米国自動車メーカーのHEV/EV計画

Fordはトヨタと、GMはLG Groupと提携し、電動車両の開発を加速

2011/09/13

要 約

 以下は、Detroit 3と米国の新興自動車メーカーのHEV(Hybrid Electric Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)の開発・発売計画の概要である。

 GMは、2011年から新世代マイルドHEV eAssistシステムを採用し、今後多くの中型・小型車に搭載していく計画。また2010年末に発売したPHEV Chevrolet Voltのシステムを数車種に採用する。EVは、欧州で発売する小型車に、2013年にも設定する。

 Fordは、リチウムイオン電池を搭載するHEVとPHEVをC-Maxに搭載し、2012年に発売する。EVは2010年末にTransit Connect Van EVの生産を開始し、2011年末にFord Focusに設定する。

 Chryslerは、2009年にDurango、AspenのTwo-mode HEVの生産を中止し、現在HEVを販売していないが、2013年にChrysler 300とミニバンにHEVを設定すると発表した。また2012年に、Fiat 500 EVを米国で発売する。

 なお、Fordは、次期型Light Truck用HEVシステムを、トヨタと共同開発すると発表した。GMは、LG Groupと開発段階から協力し、電池システムやEV関連技術を共同開発する。いずれの計画も、開発期間と費用を節約し、電動車両ラインアップの拡大を目指している。

 新興メーカーでは、2008年秋に高級スポーツカーRoadster EVを発売したTesla Motorsに続き、2011年にFisker AutomotiveがKarma PHEVを発売した。両社とも高級車からEV/PHEV市場に参入したが、販売台数が期待できる中型車の準備を進めている。Wheego Electric Carsは、2人乗り小型EVを発売した。

 他の新興メーカーでは、Coda Automotive(中型セダンEV)、Li-ion Motors(スーパースポーツカーEVとコミューターEV)、Bright Automotive(商用バンPHEV)が、2011~2012年の発売を発表している。

 米国では、2016MYでCAFE(自動車メーカーごとの平均燃費)を35.5 mpgに向上させる規制が決定している。さらにオバマ大統領は、2025MYで54.5 mpgとすることを提案し、また2015年までに、米国の路上にEVとPHEV合計100万台を走らせるとの目標を掲げている。



GM:VoltのPHEVシステムと、eAssistシステム搭載車を拡大

 GMは、BASと呼んでいたマイルドHEVシステムをレベルアップし、eAssistシステムとして2012MY Buick LaCrosse/Regal 4気筒車に標準搭載する。フルHEVに比べコストが低くしかも燃費効率が高いとして、中型・小型車に搭載を拡大するとされる。

 2010年12月に、PHEV Chevrolet Voltを発売した。欧州仕様のOpel Amperaを2011年に発売。またVoltのシステムをミニバンなど他の数車種に拡大し、GMの技術革新をアピールする計画。

 EVについては、欧州GMが2013年に発売するCorsaよりワンランク下の小型車に設定する計画。またGMは、2010年9月に、Chevrolet CruzeベースのEVを発表し、韓国ソウルで走行実験を開始した。

 GMは、2011年8月、今後開発する電動車両について、LG Groupと開発段階から協力すると発表した。LG Groupの電池およびEV関連技術を活用することにより、開発を加速し電動車両のラインアップを拡大する。

GM:2010年末にPHEV Volt、2011年秋に新世代マイルド HEV "eAssist" を発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
RWD用
Two-mode
HEV
Chevrolet Tahoe 2007
GMC Yukon 2007
Cadillac Escalade 2008
Chevrolet Silverado 2009
GMC Sierra 2009
マイルドHEV
(eAssist)
Buick LaCrosse (注3) 発売
Buick Regal 発売
Chevrolet Malibu Eco 発売
PHEV Chevrolet Volt (注4) 発売
Opel Ampera(注4) 発売
Voltのシステムを搭載(注4) MPVやCadillac SRXなど
EV Corsaの下の小型車(注5) 発売
Chevrolet Cruze EV(注6) 2010年10月から韓国で走行実験
EN-V(注7) 大都市での走行実験を検討する
資料:GM 広報資料 2010.9.23/2011.6.6/2011.6.8, Automotive News 2011.3.7/2011.3.23/2011.5.23/2011.6.6
(注) 1. "~2010年" 欄の表示は、当該モデルの発売年。2010年発売車は"発売"と記載(後出表も同様)。
2-1. GMのTwo-modeシステムは、RWD(後輪駆動)大型車の燃費を改善し、牽引力も維持することを目指したHEVシステムで、現在フルサイズPickupとSUVのみに搭載している。
2-2. GMは、FWD用 Two-mode HEVシステムと、それをベースとしたPHEVシステムを開発してきたが、今後の搭載計画は不明。
3-1. GMは、BASと呼んでいたマイルドHEVシステムを改善し、2011年からeAssistとして搭載する。BASは Belt-alternator starter system の略語で、motor/generator がベルトを介してエンジンをサポートするマイルド HEV システムだったが、2010年に生産を終了した。
3-2. eAssistは、日立製リチウムイオン電池を搭載し、2011年に2012MY Buick LaCrosse/Regalの4気筒2400ccエンジン車に標準搭載する。LaCrosseの燃費は25 mpg city/37 mpg highway(highway燃費が前代モデル比25%改善)。一定条件下でのEV走行も可能。eAssistはフルHEVより低コストで燃費効率が高く、GMは"light electrification"と呼び、多くの中型・小型車に搭載する計画とされる。
4-1. PHEV の Chevrolet Volt は、2010年11月に量産を開始した。LG Chem製16kWhのリチウムイオン電池(8年間/10万マイル保証付)、111kWの駆動用モーター、55kWの発電兼用モーター、63kWの1400cc発電用ガソリンエンジンを搭載。3個のクラッチと一組のプラネタリーギアで2個のモーターの稼働や駆動システムを制御する。EV 走行距離は 25~50マイル(EPA理論値は35マイル)、最高時速100マイル。価格は40,280ドルから。
4-2. 欧州GMは、Chevrolet Voltの姉妹車を、Opel Amperaとして2011年11月に発売する。ドイツでの価格は、42,900ユーロ。
4-3. GMは、Voltの技術を搭載するミニバンやCadillac SRX (crossover車)を計画。Voltを、技術のブレークスルーとして、GMのイメ-ジアップに活用する。
5. 欧州GMは、Corsaより小型の新モデルを開発し、2013年に生産を開始する。内燃エンジン車発売後、2013年をめどに都市生活者向けEVも設定するとしている。
6-1. GMは、2010年9月にChevrolet CruzeベースのEVを発表し、10月から韓国のソウルで走行実験を開始した。リチウムイオン電池はLG Chemが、駆動システムはLG Electronicsが開発を担当した。
6-2. Chevrolet Cruze EVは31kWhのリチウムイオン電池と150kWのモーターを搭載、発進から60 mphまで8.2秒、最高速度102 mph、航続距離は100マイル。
7. EN-Vは、Electric Networked Vehicleの略で、2010年上海モーターショーに出展した。セグウエイ・スクーター方式の、2輪で2人が横に並んで座るEV。北京やニューヨークなどの密集した大都市での走行実験を検討する。

GM:LG Groupと共同開発し、電動車両のラインアップを拡大

 2011年8月、GMは、Chevrolet VoltとOpel Amperaの商品化においてLG Groupが果たした役割を評価し、GMの将来のElectric Vehicleを両社が共同で開発すると発表した。GMは、LG Groupの電池および関連システムを採用することにより、電動車両のラインアップを拡大する。最良の部品サプライヤーと組むことにより、開発費と時間を節約できるとしている。協働の対象は、電池など主要部品から車の構造やarchitectureにおよぶ。
 GMとLG Groupは、2010年9月にGMが発表したChevrolet Cruze Electric Vehicleでも協力している。米国政府が、2025MYまでに企業平均燃費(CAFE)を54.5 mpg (23.2km/L)とする燃費規制案を発表するなど、世界中でより厳しい燃費規制が導入されるなか、全くガソリンを消費しないEVの重要性が高まっており、GMは電動車両の開発を加速させるとしている。
資料:GM広報資料 2011.8.25、日本経済新聞 2011.8.26
(注) 1. LG Groupは、傘下にLG Chem、LG Electronics(LG電子)を持ち、LG側はリチウムイオン電池の供給に加え、EVの電気系統のシステム構築などを担当する。
2. GMは、2009年の破産法手続きにより電動車両開発が約1年遅れてしまったため、開発を加速するとしている。

 



Ford:2012年に、リチウムイオン電池を搭載するHEVとPHEVを発売

 Fordは、Detroit 3のうち最大のHEVメーカーで、2004~2010年の間に17万台のHEV(トヨタ/アイシンAWの技術ベースで、ニッケル水素電池を搭載)を販売した。2020年までに、Fordの世界販売の10~15%が電動車両になると見込んでいる。

 2012年に、リチウムイオン電池を搭載するFord C-Max HEVと、C-Max Energi PHEVを発売する。

 また、Azure Dynamics社と共同で、FシリーズのSuper dutyバージョンであるF-550に、Azure社が開発したPHEVシステムを搭載し2013年に発売する。

 EVについては、2010年末に同じAzure社と協力してTransit Connect Electricの生産を開始した。2011年末にFocus EVを発売する。

 2011年8月、Fordとトヨタは、後輪駆動式小型トラック(主にフルサイズピックアップとSUV向け)のHEVシステムを共同開発することで合意した。米国政府が推進する燃費規制強化に対応し、2010年代中の実用化を目指す。

Ford:2011年に Focus EV、2012年にリチウムイオン電池を搭載するHEV/PHEV を発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
HEV Ford Escape 2004
Ford Fusion 2009
Lincoln MKZ 発売
Ford C-Max(注1) 北米発売 欧州発売
PHEV Ford C-Max Energi(注1) 北米発売 欧州発売
F-Series Super Duty(注2) 発売
EV Transit Connect Van (注3) 生産開始
Focus EV(注4) 発売
資料:Ford 広報資料 2011.1.10/2011.7.27、Automotive News 2011.4.25/2011.6.13
(注) 1-1. Fordは、2013MYで、Ford C-Max HEVとC-Max Energi PHEVを発売する。Fordは、欧州で販売するC-Max 7人乗りガソリン車を北米では発売せず、北米ではHEVおよびPHEV専用モデルとして発売する。ボディーも、標準C-Maxのスライドドアを廃止するなど変更する。
1-2. 両モデルとも、Compact Power社(LG Chemの米国子会社)製リチウムイオン電池を搭載(Fordがリチウムイオン電池を搭載するのは初)。電池パックはFordが自社開発し、Michigan州の工場でパック化する。HEVは 47 mphまでのEV走行が可能。
1-3. Ford C-Maxは、Focusと同じC-platformベースで、Ford Focus、Focus Electricを生産するMichigan Assembly Plantで生産する。
2-1. FordはAzure Dynamics社と共同で、Fシリーズの重量車F-550(F-Series Super Duty cab and chassis)に、Azureが開発したPHEVを搭載し2013年に発売する。次いで、F-450、F-350にも設定する計画。
2-2. Azure Dynamicsは、Ford E Series(フルサイズバン)をHEVに改造して、"E-450 Balance"の商品名で販売している。
3. Transit Connect Van EVは、トルコ工場でボディーを生産し、Azure Dynamics社がEVシステムを担当、Johnson Controls-Saft製28kWhのリチウムイオン電池を搭載し、2010年末に生産開始した。EV走行距離は80マイル。価格は 54,000ドルから。
4. Fordは、Focus EVを2011年末に発売する。LG Chem製23kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は100マイル。EV駆動システムは、Magna Internationalと共同開発した。FordのFocus EVについての見通しは慎重で、最初の1~2年の生産計画は年間5,000台未満とされる。

Fordとトヨタ:次世代小型トラック用HEVシステムを共同開発

 Fordとトヨタは、2011年8月、後輪駆動式(RWD)小型トラックおよびSUV向け次世代HEVシステムを共同で開発し、2010年代中に実用化すると発表した。両社は覚書きに調印し、フィージビリティスタディを行い方向性と範囲を確認したうえで2012年に正式に合意し、燃費と高性能を両立させるHEV技術を確立する。
 新開発のハイブリッドシステムは、技術やコンポーネントは共通化するが、各車種への導入や動力性能の決定は、それぞれ独自に決定する。
 また両社は、テレマティクスについても、今後必要となる標準や技術について協業することで合意した。ただし、車載商品や機能については、両社が独自に実施する。
資料:Ford・トヨタ共同広報資料 2011.8.22、Automotive News 2011.8.31
(注) 1. トヨタは、アイシンAWを通じて、FordにHEV基幹部品を供給している。
2. GM、DaimlerChrysler(当時)とBMWがフルサイズピックアップと大型SUV向けに共同開発したTwo-mode HEVシステムは、GM/Daimler/BMWが販売しているが、高コストと牽引力不足のため販売は低迷している。
3. 米国では、2016MYのメーカーごとの平均燃費を、乗用車は39.5 mpg、Light Truckは29.8 mpg、全体で35.5 mpgとする規制が発効した(Light Truckにとって特に厳しい数値とされる)。またオバマ大統領は、2025MYの平均燃費を54.5 mpgに向上させることを提案している。
4. このように燃費向上が求められる一方、フルサイズピックアップやSUVは米国社会に必要な商品であるとの認識に立ち、両社が協力することで、より早く手頃な価格のHEVを提供したいとしている。

 



Chrysler:2012年にFiat 500 EV、2013年にChrysler 300 HEVを発売

 Chryslerは、HEVについては、Durango/AspenのTwo-mode HEV生産を2009年に中止し、現在販売している車種はないが、2013年にChrysler 300、ミニバンにHEVを設定すると発表した(2011年1月発表)。

 また新たな技術として、米国EPA(Environmental Protection Agency)と共同でHydraulic Hybridシステムのミニバンへの適用を研究・開発している。

 EVについては、Fiat 500 EVをメキシコ工場で生産し、2012年に米国で発売する。

 また米国DOEの支援を受け、RAM 1500 PHEVの試作車を150台生産し、2011年に走行実験を開始した。

Chrysler:2012年にFiat 500 EV、2013年にChrysler 300 HEVを発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
HEV Dodge Durango 2009年に
生産中止
Chrysler Aspen
Chrysler 300(注1) 発売
ミニバン(注1) 発売
Hydraulic Hybrid(注2) 開発スタート 走行実験
EV Fiat 500 (注3) 米国発売
PHEV Dodge Ram 1500 (注4) 150台の試作車を生産し走行実験
Town & Country(注5) 2011年後半から走行実験
資料:Chrysler広報資料 2011.1.19、Automotive News 2011.2.14、日経産業新聞 2010.11.9
(注) 1. 2011 Detroitオートショーで、マルキオーネCEOが発表した。V6 Pentastarエンジン、ZF製8速ATとモーターを組み合わせ、Chrysler 300とミニバンに搭載する。また姉妹車Dodge Chargerや他のPentastarエンジン搭載モデルへの設定もありうるとされる。
2-1. Hydraulic Hybridの技術は、もともとEPAが開発した。エンジンとブレーキエネルギー回生により、窒素ガスを圧縮して高圧アキュムレーターに貯め、発進や加速時に高圧ガスを放出してモーターを回し駆動をアシストする。高額の電池を必要とせず、燃費を30~35%向上させるが、機器搭載に広いスペースが必要になる。
2-2. EPAは、大型の配送バンやゴミ収集車への適用でEaton社と協力し、Eaton社はHydraulic Launch Assistの商品名で実用化している。
2-3. ChryslerとEPAは、大型乗用車やlight-duty vehicleでの商品化を目指す。2012年にミニバンTown & Countryベースの実験車両を生産し、走行テストを行う計画。
3. Chryslerは、Fiat 500 EVをメキシコ工場で生産し、2012年に米国で発売する。韓国のSamsung SDIとBoschが共同で設立したSB LiMotiveがリチウムイオン電池を供給する。生産台数は限定される見込み。
4. Ram 1500 PHEVは、V8 5700ccガソリンエンジン、Two Mode HEVシステム、12.9kWhのElectrovaya製リチウムイオン電池を搭載し、2011年から3年間の走行実験を行う。Ram 1500 PHEV 150台の生産に際して、米国Department of Energyから48百万ドルの支援を受けた。量産の見通しは発表していない。
5. Chryslerは、ミニバンTown & Country ベースのPHEV 25台も開発し、2011年後半からテスト走行を行う。

 



米国新興メーカーのEV/PHEV計画

Tesla Motors:2012年半ばに、中型車Model Sを発売

 Tesla Motorsは、2008年秋に価格109,000ドルのTesla Roadster EVを発売し、2011年初めまでに世界30カ国で1,500台を販売した。2012年半ばに、2番目のモデルとして価格49,900ドルのModel Sを発売、2013年にModel X(Crossover EV)、数年内に3万ドル以下の価格で販売するSmall EVを発売する計画。

 またTesla Motorsは、手頃な価格のモデルに注力するために、2011年後半にRoadsterの生産を中止するとされる。Tesla Motorsは、2011年6月末時点で523百万ドルの累損があり、Model S(2013年に2万台生産する計画)の販売が軌道にのるまでは、四半期決算での赤字が続く見込み(注3)。

Tesla Motors:2012年半ばに、価格49,900ドルのModel Sを発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
EV Roadster 2008
Model S(注2) 量産開始
Model X(Crossover EV) 発売
Small EV 数年内に発売
資料:Tesla Motors広報資料 2011.1.10/2011.1.11/2011.6.8、Automotive News 2011.8.8
(注) 1. 2010年には、株式公開などTeslaにとって重要な出来事が続いた。
1-1. 5月:トヨタとEV開発で提携すると発表。同時にトヨタは5,000万ドルをTeslaに出資した。
1-2. 5月:GM・トヨタ合弁のNUMMIの跡地を購入した。まず2012年からModel Sを量産する。
1-3. 6月:株式を公開し2億ドル強の資金を得た。
1-4. 10月:TeslaがトヨタRAV4 EVの開発に協力することで合意。トヨタが2012年に米国で発売するRAV4 EVは、Teslaが供給する、民生用18650型リチウムイオン電池を多数繋いだ電池システムを採用する。
1-5. 11月:パナソニックがTeslaに3,000万ドルを出資した。Teslaは、パナソニックを含む複数の電池メーカーから購入しているが、今後パナソニック製リチウムイオン電池を優先して購入する。またパナソニック製リチウムイオン電池セルをTeslaがパック化し、他の自動車メーカーに販売するため、共同で営業活動を行う計画。
2-1. Model Sは、49,900ドルで発売する7人乗りセダン(大人5人+子供2人)で、発進から100km/hまで6秒以下で加速する。航続距離は、260km、370km、480kmの3タイプから選択できる。
2-2. 2012年に5,000台、2013年に20,000台生産する計画。
3. Tesla Motorsの2011年1~6月期の損益は、売上高107百万ドル、研究開発費94百万ドルなどの経費支出があり純損失108百万ドル。また6月末時点で523百万ドルの累損がある。

 

Fisker Automotive:2011年にKarma PHEVを発売、2012年から中型セダンを生産

 Fisker Automotiveは、2011年7月に、Fiskerによれば世界初のプレミアムPHEVであるKarmaを発売した。世界で年間15,000台の販売を目指す。2011年秋から中国でも販売を開始する。

 Fisker Automotiveは、2016年までに派生車を含め合計6車種を発売する計画。

 2012年第4四半期に、中型セダンPHEVをGMから購入したDelaware州のWilmington工場で生産開始する。BMWからガソリンエンジンを購入し搭載すると発表した。

Fisker Automotive:高級セダンPHEVに続き、2012年にMid-size Sedan PHEVを発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
PHEV Fisker Karma(注1) 発売
Mid-size Sedan(注2) 生産開始
Mid-size Sedanベースの
CoupeとConvertible
2016年まで
に投入
資料:Fisker Automotive広報資料 2011.3.1/2011.7.26/2011.9.1、Automotive News 2011.2.28/2011.8.8
(注) 1-1. Fisker Automotiveは、2011年7月に最初のモデルとなるFisker Karma PHEVを発売した。全長4996mm、全幅1984mm、全高1330mmの4人乗り車。価格は95,900ドルからだが、政府支援7,500ドルが受けられる。フィンランドの組立メーカーValmet Automotiveで生産する。
1-2.  20kWhのリチウムイオン電池、GM製2000cc直噴ターボエンジン、175kWのジェネレーターと、150kWの駆動用モーター2個を搭載し、EV走行距離50マイル、エンジンによる発電でさらに250マイル走行が可能、最高時速125マイル以上で、発進から60 mphまで5.9秒で加速する。燃費は100 mpgとしている。
1-3. Fisker Automotiveは、2010年12月に、中国で高級車(Mercedes-Benz、BMW、Lexusなど)を含む40ブランドの販売店200店を展開するChina Grand Automotive Groupと提携した。Fisker Karmaを2011年4月の上海モーターショーに出展し、2011年11月から販売を開始する。
2-1. Fisker Automotiveは、2012年第4四半期から、2番目のPHEVモデルとなるMid-size Sedan(Fiskerの社内呼称は"Nina Project")を、GMから購入したWilmington工場で生産する。
2-2. 2011年9月に、BMWから4気筒ターボエンジンを購入し、Mid-size Sedan PHEVに搭載すると発表した。契約では、ピーク時には年間最大10万基のエンジンを購入する予定。

 

Coda Automotive:2011年末までに、Coda Sedan EVを発売

 Coda AutomotiveはCoda Sedan EVを開発し、中国のHafei Automobileでボディーを生産、米国でEVパワートレインを装着して、2011年末までにまず米国California州で発売する。最初の12カ月で14,000台生産する計画。

 2010年末までに投入する計画であったが、資金調達や、セダンEVの生産準備に時間が必要になったとしている。

 また、2011年8月、新たに中国のGreat Wall Motorsと提携してEVを開発し、世界で販売する計画を発表した。

Coda Automotive:2011年末に、Coda Sedan EVを発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
EV Coda Sedan 発売
長城汽車の車ベース 新規提携
資料:Coda Automotive広報資料 2011.8.15、同websites、Automotive News 2011.8.22
(注) 1-1. Coda Automotiveは、中国のHafei Automobile Group(哈飛汽車集団)と提携し、4ドア、5人乗りCoda Sedan EVのボディーを中国Hafeiで生産し、米国California州の工場でEVパワートレインを装着して完成させる。
1-2. 36kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は120~150マイル。電池はCodaが自社開発し、Codaと天津市のTianjin LiShen Miles Power Battery Systemsとの合弁会社が生産する。将来、Ohio州に電池工場を建設する計画(ただし米国DOEから4億ドルの支援が得られることが条件)。
1-3. 価格は44,900ドルで、政府補助金7,500ドル適用後で37,400ドル、California州では5,000ドルの支援があり実質32,400ドルになる。
2. 2011年8月、Coda Automotiveと中国の長城汽車(Great Wall Motors)は、Great Wall車のボディーにCodaの駆動システムと電池を搭載するEVを共同開発し、全世界で販売することで合意した。共同開発したEVは、米国ではCoda、中国ではGreat Wallのブランドで販売する。なお、Coda Sedanの計画は、今回のGreat Wallとの合意とは関係なく予定通り進める。

 

Li-ion Motors:2011年に、スーパーカーEV InzioとコミューターEV Waveの生産開始

 Li-ion Motorsは、EVスーパースポーツカー"Inzio"と、2人乗りコミューターEV "Wave"を開発した。2011年夏現在、両モデルとも米国DOT(Department of Transportation)の審査中で、認可があり次第2011年内に量産を開始する。

Li-ion Motors:2011年内に、InzioとWaveの生産を開始

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
EV Inzio(注2) 生産開始
Wave(注3) 生産開始
資料:Li-ion Motors広報資料 2011.6.10/2011.6.21
(注) 1. Li-ion Motorsは、これまでPT Cruiser、Mini Cooper、Yarisなどガソリンエンジン車のEV改造を行ってきた。
2-1. スーパーカー EV Inzioは、月に10~18台の生産が可能。
2-2. Inzioは、全長4445mm、全幅1981mm、全高1168mmの2人乗り車。3仕様があり、Rally Modelは40.32kWhのリチウムイオン電池を搭載し、価格は139,000ドル。Rally Touring Modelは、96.78kWhの電池を搭載し航続距離250マイルで、価格は180,000ドル。Rally Touring Extremeは、80.64kWhの電池を搭載し最高時速170マイルで、価格は249,000ドル。
3. Waveは、全長3860mm、全幅1828mm、全高1320mmの2人乗り車。2仕様あり、33.6kWh(航続距離は150マイル)または40.3kWh(200マイル)のリチウムイオン電池を搭載し、最高時速90マイル。

 

Bright Automotive:2012年に、商用バンIDEA PHEVの量産を開始

 Bright Automotiveは、2012年に商用バンIDEA PHEVを年5万台規模で生産開始する。GM Venturesが500万ドルを投資している。

Bright Automotive:2012年に商用バンIDEA PHEVを5万台生産

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
PHEV Bright IDEA 量産開始
資料:Bright Automotive website
(注) 1. Bright Automotiveは、商用バンPHEVのBright IDEAを、2012年に年産5万台規模で量産開始する。5,000人の従業員を雇用する計画。バンの積載量は 1 トンで、荷室容積は180立方フィート。
2. Bright Automotiveによると、米国で販売されている類似のLight Truckの平均燃費は15 mpg以下であるが、IDEAは100 mpgの燃費を実現するとしている。
3. GMは、2010年6月に設立したGM Venturesを通じて、Bright Automotiveに500万ドルを投資している。GMは、創業期のハイテク企業に小額であっても投資し、GMの事業を補完する新技術の入手を目指す。固体電池を開発中のSAKTI3などにも投資している。

 

Wheego Electric Cars:2011年に、2人乗りEV LiFeを発売

 ジョージア州Atlanta市に本社を置くWheego Electric Carsは、2011年4月に2人乗りEV LiFeを発売した。しかし資金の不足から量産に踏み切れない状況、と報道されている。

Wheego Electric cars:2人乗りEV LiFeを発売

~2010年 2011年 2012年 2013年 2014年~
EV Wheego LiFe 発売

資料:Wheego Electric Cars 広報資料 2011.4.15/2011.8.10、Automotive News 2011.8.8
(注) 2011年4月に、全長3010mm、全幅1605mmの2人乗り車 Wheego LiFeを発売した。30kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離100マイル、最高時速65マイル。NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)のFMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standard)の対象となるフルスピードカー。価格は32,995ドル(エアコンはオプションで1,995ドル)、政府の補助7,500ドルが受けられる他、ジョージア州など多くの州で5,000ドルの補助がある。

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