世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)概要

欧州では、2014年から導入へ

2012/09/21

要 約

 国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で現在、排出ガ現在のWLTC の概要スや燃費試験のための統一試験サイクルとその試験方法を決める作業が行われており、WLTPと呼ばれるものである。試験サイクルは、日米欧印韓の走行データを用いて作成されており、世界平均に近い速度/加速度分布を持つ。

 将来的にはこのWLTPを国連の統一規則(UN規則)に取り入れ、2014年以降、日本や欧州の排出ガス・燃費規制に使用する予定となっている。

 ここではこの世界統一排出ガス・燃費規則(WLTP)の概要を説明し、統一試験規則を導入したことによる日本、欧州への影響について説明する。



1)国連で開発しているWLTP規則概要

1-1)WLTPとは

 自動車基準調和世界フォーラム(WP29)では、世界的に厳しい規制が実施されている中小型自動車について排ガス試験サイクルとその試験法の統一規則作成(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure : WLTP)の必要性が高まり、2007年より作業が始まった。

 2007年11月に開催されたWP29 第143回会議で、日本から「乗用車排出ガス・燃費試験規則に関する世界統一基準(gtr)」作成が提案され、その活動開始が承認された。最終完成目標は2021年とされたが、最重要課題である統一試験サイクルを2013年までに完成させることとした。

図1 世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)

世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)

(資料: http://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2009/wp29grpe/ECE-TRANS-WP29-GRPE-58-inf18e.ppt)

 

(注)  これまでも、WP29 では、重量車や二輪車の排ガス試験サイクルとその試験法の統一規則(WHDC、WMTC)を作成してきており、作成されたWHDCやWMTCは認証の相互承認を実現するためにWP29傘下の排出ガス部会(GRPE)で国連の調和規則(UN規則)に反映させる作業が欧州主要国や日本を中心に行われている。これらが完成すると日本やEU、南アなど1958年協定加盟国間では同じ統一基準による認証試験が行われ、その認証の相互承認が実現する予定である。


 中小型自動車に係わる、WLTP具体的な活動は2008年1月にGRPE傘下に作業会議体としてインフォーマルグループ「 (WLTP)インフォーマルグループ」が組織され、今日に至っている。

 

図2 世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)の体制

世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)の体制


 開発目標は
a) 世界統一試験サイクル(WLTC)を作成することと、
b) このサイクルを用いた試験方法を最新のものとすることであるが、
さらに
c ) 世界統一試験サイクル(WLTC)の妥当性評価(バリデーション)、
d) 試験サイクル以外の車両運転状態における排出ガスを規制するためのオフサイクル試験なども重要な検討事項として提案された。


 世界自動車工業連合会(OICA)はこの活動を歓迎、積極的に参加することを表明し、具体的な国際調和の対象項目として、車両カテゴリー、燃費試験手順、試験条件、試験燃料、車載式故障診断(OBD)、そして規制値なども検討すべきとして提案した。

 従来、国際統一基準作りの中心を担ってきた日米欧に加えてインドの積極的参加、中国、韓国なども関心を示し、IEA(国際エネルギー機関)が期待感を持つなど、新しい展開を見せた。


 試験サイクルとその試験方法開発の流れを図3WLTP Phase1日程に示す。2014年3月に、WP29にてWLTPの試験サイクルと試験方法が承認され、同年から欧州での規制に反映される予定である。

 

図3 WLTP Phase1日程

WLTP Phase1日程

 

1-2)統一試験サイクル作成

 世界統一試験サイクル(WLTC)作りは、2009年9月に第1回国際統一試験サイクル作成(DHC)グループ会合が開かれスタートした。試験サイクルは世界各地で得られた車両の実走行データを用いて構築するが、客観的で信頼性のあるサイクル作成法が求められる。議論の結果、日本で試験サイクル作成に経験の豊かな日本自動車研究所が担当することになった。

 図4に2012年現在のサイクル案を示す。世界統一試験サイクル(WLTC: 平均46.5km/h)は、低速(Low speed: 平均18.9km/h)、中速(Middle speed: 平均39.5km/h)、高速(High speed: 平均56.6km/h)、超高速(Extra-High speed: 平均92.0km/h)の4つのパートで構成される。全走行時間は1800秒で、それぞれのパートの走行時間は世界平均での比率で分配した走行時間である。

 

図4-1 現在のWLTC の概要

現在のWLTC の概要

(資料: http://www.unece.org/trans/main/wp29/wp29wgs/wp29grpe/wltp_dhc11.html)

 

WLTC ver.4 日本 EU/ECE USA (参考)
低速
サイクル
中速
サイクル
高速
サイクル
超高速
サイクル
WLTC
総計
JC-08 NEDC "Standard
Cycles"
FTP75
Time (sec) 589 433 455 323 1,800 1,204 1,180 1,877
Distance (m) 3,090 4,760 7,160 8,250 23,260 8,172 11,007 17,860
Max Speed (km/h) 56.5 76.6 97.4 131.3 131.3 81.6 120.0 91.2
Ave. Speed (km/h) 18.9 39.5 56.6 92.0 46.5 24.4 33.6 34.2
Soak 試験法検討グループにて検討中 Repeated
as hot test
N/A 600
Gear Shift Fixed speeds Fixed speeds Specific
(with evidence)

(注)WLTCは評価中であり、微調整が繰り返されているため、表の数値は変わる可能性がある。

 

図4-2 日本と欧州の試験サイクル比較(米:参考)

日本と欧州の試験サイクル比較(米:参考)


 この試験サイクル作成の基本的な考え方については、以下のように統一が図られた。

 

図5 試験サイクル作成の流れ

試験サイクル作成の流れ


1) 実路走行実態データをもとに、走行形態(都市内走行、郊外走行、自動車専用道路走行)や車両カテゴリー分類ごとに基準速度‐加速度分布を算出し、同時にそれぞれの分類の重み係数表を作成する。

2) これらのデータより世界平均の基準速度‐加速度分布を求める。 

3) 実路走行データから抜き出した車速変化パターン(ショートトリップデータ)を組み合わせることにより、試験サイクル案を数多く構成し、これらの基準速度‐加速度分布を算出して、χ二乗検定を行う。

4) この検定により、もっとも世界平均に近い基準速度‐加速度分布を持つ試験サイクルを世界統一試験サイクル(WLTC)とする。


 試験サイクル作成のための車両の実走行データは、日米欧に加え、インド、中国、韓国が提出を検討することを表明、世界各地のデータが多く集まることが期待された。その後、中国は事務手続き上の理由からデータ提出が間に合わなくなり、結果として日米欧、インド、韓国のデータを用いて、試験サイクルの作成作業が開始された。


 2011年に作られたサイクル案を運転性やシャシーダイナモメータ上での走行時タイヤスリップの有無など追従性の確認作業(バリデーション1)を行いサイクルの修正を行っている。2012年現在は、欧州を中心とした実走行時の加速度の反映、各市場で走行している実車での試験サイクル追従性など運用面での信頼性を高めるためにバリデーション2を実施しつつ、仕上げ作業を実施している。

 なお、インドで数多く走行している低出力車については、別途、高い加速度を含まないサイクルを用意することで合意している。これはアジア諸国などに広く販売されている多くの特殊な小型車にも適用されうる。

 試験時のギアシフト法については、エンジン出力を指標として変速位置を判断するという欧州からの提案と、一定の決まった車速で変速するという日本提案の両者を検討中である。

 

1-3)試験方法の統一

 試験方法作成に関しては、2010年4月から試験法作成(DTP)グループの作業が開始され米国議長、インド副議長の体制でスタートした。しかし作業開始直後に米国が国内事情を理由に議長の座を降り、2010年6月よりスイスが議長を引き継いでいる。

 現在、以下に示したような五つのグループに分かれて活動を実施している。

内燃機関自動車測定法
(ICE)サブグループ
 ・ガソリン、ディーゼルの既存内燃機関自動車の試験計測法の国際統一を図ることを目的とする。
 ・試験車両はシャシダイナモ上にセットして試験することになるが排ガス性能や燃費性能に大きく影響する、以下の項目などが今後の検討課題として取り上げられている。
a) 試験車重量の設定方法、b) タイヤ選定方法、c)走行抵抗設定方法、d) ギアシフトポイント設定方法、e) 低出力車両の定義とその試験方法
電気、ハイブリッド車試験法
(E-Lab) サブグループ
 ・試験サイクルが新しくなった場合の、電気自動車やハイブリッド自動車の試験法を検討するグループである。
 ・日本が得意とする分野のため、日本がリーダーを務めている。
粒子測定法(PM/PN)
サブグループ
 ・自動車排出微粒子排出量の規制強化に伴い、微量な粒子を測定できるように重量測定法(PM)の計測精度を確保するためのあらたな規定の導入、および粒子数計測(PN)測定法の改善提案を検討している。
追加成分測定法(AP)
サブグループ
 ・ CO、HC、NOx、PM、PNの既存の規制対象物質に加え、新たな規制対象物質(Additional Pollutant)の測定法を検討している。
 ・ 測定法の確立が必要な物質としては、NO2(二酸化窒素)、N2O(一酸化二窒素)、NH3(アンモニア)、エタノール等があげられている。
燃料 サブグループ  ・ 認証に用いる試験燃料の国際統一化を検討するためのグループであるが、実質的には活動出来ていない。
 ・ 基本的に試験燃料の統一は将来、国際統一規制値が提案された場合、必要になる。
 ・市販の燃料性状の議論とも密接に関わりがあり、WP29の活動範囲を超える分野を含んでおり、活動が最も困難視されている。

 

 



2)日欧排出ガス・燃費試験規則とWLTP

 燃費値は、排出ガス試験の結果から算出できるため現在は、試験サイクルを走行した際の一回の試験で排出ガス、燃費の両者を評価している。

 

2.1)日本のサイクル、試験条件、認証試験フロー

 図4-1,2にJC08モードと呼ばれている現行の日本の試験サイクルの概要を示している。試験サイクルは実際の路面を走行している状態をシミュレートした「トランジェントサイクル」と呼ばれる形態である。この考え方は国連で作業中のWLTCにも活かされ、日本のサイクル作成方法をベースに世界各国で採取されたデータからサイクルを作っている。ただし、JC08は日本の交通状況の特異性から低速、中速、高速、超高速などの区別をせずに一つのサイクルとして作成されている。最高速度は約81.6km/hで平均車速は24.4km/h、走行時間は1,204秒である。

 試験はエンジンを一定温度状態で放置(ソーク)した後、排出ガス測定を行うコールドスタート試験と、完全にエンジンを暖気した状態で行うホットスタート試験の2種を行う。この二つの試験結果に重み係数をかけて足し合わせたものが最終的な評価値になる。

図6 日本の排出ガス値算出方法
図7 欧州の排出ガス値判定方法
日本の排出ガス値算出方法 欧州の排出ガス値判定方法

 

2.2)欧州のサイクル、試験条件、認証試験フロー

 図4-1,2にはNEDCと呼ばれている現行の欧州の試験サイクルの概要を示す。折れ線型のサイクルで、加速、低速走行が直線で表されており、一定加速度、一定速度状態を組み合わせた試験サイクルである。最高速度は120km/hで平均車速は33.6km/h、走行時間は1,180秒である。

 試験はエンジンを一定温度状態で放置(ソーク)した後、試験サイクルを一回走行する。したがってコールドスタート走行のみの評価である。

 図7に、欧州の試験における試験結果判断フローを示す。図で分かるように、一回目の試験時に規制値をオーバーしても10%以内であれば、さらに2回、再試験が可能である。 一方、日本の場合は一組の試験で得られた、一回の試験結果のみで判定を行う。

 

2.3)日欧での統一規則(WLTP)導入の予定とその影響

 世界統一試験サイクル(WLTC)とその新試験法は2013年秋までに完成することを強く期待されている(正式承認は2014年3月WP29での承認を予定)。 これが承認されると国連の統一基準であるUN規則改定に繋がる作業が行われ、1958年加盟国へも大きな影響を及ぼすことになる。

 

図8 国際規則の日欧導入予定とその影響

前提条件:WLTCとその試験方法が2014年3月のWP29で承認される

WLTC導入 燃費規制への影響 排気規制への影響
国連統一基準 排出ガス部会(GRPE)で検討する。導入を急ぐEUと立場の異なる日本などの導入方法の検討がポイント UN R101改正 UN R83改正
日本 UN 改正の目途が立ったら速やかに導入を検討する 2020年燃費基準が決定済み。
58年加盟国として整合が図れるかがポイント
新サイクルでの規制値検証を行うなど採用検討にあたって作業が必要。
欧州 EURO 5/6 EU規則適用にあたって新サイクル導入を予定している。
従ってWLTCの完成、UN規則改正に一番積極的
同左 同左


 欧州委員会は作業開始当初より2014年からの欧州燃費規制に間に合わせることを強く要望していた。現在、EUの規則は安全のみならず、環境関係も国連の国際統一基準を導入することを基本政策としているためである。従って、2014年以降の欧州の排ガス、燃費規制に用いられる試験サイクルやその試験方法は国連での統一基準に負うところが大きい。

 日本は既に2020年からの新燃費基準について、現行のJC08モードを基に導入方針を定めたが、WLTCが国連で承認されれば可能な限り早い時期に導入を検討するとしている。

 インドも積極的に活動に参加し様々な提案を行っていることから、成立後、導入することになると思われる。


 WLTPの導入で最も大きな影響が予想されるのは排出ガス/燃費の計測値が変わることである。試験サイクルの形状が変わり、平均車速や部分的な加速度が変わるので、当然、得られる計測値は、これまで各国、地域で行われてきた数値と異なると予想される。

 しかし、試験サイクルを具体的にどのように走行するか、まだ最終的な結論が出ていないため、どのように計測値が変化するのかはまだ明確になっていない。世界統一試験サイクル(WLTC)とその試験方法が提案される2013年秋と前後して、日本やEUでは規制値への影響を検討し、導入の方法を検討する作業がそれぞれの法規・手順に従って行われることになる。
(結果の断定は出来ないが、超低速(10km/h前後)での走行やアイドリング時間が減少すれば結果として平均車速が高くなっても一般的に燃費は良い値が得られる。また電気自動車での測定値の変更については図10を参照下さい)。

 
 一方、ガソリン、ディーゼル車ともに近年、排出ガス対策はエンジンから出た後の触媒等を用いた後処理に大きく依存しており、試験サイクルの違いは排出ガス測定値に影響するものの、その影響度合いは小さい。

 近年、排出ガス規制が厳しくなり、規制値が低い中で、日本では既に多くの車が、低排出ガス車認定を受けている状況でもあり、試験サイクルがどのように変わろうとも、現行規制値を維持することは可能である。

 排出ガス値あるいは燃費値の評価では、先に述べたように、日本の場合、コールドスタート試験とホットスタート試験の重み係数が無くなるかあるいは変更されることになる。

 試験条件に関しては、試験車重量設定、走行抵抗測定法など細かい試験設定条件が変わるはずである。なかでも試験車重量設定の変更が計測結果に最も大きな影響を及ぼす。

 NOx、PMなどの排出ガス成分の測定法に関しては基本的に大きく変わるところは無い。

 



3)電気自動車への統一試験法(WLTP)の応用

 市場に電気自動車や各種ハイブリッド自動車が多くなってきたことから、WLTP作業の途中からWLTPサイクルを使用したこれらの車両の試験方法が議論されている。検討母体は図2にあるE-Labサブグループである。ここでは日本が積極的に議論をリードしている内容を中心に一部を紹介する。

 

図9 E-Labサブグループ検討事項

E-Labサブグループ検討事項

(資料: http://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2012/wp29grpe/WLTP-DTP-08-12e.ppt)
*) RCB: RESS Charge Balance (=SOC)
*) RESS: Rechargeable energy storage system
*) AER: All Electric Range
*) EAER: Equivalent All Electric Range
*) RCDR: Charge Depleting Range
*) NEC: Net Energy Change = RCB * nominal voltage of RESS


 図9にハイブリッド車試験法の概念を示している。ハイブリッド車の試験において結果の信頼性、再現性を確保するためには、試験前の車載電池の状態を一定に保つ必要がある。このため、電池を放電させた後、タイヤ圧の確認、一定温度条件での放置(ソーク)、決められた条件での走行、充電など様々な手順を経た後、試験サイクルの走行に入る。

 それらの詳細条件を定めるための検討作業が行われているが、多くの知見を有する日本の意見が議論をリードしている。WLTPに反映させる電気自動車に関する知見の一例を図10に示す。一充電走行距離の測定値が現行のJC08モードと新試験サイクル(WLTC)とでは20%ほど異なることが分かる。電力消費率も同じである。これは試験サイクルの違いによる影響が最も大きいが、加えて細部の試験法の規定の変更も影響している。

 

図10 一充電走行距離、電力消費率
  WLTC (23.112km) JC08 (8.172km)
一充電走行距離[km] 101 129
電力消費率[Wh/km]
(外部電源からの充電電力量)
147
(14.8kWh@AC200V)
115
(14.9kWh@AC200V)

 

 WLTCパート
(走行距離 A km)
Low
(3.06)
Mid
(4.74)
Hi
(7.06)
Ex-High
(8.25)
電力消費量 : Y [kWh] 0.29 0.50 0.76 1.11
予測一充電走行距離 : X [km] 137 123 120 97

一充電走行距離、電力消費率

(資料: http://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2012/wp29grpe/WLTP-DTP-08-12e.ppt)

 


 細かい規定が測定結果に影響する例として、図11に充電電圧の影響を示す。同じ車でも、充電電圧が異なれば、一充電走行距離、電力消費率に影響を与えていることが分かり、これらの条件も試験法に細かく定義すべきか、議論が必要である。 最終的には電気自動車、ハイブリッド自動車の計測法も変更される。将来は試験サイクルの変更による電気自動車の公式航続距離に差が生じる等の影響がでる。

 ただし、日本の場合、E-Labサブグループでは日本主導で作業が進められているので、将来、日本の試験法が国際基準となれば我が国の基準への影響は最小限に抑えられる。

 

図11 充電時電圧の影響AC200V vs. AC100V
充電時電圧の影響AC200V vs. AC100V
充電電圧 AC200V AC100V
一充電走行距離 [km] 101 106
充電電力量 [kWh] 14.8 16.9
電力消費率 (WLTC v3 HS1127) [Wh/km] 147 159

(資料: http://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2012/wp29grpe/WLTP-DTP-08-12e.ppt)

 



4)今後の展望

 現在の予定では2014年3月には国連のWLTPによるテストサイクルとその試験方法が完成し、WP29で承認される予定である。日本及び欧州の規則は基本的にこの内容が反映される。

 国連ではこの内容を1958年協定下での国連の統一規則(UN規則)に導入する作業が開始され、将来的には排出ガス規則(UN R83)、および燃費に関する規則(UN R101)にはWLTPの成果物が反映される。

 2016年より開始される国連の総合車両認証制度(IWVTA)の統一規則(UN R0)の環境関係の技術要件リストにはこれらのUN規則が含まれている。従って、1958年協定加盟国は個別のUN規則認証だけでなく、車両認証の相互承認にも利用されるなど、広くこの作業の影響を受けることになる。

 (注)米国はWLTP当初は提案国のひとつであったものの、その後、国内事情により、作業開始後の会議には参加していなかった。しかし、2012年になってから再び、作業に興味を持ち始め、今後の活動に参加することを明らかにした。ただし、参加する前提として根本的な作業内容の見直しを要求しているため作業グループ内には困惑が広がっている。

最終的には日、EUの政治判断で受け入れることになると考えられるが作業計画自体の大幅な遅れにつながることになる。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>