Renault Group:「Ampere」が発足、2031年にEV100万台販売を計画
Geelyと共同出資でICE・HEVのパワートレインを供給する「Power」を設立
2024/07/12
- 要約
- EVおよびソフトウエア会社「Ampere」が2023年11月に発足
- 2026年にSoftware-Defined-Vehicle(SDV)を投入
- 2027/2028年に投入する次世代CセグメントEVのコストを40%削減
- AmpereのEVラインアップ
- Ampereの生産体制:フランス北部のElectriCityに集中
- Ampereの数値目標
- 「POWER」設立、EVバン生産会社設立、Renault KoreaでEV Polestar 4を生産
- Renault Groupの業績:2023年に売上高と営業利益が拡大
- GlobalData販売予測:ルノー・日産・三菱アライアンスの2027年販売は717万台
要約
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次世代Renault Groupの5つの事業分野(出典:AmpereのCAPITAL MARKET DAY(2023.11.15)) |
Renault Groupは2022年11月に、5つの事業分野に焦点を合わせた次世代の自動車会社を目指すと発表した。その1分野としてEVとソフトウエアの会社「Ampere(アンペア)」が2023年11月に発足し、投資家向け説明会“CAPITAL MARKET DAY”において、2031年までの計画 “AMPERE: THE EUROPEAN CHALLENGER” を発表した。この計画のサブタイトルは“Tech Excellence and Operational focus to Democratize EV ”で、優れた技術とコスト低減によりEVの普及を目指している。
Ampereは2030年までに欧州のEV市場ではBおよびCセグメント車が75%を占めると見込み、この市場を主なターゲットとしている。EVラインアップとしては、2025年に4モデル、2031年に7モデルのラインアップを揃え、同年に100万台販売、売上高250億ユーロ、営業利益率10%強を目指している。
2026年にはSDV(Software-defined Vehicle)を投入する。SDVは、集中型電子アーキテクチャを採用し、常時クラウドに接続。車を永続的にアップグレードすることが可能になり、車の残存価値を引き上げ顧客のロイヤルティを高める。このことは、今後EVがこれまでのニッチ商品から主流の商品に発展していくうえで、重要な役割を果たすとしている。Qualcomm TechnologiesやGoogleと協力してSDV開発を促進する。
また、2027/2028年に投入する第2世代のCセグメントEVは、第1世代車比でコストを40%削減し、ガソリン車と同等の価格を実現する。既に、現行Scenic E-Techの総保有コスト(Total Cost of Ownership)は、ハイブリッド車と同等レベルを実現しているという。
なお5つの事業分野のうち、ICE・HEVのパワートレインについては、Geely(吉利汽車)と折半出資で「Power」を設立した。将来、500万基のパワートレイン生産体制構築を目指す。
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