日本メーカーの2011年度計画

秋以降大幅増産へ、為替レート再見直しも

2011/08/31

要 約

 

 日本の自動車メーカー各社は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響を受け、3/4月は国内は前年に比べ4割程度の生産にとどまった。しか し、7月には,補助金の影響で活発化していた前年の9割程度の水準まで回復し、ほぼ通常の生産体制となった。秋以降、各社とも、前年に比べて1割から2割の増産体制に入る予定。

 全社見送られていた2011年度の業績見通しは、6月中旬より順次発表され、2011年度第1四半期決算発表時(8月初旬までに発表)には、トヨタ/ホンダが見通しを上方修正した。日本メーカー10社合わせた2011年度の見通しは、販売台数が前年度比4.5%増の2,147.7万台、売上高が同0.7%増の46.8兆円、営業利益は同23.4%減の1.47兆円。想定ドルレートは1ドル=80円。

 しかし、8月に入ってから更なる円高が続いており、8月中の為替レートはほぼ1ドル76円台後半で推移している。この水準が続けば、想定レートの見直しを迫られ、業績へ影響を与える可能性がある(トヨタは2011年度の1ドルの想定レートを、当初は82円としていたが、第1四半期決算発表時には80円と見直した)。

 

日本メーカーの2011年度計画と第1四半期決算の概況

四輪車売上台数(千台)連結売上高(億円)営業利益(億円)ドルレート (円)
2010 年度 決算2011年度2010 年度 決算2011年度2010 年度 決算2011年度通年 計画第1 四半期
通年 計画第1 四半期通年 計画第1 四半期通年 計画第1 四半期
トヨタ 7,308 7,600 1,221 189,937 190,000 34,410 4,682 4,500 (1,080) 80 82
ホンダ 3,512 3,435 547 89,368 87,000 17,146 5,697 2,700 225 80 82
日産 3,888 4,272 934 87,731 94,000 20,820 5,375 4,600 1,504 80 81.7
スズキ 2,642 2,819 594 26,082 26,100 6,073 1,069 1,100 256 80 82
マツダ 1,100 1,127 186 23,257 21,900 4,081 238 200 (231) 83 82
三菱 1,045 1,173 252 18,285 19,500 4,319 403 500 122 80 82
ダイハツ 893 892 192 15,594 15,700 3,297 1,034 850 172 80 82
富士重工 657 632 118 15,806 14,800 3,004 841 300 107 81 82
いすゞ 408 419 77 14,155 14,800 2,844 882 800 144 80 82
日野 108 128 22 12,427 13,500 2,326 289 350 46 80
10社合計 20,560 21,477 3,929 464,621 468,100 92,697 19,187 14,700 1,047 80 82
資料:各社の決算短信と決算発表資料
(注)1.
空欄は発表がないことを意味する。
2.
ドルレートの合計欄は、各社の平均値。


震災影響から脱し、夏には通常生産体制、秋以降には1割から2割の増産体制へ

2011年3月に発生した東日本大震災の影響で、日本の自動車メーカー各社は震災以降、生産休止・生産縮小を余儀なくされたが、夏に入りほぼ通常の生産体制に戻っている。 乗用車メーカー8社合計の日本国内生産台数をみると、3月は前年同月比42.5%、4月は同39.9%となったが、5月は68.0%、6月は84.8%と徐々に回復した。7月には同90.6%の水準となり、前年がエコカー補助金終了の駆け込み需要期で生産が増えていたことを考慮すれば、ほぼ通常の生産体制となった。

2011年度4月~7月累計の生産台数は、8社合計で、日本生産は前年同期比72.2%、海外生産は同88.2%となり、合計で同81.7%。年度通年の生産計画を公表している各社は、前年度並から10%程度超える生産台数を目標としており、秋以降、10%から20%の増産体制を組むことになる。

乗用車メーカー8社の2011年度生産台数

(台、下段は前年同期比(%))

3月(参考) 4月 5月 6月 7月 2011年度
4月~7月の累計
日本 トヨタ 129,491 53,823 107,437 249,660 262,328 673,248
37.3 21.6 45.6 84.1 87.5 62.3
ホンダ 34,754 14,168 34,746 43,289 70,809 163,012
37.1 19.0 46.6 49.4 81.5 50.4
日産 47,590 44,193 80,036 102,390 111,790 338,409
47.6 51.3 100.8 101.9 115.3 93.2
スズキ 41,790 58,398 64,848 75,475 88,457 287,178
39.8 68.9 73.9 77.1 91.3 78.2
マツダ 39,887 35,313 62,208 80,114 79,486 257,121
46.4 50.3 88.2 97.7 95.0 83.9
三菱 49,434 27,481 47,013 59,069 50,808 184,371
74.3 68.3 107.7 108.1 79.9 91.2
ダイハツ 28,091 20,578 41,893 59,389 52,937 174,797
42.7 37.4 85.2 97.8 95.1 79.2
富士重工 16,530 25,391 22,438 29,910 33,461 111,200
35.1 62.4 60.6 67.7 75.8 67.0
合計 387,567 279,345 460,619 699,296 750,076 2,189,336
42.5 39.9 68.0 84.8 90.6 72.2
海外 トヨタ 412,974 254,732 180,374 344,179 332,286 1,111,571
96.9 74.5 54.2 96.4 99.5 81.4
ホンダ 247,500 124,330 103,106 125,084 135,918 488,438
96.8 56.5 50.6 57.9 59.6 56.3
日産 335,114 203,831 288,878 317,441 276,890 1,087,040
133.3 81.7 125.7 125.0 118.6 112.4
スズキ 187,583 162,434 159,591 121,703 139,690 583,418
121.8 112.2 107.1 90.7 99.9 102.8
マツダ 40,278 26,700 20,366 33,672 23,898 104,636
114.5 107.1 76.6 101.2 68.5 87.4
三菱 56,795 40,758 45,772 47,198 47,054 180,782
107.9 102.6 115.1 125.3 119.8 115.6
ダイハツ 14,751 11,452 15,104 15,640 18,761 60,957
127.1 89.5 124.6 106.6 123.7 111.3
富士重工 14,829 8,900 11,712 12,650 6,373 39,635
106.9 67.5 175.3 63.0 83.1 83.2
合計 1,309,824 833,137 824,903 1,017,567 980,870 3,656,477
109.1 79.6 82.4 95.4 95.0 88.2
合計 トヨタ 542,465 308,555 287,811 593,839 594,614 1,784,819
70.1 52.2 50.7 90.8 93.9 73.0
ホンダ 282,254 138,498 137,852 168,373 206,727 651,450
80.8 47.1 49.6 55.5 65.6 54.7
日産 382,704 248,024 368,914 419,831 388,680 1,425,449
109.0 77.6 119.3 118.5 117.6 108.5
スズキ 229,373 220,832 224,439 197,178 228,147 870,596
88.6 96.2 94.8 85 96.4 93.1
マツダ 80,165 62,013 82,574 113,786 103,384 361,757
66.2 65.1 85.0 98.7 87.2 84.9
三菱 106,229 68,239 92,785 106,267 97,862 365,153
89.1 85.4 111.2 115.1 95.1 101.8
ダイハツ 42,842 32,030 56,997 75,029 71,698 235,754
55.4 47.2 93.0 99.5 101.2 85.6
富士重工 31,359 34,291 34,150 42,560 39,834 150,835
51.4 63.7 78.1 66.2 76.8 70.6
合計 1,697,391 1,112,482 1,285,522 1,716,863 1,730,946 5,845,813
80.4 64.3 76.6 90.8 93.1 81.7
資料:各社プレスリリースから作成

乗用車メーカー8社の2011年度生産計画

(万台、下段は前年同期比(%))

日本 海外 合計
トヨタ 314 458 772
104.5 105.5 105.1
ホンダ n.a. n.a. n.a.
n.a. n.a. n.a.
日産 115.5 345.8 461.3
107.6 112.3 111.1
スズキ 101 203 304
101.6 107.8 105.6
マツダ 90 n.a. n.a.
103.8 n.a. n.a.
三菱 n.a. n.a. n.a.
n.a. n.a. n.a.
ダイハツ 57.3 35.6 92.9
96.3 106.1 99.8
富士重工 46.3 16.7 63
100.9 101.5

101.1

資料:各社プレスリリースから作成
(注)1.

「生産実績」と「生産計画」は、基本的に同じ基準のデータとなっているが、日産とダイハツは以下のように異なる。

2. 日産の「生産計画」に含まれる中国/台湾のデータは1-12月ベースとなっており、「生産実績」と期間のずれがある。
3. ダイハツの「生産実績」にはOEM供給車の生産を含むが、「生産計画」には含まない。


連結売上台数:2011年度計画は4.5%増の計2,147.7万台、第1四半期は20.9%減の392.9万台

2011年度、日本自動車メーカー10社の四輪車連結売上台数は、2,147.7万台と前年度比4.5%増を計画している。特に日産は9.9%増の460万台(グローバル販売台数)を計画しており、2010年度に引き続き、過去最高の販売台数を計画。また、トヨタとホンダは、第1四半期決算発表時に、当初計画を上方修正した。トヨタは当初724.0万台の0.9%減から4.0%増の760.0万台へ、ホンダは6.0%減の330.0万台から2.2%減の343.5万台とした。他にダイハツと富士重工が、2010年度より低い2011年度販売計画を立てている。

2011年度の日本国内販売の計画は、エコカー補助金終了と震災の影響を受けた2010年度より、1.9%増の431.2万台。震災による影響を多く受けたホンダと、スズキ/ダイハツの軽自動車メーカーの計3社が国内販売の減少を見通している。また、2011年度の海外売上台数は、10社全体で5.1%増の1,716.5万台を計画している。内、日産とスズキは海外で10%前後の販売増を計画している。

2011年度第1四半期の連結販売台数は、10社合計で20.9%減の392.9万台。日本国内販売は31.6%減の73.2万台、生産回復の早かった日産、西日本に生産工場を持つ三菱、販売モデルが増加した富士重工の3社の販売減が小さい。海外販売は17.9%減の319.8万台。その中、日産、三菱、スズキが前期に比べて販売増を記録した。

日本の自動車メーカー10社の四輪車連結売上台数

(千台)

2007
年度
2008
年度
2009
年度

2010
年度

2011 年度
見通し
(初回発表時)
2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)
第1四半期
2010
年度
2011
年度
四輪車
売上台数
トヨタ 8,913 7,567 7,237 7,308 7,240 7,600 1,820 1,221
ホンダ 3,925 3,517 3,392 3,512 3,300 3,435 899 547
日産 3,698 3,138 3,159 3,888 4,272 874 934
スズキ 2,406 2,306 2,350 2,642 2,819 611 594
マツダ 1,240 1,116 963 1,100 1,127 268 186
三菱 1,337 1,011 805 1,045 1,173 240 252
ダイハツ 945 945 869 893 892 228 192
富士重工 597 555 563 657 633 632 150 118
いすゞ 509 401 288 408 419 104 77
日野 112 99 83 108 128 25 22
10社合計 22,624 19,611 18,757 20,560 20.983 21,477 4,966 3,929
国内
売上台数
トヨタ 2,188 1,945 2,163 1,913 1,930 1,980 500 292
ホンダ 615 556 646 582 565 565 145 91
日産 684 576 599 573 583 130 115
スズキ 673 665 622 588 575 152 113
マツダ 257 220 219 206 207 54 43
三菱 214 164 170 166 189 43 39
ダイハツ 571 587 568 527 516 137 101
富士重工 209 179 171 158 164 35 31
いすゞ 74 58 42 47 49 11 8
日野 46 35 27 29 35 6 5
10社合計 4,914 4,363 4,632 4,233 4,312 1,070 732
海外
売上台数
トヨタ 6,725 5,622 5,074 5,395 5,310 5,620 1,320 929
ホンダ 3,310 2,961 2,746 2,930 2,735 2,870 754 456
日産 3,013 2,562 2,560 3,315 3,689 744 819
スズキ 1,732 1,641 1,729 2,053 2,244 458 481
マツダ 983 896 744 894 920 214 143
三菱 1,123 847 635 879 984 197 213
ダイハツ 374 358 301 366 376 92 91
富士重工 388 377 392 499 468 115 88
いすゞ 435 343 246 361 370 93 69
日野 66 64 56 79 93 19 17
10社合計 17,709 15,248 14,126 16,326 17,165 3,895 3,198
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
Daimler 子会社の三菱ふそう、Volvo 子会社のUDトラックスは、決算を開示していない。
2.
トヨタとホンダは米国会計基準。”三菱” は三菱自動車。計画値は各社発表。「→」は初回の通期見通しと2011年度第1四半期決算発表時の見通しの数値が同じであることを示す。空欄は各社発表がないことを意味する(後出表も同じ) 。
3.
10社合計には、 トヨタとダブルカウントになるダイハツと日野の連結数値を含まない(後出表も同じ) 。
4.
連結売上台数には、生産用部品台数を一部に含む。
5.
日産・マツダの2011年度計画は、各社発表のグローバル販売台数計画の増減を10年度実績に加算した参考値。グローバ ル販売台数は小売ベースで、生産用部品として出荷し、持分法適用の在外会社で組立てた台数を含んでいる。
6.
スズキの売上台数は OEM 供給車を含まないスズキブランド車の台数だが、国内売上には Chevrolet ブランド車を 含む。2010年度の海外販売は一部、スズキによる予想値を含む。
7.
マツダの2010年度には、決算期を変更した海外子会社の15ヶ月決算の影響1.6万台を含む
8. 三菱自動車は2011年度より売上台数のカウント方法を変更し、新たな(卸売)売上台数にはOEM供給台数を含む。2010年度第1四半期の旧カウントの売上台数は22.8万台で、新カウントは1.2万台増となる。
9.
ダイハツと日野の売上台数は自社ブランド車のみ (トヨタの台数には、ダイハツと日野を含んでいる)。
10.
いすゞの2007年度には、海外連結子会社 8社の15ヶ月決算を含む (12ヶ月ベースの海外売上台数は 385千台)。


売上高:2011年度、合計で0.7%増の46.8兆円を計画、第1四半期は20.5%減の9.3兆円

2011年度、日本自動車メーカー10社の連結売上高は、前年度比0.7%増の46.8兆円を計画している。特に日産は7.1%増の 9.4兆円を計画しており、ホンダが同期間の売上高を8.7兆円(2.6%減)としているため、計画通りであると日産がホンダを売上高で追い抜くことになる。マツダと富士重工は、それぞれ5.8%、6.4%の売上減を予想している。

2011年度第1四半期の売上高は、10社合計で20.5%減の9.3兆円。震災の影響で20%を超える売上減を記録する中、販売台数増を記録した日産と三菱は、それぞれ1.6%と7.0%の売上高増を記録。一方、トヨタ、ホンダ、マツダは30%近い売上減を記録した。

日本の自動車メーカー10社の連結売上高

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011 年度
見通し
(初回発表時)

2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)

第1四半期
2010
年度
2011
年度
売上高 トヨタ 262,892 205,296 189,509 189,937 186,000 190,000 48,718 34,410
ホンダ 120,028 100,112 85,792 89,368 83,000 87,000 23,615 17,146
日産 108,242 84,370 75,173 87,731 94,000 20,501 20,820
スズキ 35,024 30,049 24,691 26,082 26,100 6,563 6,073
マツダ 34,758 25,359 21,639 23,257 21,900 5,780 4,081
三菱 26,821 19,736 14,456 18,285 19,500 4,037 4,319
ダイハツ 17,026 16,314 15,747 15,594 15,700 4,114 3,297
富士重工 15,723 14,458 14,287 15,806 14,800 3,703 3,004
いすゞ 19,248 14,247 10,809 14,155 14,800 3,663 2,844
日野 13,686 10,695 10,235 12,427 13,500 2,945 2,326
10社合計 622,738 493,626 436,356 464,621 460,100 468,100 116,580 92,697
国内
売上高
トヨタ 61,362 54,218 57,291 53,250
ホンダ 15,858 14,465 15,773 15,038 3,703 2,804
日産 21,878 20,383 18,032 18,694 4,161 3,967
スズキ 9,814 9,656 9,526 9,374 9,400 2,386 2,016
マツダ 8,801 6,203 5,750 5,415 5,800 1,365 1,160
三菱 4,885 3,984 3,685 3,633 824 761
ダイハツ 11,771 11,913 11,296 10,567 10,500 2,739 2,037
富士重工 5,440 5,075 5,208 4,673 4,500 1,045 988
いすゞ 6,547 5,338 4,330 4,986 5,100 1,182 974
日野 9,246 6,944 6,754 8,455
10社合計 134,586 119,322 119,595 115,063 24,800 14,666 12,670
海外
売上高
トヨタ 201,530 151,078 132,218 136,687
ホンダ 104,171 85,647 70,019 74,330 19,912 14,342
日産 86,364 63,987 57,141 69,037 16,340 16,853
スズキ 25,210 20,393 15,165 16,708 16,700 4,177 4,057
マツダ 25,957 19,156 15,889 17,842 16,100 4,415 2,921
三菱 21,936 15,752 10,771 14,652 3,213 3,558
ダイハツ 5,255 4,401 4,452 5,027 5,200 1,375 1,261
富士重工 10,284 9,383 9,079 11,132 10,300 2,658 2,016
いすゞ 12,701 8,909 6,479 9,169 9,700 2,481 1,870
日野 4,440 3,751 3,481 3,972
10社合計 488,153 374,304 316,761 349,557 52,800 53,195 45,617
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

国内売上高/海外売上高は、外部顧客の所在地別売上高を示している。



利益:2011年度、10社合計の営業利益見通しは23.4%減の1.47兆円、想定ドルレートは1ドル=80円

2011年度、各社の利益計画はほとんどが減益を計画し、10社合計の営業利益は23.4%減の1.47兆円、経常利益は28.2%減の1.51兆円、純利益は22.2%減の1.06兆円。特にホンダは3つの利益項目で50%を超える減益を見通している。一方、スズキ、三菱、日野の3社は全ての利益項目で増益を計画している(マツダも純利益は4年ぶりの黒字化を計画)。

2011年度第1四半期は、三菱を除いて各社が大幅な減益。トヨタは1,080億円の営業赤字、805億円の税引前赤字を計上した(純利益は、11億円の黒字を計上)。マツダは、3つの利益項目で赤字を計上した。

日本メーカーの2011年度の想定ドルレート(第1四半期決算発表時)は1ドル=80円でほぼ横並びであるが、マツダが83円、富士重工は81円を想定。トヨタは、ドルレートが80円台前半で推移していた当初の通期見通し発表時(2011年6月10日時点)の想定レートを1ドル=82円としていた。7月中旬以降、円高が進み1ドル=70円台後半が定着するのを受け、第1四半期決算発表時(8月2日)には想定レートを1ドル=80円に引き上げた。8月中の為替レートは、ほぼ1ドル76円台後半で推移している。

日本の自動車メーカー10社の連結営業利益/経常利益/純利益

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011 年度
見通し
(初回発表時)
2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)
第1四半期
2010
年度
2011
年度
営業利益 トヨタ 22,704 (4,610) 1,475 4,682 3,000 4,500 2,116 (1,080)
ホンダ 9,531 1,896 3,637 5,697 2,000 2,700 2,344 225
日産 7,908 (1,379) 3,116 5,375 4,600 1,679 1,504
スズキ 1,494 769 794 1,069 1,100 319 256
マツダ 1,621 (284) 95 238 200 64 (231)
三菱 1,086 39 139 403 500 (45) 122
ダイハツ 652 382 407 1,034 850 347 172
富士重工 457 (58) 274 841 300 226 107
いすゞ 1,096 217 110 882 800 238 144
日野 459 (194) 11 289 350 87 46
10社合計 45,897 (3,410) 9,640 19,187 12,500 14,700 6,941 1,047
経常利益 トヨタ 24,372 (5,604) 2,914 5,632 3,200 5,000 2,630 (805)
ホンダ 8,958 1,617 3,361 6,305 2,150 2,850 2,561 292
日産 7,664 (1,727) 2,077 5,378 4,410 1,550 1,477
スズキ 1,569 797 938 1,225 1,250 306 288
マツダ 1,485 (187) 46 369 150 41 (258)
三菱 857 (149) 130 389 400 (58) 103
ダイハツ 666 395 438 1,122 920 364 201
富士重工 454 (46) 224 822 250 242 117
いすゞ 1,223 152 114 913 800 231 144
日野 410 (304) (19) 251 310 71 38
10社合計 46,583 (5,147) 9,804 21,033 12,610 15,110 7,503 1,358
純利益 トヨタ 17,179 (4,369) 2,094 4,081 2,800 3,900 1,904 11
ホンダ 6,000 1,370 2,684 5,340 1,950 2,300 2,724 317
日産 4,823 (2,337) 424 3,192 2,700 1,066 850
スズキ 803 274 289 452 500 152 187
マツダ 918 (715) (65) (600) 10 (21) (255)
三菱 347 (549) 48 156 200 (118) 43
ダイハツ 349 221 212 526 370 199 68
富士重工 185 (699) (165) 503 350 191 285
いすゞ 760 (269) 84 516 650 124 87
日野 222 (618) (30) (100) 120 31 (49)
10社合計 31,015 (7,294) 5,393 13,640 9,160 10,610 6,022 1,525
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
米国会計基準を採用しているトヨタとホンダの経常利益欄は、税引前当期利益。
2.
トヨタは2011年3月期の震災の影響を除いた営業利益を5,782億円としている.東日本大震災による、営業利益への影響をマイナス1,100億円と見積もり、2011年3月期の通期の営業利益は4,682億円
3.
ホンダは、東日本大震災による損失は457.2億円で、2010年度の連結決算に売上原価に174.5億円、販売及び一般管理費に282.7億円を計上。
4. 日産は、災害による損失として、2010年度決算に396.05億円を、2011年度第1四半期に211.3億円を特別損失に計上。
5. スズキは、震災によって損傷した車両などの被害額約50億円を2010年度決算の営業外費用に計上。
6.
マツダは2010年度に、特別損失として北米事業の損失引当85億円、震災影響52億円を計上。また、震災の影響で2011年度の利益が当初の予定より水準が落ちることを考慮して繰り延べ税金資産の一部約567億円を取り崩し法人税等影響額に計上。2011年度第1四半期には災害による損失36.53億円を特別損失として計上。
7. 三菱自動車は災害による損失として、2010年度決算に23.65億円、2011年度第1四半期に6.3億円を特別損失として計上。
8. ダイハツは災害損失として、2010年度決算に50.17億円、2011年度第1四半期決算に20.25億円を特別損失に計上。
9.
富士重工は、災害による損失として、2010年度に74億円、2011年度第1四半期に57億円を特別損失に計上。また、2011年度第1四半期には本社ビル及び敷地の売却益として261億円を特別利益に計上した。
10.
いすゞは、東日本大震災による特別損失として、2010年度に90.3億円、2011年度第1四半期に5.6億円を計上。
11.
日野自動車は災害による損失として、2010年度決算に61.5億円、2011年度第1四半期に61億円を特別損失として計上。

日本の自動車メーカー10社の想定為替レート

(円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011 年度
見通し
(初回発表時)
2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)
第1四半期
2010
年度
2011
年度
ドル トヨタ 114 101 93 86 82 80 92 82
ホンダ 114 101 93 86 80 92 82
日産 114.4 100.7 92.9 85.7 80.0 92.0 81.7
スズキ 114 101 93 86 80 92 82
マツダ 114 101 93 86 83 92 82
三菱 115 101 92 85 80 93 82
ダイハツ 114 101 92 85 80 91 82
富士重工 116 102 93 86 81 92 82
いすゞ 115 101 91 85 80 93 82
日野 114 101 93 86 80
平均 114.4 101.1 92.6 85.7 80.6 80.4 92.1 82.0
ユーロ トヨタ 162 144 131 113 115 116 117 117
ホンダ 162 142 130 114 110 112 118 118
日産 161.6 144.1 131.2 113.1 115.0 117.0 117.4
スズキ 160 144 131 113 110 118 117
マツダ 162 144 131 113 113 117 117
三菱 162 144 130 113 115 119 118
ダイハツ 161 152 131 110 110 115 117
富士重工 147 132 114 115 121 117
いすゞ
日野
平均 161.5 145.1 130.9 112.9 113.3 117.8 117.3

(注) 複数レートを発表している場合は、売上レートを掲載。



営業利益の増益要因:為替変動・経費増による減益が、売上増と原価低減による増益を上回る

10社合計の、2011年度の営業利益の見通しと2010年度実績との差異は、4,487億円の減。増益要因は売上変動の2,289億円、原価低減等の1,527億円。減益要因は為替変動の4,308億円と、経費・研究開発費など(の増加)の3,301億円。

日本の自動車メーカーの営業利益増減要因

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011 年度
見通し
(初回発表時)
2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)
第1四半期
2011
年度


営業利益 22,704 (4,610) 1,475 4,682 3,000 4,500 (1,080)
営業利益増減 317 (27,314) 6,085 3,207 (1,682) (182) (3,196)
営業面/販売面 2,900 (14,800) (3,700) 4,900 (500) 1,300 (2,800)
原価改善 1,200 0 5,200 1,800 1,000 1,200 200
金融事業 2,700 (700) (500)
為替変動の影響 0 (7,600) (3,200) (2,900) (1,000) (1,600) (500)
諸経費 (3,302) (4,791) 4,700 (300) (482) (582) 100
(内)研究開発費 (681) 548 1,787 (250) (50)
(内)設備関連費用等 (997) (904) 378 1,200 200
(内)労務費 (602) 1,088 627 (400) (500)
(内)その他 (1,022) (5,523) 1,908 (850) 450
その他 (481) (122) 385 (293) (196)


営業利益 9,531 1,896 3,637 5,697 2,000 2,700 225
営業利益増減 1,012 (7,634) 1,741 2,060 (3,697) (2,997) (2,118)
売上変動/構成差等 1,700 (2,477) (2,465) 3,222 (1,192) (872) (1,348)
為替変動の影響 376 (2,695) (1,675) (1,376) (910) (710) (225)
コストダウン効果等 115 (1,825) 674 1,533 (710) (590) (831)
研究開発費 (361) 247 998 (242) (675) (675) 80
販管費 (818) (883) 4,209 (620) (210) (150) 205
震災の影響 (457)


(注
2)
営業利益 7,908 (1,379) 3,116 5,375 4,600 1,504
営業利益増減 353 (9,287) 4,495 2,259 (775) (175)
為替変動の影響 (162) (2,230) (1,625) (1,475) (1,350) (550)
販売台数・構成 750 (5,252) 269 4,331 1,900 20
購買コスト等 882 (1,342) 2,154 1,058 450 126
販売金融 295 136
リース損失引当金 (918) 1,417
研究開発費 (15) 645 (185) (620) 15
販売費 (381) 271 (1,915) (1,120) 78
その他 (721) 455 1,364 150 (35)


営業利益 1,494 769 794 1,069 1,100 256
営業利益増減 165 (725) 25 275 31 (63)
売上・構成変化等 408 (1,422) (696) 253 (89) (125)
為替変動の影響 225 (707) (469) (283) (280) (59)
原価低減 284 201 172 355 280 13
減価償却費 (117) 204 (6) 34 180 55
研究開発費 (166) (63) 62 47 (60) (2)
諸経費等 (469) 1,062 962 (131) 55


営業利益 1,621 (284) 95 238 200 (231)
営業利益増減 36 (1,905) 379 143 (38) (295)
台数・車種構成 80 (865) (606) 357 (142) (317)
為替変動の影響 234 (1,020) (765) (437) (36) (31)
商品力向上 (133) (190)
コスト削減 158 440 680 112 126 (4)
原材料市況 (440)
販売費用 (42) 65 227 (56) (50) 7
その他 (261) 105 843 167 64 50

営業利益 1,086 39 139 403 500 122
営業利益増減 684 (1,047) 100 264 97 167
台数/車種構成 543 (720) (856) 533 260 182
為替変動の影響 146 (761) (418) (342) (90) (35)
コスト低減等 154 365 544 211 220 30
原材料高騰の影響 (317)
その他 335 578 (86) (263) (24)
販売費用 (64) 174 252 (51) (30) 14
米国販売金融事業 (95) (123)



営業利益 652 381 407 1,034 850 172
営業利益増減 109 (271) 26 627 (184) (175)
売上/車種構成 190 113 (258) 224 (40) (191)
為替変動の影響 39 (80) (79) (17) (9) (4)
原価低減 106 105 123 150 80 22
品質改善費 (7)
販売関係費 (37) 79 29
諸経費等 (227) (408) 239 313 (294) (30)



営業利益 457 (58) 274 841 300 107
営業利益増減 (22) (515) 332 567 (541) (120)
売上構成差 (8) 3 87 831 (188) (190)
為替変動の影響 10 (435) (304) (356) (220) (83)
原価低減等 70 (32) 260 89 (119) (2)
試験研究費 (13) 92 57 (57) (51) (17)
諸経費 (81) (143) 232 61 37 172


営業利益 1,096 217 110 882 800 144
営業利益増減 26 (879) (107) 772 (82) (94)
売上変動/構成差 (113) (800) (807) 705 120 (123)
為替変動の影響 34 (156) (23) (24) (22) (15)
経済変動 (82) (273) 181 (98) (140) (6)
合理化 172 190 130 177 80 12
費用圧縮他 412 12 (120) 38
採算改善他 76 344
設備・研究開発関連 (137) (108)
子会社決算期変更 76 (76)

営業利益 459 (194) 11 289 350 46
営業利益増減 92 (653) 205 278 61 (41)
販売面の影響 82 (330) 231 337 320 (78)
経営環境面の変化 (36) (366) (70) (111) (260) (41)
原価改善 190 163 199 187 200 22
原価変動等 (144) (120) 190 (135) (199) 56
売り上げ(台数)の変化 (345)
10


営業利益 45,897 (3,410) 9,640 19,187 14,700 1,047
営業利益増減 2,571 (49,306) 13,050 9,547 (4,487) (5,894)
売上変動 6,260 (26,333) (8,774) 15,132 2,289 (4,701)
為替変動の影響 863 (15,604) (8,479) (7,193) (4,308) (1,498)
原価削減等 3,111 (2,416) 10,226 5,347 1,527 (418)
経費・研究開発費など (5,849) (4,348) 12,615 (3,449) (3,301) 707
その他 (1,814) (605) 7,462 (290) (694) 16
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
米国会計基準を採用しているトヨタとホンダの経常利益欄は、税引前当期利益。
2.
日産の購買コスト等には、原材料・エネルギーコストを含む。
3.
スズキの「売上高・構成変化等」には原材料影響を含む。
4.

ダイハツの「諸経費等」には「減価償却費」を含む。

5.
富士重工の原価低減等には原材料高騰影響を含む。


設備投資は31%増加の計画、研究開発費は3年ぶりに2兆円以上へ

2011年度の10社合計の設備投資計画は、前年度比31.3%%増の2兆0,560億円となり、2年連続増加の予定。また、10社合計の減価償却費の計画は1兆 4,260億円となっており、3年ぶりに設備投資額が上回る。研究開発費の計画も9.7%増の2兆1,530億円となり、3年ぶりに2兆円を超える見通し。

日本の自動車メーカー10社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費

(億円)

2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011 年度
見通し
(初回発表時)
2011 年度
見通し
(第1四半期
決算発表時)
第1四半期
2010
年度
2011
年度



トヨタ 14,802 13,025 5,790 6,423 7,200 926 1,164
ホンダ 6,540 5,991 3,297 3,113 4,300 428 593
日産 4,289 3,836 2,736 3,120 4,100 426 389
スズキ 2,436 2,162 1,312 1,303 2,100 397 327
マツダ 755 818 298 447 800 64 155
三菱 567 719 471 525 990 73 84
ダイハツ 1,117 767 367 406 650 60 71
富士重工 563 580 561 431 600 82 140
いすゞ 506 667 257 294 470 84 66
日野 437 584 285 300 600
10社合計 30,458 27,798 14,722 15,656 20,560




トヨタ 10,424 10,721 10,320 8,123 7,600 1,975 1,689
ホンダ 4,173 4,082 3,666 3,252 3,150 825 713
日産 3,709 4,212 3,633 3,721 894 932
スズキ 1,616 1,412 1,418 1,384 1,200 305 250
マツダ 665 752 764 716 700 182 174
三菱 719 790 690 627 670 158 137
ダイハツ 665 837 729 637 570 151 141
富士重工 655 651 571 498 550 116 116
いすゞ 415 396 395 364 390 92 91
日野 442 475 452 457 470
10社合計 22,376 23,016 21,457 18,685




トヨタ 9,588 9,040 7,253 7,303 7,600 1,829 1,865
ホンダ 5,879 5,631 4,633 4,875 5,550 1,182 1,102
日産 4,575 4,555 3,855 3,993 4,600 889 865
スズキ 1,087 1,150 1,088 1,041 1,100 218 220
マツダ 1,144 960 852 910 950 232 252
三菱 776 640 444 494 640 119 133
ダイハツ 442 442 437 382 400 99 81
富士重工 520 428 372 429 480 89 160
いすゞ 603 677 552 586 610 131 134
日野 395 409 381 411 415
10社合計 24,172 23,081 19,049 19,631 21,530
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

日産の設備投資と減価償却は、08年度からファイナンスリース関連を含む (07年度までは含まない)。08年度と同一基準の07年度投資は 5,164億円。

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