CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2014年12月

2014年11月はEV・PHVバス生産の拡大により、新エネルギー車生産が拡大

2015/01/08

中国国内生産 (概要)

このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。



図1 電動車の車種別生産台数 (2014年1~11月)

 2014年11月の中国における電動車生産台数は過去最高を記録した9月に次ぐ10,361台となり、前年同月比で4.2倍増、前月比で14.2%増となった。内訳は、EVとPHV(新エネルギー車)が前年同月比で7.6倍増、前月比で2.2倍増の9,975台(うち、鉛蓄電池搭載の乗用EVは959台、同特殊車両は176台、リチウムイオン電池搭載車は8,838台)、HVが386台である。EVとPHVはHVの26.7倍の生産規模となった。

 11月の電動車生産を車種別に見ると、乗用車は6,798台(うち乗用EV・PHVは6,523台、乗用HVは275台)で65.6%、バスは3,056台(うちEV・PHVバスは2,945台、HVバスは111台)で29.5%、EV特殊車両は507台で4.9%を占めた。また、乗用HVと乗用EVは前月から減少したが、HV・PHV・EVバスおよびEV特殊車両は増加した。EV・PHVバスは公共交通機関としての導入が進んでいるため、11月の生産は前月比2.1倍増の2,945台と、2014年9月に次ぐ規模となった。EV特殊車両も前月比で倍増している。


図2 ハイブリッド車と新エネルギー車の生産比率推移
(2014年1~11月)

図3 新エネルギー車の車種別生産比率推移
(2014年1~11月)


中国国内生産

乗用EV

 2014年11月は乗用EVが36モデル生産され、2014年は「新エネルギー(EV・PHV)乗用車の元年」と言われている。主な乗用EVモデルは、奇瑞汽車(Chery)のeQ、天津一汽トヨタの朗世(Ranz) E50、長安汽車の逸動(Eado) EVなどがある。乗用EVの多くは三元系リチウムイオン電池を搭載しており、36モデルのうち11モデル、生産規模では8割が三元系リチウムイオン電池を採用している。

 11月の乗用EV生産をメーカー別に見ると、前月に首位となった北京汽車が1,300台超を生産し、11月も首位を維持した。北京汽車の新型モデルEV200は11月に300台弱を生産。航続距離別に乗用EV生産を見ると、EV200の生産開始により、航続距離200~300kmの比率が7.5%に拡大した。

航続距離
(km)
7月生産
(台)
比率
(%)
8月生産
(台)
比率
(%)
9月生産
(台)
比率
(%)
10月生産
(台)
比率
(%)
11月生産
(台)
比率
(%)
主要用途
300超 79 2.0 29 1.1 188 4.2 256 5.6 88 2.1 タクシー
200~300 1 0.0 0 0 74 1.7 3 0.1 309 7.5 個人利用
150~200 2,670 66.2 2,041 74.9 1,912 42.8 2,067 45.2 1,869 45.1 タクシー
個人利用
レンタカー
100~150 104 2.6 13 0.5 220 4.9 161 3.5 35 0.8 個人利用
80~100 1,181 29.3 643 23.6 2,071 46.4 2,088 45.6 1,845 44.5 個人利用
合計 4,035   2,726   4,465   4,575   4,146    

注:11月は18台分の航続距離データが入手できなかったため、上記の合計には含まれていない。

表1. 乗用EVの航続距離別生産台数と比率 (2014年7~11月)

乗用PHV

 BYDの秦(Qin)は乗用PHV生産で首位を維持しており、11月の生産台数は1,800台弱であった。秦(Qin)の競合車は上海汽車の栄威(Roewe)550PHEVや広州汽車の伝祺(Trumpchi)、江淮汽車(JAC)の和悦iREV等がある。栄威(Roewe)550PHEVは11月の生産台数が500台で、2位となった。

 ハイブリッドシステムは秦(Qin)がパラレル式 、栄威(Roewe)550PHEVがシリーズ・パラレル式、和悦iREVがシリーズ式を採用。燃費では和悦iREVが2.8L/100kmと、乗用PHVでは最高の数値となっている。

HVバス

 2014年11月のHVバス生産は前月比3.7倍増の100台強となった。HVバスは中国政府からの補助金が受けられない影響で、2014年6~8月は生産されていなかった。しかし、9月に生産が再開されて以降は拡大基調にあるため、一定のHVバス需要があると考えられる。

電動車輸入

 2014年11月の乗用EV輸入台数は518台で、514台はTesla MotorsのModel S、4台はBMW i3となった。2014年1~11月の輸入台数ではModel Sが4,000台、i3が150台である。PHVのBMW i8は11月に18台輸入された。乗用HVの輸入台数は2,633台で、うちトヨタのLexusブランドが1,800台強を占めている。



国内動向

工業情報化部、新エネルギー車の普及に関する進捗状況を発表

 中国の行政部門である工業情報化部は省および都市における新エネルギー車の普及に関する進捗状況を発表した。39地域における新エネルギー車の普及台数は、2013年1月~2014年9月が3.86万台、うち2014年1月~9月が2.05万台であった。普及率が高い省および都市は安徽省合肥市、浙江省、上海市、河南省鄭州市、江蘇省である。2014年10月末時点で、65の都市で新エネルギー車の普及政策が打ち出されている。

新エネルギー車の新型車、三元系リチウムイオン電池を採用

 北汽新能源汽車の新型モデルEV200は韓国SK社の三元系リチウムイオン電池を搭載している。航続距離は複合で200km超、エコモードで260kmを実現。旧型のE150と比較すると、電池サイズは同等で、容量は20%超拡大した。車両総重量はE150が1,370kg、EV200が1,290kgで、軽量化により航続距離が向上している。

 奇瑞汽車(Chery)が2014年11月に発売したEV eQも三元系リチウムイオン電池(容量は72Ah、電圧は310.8V)を搭載している。充電時間は8~10時間。航続距離は複合で200km超。今後、奇瑞汽車が投入する全てのEVが三元系リチウムイオン電池を搭載する可能性がある。

広汽ホンダ、2016年に中国でHVを現地生産

 広汽ホンダが発表した新エネルギー車の開発計画で、HVの現地生産スケジュールが明らかにされた。同計画によると、広汽ホンダは2015年にEV理念(Everus)を、2016年に現地生産したHVを市場投入する。広汽ホンダが20億元を投資して建設している研究開発センターは2014年12月までに完成する。

一汽トヨタ、EV朗世(Ranz) E50をラインオフ

 一汽トヨタは2014年11月29日、自主ブランド「朗世(Ranz)」の第一弾モデルとなるEV E50をラインオフしたと発表した。工場は天津一汽トヨタの泰達工場。販売価格は25万~30万元。一汽豊田技術開発有限公司は2012年に花冠(Corolla)セダンをベースにしたEV 朗世 E50のプロトタイプを開発。E50はすでに少量生産が可能で、間もなく実証試験を開始する。

深センBYDダイムラー、EV 騰勢(Denza)を深セン市で発売

 BYDとダイムラーの合弁会社である深センBYDダイムラーは2014年11月28日、深セン市でEVの騰勢(Denza)を発売した。2つのグレードが設定されており、販売価格は36.9~39.9万元。

 深セン市では騰勢を購入すると、中国政府と深セン市政府から購入補助金が受けられる。「時尚版(グレード)」の販売価格は36.9万元だが、中国政府と深セン市政府からそれぞれ5.7万元の補助金を受けられ、更に深セン市の車両取得税も免除される。そのため、実質の負担額は25.2万元となる。

北汽新能源汽車のEV200が北京でラインオフ

 北汽新能源汽車は2014年11月14日、北京大興采育工場で新型EVのEV200をラインオフした。EV200は韓国SK社の三元系リチウムイオン電池を搭載。航続距離は複合で200km超、Ecoモードだと航続距離は13%向上する。EV200はPM2.5エアフィルターエレメントを採用した空気清浄器を搭載しており、車内のPM2.5と空気汚染物質を5分以内に80~90%、20分で95%以上駆除できる。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center: 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。北京CATARC科学技術センター(CATARC自動車産業発展研究所)はCATARCの北京事務所で、中国自動車産業推進政策及び方針の研究、自動車業界標準及び技術法規の策定を行う。