電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年8月
8月の電気自動車販売台数は前年同月比16.4%増の126.6万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2024/09/26
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2024年9月24日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における8月の電気自動車販売台数は126.6万台だった。前年同月比で16.4%、前月比では7.1%の増加となった。8月の電気自動車シェアは25.8%で、前月から1.7ポイント増加した。前年同月比でも4.6ポイント増となり、過去最高だった2023年12月の24.6%を上回る結果となった。1~8月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比21.7%増の860.0万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは21.7%となった。
HVの8月の販売台数は前年同月比で9.0%増、前月比9.2%減の36.2万台だった。シェアは前月から0.7ポイント減の7.4%となった。1~8月のHV累計販売台数は309.2万台、前年同期比で15.2%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.8%だった。
欧州委員会は8月20日、中国製EVへの相殺関税についての草案を公表した。これは現行の輸入関税である10%に上乗せされるもので、追加される関税率はBYDに17.0%、吉利に19.3%、上海汽車に36.3%となっている。また、調査に協力したメーカーに21.3%、非協力的だったメーカーには36.3%の追加関税が課せられる他、上海工場から輸出を行っているTeslaに関しては個別で9%の税率が設定された。中国はこの追加関税案に対し、8月9日にWTOへ提訴しており、20日の草案公開後にも断固反対すると述べた。中国側は今回の関税案はEU側の恣意的な調査に基づく一方的なものであるとし、双方が共同で認めた事実ではないとして、EU側が中国に歩み寄り、解決案を検討することを求めている。
8月26日にはカナダでも10月1日から中国製EVに100%の追加関税を課すと発表された。また、米国通商代表部(USTR)は9月13日、中国製品に対する関税の大幅な引き上げを行うことを最終決定したと発表した。EVの関税は25%から100%に、EV用リチウムイオン電池の関税は7.5%から25%に引き上げる。中国製EVを取り巻く状況はますます複雑化している。
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