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【ものづくり】自動車の革新を支える材料技術の最新動向

人とくるまのテクノロジー展 2018:アルミ加工、異種金属接合、金属造形3Dプリンターなど

2018/06/12

要約

  本レポートは2018年5月にパシフィコ横浜で行われた「人とくるまのテクノロジー展2018」におけるフォーラム「自動車の革新技術を支える材料技術の最新動向Ⅱ(軽金属・化成品)」の中から、下記の講演内容について報告する。

 

自動二輪車における材料技術の最新動向(ヤマハ発動機)

  自動二輪車、特にスーパースポーツはコンパクトで軽量、高性能であることが要求されるので、二輪レースで培った技術を市販車へと展開している。使用材料ではアルミニウム、マグネシウム、チタンなどを高精度加工技術や表面処理技術を多用して実用化している。また、近年では、自動二輪車においても地球環境への対応が要求されており、燃料消費量の低減、排出ガスの削減、電動化への対応に取り組んでいる。

 

Al/Fe異種金属接合における界面創製を目指して(東北大学)

  鉄鋼の一部をアルミニウム合金に置き換えるマルチマテリアル化は構造体の軽量化が見込まれるため、自動車産業において注目されている。鉄鋼とAl合金の異種金属接合は軽量化に必要不可欠な技術であるが、異種金属接合界面には脆弱なFe-Al系金属間化合物(IMC)層が形成され、機械的特性を著しく低下させることが問題となっている。本講演ではこの解決策を検討した結果が報告されていた。

 

アルミダイカスト部品
人とくるまのテクノロジー展2018 リョービの展示より

加圧式金属鋳造法によるアルミニウム厚肉品製造技術の開発(リョービ)

  車両の軽量化は燃費向上に貢献することから、従来の鋳鉄からアルミニウム合金へ材料置換が行われている。足回り部品であるナックルも材料を鋳鉄からアルミニウム合金へ置換することで30~50%軽量化できるため、その要求が高まっている。しかし、ダイカスト製法はナックルのような厚肉で肉厚変化の大きい製品には不向きであり、厚肉品の製造に適した重力鋳造、低圧鋳造、スクイズダイカストではコスト高になる。
  このような厚肉部品に適し、コンパクトな設備かつ短いサイクルタイムで高品質な鋳造が可能なGDスクイズ鋳造法を開発した。

 

軽金属プロセス全般に関わる3Dプリンターの変遷と展望(産業技術総合研究所)

  従来、3Dプリンターは迅速試作技術として、光造形法を中心に、樹脂素材を造形し、形状確認や設計上の機能評価に用いられていた。しかし、今後はRP(ラピッドプロト)の用途は減少し、代わりに製品や部品製造への用途展開が実用化されつつある。ここでは、金属部材製造を目指した金属造形3Dプリンターの課題と展望についてまとめた。

 

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