【新規掲載】グローバルトップ10メーカー生産予測(2018年第4四半期版)
2021年に世界全体のライトビークル生産は1億台を突破、VWグループがトップの座を堅持
2019/03/04
概要
※当予測レポートは、四半期ごとに最新版をリリースします。
・LMC Automotiveの予測(2018年第4四半期時点)によれば、世界全体のライトビークルの生産台数は2019年に9,560万台(2018年比1.2%増)、2021年に1億102万台(同7.1%増)に達する見通しである。
・主要グループでは、VWグループが中国での増産を背景に世界生産トップの座をより堅固なものとし、後を追うRenault-日産-三菱グループおよびトヨタグループとの差を広げる見通しである。また、中位グループでは、現代グループが台数を回復させ、2020年以降に再び800万台水準を達成すると予測される。
・また、米州と中国への事業集中を進めるGMの生産は650万台水準で横ばいと予測されるほか、Fordも600万台前後のレベルで停滞すると見込まれる。
解説
解説
Volkswagenグループ
2019年第1四半期(1~3月)のVWグループの世界生産は、欧州地域での生産が前年同期比3%減と減少するものの、世界全体では1%増と予測する。新排ガス規制WLTP導入の影響に加えて、2019年の初旬は貿易面の不確実性の高まりから主要市場の新車需要が冷え込むと見られ、欧州生産への逆風となる。ただ、この2019年第1四半期の欧州地域における減産は、いくつかの新モデルと全面改良車種の立ち上げを支えにしたアジア(前年同期比2.6%増)と北米(前年同期比25%増)での増産に補完されると見られる。また、2019年~2020年に予定されるモデル改良も、短期的に生産台数の増加を下支えすると考えられる。
Renault・日産・三菱グループ
2019年第1四半期のRenault-日産-三菱グループのグローバル生産は前年同期比5.6%減と、2018年末と同様のマイナス傾向が続くと予測する。トルコや英国といった市場の減速や、北米の需要減少、また、イランにおける販売停止に伴う生産量の喪失が、グループの生産にとっての重しとなっている。特に生産が落ち込むブランドとしてRenault(10.7%減)と三菱(15.5%減)を想定する一方、日産(1.4%増)とLada(11.7%増)はそれぞれインドやロシアでの販売の好調から生産が伸び、全体の落ち込みをある程度緩和すると見られる。
トヨタグループ
トヨタグループについては、北米の生産がカナダでの出荷が回復し始める2020年以降再び増加すると予測する。英国の生産については、新型カローラ・ハッチバックの生産開始に伴い、2019年内に回復に転じると想定される。一方でより長期の生産については、新興国での販売増を最大の牽引役に堅調な拡大が見込まれる。
現代グループ
現代グループのグローバル生産台数は、2018年以降年平均3.3%の成長率で増加し、2025年に957万台に達すると予測する。
GMグループ
生産能力の削減を進めているとは言え、北米はGMにとって当面最大の生産地域であり続けると想定する。事実、LMC Automotiveでは2018年から2025年までに北米の生産台数が11.1万台増加すると予測する。しかしながら、主に中国を牽引役にアジア大洋州が、台数のうえでは最も成長が予想されており、18年から25年の間に47.4万台増加すると予測する。
Fordグループ
Fordグループのグローバル販売は、2025年には670万台を上回り、2018年比で95万台増の成長を実現すると予測する。地域別で最も販売が増加するのは、ブランドの認知度が改善に向かっており、より多くのモデルが生産されているインドや中国をはじめとするアジアが想定される。2018年から2025年にかけて、インドと中国で合わせて55万台余りが増加するとみられる。グローバル販売の増加はSUVによって牽引されると見られ、2025年までの予測のスパン内に市場投入が計画されているFord MaverickやFord Fiesta SUVによる効果が見込まれる。
ホンダグループ
ホンダグループのグローバル生産台数は、新興国を牽引役に2024年に580万台を見込む。
Fiat Chrysler Automobilesグループ
FCAグループにとって米国は最大の生産拠点であり続けているが、Renegade、新型Compassといった小型SUVの認知度を世界的に引き上げており、Jeepブランドを中心に他国(特にメキシコ、中国、ブラジル、インド)での生産増加が見込まれる。
PSAグループ
収益分岐点を下回る稼働率で操業しているいくつかの工場では、新車種の市場への浸透が実現されない限り、大規模な合理化なしには一段の収益の悪化が不可避な状況となっている。しかしながら、グローバル生産については、中国とモロッコにおけるモデルチェンジや生産回復を支えに年平均1.9%の成長率が見込まれ、2022年には460万台弱に達すると期待される。
スズキグループ
現時点で、スズキグループの2019年の世界生産は前年比8%減の306万台と予測するが、インド市場の先行きに上方修正の余地がある中で、スズキの生産も上振れする可能性がある。
グループ別グローバルライトビークル生産台数予測(上位10社)
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
合計 |
88,600,400 |
92,849,545 |
94,962,921 |
94,515,226 |
95,600,658 |
98,331,348 |
101,238,943 |
Volkswagenグループ |
9,899,806 |
10,231,455 |
10,712,225 |
10,907,982 |
11,339,803 |
11,732,957 |
12,134,477 |
Renault・日産・三菱グループ |
9,384,103 |
10,023,377 |
10,621,331 |
10,595,379 |
10,388,046 |
10,694,288 |
11,098,048 |
トヨタグループ |
9,875,893 |
10,038,549 |
10,299,096 |
10,367,422 |
10,612,187 |
10,757,597 |
10,872,017 |
現代グループ |
8,042,204 |
7,962,350 |
7,388,769 |
7,616,235 |
7,883,607 |
8,158,227 |
8,435,484 |
General Motorsグループ |
6,725,201 |
6,951,416 |
6,802,378 |
6,584,544 |
6,553,307 |
6,593,561 |
6,552,265 |
Fordグループ |
6,400,369 |
6,326,093 |
6,318,962 |
5,745,512 |
5,605,188 |
5,841,581 |
6,023,593 |
ホンダグループ |
4,526,826 |
4,992,742 |
5,231,844 |
5,324,828 |
5,412,750 |
5,341,906 |
5,411,520 |
Fiat Chrysler Automobilesグループ |
4,738,881 |
4,695,044 |
4,684,359 |
4,820,127 |
4,572,608 |
4,547,029 |
4,796,974 |
PSAグループ |
4,264,724 |
4,362,673 |
4,199,349 |
3,998,911 |
3,977,323 |
4,230,023 |
4,447,161 |
スズキグループ |
2,914,754 |
2,861,016 |
3,192,151 |
3,335,953 |
3,059,990 |
3,035,824 |
3,093,470 |
その他 |
21,827,639 |
24,404,830 |
25,512,457 |
25,218,333 |
26,195,849 |
27,398,355 |
28,373,934 |
出典:LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast Quarter 4 2018)"
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載にはLMC Automotive社の許諾が必要になります。
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