トヨタ:2011年世界販売の44%は新興国市場

新小型車Etiosをインドとブラジルで生産、中国での開発体制を強化

2011/01/05

要 約

 以下は、インド、ブラジル、アルゼンチン、タイ、中国など、日米欧以外の新興国市場での、トヨタの動向概況である。

 トヨタは2010年5月、グローバル生産体制の再編に関して、中国やインドなど成長著しい新興国については、拡大する各地域の顧客の需要にタイムリーに応えるため、現地生産を拡大すると発表した。

 トヨタは、2010年12月にインドで新開発小型車Etiosを生産し発売した。また中断していたブラジル第2工場の建設を開始し、Etiosをベースに中南米向けに改良した新型小型車を2012年後半から生産する。

 インドでは、円換算で60~80万円程度の小型車が需要の中心だが、トヨタはこれら価格帯での競合は避けながらも、49.6万ルピー(約92.8万円)からの価格とし、Corollaの半額以下の価格を実現した。

 タイとアルゼンチンでは、IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicles)の生産能力を増強し、IMVの世界生産能力は15%拡大し90万台になった。

 中国では、従来からの合弁会社に設置した開発拠点に加えて、全額出資の研究開発会社を設立する。また建設を中断していた長春新工場を2012年前半に稼働させると発表した。2012年にEV/PHEVを現地生産する計画。

 トヨタは2010年12月に、2011年の生産・販売計画を発表した。グローバル販売770万台のうちアジアで206万台を販売する計画。日米欧を除く新興国市場の比率がグローバル販売の44%に拡大する。

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