内
群馬製作所
本工場 150 180 180
矢島工場 422 422 422
合計 742 772 802 850
資料:富士重工新春会見 2013.1.15
(注) 1. 2015年度に、中期計画の販売計画台数に整合した世界85万台の生産能力を構築するとしている。
2-1. 上表のSIA生産能力はスバル車生産向けで、トヨタCamry生産向け10万台を含まない。
2-2. 米国SIAでは、2016年にCamry生産ラインを7万台分増強し、現在は日本から輸入しているImprezaを混流生産する計画とされる。
3. 矢島工場は、以前からスバル登録車を生産している。
4. 2012年8月から、矢島工場で生産しているImprezaとImpreza XVを本工場でも生産している。需要の変動に細かに対応し、両工場の操業を平準化する狙い(富士重工は「ブリッジ生産」と呼んでいる)。

 

 



モデル計画:SUVを強化し収益の柱に、2013年にHVを投入

 富士重工は、2012年3月にトヨタと共同開発したBRZ、5月に新世代BOXERエンジンと新CVTを搭載するLegacyシリーズ大幅改良車、10月に都市型クロスオーバー車Impreza XV、11月に新型Foresterと矢継ぎ早に新型車を発売した。2013年にスバル車初のハイブリッド車、2014年には次期型Legacyシリーズを発売する。

 富士重工は、Impreza XV、Forester、Legacy OutbackなどSUVの商品力を強化し、収益の柱としていく方針。

富士重工:2012~2014年モデル計画

Legacy大幅改良車 2012年5月  Legacyシリーズの大幅改良車を発売した。新世代BOXER NA 3.6L/2.5LエンジンとBOXER 2.0L直噴ターボ/2.5Lターボエンジン、新リニアトロニックCVTを組み合わせた。2011年12月発売の新型Imprezaに続き、アイドリングストップを設定した。
 一定車速度以上でアクセルとブレーキが同時に踏まれた場合、エンジン出力を絞りブレーキを優先させる「ブレーキオーバーライド」をスバル車として初設定。
新型 Impreza XV 2012年10月  2011年12月に国内発売した新型Imprezaベースの小型SUV。商品コンセプトを「Urban Adventure」とし、流麗かつ軽やかなプロポーションと、SUVらしい力強さを兼ね備えたデザインとした。200mmの最低地上高を持ちながらも、全高は1550mmと立体駐車場に入庫できる高さとした。
 新世代BOXER NA 2.0Lエンジンと新リニアトロニックCVTを搭載し、日常的に使う中低速トルクを向上させながら、燃費15.8km/Lを実現した。販売目標は世界で月間5,000台、うち国内で1,000台。
新型 Forester 2012年11月  4代目となる新型フォレスターは、「SUVとしての本質的な価値の実現」を目指して開発し、クルマの基本である走行性能を大幅に進化させた。
 新世代BOXER NA 2.0Lエンジンと新リニアトロニックCVTにより、ドライバビリティと燃費を向上(15.2km/L)。また新世代BOXER直噴ターボエンジン"DIT"搭載車は、高トルク対応リニアトロニックCVTと組み合わせて、ハイパーフォーマンスな走りと優れた環境性能(13.2km/L)を両立させた。
 エンジン、トランスミッション、VDC等を最適に統合制御し、悪路走行性を高めるAWD制御システムX-MODEを新開発し搭載した。前モデルは2011年度に世界で約17万台販売したが、新型車は15%増(約20万台)を目指す。うち国内販売目標は月2,000台、
Stella 改良車 2013年1月  軽乗用車スバルStellaは、ダイハツMoveのOEM供給車。改良車は、全高1550mm以上の軽乗用車としてクラストップの、JC08モード走行燃費29.0km/Lを達成した。
 衝突回避支援システム「スマートアシスト」仕様を、各トリムレベルに設定した(価格は4~5万円高)。約4km~30km/h以下の低速域において先行車との衝突が予想される場合、警報音と緊急ブレーキにより衝突回避または被害軽減を図る。誤発進抑制制御機能なども装備する。
VIZIVコンセプト
(PHV)
未詳  2013年3月開催のジュネーブモーターショーに、PHVのVIZIV(ヴィジヴ)コンセプトを出展した。2000ccディーゼルエンジンを搭載、電動パワーは、前輪だけでなく後輪にも専用のモーターを搭載する。
 VIZIVは"Vision for Innovation"を語源とする造語で、スバルブランドの方向性を示すコンセプトカーであることを表現している。
ハイブリッド車
(XV Crosstrek Hybrid)
2013年  富士重工は、2013年3月27日から開催のニューヨーク国際自動車ショーで、スバル初のHV "Subaru XV Crosstrek Hybrid"を初公開した。2013年内にも発売する。
 水平対向エンジンとモータシステムを組み合わせ、燃費性能と走行性能をともに高める。ハイブリッドシステムは、トヨタの技術を活かしながら、水平対向エンジンと組み合わせるため独自開発している。ハイブリッド車でも、スバルらしさを追及するとしている。
次期型 Legacy 2014年  主力車種Legacyを2014年に全面改良する計画。以前からの強みである走行性能に加え、クラストップの燃費性能を目指す。デザイン性も大幅に向上させる。また、初めて米国で先行生産し、米国重視の姿勢をより鮮明に示す見込み。
 富士重工は、次期型Legacyに国内初のディーゼルエンジンを設定するとされる。既に欧州で販売するForesterなどに搭載している2000cc水平対向ディーゼルエンジンを設定する見込み。

 

運転支援システムEyeSight搭載を拡大、豪州・北米販売車にも設定

 富士重工は、衝突被害軽減などを実現した運転支援システム"EyeSight"を開発し、2008年5月にLegacyに搭載した。2010年5月にEyeSightのVersion 2を発売し、2013年3月時点で、Version 2を、Legacy、Impreza、Exciga、Forester、Impreza XVに設定している。

 国内で販売するLegacy/Outbackでは、販売車両の約8割がEyeSightを搭載している。

 2012年1月に豪州販売車に搭載を開始、2012年夏から米国販売車に搭載を開始した。日本仕様と同じ機能を提供する。

 さらに、衝突回避機能をより高めた"Version 3"の開発も終わり、2013年中にも発売する見込み。

EyeSight(アイサイト):2013年にも、機能を強化した"Version 3"を発売

Version 1 2008年5月  新型ステレオカメラと新開発3D画像処理エンジンを用いる運転支援システムで、2008年5月に発売した改良型Legacyに初搭載した。価格は税抜きで8万円高。
 内容は、<プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)>、<AT誤発進抑制制御>、<車線逸脱警報>、<ふらつき警報>、<全車速追従機能付クルーズコントロール>、および<先行車発進お知らせ機能>。
Version 2 2010年5月  運転支援範囲を大幅に拡大したEyeSight "Version 2"を発表した。搭載車の価格は税抜きで10万円高。追加・強化された機能は、
・プリクラッシュブレーキ:ドライバーの回避操作がない場合、自車と対象物の速度差が約30km/h以下の場合は自動ブレーキにより衝突の回避・衝突被害の軽減を図り、速度差が約30km/hを超える状況では、自動ブレーキにより減速することで衝突被害の軽減を図る。
・ブレーキアシスト:ドライバーの急ブレーキ操作を検知した場合は、自動的にブレーキアシスト機能を働かせる。
・全車速追従機能付クルーズコントロール:自動ブレーキの最大減速度を従来比 1.6倍に高め、先行車の減速幅が大きい状況でも追従を可能にした。先行車が停止した場合追従して停止させ、停止状態を維持する。
Version 3 2013年  2013年にもさらに機能を高度化したVersion 3を搭載する見込み。追加・強化する機能は、<先行車の高速度域からの急激な減速に追従>、<後方・側面の危険性を検知>、<危険性を検知した場合、自動ブレーキに加えステアリングの自動操作などで回避する機能>などとされている。

(注)2013年1月に発売した新型Stellaに搭載した「スマートアシスト」は、ダイハツが開発した、EyeSightとは別のシステム。短距離レーザーレーダーを使い、主に前方の車両に対する低速域での追突事故防止および衝突被害の軽減を目的にしたシステムで、税抜き価格はEyeSightの10万円に対して半額の約5万円。

 

 



2012年度決算は、連結売上高、各段階の利益とも過去最高の見込み

 富士重工は2013年2月、2012年4~12月期決算発表と同時に、2013年3月期業績予想の上方修正を発表した。円高是正による売上高の増加を見込むとともに(2013年1~3月期の為替レートは、1ドル87円、1ユーロ114円の前提)、連結販売台数を8千台増やし72.2万台とした。

 その結果、売上高1兆8,900億円(前年比24.6%増)、営業利益1,070億円(143.4%増)、純利益760億円(97.6%増)でいずれも過去最高を更新する見込み。

富士重工の連結業績

(100万円)
2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年度
4~12月期
2012年度
4~12月期
2012年度
予想
国内売上高
海外売上高
507,500
938,300
520,800
907,900
467,300
1,113,200
498,500
1,018,600
337,500
691,900
482,300
888,400
659,600
1,230,400
売上高 1,445,790 1,428,690 1,580,563 1,517,105 1,029,407 1,370,725 1,890,000
営業利益
経常利益
当期純利益
(5,803)
(4,600)
(69,933)
27,350
22,361
(16,450)
84,135
82,225
50,326
43,959
37,277
38,453
27,854
28,713
36,756
73,368
63,427
53,136
107,000
99,000
76,000
設備投資
減価償却費
試験研究費
58,000
65,100
42,800
56,100
57,100
37,200
43,100
49,800
42,900
54,300
53,700
48,100
39,200
38,900
35,600
48,400
38,900
35,300
72,000
60,000
50,000
為替
レート
円/US$ 102 93 86 79 79 80 82
円/EURO 147 132 114 108 110 103 105

資料:富士重工の決算発表資料
(注)2012年度第4四半期(2013年1~3月)の為替レート予想は1米ドル87円、1ユーロ114円。

 

富士重工の単独業績

(100万円)
2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
売上高 969,209 952,136 1,075,923 1,038,917
営業利益 (24,546) (12,522) 48,160 1,051
当期純利益 (83,404) (32,315) 33,877 9,277
(注) 2013年3月23日付日本経済新聞によると、2012年度の単独営業利益見込みは800億円。
円安効果と、軽自動車生産から撤退し、利幅の大きい登録車にシフトしたことが貢献する。

 


参考資料:富士重工のプレスリリースと各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>