中国市場2023年第2四半期:政府系大手、外資がNEV戦略を発表

上汽はAI分野を推進、Fordと現代自は中国戦略の見直しを図る

2023/07/27

要約

现代汽车氢燃料电池系统广州工厂
現代自の燃料電池システム広州工場(出所:現代自動車)

 中国汽車工業協会(CAAM)の2023年7月11日の発表によると、2023年1-6月の販売台数(工場出荷台数)は前年同期比9.8%増の1,323.9万台で、このうち乗用車は前年同期比8.8%増の1,126.8万台、商用車は前年同期比15.8%増の197.1万台となった。新エネルギー車(以下、NEV)は前年同期比44.1%増の374.7万台となり、市場占有率は28.3%となった。

 本レポートは、2023年第2四半期の中国自動車メーカー及び外資大手メーカーの中国市場における主な動向について紹介する。複数の政府系完成車メーカーはNEVへの転換計画を発表した。上汽集団は2025年までにNEVの年間販売台数を350万台に引き上げ、うち自社ブランドの比率70%を目標に掲げる。一汽集団は2025年までにNEVの販売台数を145万台に引き上げ、うち自社ブランドの比率50%超を目標とする。東風汽車はNEV乗用車を18モデル投入し、2025年までに自社ブランドのNEVの比率を乗用車で50%とする計画。広汽集団の伝祺(Trumpchi)ブランドはXEV(PHEV/REEV/HEV)への転換を計画。長安汽車傘下のEVブランド深藍汽車(Deepal)は2025年までに6モデル発売し、5年以内に販売台数100万台超を目指すとした。

 外資大手メーカーも電動化へのシフトを加速し、電動車の投入計画を次々に発表した。VWは安徽省にEVの研究開発センターと調達センターを建設し、2030年までにEV30モデル超を投入。BMW2023年にEV11モデルリリースすると発表。GM2025年末までにUltiumプラットフォームをベースとしたEV15モデル超リリースする計画である。ホンダは2027年までにEV10モデル投入し、2035年までにEV販売比率100%を実現する計画である。日産は2026年までにEV7モデル発売し、Venuciaブランドは毎年少なくとも2モデルの新型NEVを発売する計画。現代自は海外初の燃料電池システム工場を広州に竣工し、2024年までにFCV1,500台販売する計画。

 

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