BYD:新ブランド「仰望」、「方程豹」を発表
NEVの中核技術を自主開発、中国での生産能力は480万台へ
2023/12/18
- 要約
- ブランド:「仰望(Yangwang)」「方程豹(Fangchengbao)」を発表、製品ラインナップを拡充
- コア技術:オフロードスーパーPHVプラットフォーム、四輪独立アーキテクチャ、インテリジェント車両制御システム等
- 垂直統合の生産体制:コア技術の確立、供給能力の確保
- 生産能力:BYDの中国国内生産能力は約300万台から約480万台に
- 海外工場:欧州、ブラジル、タイなどに工場の建設を計画
- 経営状況:2022年の売上高は急上昇、従業員数は前年比97.8%増
- BYDの中国国内販売台数(工場出荷台数)
要約
仰望(Yangwang)U8ラインオフ (出所:BYD公式サイト) |
BYDは2023年に入り、高級ブランド「仰望(Yangwang)」に続いて、オフロードブランド「方程豹(Fangchengbao)」を発表し、新エネルギー車(NEV)のラインナップを拡充している。
BYDはEVとPHVのコア技術を自主開発している。細長い角形のブレードバッテリーはCTP(Cell to Pack)に続いて、車体と一体化したCTB(Cell To Body)バッテリーを開発。EV向けの「eプラットフォーム3.0」やPHV用の「DM-i/DM-pハイブリッド技術」のほか、四輪独立駆動アーキテクチャ「易四方(Yisifang)」、インテリジェント車両制御システム「雲輦(DiSus)」などの独自技術も発表している。
BYDの研究開発人員は9万人を超え、世界で累計4万件を超える特許を出願し、2.8万件超の特許権を取得している(2023年7月時点)。2022年の研究開発費は前年比90.3%増の202.2億元。こうした研究開発体制が同社のNEV技術の飛躍を支えている。
BYDの公式発表によると、2023年11月の乗用車販売台数は前年同月比31.1%増の30.1万台となり、2カ月連続で30万台を突破した。1~11月の累計販売台数は267.2万台に達し、すでに2022年の販売台数(186.9万台)を超えている。
乗用車の輸出は2023年11月単月で前年同月比148.7%増の30,629台。BYDの乗用車はすでに日本、ドイツ、オーストラリア、ブラジル、UAEなど70の国と地域、400余りの都市で販売されている。また、海外生産拠点の建設を加速しており、タイでの工場建設に続いて、2023年7月にはブラジル工場を新設すると発表した。
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