スズキ:インドで2030年に400万台超の生産能力を構築

世界戦略車「eVX」を2025年からインド、日本、欧州に投入

2024/03/13

要約

2025年から世界に導入する「eVX」
(Japan Mobility Show 2023に出展)

 本レポートは、スズキの最大市場であるインドでの今後の計画と、多様なスタートアップ企業と協業して進めているモビリティ各分野の技術開発について報告する。

 インドは2022年から日本を上回る世界第3位の規模の自動車市場となった。さらに2030年には四輪車市場全体で600万台規模への拡⼤が期待できるとし、マルチスズキはシェア50%となる300万台の販売を目標としている。

 生産能力については、インド国内向けの300万台の販売台数に加え、100万台規模までの拡⼤が見込まれる輸出事業の需要に応じるため、2030年までに400万台超の生産能力構築を目指している。

 スズキは、インドでは2070年にカーボンニュートラル達成を目指し、2030年度までにBEV 6モデルを投入する。2023年1月に開催された「Auto Expo 2023」で初公開したEV世界戦略車第一弾「eVX」を、2025年からインド国内だけでなく、日本、欧州をはじめ世界に導入していく。

 なお、インドでのカーボンニュートラルに向けた取り組み全般については、BEV、HEVによる電動化に加えて、圧縮天然ガス(CNG)車、バイオ燃料車、さらには水素を使ったモビリティを組み合わせる「マルチパスウェイ」で進める方針。インドにおける2030年度のBEV比率の目標は、充電設備設置の状況やエネルギー事情などを考慮し、15%としている(日本は20%、欧州は80%)。

 スズキはエリーパワーとリチウムオン電池を共同開発している。また、浜松での自動運転実証実験に参加、さらに空飛ぶクルマ、自動運転可能な電動台車、自動配送ロボットなどの開発を進めている。

 

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