CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2016年11月

2016年10月の新エネルギー車生産は前月比、前年同月比ともに減少

2016/12/08

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。
過去のCATARC提携レポートはこちらをご参照ください

 2016年10月の新エネルギー車(EV、PHV、FCVが対象で、鉛酸電池搭載車は含まない)生産台数は42,493台となり、前月比では2.9%減、前年同月比では13.5%減と7,000台近く減少した。2015年は第4四半期に生産が拡大したのに対し、2016年は9月、10月と2ヵ月連続で前年同月比減となっている。生産が減少している主な要因は、駆動電池の検証基準や商用車の補助金などが不明瞭になっているからである。

 2016年10月の新エネルギー車生産を車種別に見ると、乗用車の比率が過去最高の77%となり、特殊車両が前月比で6ポイント増加した。中でも、EV乗用車は前月比、前年同月比でともに増加となった。

図1 新エネルギー車の生産台数 (2016年5月~2016年10月)



中国国内生産

表1 新エネルギー車の車種別生産台数 (2016年10月)

 
PHV
EV
FCV
合計
乗用車
5,381
27,371
0
32,752
バス
1,346
6,684
12
8,042
特殊車両
0
1,699
0
1,699
合計
6,727
35,754
12
42,493


図2 新エネルギー車の車種別生産比率 (2016年10月)

PHV

 2016年10月のPHV生産台数は6,727台となった。車種別では乗用車が前月比27.6%減の5,381台、バスが同比29.5%減の1,346台となり、乗用車とバスともに前月比で減少した。

 10月に乗用PHVを生産したメーカーは8社であった。上位5社はBYD(深圳)、奇瑞、BYD(西安)、上海汽車、広汽乗用車と変わりないが、順位に若干の変動があった。6~8位の3社は生産台数を3社合わせても5位の広汽乗用車に達していない。駆動電池別に見ると、車種別販売上位のBYD 秦と唐が採用しているリン酸鉄リチウムの比率が最も高い。その他の車種は北京Benzを除き、全て三元リチウムを採用している。2016年は上海GMや北京Benzなどの外資メーカーが乗用PHVの生産を開始したが、補助金などの理由から中国メーカーを凌ぐ勢いにはなっていない。

 10月に生産されたPHVバスは中型、大型が中心である。PHVバスを生産するメーカーは10社で、前月から3社減少した。上位5社は宇通、南車時代電動、中通、北汽福田、廈門金龍となった。PHVバスの駆動電池は、マンガン酸リチウムの比率が最も高く、2ヵ月連続で80%前後を維持している。

EV

 2016年10月のEV生産台数は3.58万台となり、乗用車と特殊車両が前月比で増加した。中でも特殊車両は前月からの増加幅が最も大きく、前月比51.4%増の1,699台となった。EVバスは前月比24.1%減の6,684台であった。

 EV乗用車の生産台数は前月比28%増、前年同月比12%増の27,371台となり、前年同月比で唯一のプラス成長となった。EV乗用車を生産するメーカーは20社で、うち7社が1,000台超を生産した。上位5社は北京汽車、浙江吉利、湖南江南、BYD(西安)、奇瑞であった。北京汽車と北京ブランドは2か月連続でメーカー別、ブランド別ともに首位となった。駆動電池別では、三元系の搭載率が73%となった。一方で、リン酸鉄リチウムの搭載率は27%にまで縮小した。

 10月にEVバスを生産したメーカーは前月から3社減り、31社であった。上位5社は鄭州宇通、中通客車、BYD(深圳)、揚州亜星、南車時代電動。EVバスは全長8~10mの比率が46.5%と拡大基調にある。駆動電池ではリン酸鉄リチウムが93.6%を占めた。チタン酸リチウムの搭載車は300台超が生産された。

 EV特殊車両を生産するメーカーは30社と、前月の18社から大幅に増加した。上位5社は上汽商用車、東風、重慶瑞馳、陸地方舟、江蘇奥新であった。物流向けEVの需要増に伴い、EV特殊車両の生産は徐々に回復している。用途別では配送用車両の比率が最も多く98%に達した。

FCV

 2016年10月のFCV生産は12台で、全て佛山飛馳が生産したバスであった。バスは200kWのモーターと燃料電池、多元複合電池を組み合わせた駆動システムを採用している。地球環境ファシリティ(GEF)、国連開発計画(UNDP)、中国科学技術部による「中国燃料電池車商業化発展促進プロジェクト」の始動に伴い、FCV技術の持続的発展が期待されている。



国内動向

啓辰 (Venucia) 晨風 (e30)の2017年モデルを発売

 11月11日、東風日産は啓辰 (Venucia) 晨風 (e30)の2017年モデルを2016年11月に開催される広州モーターショーで正式に発売すると発表した。晨風(e30)は日産リーフの啓辰(Venucia)版で、2017年モデルの航続距離は300kmに達する。

観致汽車(Qoros)、広州モーターショーに出展する車両を発表

 11月10日、観致汽車(Qoros)は広州モーターショー2016に出展するクロスオーバーセダンの観致3 GT、QamFree プロトタイプ、観致3Q LECTRIQ EVコンセプトを発表した。観致3Q LECTRIQ EVコンセプトは観致3のボックスタイプがベースで、フロントグリルは密閉式になっている。航続距離は350km、100km/hまでの加速時間は7秒、最高速度は162km/h。観致汽車は2017年に観致3Q LECTRIQ EVの量産を計画している。

中通客車、新疆の新エネルギーバスを受注

 11月7日、中通客車はウルムチ市の公共バスとして全長10.5mのハイブリッドバス90台を落札した。バスは12月に納入と運行を開始する。今回の受注は新疆向け新エネルギー公共バスとしては最大の受注である。

江西特殊電機が18.4億元を調達、うち8.4億元をリチウム雲母開発に

 11月8日、江西特種電機股份有限公司 [Jiangxi Special Electric Motor Co., Ltd.]は1株当たり11.26元で非公開株を発行し、資金調達すると発表した。発行株式は1.63億株で、調達資金は18.4億元。調達資金のうち、8.4億元は年産1万トンの炭酸リチウム及びルビジウム、セシウムの総合利用プロジェクトに投資する。その他、年産20万台の新エネルギー車用モーターへの設備投資と子会社の九竜汽車への設備投資にそれぞれ5億元を投資する。

上海汽車、栄威 (Roewe) RX5のプラグインハイブリッド車を発表

 11月10日、上海汽車は栄威 (Roewe) RX5ベースのプラグインハイブリッド車 栄威eRX5を広州モーターショー2016に出展し、発売すると発表した。栄威RX5と同じアリババのインテリジェントシステムを搭載。栄威eRX5は最高出力169hpの1.5TGI直噴ターボエンジンに新型のトランスミッションを組み合わせて、最大トルク704Nmを実現した。燃費は1.6L/100kmで、航続距離は650km 、EV走行での航続距離は60kmに達する。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。