分析レポート パワーステアリング (欧州・米国市場編)
大型商用車の電動パワーステアリング採用動向
2025/08/21
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Ⅰ. はじめに
ステアリング機構はクルマの基本性能である“走る・曲がる・止まる”のうち、“曲がる”つまり操舵性能を左右する重要な製品である。クルマが大衆化を歩んできた歴史を振り返ると、自動変速機やエアコンなどとともにステアリング操作を容易にするパワーステアリングの登場は、運転を容易かつ快適にする仕掛けの一つであるといえる。近年になりシステム冗長性を持たせた高機能化が進められており、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代における重要機能部品の一つになってきている。 本稿では、乗用車を中心とした欧州生産モデルと米州生産モデルにおける欧米のパワーステアリング・システムサプライヤー4社(Bosch、Nexteer、thyssenkrupp、ZF)を中心に取り扱う。欧米市場生産車にも搭載されているジェイテクト、日本精工(NSK)、Astemoなどの日系のシステムサプライヤーについてはパワーステアリング(日本市場編)を参照願いたい。 また、大型商用車のパワーステアリングも電動化の兆しが出てきた。ブレーキとの協調制御、隊列走行や自動運転化など業界動向などを掲載する。