CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2015年10月

2015年9月生産は3万台を突破し、過去最高を記録

2015/11/04

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。

 2015年9月の中国における電動車生産台数は前月比で33%増、前年同月比で2倍となる34,980台(鉛酸電池搭載のEV657台、マイルドハイブリッド乗用車30台を含む)となり、初めて月次生産台数が3万台を突破した。中でも、EVの生産が増加しており、EV比率は70%を超えた。最も高い伸びを見せたのはEV特殊車両で、前年同月比で18倍、前月比で2倍近くとなった。


図1 電動車の生産台数 (2015年4月~9月)



中国国内生産

表1 電動車の車種別生産台数 (2014年9月/2015年4月~9月)

車種 2014年
9月
2015年
4月
2015年
5月
2015年
6月
2015年
7月
2015年
8月
2015年
9月
前年同月比(%) 前月比(%)
PHV乗用車 2,363 1,523 4,932 6,674 5,700 6,779 5,643 138.8 -16.8
PHVバス 1,861 956 1,512 1,656 1,660 2,142 2,453 31.8 14.5
EV乗用車 4,465 5,437 10,992 12,272 8,797 9,661 13,805 209.2 42.9
EVバス 2,073 1,457 2,369 5,543 6,371 5,365 8,876 328.2 65.4
EV特殊車両 163 480 689 1,165 1,373 1,495 2,943 1705.5 96.9
HV乗用車 559 555 520 584 698 865 1,245 122.7 43.9
HVバス 27 0 18 0 29 0 15 -44.4 -
FCV乗用車 0 10 0 0 0 0 0 - -
合計 11,511 10,418 21,032 27,894 24,628 26,307 34,980 203.9 33.0


表2 電動車の車種別生産台数 (2015年9月)

 
HV
PHV
EV
合計
乗用車
1,245
5,643
13,805
20,693
バス
15
2,453
8,876
11,344
特殊車両
0
0
2,943
2,943
合計
1,260
8,096
25,624
34,980


図2 電動車の車種別生産比率 (2015年9月)

PHV

 2015年9月のPHV生産台数は前月からやや減少し、8,096台となった。そのうち、PHV乗用車は前月比16.8%減の5,643台であった。BYD 秦の月次生産は拡大基調にあったが、9月は初めて減少に転じ、2工場合わせても4,000台に届かなかった。他メーカーのPHV乗用車も減産傾向にある。上海汽車の栄威 550PHEVは1,500台を下回り、華晨BMWの530Le PHVは前月比で40%近く減少し100台に達しなかった。PHV乗用車生産が減少した主な要因は、中国自動車市場の伸び悩みを背景に輸入中型乗用車の価格が引き下げられているため同価格帯の国産PHV乗用車との競争が激化していることや、一部の都市でPHV乗用車が新エネルギー車に対する優遇措置(ナンバープレート取得、通行規制の除外など)の対象から外されていること、などがある。

 PHVバス生産台数は前月からやや増加し、月産2,000台超の規模を維持した。PHVバスを生産する17社のうち、上位5社はPHVバス生産全体の76.2%を占めた。首位は700台超を生産した宇通で、中通、蘇州金龍、廈門金龍、廈門金旅が宇通に続く。

EV

 2015年9月のEV生産台数は25,624台(鉛酸電池を搭載した乗用EV 591台、同EV特殊車両 66台を含む)で、うちEV乗用車は13,805台となった。EV乗用車を生産しているメーカーは19社あり、上位5社(鉛酸電池搭載車は除く)は浙江吉利、北京汽車、湖南江南汽車、江淮汽車、奇瑞汽車である。上位5社が占めるEV乗用車の比率は86%に達した。

 EVバスの生産台数は前月比65.4%増の8,876台となった。EVバスを生産するメーカーも40社に増加し、過去最多となった。その結果、上位5社の鄭州宇通、蘇州金龍、南京金龍、中通客車、江蘇九龍が占める比率は56.4%にとどまった。

 EV特殊車両の生産台数は2,943台となり、7ヵ月連続で拡大した。EV特殊車両を生産しているメーカーは過去最多の31社となった。9月の上位3社は国宏汽車、重慶瑞馳、天津清源であった。

HV

 2015年9月のHV生産台数は1,260台で、うち1,245台がHV乗用車であった。主力メーカーはトヨタの現地合弁だが、8月に楼蘭(Murano) HVの生産を開始した東風日産は9月に500台超を生産した。HVバスは上海申沃と蘇州金龍の2社が15台を生産した。

電動車輸入

 2015年9月の電動車輸入は全てが乗用車で、台数は2,645台であった。電動車輸入の92%はHV乗用車が占めており、主力はトヨタである。EV乗用車はTesla Model SとBMW i3の輸入が減少したため、9月のEV乗用車輸入は200台に達しなかった。PHV乗用車はBMW i8とVWのGolf GTEが輸入された。



国内動向

国務院常務委員会が新エネルギー車の発展・促進を確定

 李克強首相が9月29日に開いた国務院常務委員会で、政府は新エネルギー車の発展に関する政策を支持することを表明した。決定事項は以下の通り。

・駆動電池やFCVなどの研究開発を支援し、コネクテッドカーの実施を試験的に展開する。
・行政機関や企業は車両更新時に新エネルギー車へ切り替える割合を明確化する。公共車両の新エネルギー車採用比率が目標に達していない地区は燃油や運営に対する補助金を減額する。
・新エネルギー車のカーシェアリングなど新たな事業スタイルを創設する。
・新エネルギー車に対する通行規制や購入制限を禁止する。現在実施している都市はすぐにやめなければならない。通行規制、購入制限ともに実施している都市は北京、上海、広州、天津、杭州、深?、貴陽。通行規制のみを実施している都市は哈爾浜、長春、蘭州、済南、成都、武漢、南昌。

TeslaとBMWが北京市の新エネルギー車リスト入り

 2015年9月30日、北京市経済・情報化委員会は公式サイトで「北京市の新エネルギー乗用車メーカーとモデルリスト(第4弾)」を発表した。今回の発表でTesla Model SとBMW i3を含む5ブランド、6モデルがリスト入りした。北京市が輸入EVをリスト入りしたのは今回が初めて。今後、北京でTeslaとBMWのEVを購入する時は新エネルギー車の購入権に対する優遇を受けることができる。

深?:「深?市新エネルギー車普及補助金管理における暫定方針」を発表

 2015年9月28日、深?市は「深?市新エネルギー車普及補助金管理における暫定方針」を発表した。深?市は新エネルギー車の購入、使用(公共バスは除く)、充電設備への投資に対して1万元から数十万元の補助金を支給する。EVバスと商用FCVの購入については、1台あたり最高50万元を補助する。対象は新エネルギー車及び充電設備の関連企業。

無錫:「無錫市新エネルギー車普及計画」を正式に発表

 2015年9月11日、「無錫市新エネルギー車普及計画」が正式に発表された。無錫市は2017年までに新エネルギー車を3,000台普及させる。2015年中にはバス100台、乗用車120台、特殊車両380台、計600台、2016年には1,000台、2017年には1,400台の新エネルギー車を普及させる。新たに大型公共施設、集合住宅地区を建設する場合は、駐車スペースの10%以上を充電が可能な施設にしなければならない。

貴州:「新エネルギー車普及促進に関する意見」を発表

 2015年9月22日、貴州省は「新エネルギー車普及促進に関する方針」を発表、各政府機関や公共事業所に対して2015年に購入、更新する車両の20%以上を新エネルギー車とするよう求めた。2016年は30%で、その後年々引き上げる計画である。また2014年9月から2017年12月まではEV、PHV(エクステンダー車を含む)、FCVの車両購入税が免除される。新エネルギー車は独立して登録を受け付け、新車登録者は自身でナンバープレートを選択でき、貴州省内のどこでも車検を受けることができる。

BYD新型e6 EVタクシー、深?に投入 航続距離は400km

 2015年9月29日、比亜迪商用車は西湖運輸集団 (Shenzhen Xihu Transport Group)に新型e6 EV 35台を納入し、深?市で大規模なEVタクシーの運用が開始される。新型e6 EV の航続距離は400km以上。

広汽トヨタ「領志」EV、2015年末に投入

 2015年4月、広汽トヨタは自主ブランド「領志」初のEVコンセプトカー「領志i1」を発表した。副総経理の黄永強氏は領志EVを2015年末に発売すると発表した。「領志i1」の全長、全幅、全高は3,930、1,695、1,555mmで、ホイールベースは2,460mm。車両重量は1,255kg。最大出力70kWのモーターを搭載。最高速度は130km/h。広汽トヨタは小型車の中では室内空間で競争力があるとしている。

ルノー、中国で「東風」ブランドEV生産へ

 東風集団の竺延風董事長は先ごろルノー研究開発センターを訪問し、東風雷諾汽車有限公司([Dongfeng Renault Automotive Company Limited] (東風ルノー) のEV生産計画を発表した。この計画は東風とルノーが合弁会社を設立した際の契約の一部であるという。「Fluence Z.E.」をベースに2017年より武漢工場で生産し、東風ブランドで販売する。

東風柳州汽車、航続距離250kmのEV乗用車を2017年に投入

 2015年10月12日、東風柳州汽車は事業戦略を表明し、今後4年で新エネルギー車を含む14の新型車を投入する。新エネルギー車についてはすでに製品計画を打ち出しており、研究開発を始めている。同社初のEVの航続距離は250kmで、2017年に投入予定である。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。