IAA 2017:ドイツメーカーはEVシフト強化を前面に
e-モビリティ戦略を加速するコンセプトカーや新車を発表
2017/10/06
- 要約
- BMW:i Vision Dynamicsコンセプト、Mini Electric Conceptでe-モビリティと伝統を融合
- Daimler:EQコンセプトとGLC F-Cellを披露、電動車ポートフォリオを拡大
- VW:Audi A8を披露、VW I.D. Crozz、Elaine、Aiconなどコンセプトカーを出展、幅広いテクノロジーを紹介
要約
BMWのプレスカンファレンス サブブランドBMW iのラインナップを披露 |
ドイツのフランクフルトで2017年9月10日から24日まで開催された国際モーターショー(IAA) 2017は、9月16日から一般公開された。IAA 2017には39カ国から994社が出展。50を超える乗用車ブランドには、IAA初登場となるWEYと奇瑞(Chery)の中国メーカー2社も含まれている。IAA 2017のスローガンは「Future now」。
VWのディーゼル排ガス不正スキャンダル(別称ディーゼルゲート)は、2015年のIAA開催中に公表された。ディーゼルエンジンの欧州市場でのプレゼンスと重要性にもかかわらず、ディーゼルゲートがディーゼル車のイメージに与えたダメージは極めて大きかった。ドイツの連邦自動車交通局(KBA)によると、2017年8月の国内新車販売に占めるディーゼルエンジン車のシェアは37.7%で、前年同月から約14%ポイント減少している。ドイツの自動車メーカーはディーゼル車の重要性は変わらないとしながらも、製品ラインナップ全体にわたる電動モビリティ戦略の計画と展開に着手している。
3大ドイツメーカーはそろって、これまでに発表してきた電気自動車のラインナップを更に前進させるコンセプトカーを披露した。BMWは、サブブランドBMW iに追加する、i Vision Dynamicsのコンセプトを公開。 Daimlerは、Concept EQAコンパクトカーとsmart vision EQ fortwoの追加により、EQシリーズを拡充。VWは上海モーターショーで発表したI.D. Crozzを刷新した。
本稿はIAA 2017の展示車両に焦点を当てたレポートの第1弾として、ドイツOEMのBMW、Daimler、VW各社の電気自動車とEVコンセプト展示を中心に報告する。次回以降は、ドイツメーカーによるEV以外の注目すべきモデルや、他地域の自動車メーカーによる展示をレポートする予定である。
関連レポート:
欧州市場:乗用車販売は1,500万台超、ディーゼル車は5割以下に減少 (2017年8月)
VWグループ(下): 新経営戦略「Together - Strategy 2025」を実施 (2017年6月)
電動車(xEVs)とリチウムイオン電池の動向(その3) (2017年4月)
BMW i3 バッテリーシステム (2017年4月)
欧州自動車メーカーのEV戦略: ダイムラーが新ブランド設立 (2016年12月)
電動車の市場予測について、全世界の国別、モデル別予測データ(~2027年)もご案内しております。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。