BMWの電動化: 2025年にEVを12車種に拡大
電池研究施設を新設、セルから材料まで研究して性能向上を目指す
2018/03/23
- 要約
- BMW: 今後の重要な技術分野
- 各国・地域の環境規制と、E-Mobilityポートフォリオを決める要素
- BMWの電動化に向けた取り組み
- 内燃エンジン車、EV、PHVで共有できるプラットフォームを開発
- E-Mobility systemの重要部品を内製化、共通化し効率アップ
- BMW: 電池のセル・材料を研究し、性能アップを目指す
- 電池の開発:高ニッケルの正極、シリコンを使用する負極を検討
要約
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フランクフルトモーターショー2017に出展したBMW i Vision Dynamics、EV走行距離は600km、最高速度200km/h、Tesla Model Sの対抗車とされる。 |
本レポートは、2018年2月28日~3月2日に開催されたバッテリージャパン2018における、BMW AG Battery Technology担当 荻原 秀樹 氏による「BMWの電動化に向けての取り組み」と題した講演の概要を報告する。
BMWは、EVのi3を2013年に、PHVのi8を2014年に発売した。2017年にEVとPHVを合計10万台(BMW全車販売250万台の4%)販売し、同年末までに累計20万台の販売を達成した。2025年までにEVを12車種、PHVを13車種、合計25車種を揃える計画(現在のラインアップは、EV 1車種、PHV 8車種、合計 9車種)。
PHVについては、既に専用車i8に加え、7/5/3シリーズなど主要モデルに設定している。EVも専用車i3に加えMINI、X3などに設定し、2025年の12車種に向け一気に拡大していく。2021年にも投入する「BMW i Vision Dynamics」の航続距離は600km、最高速度200km/h、「BMW iNext」の航続距離は700kmで、自動運転機能も備えるとされている。BMWは、E-Mobilityにおいてもプレミアムセグメントをリードしていく方針。
BMWは、駆動用電池については、セルを外部から調達し、モジュール化とシステム化を自社で行ってきている。しかし電動化車両のパフォーマンスを決めるのは電池性能であり、2012年からセルの研究を進め、現在2億ユーロを投資し電池の研究施設「BMW Competence Center Battery Cell」を建設中で、2019年初めに完成する予定。この研究施設で、EVで600~700km、PHVでは100km程度のEV航続距離実現を目指すとされる。
さらに2025年での電池セルの目標スペック(エネルギー密度、コストなど)を決め、現状との乖離を埋めていく計画。特に、高ニッケルの正極と高シリコンの負極の開発について紹介した。
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